「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

長寿の街 東急田園都市沿線

2013-08-02 06:10:53 | Weblog
厚生労働省から平成22年の国勢調査に基づく全国1898市町村の平均寿命が発表になった。男性の日本一は長野県の松川町の82.2歳、女性は沖縄県北中城村の89.0歳であった。最近、この種の調査で長寿といえば、沖縄県や長野県だが、首都圏に住む僕が注目しているのは、この調査で毎回、東急田園都市沿線の街が上位にくることだ。

今回も川崎市宮前区が3位、前回1位だった横浜市青葉区が8位、田園都市線に隣接する横浜市都築区が3位にランクされた。田園都市線は東京と横浜を結ぶ路線で、1969年戦前からあった大井町線(大井町―溝の口)と玉電(渋谷―二子玉川)がそれぞれ延長されてつくられた。現在は渋谷から長津田を結ぶ路線をさす比較的新しい路線だ。新しく線路が敷かれた溝口から長津田までの沿線は、かっては山林と畑の間に農家が点在する田園地帯であった。

1970年から80年代にかけての高度成長期に当時の持ち家ブームもあって沿線は一挙に開発された。都心に住んでいた僕の旧友数人もこの時家を新築したり高級マンションを買って移っていった。おそらく沿線に住む人たちの大半は、旧友と同じように、都心に勤め先を持つサラリーマンだろう。老後の生活を考えてあらかじめ環境の良い地に引越し、ゆうゆうと厚生年金で生活している人たちだ。

多分、住宅ローンの支払いも終えて夫婦二人で老後を楽しんでおられるに違いない。僕らの世代はこうして、ある程度年金で老後を送れる夢が描かれた。しかし、少子高齢化によって年金制度が崩壊しつつある。一日も早く、社会保障制度の改革を急ぎ、次世代も、せめて田園都市線沿線で老後が楽しめるような政策を急いでもらいたいものだ。