「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

マスコミの無礼 老人ホーム殺人事件被害者の個人情報

2017-11-16 06:05:06 | 2012・1・1
東京中野の有料老人ホームで83歳の男性入居者が介護者によって浴槽の中で溺死させられた。あまりにも、こういった事件が多すぎる。被害者とほぼ同年齢、要介護1、身障者手帳4の認定を受けている僕にとっては他人事とは思えない。しかも、この施設は案内のHPによると、入居費980万円、月利用料22万6千円もする施設なのである。

この事件で僕が不愉快に感じたのは、事件の被害者について、テレビや新聞が写真までだ出して報道していることだ。亡くなられた方は難病で手足が不自由で日常的に介護が必要であった。多分、シモの世話も自分で出来なかったに違いない。だからこそ、高額な費用を払い施設に入居していたのだ。多分、人間の尊厳にかかわる問題を他人の世話になることに、ご本人は忸怩たるものがあった違いない。

それなのに、マスコミは事件そのものに無関係の個人情報を”暴き”出すかのように書いている。個人が生前、大学付属の中高一貫校の校長をされていたことや、人格者で、敬虔なクリスチャンであったことなど事件にはあまり関係ないことだ。

先日の座間遺体遺棄事件の時もそうだったが、マスコミは九人の犠牲者の写真を一斉に発表した。被害者の家族、関係者にとってはやりきれないことだ。さすがに、マスコミ内部からも、昔からのこの慣行に批判が出ているようだが、難病のため、無念な最後を遂げられた、この方の写真を見て、マスコミの個人情報の無礼な扱い方について、改めて一考すべきだと思った。