土曜日、仕事のあとで聴きにいつたレナード・スラットキン氏指揮NHK交響楽団の演奏会は面白かったです。プログラムはスラットキン氏の十八番。最初のペルトの瞑想曲、私にとつては初聴きで興味津々でしたが、予想通りといふか、じつに佳い曲。楽器間の掛け合ひが美しくて面白かつたです。次のナージャ・ソネンバーグさんを独奏者に迎へてのバーバーのヴァイオリン協奏曲ト長調。この曲、たしか昔、何年も前にアン・アキコ・マイヤースさんをソリストに迎へてスラットキン氏とNHK交響楽団が演奏したことがあつたやうにおもつてゐましたが、勘違ひだつたやうです。今回の演奏、ドライブするスラットキン氏の練達タクトの脱力と的確に圧倒され引き込まれました。惜しむらくは、オーケストラの音量に比してのナージャさんの抑へたヴァイオリン音量が私にはやや小さすぎてちと物足らなかつたこと。アンコールはソリストとオーケストラによる粋なガーシュイン。こちらのナージャさんは素晴らしかつたです。休憩後はメインのチャイコフスキーの悲愴交響曲。スラットキン氏のチャイコフスキーシンフォニーは私には初めてだつたかも。これは最高に絶品でした。これまで何べんも何べんも頭のなかで鳴らしてきたこの曲のポケットスコアのページの様子を思ひ浮かべながら聴きましたが、スラットキン氏のタクトが導き描き出す音楽は深みがあつて豊かでじつに素晴らしかつたです。私がいままで聴いてきた悲愴交響曲の演奏のなかで最高のひとつかもしれないと思ひました。それ位に感動しました。
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