安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

アラン・ブロードベント PACIFIC STANDARD TIME

2016-07-10 03:55:54 | ピアノ・トリオ

高速道安曇野インター近くのスワン広場に、地元飲食店チェーンの食堂「王滝」があります。このあたりだとロイヤルホストに入ることが多いのですが、和食を食べようと、王滝に入ってみました。メニューがバラエティに富んでいて、蕎麦や寿司のほかに「鰻のひつまぶし」があったので頼みました。名古屋ではスタンダードなメニューですが、地元の安曇野市で食べられるとは思わなかったです。太平洋標準時刻(Pacific Standard Time)というタイトルのアルバム。

ALAN BROADBENT (アラン・ブロードベント)
PACIFIC STANDARD TIME (CONCORD JAZZ 1995年録音)

   

アラン・ブロードベントは、アメリカ西海岸でアレンジャーやピアニストとして長く活動をしてきたので、アメリカのミュージシャンといっておかしくありせんが、元々はニュージーランドの出身です。タイトルの「Pacific Standard Time」というのは、スタンダード曲を取り上げているという意味もあるとは思いますが、文字通りの太平洋標準時刻とすれば、彼がニュージーランドの出身ということもあって付けられたのかもしれません。

メンバーは、アラン・ブロードベント(p)、Putter Smith(b)、フランク・ギブソン(ds)。長い間の付き合いがあり気心も知れたピアノトリオによる演奏です。コンコードレーベルのオーナー(プロデューサー)のカール・ジェファーソンが1995年に亡くなったので、このアルバムは彼に捧げられています。彼のおかげで、同レーベルに多くの録音を残し、また、このトリオで録音をすることができたとブロードベントはライナーノートに書いています。

曲は、「Summer Night」、「This One's for Bud」、「Easy Living」、「Easy to Love」、「I Should Care」、「Django」、「Beautiful Love」、「In Love in Vain」、「Someday My Prince Will Come」(いつか王子様が)、「I've Never Been in Love Before」(まだ恋したことはない)、「Reets and I」の全11曲。タイトルどおりスタンダードが多いですが、ブロードベント自作の「This One's for Bud」、ジョン・ルイス作「Django」、バリー・ハリス作「Reets and I」はジャズ・オリジナルです。

バド・パウエルとビル・エヴァンス双方からの影響を受けたと思われるブロードベントによるスタンダード曲が楽しめます。トリオのサウンドにまとまりがあり、うるさくなく、不協和音を用いていないなど親しみやすい作品です。1曲目の「Summer Night」から静かな抒情が感じられ、アルバム全体の性格がわかります。それぞれミディアムから遅めのテンポでじっくりと聴ける演奏ばかりですが、ことに「Easy Living」、「Django」、「Beautiful Love」あたりが、美しいサウンドと長めのラインも用いたさわやかなソロで、寛いで聴けます。 

【王滝安曇野店】

住所:長野県安曇野市豊科南穂高1115
電話:0263-31-3140

   

   

   

王滝のひつまぶし。お茶漬けにして食べることもできます。