「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”超”後期高齢者の元気の源

2008-10-30 05:28:19 | Weblog
関西のある大学の学長をされた大先輩から新しく出版された「コイン随想」という本を
頂戴した。先生は今年90歳、卒寿の”超”後期高齢者である。この世代は先の戦争
の従軍経験者が多く、時には僕ら昭和一桁世代より元気だ。

「コイン」は先生の専門ではない。趣味の分野だ。本業の研究のかたわら、数十年に
わたって蒐集してきた、今言葉でいえば"オタク”のコレクションである。出版された本
は、この"オタク”についての随想である。「コイン」にはまったく門外漢の僕だが、読ん
でみるとなかなか面白い。

例えば、ヨーロッパのサンマリノ共和国が昨年、天正遣欧少年使節を記念して発行し
た2枚1組の記念金貨である。5スクード金貨には神武天皇の肖像が描かれ、2スクー
ド金貨には神武天皇を祀る橿原神宮の外観が描かれている。今の日本人の中には、
橿原神宮はおろか神武天皇の名前すらしらないというのにである。多分、特定の蒐集
家に売りだされたものだろうが、誰がデザインを発想したのか興味ぶかい。

馬齢を重ねると、若い時に比べて気力体力それに財力がうせてくる。一つの道に集中
できなくなってくる。それなのに戦争生き残りの長寿の方は、なにか一つにこっている。
インドネシア協会の参与のI氏(88)もそうだ。インドネシア関係のどんな会合にも顔を
だし、写真を撮りまくる。そして、その写真を現像焼付けして相手にプレゼントする。これ
がI氏の生きがいなのだ。長寿の秘訣は頑固なまでに一つのことにこることかもしれない。
僕も頑固にブログを書き続け、これにあやかりたいものだ。