「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    レバノンの悲劇

2007-06-26 05:09:54 | Weblog
レバノンで国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のスペイン軍部隊の車両が爆
破され、スペイン、コロンビア両軍の兵士6人が死亡した。イスラム・
シーア派の武装勢力、ヒズボラとイスラエルとの戦闘に巻き込まれた
”らしい”。”らしい”というのは、この国は1975年の内戦以来、隣国の
シリア、イスラエル、それにスンニ、シーアのイスラム、キリスト教マロ
ン派の抗争が入り乱れ、はっきりとした原因がつかめない。

レバノンは中東では珍しく砂漠がなく地中海に面した温暖の地で、かっ
ては”中東のパリ”とも呼ばれた町だった。1962年、僕がこの町を訪れた
時はまさにそうだった。”マリン・スポーツとウィンター・スポーツが同時に
楽しまれ、アラブの富豪がカジノで豪遊していた。

1975年の内戦で、町は破壊され、1978年のイスラエル軍の進攻で破壊
に拍車がかけられ、今は昔の面影はないそうである。僕が泊まった瀟洒
なホテルのテラスも破壊された。

10数年前、パレスチナ難民機構から来たレバノン国籍の研修員の世話をし
たが、4人とも心が”屈折”していて関係者泣かせであった。”猜疑心”が強く、
日本の風土になじもうとしなかった。彼らはレバノンのパレスチナ難民キャ
ンプの生れであった。

国連レバノン”暫定”軍といっても、1978年の創設で、すでに30年近くたって
いる。”暫定”ではなく、常設軍である。この国連軍をいつまでも必要なところ
にこの国の悲劇がある。