「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

歴史と神話の混在の「国史」

2006-09-11 05:54:36 | Weblog
きのう東京・目黒の大鳥神社でご鎮座1,200年の大祭があった。むかし目黒が
まだ村であった頃の総鎮守さまである。主祭神は日本武尊(やまと・たけるの
みこと)で東征のさいここに立ち寄ったのが縁起だとのこと。記紀の記述に
よれば、日本武尊は第12代、景行天皇の皇子で2世紀の人物。(5,6世紀と
いう説もある)

ご鎮座された1,200年前、806年は第50代、桓武天皇の時代で、坂上田村麻呂
(758-811)が征夷大将軍として東北の夷を征伐していた時代である。記紀の
記述では日本武尊も景行天皇の命で東国の熊襲を征伐したとある。なにか両者
の間に類似性みたいなものを感じる。

戦前、僕らが習った「国史」は歴史と神話が混在していた。大鳥神社の相殿神、
弟橘媛命(おとたちばなひめ・のみこと)が日本武尊のために自ら身を投じ
て波を鎮めた話は教科書にもあった。学校では歴代の天皇の名前をジンム、
スイゼイ、アンネイ、イトク、コウショウ、コウアンーと棒暗記させられた時代
であった。

「国史」はどこまでが歴史でどこまでが神話なのかわからない。しかし、どこの
国も国の創世記はそんなものらしい。せっかく記紀の時代から綿々と伝えられた
神話である。これを単に神話だからという理由で切り捨ててしまうのには抵抗を
感ずるがー。