「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

関東大震災と流言 危機管理

2006-09-01 06:13:57 | Weblog
関東大震災から83年目。直接体験された方が年々少なくなっているが、
僕の知り合いには二人おられる。一人は今年90歳、東京の牛込で遭遇、
下校時(小学校1年)道路脇の電信柱にへばりついた記憶。もう一人は
92歳、地震よりもいわゆる”朝鮮人暴動”で地震の夜、近くの白金火薬庫
跡に避難した記憶。二人とも少年時の体験だが、強烈だったようだ。

震災時の記録によると、朝鮮人が各地で暴動を起こし、石油で放火した後
爆弾を仕掛けているというデマが地震発生直後広まった。まったくの流言
だったが、不幸にもこの流言が引き金で”自警団”によって殺された犠牲
者は233人に上っている(政府発表)。地震後のパニックで情報が正しく
伝達されなかったのが原因だが、政府の危機管理体制にも問題があった。
たまたま内閣の首班、加藤友三郎氏が8日前に急逝し総理が不在であった。

関東大地震はM7・9、死者行方不明10万余の犠牲を出したが、当時は
まったく想定外のことだったと思う。いわんや震災後の危機管理など
具体的な対策など立てていなかったのではないか。流言飛語などによる
暴動など考えてもいなかった。震災から83年、情勢は当時とは違うが、
違えば違ったなりに危機管理の面でも想定外のこともあるかもしれない。
IT,原発関係大丈夫なのだろうかー。