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●(こちら特報部)《核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになる。うんざりする》

2024年03月23日 00時00分56秒 | Weblog

(20240310[])
中島京子さん《杉並区は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし…さまざまな活動をしている区民が多いんです》。

   『●岸本聡子杉並区長「日本の政治を変えていくには、やっぱり地方、地域
     から変えていくことが大切で、そこにこそ大きな可能性があると感じた」
    「中島:私が素晴らしいな、と思ったのは、杉並で長く運動をして
        きた、いろいろな人たちがウワーッと集まって、みんなで
        選挙を作っていくのを目の当たりにできたことです。杉並区
        は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし、お母さんたちが
        学校給食の自校調理方式を守ったり、さまざまな活動をして
        いる区民が多いんです。
     岸本:私がレジェンドと呼んでいる方々です。」

   『●《杉並から世界に拡散した「原水爆禁止」運動...「市民の戦い」…70年前、
      先人は声を上げ、局面を動かした…やすやすと諦めている場合ではない》

 再度引用。東京新聞の記事【こちら特報部/杉並から世界に拡散した「原水爆禁止運動 声を上げた一軒の魚屋、公民館を拠点にした「市民の戦い」】、《◆デスクメモ 不安定な世界情勢。核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになるうんざりする。でも、と思う。70年前、先人は声を上げ、局面を動かした。それも東京からだ。見習うべき姿勢やすやすと諦めている場合ではない。(榊)》。

 「核の平和利用」などと云う甘言に騙され…被爆国があまりに愚かな選択をしてしまった。(烏賀陽弘道さん)《兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」……》。そう両者は双子の兄弟。《アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながり》。核分裂のエネルギーを放出させるか、原子炉の中に閉じ込めるかの違いであり、原理的には全く同じ。
 《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の血のつながりを論ずることはタブーになった》。

   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
   『●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域
      振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ

 《日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになる》。
 琉球新報の記事【<社説>ビキニ被ばく70年 日本主導で核兵器廃絶を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2856236.html)、《同時に第五福竜丸以外の被ばくした日本全国の漁船の検証も必要である》、《現在、ウクライナに侵攻したロシアが核兵器使用をちらつかせるなど核戦争の危機が続いている。原発に関してはスリーマイル島チェルノブイリ福島第1原発の重大事故にみるように「原子力の平和利用」は曲がり角にある。日本の原子力政策も3原則に忠実だったとは言いがたい。核は人類の幸福につながるのかという根源的な問いに向き合わなければならない。その上で核兵器の廃絶を主導し、脱原発のエネルギー政策を目指すのが日本の役目だ》。

   『●鎌田慧さんらの「脱原発」署名呼びかけ
   『●社説:核廃絶と脱原発
    《しかし、本をただせば同じ核燃料と技術である。これまで分けて
     いたことが異常だったのかもしれない。そのことは安全神話が
     まかり通っていた原発が事故を起こし、思い知らされることになる
      田中氏は言う。「核と原発はつながっているが、背中合わせ
     
だからお互いが見えなかった」と。》

   『●東京電力原発人災から『X年後』……
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
    《これは高知の高校教師・山下正寿とその教え子たちの
     ゼミナールが、地道な聞き取り調査で掘り起こしたものだ。
     今年8月には、続編とも言うべき30分TV番組
     『続・放射線を浴びたX年後~日本に降り注いだ雨は今』が
     放映された。この作品も伊東 ・山下のコンビだが、今度は福島の
     原発事故をきっかけに、60年前の大地に降った雨の行方を
     追いかけたものだ。ここでは特に沖縄に焦点を当てている。
     当時、沖縄は米軍の統治下にあり、マグロの被曝で大騒ぎして
     いた本土とは違って、同じ汚染海域のマグロを獲っても、
     米軍が測定して安全を宣言していた。伊東・山下は元漁船員を
     訪ね歩き、それが米軍による完全なごまかしだった
     と明らかにしていく。驚くのは、沖縄の古書店にあった
     『気象要覧』になんと17万カウント(3万7000ベクレル)
     もの雨が降っていたと記載されていたこと。また、沖縄などの
     住居を訪ね、床下の土壌を採集して調べる徹底ぶり。
     埋もれた歴史が顔をのぞかせる》

   『●呼び掛けに応じて ~原発なんて要らない~
   『●あれから3年半、広島市長までが、
     原発は「安全性を確保できれば再稼働するという方向が出ている」と
    《「核と人類は共存できない」という思想を75年に打ち出した
     哲学者・森滝市郎(1901~94)の次女だ。
      原爆で右目を失った父は戦後、原水爆禁止運動の先頭に立った。
     豪州のウラン鉱山で働く同胞の被曝(ひばく)の危険性を訴えた
     先住民の女性との出会いが、核の絶対否定」を確信させた》

   『●人類は核と共存できるのか?
      『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
    《これがきっかけで、原水爆禁止運動が国民的な広がりを持った。
     翌年八月六日、広島で開かれた「第一回原水爆禁止世界大会」には
     三千万を超える署名が集まった。展示館にはその署名簿の一部も
     展示されている。
      影響は海外にも広がった。哲学者バートランド・ラッセル
     物理学者アルバート・アインシュタインは「核兵器の廃絶と
     戦争の廃絶」を訴えたラッセル・アインシュタイン宣言を発表した。
     宣言を出す理由として、水爆実験で日本の漁船員が被ばくしたこと
     に触れている。宣言には、湯川秀樹博士も署名した。
      二年後の五七年、カナダの漁村パグウォッシュに、米、旧ソ連、
     西欧、東欧、中国などの物理学者ら二十二人が集まり、核兵器の
     危険性、放射線の危害、科学者の社会的責任について討議した。
     この後、パグウォッシュ会議のグループ名で毎年、開催されている》

   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となったハンフォードと
           東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…
   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、
      経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず
    《原水爆禁止運動に生涯を捧(ささ)げた哲学者の故森滝市郎さん
     さえも「軍事利用はいけないが、平和利用だったらいいのじゃないか
     と考えたのです」…と、一時は評価に傾きました。
      五七年には茨城県東海村の実験炉に初の原子の火がともり、
     十年後には福島第一原発の建設が始まった》
    《◆夢はずっと夢のまま こうして被爆国日本は五十四基の原子炉を
     有する世界三位の原発大国になったのです。ところが、
     しょせん夢は夢。原子力の飛行機も鉄道も、超小型原子炉で
     十万馬力の鉄腕アトムも、使えば使うほど燃料を増やす夢の原子炉も、
     実現を見ることはありますまい
      核兵器の実相を糊塗(こと)するために陳列された空虚な夢は、
     安全神話経済神話クリーン神話三つの神話の温床には
     なりました》

   『●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」
       ――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる
    《ビキニ事件は原水爆禁止の国内世論を高めた一方で、日米両政府の
     政治決着により、翌年に米側の見舞金7億円余で「完全解決」とされた
      同じ海域で影響を受けた日本の漁船は約1千隻とされるが、
     公式の健康影響調査はされていない。80年代以降、船の約3割は
     高知県から出ていたことが地元の地道な調査で浮かんだ》

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2856236.html

<社説>ビキニ被ばく70年 日本主導で核兵器廃絶を
公開日時 2024年03月01日 05:00

 核の恐怖を歴史に刻み、今もその恐怖と向き合っている国だからこそ、なすべきことがある。そのことを再確認する日としたい。


 太平洋のビキニ環礁で米国が実施した水爆実験で静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員23人が被ばくし、無線長の久保山愛吉さんが亡くなった第五福竜丸事件から、きょうで70年となった。

 広島、長崎への原爆投下とともに私たちは第五福竜丸事件を語り継ぎながら、核兵器廃絶を訴え続けなければならない。被爆国であり、核実験による深刻な被ばく被害を知る日本は、核廃絶の役割を積極的に果たすべきである

 忘れてはならないのが、沖縄もビキニ核実験とは無関係ではないということである。1988年の沖縄県原水協・平和委員会の調査で沖縄の漁船2隻の乗組員68人が被ばくした可能性があることが分かっている。放射性物質を含む雨が沖縄にも降った可能性も指摘されている。米統治下にあった沖縄で十分な調査はなされなかった。改めて検証が求められる。

 同時に第五福竜丸以外の被ばくした日本全国の漁船の検証も必要である

 厚生労働省は事件から60年後の2014年、ようやく周辺海域で操業していた延べ556隻の被ばく状況の検査結果などを公表した。翌年には被ばく状況を評価する研究班を設置した。船員や遺族らが国家賠償や船員保険適用を求める訴訟も起きている。

 第五福竜丸に関しても、乗組員の生殖機能の一時的な低下について日米両国の関係機関が「機密扱い」とし、乗組員にも伝えていなかったことが分かっている。国民の反核感情や米国の軍事政策への影響を避けたとみられる

 これらの経緯を見ても、ビキニ実験と第五福竜丸など日本漁船の被ばくは過去の事件として済ませることができないこれからも検証と事実関係の公開が求められている

 日本の原子力政策も再検討の時期に来ている。

 事件前年の1953年、アイゼンハワー米大統領は核開発競争激化を背景に「原子力の平和利用」に関する宣言を打ち出し、発電など原子力の活用が進んだ。日本学術会議は54年、核の軍事利用を拒否するとともに原子力研究における「公開・民主・自主」を打ち出した。この3原則は原子力基本法に反映された。

 現在、ウクライナに侵攻したロシアが核兵器使用をちらつかせるなど核戦争の危機が続いている。原発に関してはスリーマイル島チェルノブイリ福島第1原発の重大事故にみるように「原子力の平和利用」は曲がり角にある。日本の原子力政策も3原則に忠実だったとは言いがたい。

 核は人類の幸福につながるのかという根源的な問いに向き合わなければならない。その上で核兵器の廃絶を主導し、脱原発のエネルギー政策を目指すのが日本の役目だ。
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●《杉並から世界に拡散した「原水爆禁止」運動...「市民の戦い」…70年前、先人は声を上げ、局面を動かした…やすやすと諦めている場合ではない》

2024年02月29日 00時00分31秒 | Weblog

(2024年02月12日[月])
中島京子さん《杉並区は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし…さまざまな活動をしている区民が多いんです》。

   『●岸本聡子杉並区長「日本の政治を変えていくには、やっぱり地方、地域
     から変えていくことが大切で、そこにこそ大きな可能性があると感じた」
    「中島:私が素晴らしいな、と思ったのは、杉並で長く運動をして
        きた、いろいろな人たちがウワーッと集まって、みんなで
        選挙を作っていくのを目の当たりにできたことです。杉並区
        は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし、お母さんたちが
        学校給食の自校調理方式を守ったり、さまざまな活動をして
        いる区民が多いんです。
     岸本:私がレジェンドと呼んでいる方々です。」

 山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/杉並から世界に拡散した「原水爆禁止運動 声を上げた一軒の魚屋、公民館を拠点にした「市民の戦い」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/308840)。《◆デスクメモ 不安定な世界情勢。核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになるうんざりする。でも、と思う。70年前、先人は声を上げ、局面を動かした。それも東京からだ。見習うべき姿勢やすやすと諦めている場合ではない。(榊)》

   『●鎌田慧さんらの「脱原発」署名呼びかけ
   『●社説:核廃絶と脱原発
    《しかし、本をただせば同じ核燃料と技術である。これまで分けて
     いたことが異常だったのかもしれない。そのことは安全神話が
     まかり通っていた原発が事故を起こし、思い知らされることになる
      田中氏は言う。「核と原発はつながっているが、背中合わせ
     
だからお互いが見えなかった」と。》

   『●呼び掛けに応じて ~原発なんて要らない~
   『●あれから3年半、広島市長までが、
     原発は「安全性を確保できれば再稼働するという方向が出ている」と
    《「核と人類は共存できない」という思想を75年に打ち出した
     哲学者・森滝市郎(1901~94)の次女だ。
      原爆で右目を失った父は戦後、原水爆禁止運動の先頭に立った。
     豪州のウラン鉱山で働く同胞の被曝(ひばく)の危険性を訴えた
     先住民の女性との出会いが、核の「絶対否定」を確信させた》

   『●人類は核と共存できるのか?
      『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
    《これがきっかけで、原水爆禁止運動が国民的な広がりを持った。
     翌年八月六日、広島で開かれた「第一回原水爆禁止世界大会」には
     三千万を超える署名が集まった。展示館にはその署名簿の一部も
     展示されている。
      影響は海外にも広がった。哲学者バートランド・ラッセル
     物理学者アルバート・アインシュタインは「核兵器の廃絶と
     戦争の廃絶」を訴えたラッセル・アインシュタイン宣言を発表した。
     宣言を出す理由として、水爆実験で日本の漁船員が被ばくしたこと
     に触れている。宣言には、湯川秀樹博士も署名した。
      二年後の五七年、カナダの漁村パグウォッシュに、米、旧ソ連、
     西欧、東欧、中国などの物理学者ら二十二人が集まり、核兵器の
     危険性、放射線の危害、科学者の社会的責任について討議した。
     この後、パグウォッシュ会議のグループ名で毎年、開催されている》

   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となったハンフォードと
           東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…
   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、
      経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず
    《原水爆禁止運動に生涯を捧(ささ)げた哲学者の故森滝市郎さん
     さえも「軍事利用はいけないが、平和利用だったらいいのじゃないか
     と考えたのです」…と、一時は評価に傾きました。
      五七年には茨城県東海村の実験炉に初の原子の火がともり、
     十年後には福島第一原発の建設が始まった》
    《◆夢はずっと夢のまま こうして被爆国日本は五十四基の原子炉を
     有する世界三位の原発大国になったのです。ところが、
     しょせん夢は夢。原子力の飛行機も鉄道も、超小型原子炉で
     十万馬力の鉄腕アトムも、使えば使うほど燃料を増やす夢の原子炉も、
     実現を見ることはありますまい
      核兵器の実相を糊塗(こと)するために陳列された空虚な夢は、
     安全神話経済神話クリーン神話三つの神話の温床には
     なりました》

   『●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」
       ――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる
    《ビキニ事件は原水爆禁止の国内世論を高めた一方で、日米両政府の
     政治決着により、翌年に米側の見舞金7億円余で「完全解決」とされた
      同じ海域で影響を受けた日本の漁船は約1千隻とされるが、
     公式の健康影響調査はされていない。80年代以降、船の約3割は
     高知県から出ていたことが地元の地道な調査で浮かんだ》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/308840

こちら特報部
杉並から世界に拡散した「原水爆禁止」運動 声を上げた一軒の魚屋、公民館を拠点にした「市民の戦い」
2024年2月12日 12時00分

 太平洋のビキニ環礁で米国が水爆実験を行ってからまもなく70年を迎える。付近で操業していた日本のマグロ漁船が「死の灰」を浴び、放射能に汚染された「原爆マグロ」が大量に廃棄される騒動も起きた。原水爆禁止を求める統一的な署名運動は、東京都杉並区の魚商の呼びかけがきっかけとされる日本全国に広まり、世界的な活動へつながっていく運動の原点をたどった。(山田祐一郎


◆飲食店主、市場の仲間 みんな危機感があった

 「ある日を境にぱたっと魚が売れなくなった。付近の住民が遠巻きに怖い物を見るように店を避けていったのを覚えている」

 杉並区の竹内ひで子さん(81)が70年前の記憶をこう語る。当時は11歳。両親の菅原健一さんとトミ子さん(ともに故人)が営む鮮魚商「魚健」の店番や配達を手伝っていた。

     (署名運動に奔走した両親について話す
      竹内ひで子さん=東京都杉並区で)

 1954年3月1日、ビキニ環礁での水爆実験に静岡県焼津市の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」が遭遇し、乗員23人全員が被ばくした。当時、周辺で多くのマグロ漁船が操業中で、850隻以上から放射能に汚染されたマグロが水揚げされた。ニュースで報道されると「日本の台所を預かる市場が大パニックに陥った」と竹内さんは振り返る。

 父健一さんの元には、すし店や干物店などの店主らが次々と相談に訪れた。同月中には、原水爆禁止を求める署名運動を行うことを地元の魚商組合が決定。健一さんは、築地市場に買い出しに訪れる東京中の魚商仲間にも声を掛けた。


◆店先の署名簿が1カ月で爆発的に広がった

 4月2日、築地市場であった大会は500人以上が集まり、米国の負担による損害補償や実験中止のための大国間の会議などを求める決議を採択した。杉並区にも地元魚商組合が陳情書を提出。文面考案の中心となったのは健一さんだ。「第五福竜丸の一報から1カ月もたたないうちに、米国や日本政府、区に意思を示したのは驚くべきこと」。竹内さんはそう思い返す。

 当初は魚商の店先に置かれていた署名簿。一気に署名運動が広がったのは、母トミ子さんの言動がきっかけだった。

     (菅原健一さん、トミ子さん夫妻=竹内ひで子さん提供)

 4月16日に杉並区立公民館で開かれた地元婦人団体協議会主催の婦人参政権行使記念講演会。講演が終わり、トミ子さんが手を挙げて発言した。「ビキニ水爆実験による放射能汚染で魚が全く売れず、困っています」。署名運動への協力を呼びかけた。後に講演会の参加者から伝え聞いた様子を竹内さんはこう話す。「母は震えながら手を挙げ、意を決して訴えたようだ」


◆日本政府は批准していない「核兵器禁止条約」

 戦時中から労働運動などを行っていた菅原夫妻。「子どものころから、戦争は絶対にしてはいけないと両親から繰り返し言われてきた。米国とソ連(当時)の核開発競争に日本が巻き込まれたことで再び戦争への道が開かれることを懸念した」。竹内さんは積極的に署名運動に関わった両親の原動力をそう語る。

     (杉並公民館の館長室で署名簿を整理する女性たち
      =1954年撮影(杉並区立郷土博物館提供))

 講演会翌日、杉並区議会は全会一致で水爆実験禁止を求める決議文を採択。5月に入ると「水爆禁止署名運動杉並協議会」ができ、区役所にも署名簿が置かれた。官民の垣根なく区民の運動として盛り上がり、当時39万人が住んでいた同区で2カ月余りのうちに27万以上の署名が集まった

 水爆実験からまもなく70年。2021年には核兵器禁止条約が発効した一方、日本政府が今も批准していない状況を竹内さんは残念がる。「かつての杉並から広まった核兵器反対のうねりが再び起こってほしい


◆「魚屋さんだけの問題だけではない」

 署名運動の中心には、杉並区立公民館の存在があった。講演会で署名への協力を呼びかけたトミ子さんに対し、安井郁(かおる)館長(故人)は「これは魚屋さんだけの問題ではない。全人類の問題である」と会場の参加者に呼びかけたという。

 安井さんは1954年5月にできた水爆禁止署名運動杉並協議会の議長に。署名簿に掲げられたスローガンと声明文は「杉並アピール」と呼ばれ、統一的な署名運動が全国に広がった。

     (三つのスローガンが掲げられた署名簿の表紙
      =杉並区立郷土博物館提供)

 8月に原水爆禁止署名運動全国協議会が発足すると、事務局が区立公民館に置かれた。安井さんが事務局長を務め、全国から寄せられた署名の集計を協議会の女性たちが行った。「当初から世界に訴えるという目標がスローガンにも表れている」と長男の妻の節子さん(79)は語る。

 大学教授でもあった安井さん。「専門は国際法。公民館は民主主義社会と平和主義のための基地であるという思いがあった」と節子さん。当時、公開講座や女性向けの読書会を企画。社会教育の場として区立公民館で多くの女性が学んだ。


◆女性たちのエネルギーが局面を動かした

 区内の署名運動で大きな役割を担ったのは、公民館でつながった女性たちだ。「署名は、女性の水爆禁止への意思表示の手段だった」。地域で平和活動や社会教育活動に関わってきた杉並ユネスコ協会顧問の林美紀子さん(84)はこう話す。「あの時代に何万という署名を集めるエネルギーには驚く」

 全国的な署名運動は、55年8月6日に広島で開かれた「第1回原水爆禁止世界大会に結実する。大会までに全国で集められた署名は3200万筆以上当時の人口の3分の1以上が署名したことになる

     (署名を呼びかけるポスター=杉並区立郷土博物館提供)

 こうした動きは、広島・長崎の被爆者の団結にもつながった。日本原水爆被害者団体協議会被団協)の田中熙巳代表委員(91)は「70年前の事件がなければ全国の原爆被害者は救われなかったかもしれない」と明かす。広島での世界大会後、各地で被爆者団体が結成され、56年に長崎で開かれた第2回大会で被団協が誕生。被爆者への補償や実相普及につながった。

 原水爆禁止の署名運動の中心となり、その後の運動に大きな影響を与えた杉並だが、当時を知る人が少ないのが現状だ拠点となった区立公民館は89年に廃館となり、跡地に建てられた記念碑には経緯が短く記されているだけだ。


◆多くの人が「連帯」できるノウハウ 継承できるように

 昨年3月には、区内の市民団体が平和資料館(室)を求めて署名活動を開始した。被爆者や戦争体験者、署名運動の関係者が所有してきた資料や証言記録を整理、保存、展示する施設の整備を訴えている。

 署名の呼びかけ人の一人で区内在住の武蔵大の永田浩三教授(メディア社会学)は当時の動きを「行政も地域の住民も頑張る中で、政党色がなく多くの人を巻き込んだ」と指摘する。

     (杉並公民館跡地に立つ「オーロラの碑」)

 「当時の資料からは、関係者が知恵を出し合い、工夫してきたことがうかがえる連帯のためのノウハウが詰まっている」と検証する場の必要性を強調する。

 安井さんが自宅で保管していた資料は2005年以降、有志らがデータベース化を行ってきた。一昨年、区立郷土博物館に資料を寄贈した節子さんは「今後、資料を研究者に役立ててもらうなどして、杉並区から世界に広がったこの運動の姿勢や精神を次世代へ語り継いでほしい」と願う。


◆デスクメモ

 不安定な世界情勢。核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになるうんざりする。でも、と思う。70年前、先人は声を上げ、局面を動かした。それも東京からだ。見習うべき姿勢やすやすと諦めている場合ではない。(榊)


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●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず

2019年01月16日 00時00分24秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【経団連会長が“撤退”発言? それでも脱原発が進まない理由】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244900)。
東京新聞の社説【平成と原発 神話崩壊、廃炉の時代】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019010602000146.html)。

 《「お客さまが利益を上げられない商売でベンダー(提供企業)が利益を上げるのは難しい。どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やりつくるということは民主国家ではない」 経団連・中西宏明会長の年頭会見が波紋を呼んでいる》。
 《「わかっちゃいるけどやめられない」では、それこそ「無責任」。可能な限り次の時代に負担を残さぬよう、私たちは今年もこの「なぜ」を、突き詰めていかねばなりません》。

 アベ様らや経産省、関電や九電など、原子力「推進」委員会の面々は、それでも核発電「麻薬」中毒のママで核発電推進。どうやら、ニッポンは《民主国家ではない》ようだ。
 核発電「麻薬」中毒なアベ様や経産省がニッポンをミスリード…小型原発開発など、中毒は治まらず。《脱原発はブラフ――。利権のための原発推進を止められない日本は、世界の潮流から取り残されていくだけだ》。
 核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《核兵器の実相を糊塗(こと)するために陳列された空虚な夢は、安全神話経済神話クリーン神話三つの神話の温床にはなりました》。《三つの神話》の崩壊に加え、倫理的にも、環境倫理から考えても、世界的に恥ずかしいニッポン。ニッポンの環境倫理観の欠如は救いようがないようだ。

   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
                核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
   『●《地球温暖化対策を名目に、経済産業省が新たな小型原発の開発》 
                       …「海暖め装置」でホントに温暖化防止?
   『●《経団連を引き連れての俯瞰する外交の破綻》…
       日立製作所も断念、アベ様による原発輸出が《全て暗礁》…

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244900

経団連会長が“撤退”発言? それでも脱原発が進まない理由
2019/01/06 06:00

     (原発メーカーの会長も務める経団連の中西会長(左)と
      廃炉のめども立たない福島第一原発(C)共同通信社)

「お客さまが利益を上げられない商売でベンダー(提供企業)が利益を上げるのは難しい。どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やりつくるということは民主国家ではない

 経団連・中西宏明会長の年頭会見が波紋を呼んでいる。今後の原発政策について踏み込んだ発言をしたからだ。中西氏は原発メーカーである日立製作所の会長も務めている。それだけに、脱原発とも取れる発言は驚きをもって受け止められた。

 もっとも、日立が英国で進めてきた原発建設計画も暗礁に乗り上げているし、三菱重工と政府がシャカリキになってきたトルコでの原発建設も撤退のニュースが報じられている。安倍政権の目玉政策だった原発輸出は、ことごとく頓挫。世界的に見ても、原発ビジネスは採算が取れないのだ

 一方、元日の読売新聞は1面で「原発1基分の洋上風力」と、東京電力が国内最大級の洋上風力発電の建設を計画していることを報じた。1兆円規模の事業費を投じ、千葉県銚子沖などに1基5000キロワット級の風車を約200基設置し、約30万世帯の年間電力を賄う計画だという。


■政府に対する“脅し”をかける

 年明け早々、脱原発と再生可能エネルギーへのシフトを予感させるニュースの連続。今年は脱原発元年になりそうな勢いだ。何が何でも利権を手放さないとみられていた原子力ムラに何か異変が起きているのか。

 原発政策に詳しい元経産官僚の古賀茂明氏はこう言う。 

「そもそも原発ビジネスは政府の支援がなければ成り立ちません。電力会社もメーカーも民間企業だから利益が出ない事業は続けられないし、原発は採算が合わないと分かっているが、国策だから協力してやっているという意識がある。経団連会長の発言は『公費投入や法制度による手厚い支援がなければ撤退せざるを得ない。続けて欲しければ、国民を説得しろ』と、政府に対して脅しをかけているように感じます。東電の風力発電にしても、今後の成長が期待される再生エネ事業を新興企業に取られる前に主導権を確保しようという意図だけで、脱原発へのシフトを考えているわけではないでしょう。おそらく、原子力ムラの住人たちは、経産省の力が強い安倍政権のうちに原発推進を不可逆的に決定づけようと、政府のお尻を叩いていると思います」

 脱原発はブラフ――利権のための原発推進を止められない日本は、世界の潮流から取り残されていくだけだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019010602000146.html

【社説】 平成と原発 神話崩壊、廃炉の時代
2019年1月6日

 昭和の高度経済成長の推進力にはなりました。しかし今や原発は、何をするにも莫大(ばくだい)な費用がかかる負の遺産。神話の創生、そして崩壊、次の時代は-。

 「神話」は、昭和に始まりました。一九五五年の日米原子力研究協定仮調印からまもなく始まった「原子力平和利用博覧会」。東京を皮切りに全国十一カ所を巡回し、五番目の開催地が広島でした。


◆免罪符のようなもの

 米ソ冷戦構造下、原子力技術の一部を提供し、日本を核の傘の下に置きたい米国の強い意向があっての開催でした。

 史上初の被爆地、しかも会場は広島平和記念資料館。たとえ二十二日間とはいえ、核兵器の惨状を伝えるべき通常の展示物を、別の場所に移して平和利用をうたうのです。米国にしてみれば、免罪符のようなものでもありました。原子力イコール原爆メージをぬぐい去ろうとしたのです。

 焼き尽くされた廃虚の記憶の中に、一筋の光明を探そうとしたのでしょうか。会期中、通常の一年分に当たる十一万人が入場し、実物大の原子炉や原子力飛行機の模型の展示、放射性物質を取り扱うマジックハンドのデモンストレーションなど、原子の力が切り開く夢の未来にまどろみました。

 世界遺産の原爆ドームも、本体を電球で飾り立てられて、平和利用の夢を彩る“展示品”の一つにされたのでした。

 原水爆禁止運動に生涯を捧(ささ)げた哲学者の故森滝市郎さんさえも「軍事利用はいけないが、平和利用だったらいいのじゃないか、と考えたのです」(「人類は生きねばならない-私の被爆体験から」)と、一時は評価に傾きました。

 五七年には茨城県東海村の実験炉に初の原子の火がともり、十年後には福島第一原発の建設が始まった。


◆夢はずっと夢のまま

 こうして被爆国日本は五十四基の原子炉を有する世界三位の原発大国になったのです。ところが、しょせん夢は夢。原子力の飛行機も鉄道も、超小型原子炉で十万馬力の鉄腕アトムも、使えば使うほど燃料を増やす夢の原子炉も、実現を見ることはありますまい

 核兵器の実相を糊塗(こと)するために陳列された空虚な夢は、安全神話経済神話クリーン神話三つの神話の温床にはなりました。

 二〇一一年三月十一日-。ゾンビのようによみがえる神話の終わりは平成でした。

 福島第一原発事故が崩壊させたのは、「安全神話」だけではありません。事故処理にかかる費用は最低二十一兆円。恐らくさらに増えるでしょう。結局は国民負担。これ一つとってもすでに、「経済神話」は粉々です。約二十年探し続けても、高レベル放射性廃棄物の受け入れ先は見つからない。たとえ見つかったとしても、十万年に及ぶといわれる厳重管理に、どれだけ費用がかかるやら。

 安全対策にかかるコストは膨らみ、新増設どころではありません。現在、二十三基が廃炉を決定、または検討中。平成は「大廃炉時代」の幕開けにもなりました。廃炉にもまた、長い歳月と膨大な費用が必要です。

 一五年、温暖化防止の新ルール、パリ協定の採択を受けて、化石燃料から再生可能エネルギーへ、宇宙船地球号のエンジンの付け替えが始まったのも平成です。

 ドイツの「脱原発」だけではありません。世界第二の原発大国フランスも、原発依存度を減らすため、三〇年までに陸上風力発電を三倍、太陽光発電を五倍に拡大、洋上風力の増設も具体化が進んでいます。高速炉計画は凍結です。英国の原発新設計画も、コスト高のため暗礁に乗り上げました。

 福島の惨禍を見れば、原発は二酸化炭素(CO2)を出さないクリーンなエネルギーという「クリーン神話」もとうの昔に絵空事温暖化対策を持ち出して小型原発の開発に向かうという日本は、国際的にはかなり異質な国なのです。

 世界で唯一、それも、第五福竜丸事件を含め三度の原水爆禍を背負う国、世界最悪級の原発事故と今現に向き合う国、その国の政府が、なぜここまで原発にこだわりを持つのでしょうか

 「去年の夏の異常な暑さも乗り切りました。省エネも進み、九州では太陽光の電力が余っています。原発へのこだわりは、電力のためだけではないのかもしれません。もしや軍事利用の可能性とか…」。東北大教授(環境科学)の明日香寿川さんは首をかしげます。


◆わかっちゃいるけど…

 いずれにしても、「わかっちゃいるけどやめられない」では、それこそ「無責任」。可能な限り次の時代に負担を残さぬよう、私たちは今年もこの「なぜ」を、突き詰めていかねばなりません。
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●「前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…」もんじゅ廃炉…新高速炉なんてやってる場合?

2018年01月02日 17時46分44秒 | Weblog


【もんじゅの廃炉 30年で終わるだろうか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017122202000137.html)。

 《発電しながら燃料を増やす夢の原子炉「もんじゅ」。トラブル続きで廃炉が決まって丸一年。三十年の歳月と約四千億円の予算を費やす事業という。世界に例のない仕事。本当にそれでできるのか…前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…。日程的にも費用的にも、原研の見積もりは甘すぎる》。

   『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と…
                     ドブガネという巨額の「エサ代」は続く
   『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は 
       「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??
   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
                核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●東電核発電人災から6年が経過し、全て廃炉へ…な訳がない:
                   高速炉「アベシンゾウ」がゴジラに変身する日
   『●「原発0」何処? 「国民の声より大事な何か、
        国民の命以上に守りたい何かがそこに、あるのだろうか」?

 《三十年の歳月と約四千億円》…様々な意味で大甘の見積もりな、《前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…》なもんじゅの廃炉…。新高速炉「アベシンゾウ」(仮称)なんてやってる場合なのか?

   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい: 
     高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」
   『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために 
     核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?
   『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
       インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」
   『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…
   『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は 
       「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??
   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
                核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
     九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」
   『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
     3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』
    「『猿の惑星シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
     ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
     宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
     「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」

   『●玄海原発再稼働へ…正気の沙汰じゃなく、もはや「宗教」
                  …「核信者」「核燃料サイクル教信者」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+ 
      「命」「活」「業」「態」…どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、東電と安全規制を
            怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?

 核発電人災を引き起こしたあの東京電力、その柏崎刈羽核発電所に原子力「寄生」委員会が「新規制基準」適合、再稼働にお墨付きを出したとさ。新「寄生」委員長・更田豊志氏もアベ様ら核発電「麻薬」中毒患者に「忖度」。狂気な人々、凶器を振り回す。
 悪夢の増殖炉では、《核燃料に直接触れる一次冷却系のナトリウム約七百六十トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは現状では抜き取りができない構造になっているという。廃炉を想定していなかったというのである。言葉もない》…「狂気」と言わず、何と言う? 《悲劇》《悲運》どころか「悲惨」な悪夢。

   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ

   『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…
       人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017122202000137.html

【社説】
もんじゅの廃炉 30年で終わるだろうか
2017年12月22日

 発電しながら燃料を増やす夢の原子炉「もんじゅ」。トラブル続きで廃炉が決まって丸一年。三十年の歳月と約四千億円の予算を費やす事業という。世界に例のない仕事。本当にそれでできるのか。

 大まかなスケジュールと言うべきか。今月六日、原研、日本原子力研究開発機構が原子力規制委員会に申請した廃炉計画は、具体性にも実現性にも欠けている

原子炉内から核燃料を取り出し、冷却材の液体ナトリウムを抜き取って、建物を解体する。二〇四七年度までの三十年間、四段階に分けて実施する。政府の試算では、通常の原発の十倍以上、四千億円近い費用がかかるという。

 中でも特に難関なのが、ナトリウムの抜き取りだ

 核燃料のプルトニウムに高速の中性子を当てて、激しい核分裂を促して、増殖させる。だから高速増殖炉。普通の原発とは違い、冷却材に、中性子を減速させる水ではなく、ナトリウムを使う。

ナトリウムは、空気に触れると発火し、水に触れると爆発的な反応を起こす。その上、核燃料に直接触れる一次冷却系のナトリウム約七百六十トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは現状では抜き取りができない構造になっているという。廃炉を想定していなかったというのである。言葉もない

前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…日程的にも費用的にも、原研の見積もりは甘すぎる

 もんじゅの完成は一九九〇年。一兆円以上の国費を注ぎ込みながら、トラブルが相次いで、運転できたのは二百数十日だった。つくづく悲劇の原子炉だ。

 もんじゅで増殖させる燃料を作るはずだった青森県六ケ所村使用済み核燃料再処理工場は、一八年度上期の完成をさらに三年延期することになりそうだ。

 こちらも九七年完成だったのが、二十三回もの延期。再処理にかかる事業費も増え続け、十三兆九千億円に上る見込みという。

 それでも政府は、燃料の増殖こそ断念したものの、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを高速炉で燃やすという核燃料サイクル計画をあきらめない国富をとめどなく注ぎ込んでまで、かくもこだわる理由は何か

 もんじゅの現状を直視して、サイクルは白紙に戻し、その廃炉に全力を傾注すべきである。夢は夢。もんじゅにもうこれ以上、悲運を背負わせるべきではない。
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●「廃棄」どころか、議事録さへ作成しないことを「謀議」して決めた?…「謀議の犯罪性」?

2017年01月20日 00時00分22秒 | Weblog


東京新聞の記事【「高速炉」議事録なし 開発議題 06~14年の官民会議】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017010490070357.html)。

 《経済産業省と文部科学省、電気事業連合会の幹部らが、二〇〇六~一四年に高速増殖炉の実用化に向けて話し合った「五者協議会」の議事録が作成されていない…。協議会は開発体制や費用の分担のあり方などを原子力委員会に報告し、実証炉開発で重要な役割を担ってきた。会合は非公開議事録もないため、核燃料サイクル政策の意思決定過程の一部が検証不可能な「ブラックボックスになっていた。…経産、文科両省と電事連、日本電機工業会、原子力機構の幹部が出席し、事務局は資源エネルギー庁原子力政策課が務めた》。

   『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴
    「「無いんだから仕方ないジャン」、「捨てちゃったのだからもういいジャン」
     という言い訳を認めて良いのかな。本当に廃棄してしまったのならば、
     それはそれで大問題でしょう。これだけ議論を呼んだ
     こんな重要な文章が、そういう風にいい加減に取り扱われていて
     大丈夫なのか? 廃棄を指示したのは一体誰で、
     実行したのは一体誰?」

   『●密約破棄
   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁


 「破棄」「廃棄」というのも酷い話ですが、議事録さへ作成しないというのは、あまりにイイカゲンな核発電「麻薬」中毒患者達です。《私的な勉強会》って、非公開で、大事なことをそんな所でこそこそと決められたのではたまったものではない。《核燃料サイクル政策の意思決定過程の一部が検証不可能な「ブラックボックス」になっていた》…深い深い闇を感じます。そこまでして、核発電所再稼働や輸出、核燃サイクルの継続や新高速炉の建設したいものでしょうか? 何のため?? どうして、《3.11東電原発人災に正しく学ばない》のでしょうか。

   『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
       インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」
   『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…
   『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は 
       「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??
   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
                核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
     九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」
   『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
        3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』

 一方、核発電絡みだけでなく、全てがいい加減。日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/まず公務員不作為的謀議ただせ】(http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1761970.html)によると、《首相・安倍晋三は「共謀罪」…組織犯罪処罰法改正案…★この法案議論の際に念頭に置いていただきたいのは、5日付東京新聞の筆洗が指摘する記録の大切さだ。環境省が「汚染土議事録」を削除しただの、防衛省が陸上自衛隊の部隊が南スーダンで国連平和維持活動に参加する日報を廃棄し、現地での大規模な武力衝突記録を消してしまう、政府や電力業界幹部らの核燃料サイクル事業の今後について話し合った「五者協議会」は議事録すらないというが、いずれも関係者が謀議し削除や破棄を決めたり議事録を取らないことに決めた謀議犯罪性は問われないという現実も承知していただきたい。公務員の不作為的謀議をまずただすところから始めるべきではないのか》。
 共謀罪など以ての外ですが、皮肉を込めて…、自らは「謀議の犯罪性」は問われず、一方で、アベ様らが恣意的に「犯罪」かどうかを判断するのでしょうか? 恐ろしい世の中です。

   『●内閣法制局は最後の一線を越えていた:  
       アベ様達と何を協議したのか「内情」をどう検証?
    「2014年7月1日「7・1クーデター」、その議事録さえないそうです。
     歴史の検証もすることが出来ない「7・1クーデター」。
     反知性的タカ派なアベ王様による独裁政治……
     アベ王国国王様の「人治主義国家
    「「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」……アベ様達からして

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017010490070357.html

「高速炉」議事録なし 開発議題 06~14年の官民会議
2017年1月4日 朝刊

 経済産業省と文部科学省、電気事業連合会の幹部らが、二〇〇六~一四年に高速増殖炉の実用化に向けて話し合った「五者協議会」の議事録が作成されていないことが、本紙が経産省に行った情報公開請求で分かった。協議会は開発体制や費用の分担のあり方などを原子力委員会に報告し、実証炉開発で重要な役割を担ってきた。会合は非公開議事録もないため、核燃料サイクル政策の意思決定過程の一部が検証不可能な「ブラックボックス」になっていた。

 協議会は、日本原子力研究開発機構が高速増殖原型炉「もんじゅ」と並行し、後継となる実証炉の研究を実用化につなげるため〇六年七月に設置された。経産、文科両省と電事連、日本電機工業会、原子力機構の幹部が出席し、事務局は資源エネルギー庁原子力政策課が務めた。

 エネ庁によると、一四年までに八回の会合が開かれ、高速増殖炉のほか、サイクルに必要な新しい再処理工場のあり方なども話し合われた。エネ庁の担当者は「(法定の)審議会とは違い半分私的な研究会のような位置付け。なぜ議事録が作られなかったのかは分からない」と話す。

 当初から原子力機構の副理事長として出席した岡崎俊雄氏は「新型転換炉ふげんは原型炉で成功したのに、電力会社の反対で実証炉へ進めなかった。協議会はその教訓から、着実に実用化につなげるためにできた」と説明。非公開の理由は「率直に議論する場実効性ある議論を第一に考えた」と話す。

 協議会は〇六年十二月には、実証炉の設計開発を中核企業一社に集中させることを決め、報告を受けた原子力委がこれを了承している。翌年には一カ月間の公募の結果、原子力機構幹部や学識者による選定委員会で、原発事業を手掛ける三菱重工業が中核企業に選ばれた。だが、原子力機構は入札した企業名や数などを明らかにせず、選考過程には不透明さも残る。

 政府は昨年十二月、ほとんど動かせなかった原型炉もんじゅの再稼働を諦めて廃炉としつつ一段階先の実証炉の開発を再開させることを決めた。政府方針の検討会議には三菱重工社長も出席し「中核メーカーとして取り組んでいきたい」と発言。五者協議会など従来の枠組みがある程度踏襲されるとみられる。

 NPO法人原子力資料情報室伴英幸共同代表は「たとえ公的な位置付けでなくとも議事録を残していくことで、後々の判断材料になる。今後の実証炉開発で五者協議会がどんな役割を果たすのかは不明だが、公開のもとに進めるべきだ」と指摘する。

<実証炉開発> 高速増殖炉は、使う以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」と呼ばれ、国は基礎研究の実験炉(常陽)、発電技術を確認する原型炉(もんじゅ)、経済性を検証する実証炉の段階を踏んで実用化を目指してきた。実証炉は、もんじゅの建設が始まった1980年代に電力業界中心の開発が動きだしたが、95年のもんじゅナトリウム漏れ事故をきっかけに白紙化。99年に当時の核燃料サイクル開発機構(現日本原子力研究開発機構)を中心とした研究が再び始まったものの、2011年の東京電力福島第一原発事故で凍結されていた。
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●「核発電は安い」と言っておきながら、「原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針」

2016年10月12日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞の記事【原発電力の購入拒否でも 全原発の廃炉費用は国民負担】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092190070120.html)、
吉田通夫記者の二つの記事【原子力政策の限界鮮明に 廃炉費をすべての電力利用者負担へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092102000120.html)と、
【原子力政策のほころび次々 原発廃炉の国民負担議論スタート】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092802000110.html)、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016093002000133.html)。

 《経済産業省は、東京電力福島第一原発の廃炉や事故処理にかかる費用のほか、他大手電力が保有する原発も含む廃炉費用を、原則としてすべての電力利用者に負担させる方向で調整に入った。電気料金に含まれる「託送料金」に費用を上乗せする案が有力だ。同省の方針通りに決まれば、四月の電力小売り自由化で大手電力会社以外と契約した消費者も費用を支払うことになる》。
 《経済産業省が東京電力福島第一原発をはじめとする大手電力会社の原発の支援に乗り出すことで、国民には「底なし沼」のような負担が迫る。「原発は安い」という説明を続けながら、(ほころ)びが生じるたびに国民負担を増やすことで覆い隠そうとする政府の原子力政策》。
 《政府は「原発は安い」と説明してきたが、廃炉費用を国民に負担させるための議論を二十七日に開始。「夢の原子炉」と言われた核燃料の高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉とする方向だ。使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の行き場もない。経済産業省はそれぞれの課題の解決に向け、年末に一定の方針を示す考えだが、その場しのぎの対策に終わる可能性がある》。
 《▼だが、福島第一原発の処理に十一兆円以上、他の原発の廃炉にも数兆円はかかる。「核のゴミ」の処理には目途が立たず、費用がどこまで膨らむか上限が見えぬのに、「原発は安いと言い続ける▼そのツケを誰が払うか。政府が今考えているのは、国民に負担させることだ。電力自由化で好きな電力会社を選べるようにしたはずなのに、経済産業省は「どの電力会社を選ぼうが、原発のツケは全員で」と言いだした》。

 核発電を継続しつつ、なに寝言を言ってるのだろう? 《原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針》《どの電力会社を選ぼうが、原発のツケは全員で》だそうです。アベ様ら=核発電「麻薬」中毒患者らのやることときたら…。
 バックエンド費もキチンと織り込まず「原発は安い」と言い続けた方たちが負担をすべきじゃないの? 核発電へと暴走していった大手電力会社がそうやって儲けてきたわけですし、自民党議員と癒着してきたわけですから。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は
       「政治家側から支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●クダラナイ理由で命を賭して伊方プルサーマル核発電再稼働
               …「国民の安全よりも、大切なのはカネと選挙」

 そんな経産省の方針《原発のツケは全員で》なんて議論を始めるのならば、核発電をまずは止めるべきで、1mgでも死の灰が生まれ出ることを止めるべき。ましてや《経産省は代替の高速炉の開発方針を年末に示す考え》なんて論外で、核燃料サイクルが破綻していることを認めることだ。

   『●誰が為に核発電所は再稼働?…
      この酷暑、「電力各社が供給力に余裕をもって乗り切った」
   『●東電柏崎刈羽原発再稼働!?: 
     《第一原発事故を検証しない限り…》とする泉田裕彦新潟県知事の正論
   『●「福島の声」を聞き、避難者に寄り添っていたのは 
       アベ様ら?、それとも、経産省前テントひろばの皆さん?
   『●九州電力に「普通の社会通念」が通じるか?: 
      三反園訓鹿児島県知事が川内原発を「直ちに一時停止」要望
   『●残念な「泉田裕彦新潟県知事「出馬撤回」事件」: 
       「原子力ムラはニンマリ」「東電の高笑い」で良いの?
   『●「最終処分地に適した地域を色分けして示す日本地図」上に、
                  10,0000年間保存可な色付けは在るの?
   『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、
       一方、「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092190070120.html

原発電力の購入拒否でも 全原発の廃炉費用は国民負担
2016年9月21日 07時03分

 経済産業省は、東京電力福島第一原発の廃炉や事故処理にかかる費用のほか、他大手電力が保有する原発も含む廃炉費用を、原則としてすべての電力利用者に負担させる方向で調整に入った。電気料金に含まれる「託送料金」に費用を上乗せする案が有力だ。同省の方針通りに決まれば、四月の電力小売り自由化大手電力会社以外と契約した消費者も費用を支払うことになる。
 福島第一原発関連の費用に加え、すべての原発に必要となる費用がいくらかかるのか、上限が見えない中で、同省の方針通りに決まれば消費者の負担はさらに増えていく。原発を保有する大手電力会社ではなく、原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針は批判が避けられそうにない。
 同省が費用の上乗せを考えている「託送料金」は、大手電力会社の送電網を使うための「利用料」のようなもので、修繕費など送電網の維持管理に必要な経費を基に国が認可し、すべての電力利用者の電気料金に上乗せされている。主に原発の維持に充てられる電源開発促進税も含まれ、東京電力管内では一キロワット時当たり八・五七円。ここに福島第一原発の廃炉や除染、賠償に必要な費用やほかの原発の廃炉費用も上乗せする案を軸に調整する。
 同省は、原発による電力の一部をすべての電力会社が安く利用できる仕組みを整えることで「国民への恩恵がある」(経産省関係者)とし、消費者に上乗せの理解を求める方針だ。
 二十日に有識者会合「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」(東電委員会)と「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を設置することを発表。年内に正式な結論をまとめ、二〇一七年の通常国会に電気事業法の改正案を提出する考えだ。
 同省の方針通りになれば、消費者はどの電力小売り事業者と契約していても、原発に必要な費用を負担する可能性が生じる。料金が高くても原発による電力を売らない会社や、電源の種類を選ぼうとする消費者の意向に背くことになる
 福島第一原発では廃炉や除染、被災者への賠償にかかる費用が一三年の見通しを上回っている。東電の数土(すど)文夫会長は今年七月に「越えるべきハードル(負担)が見えないと、責任を持てない」と政府に支援を要請。自民党も対応を求める提言をまとめていた。同様に一二年にも国に支援を求め、国民の負担を強めた。誰も責任を取らないまま国民負担が膨らむ構図は、今でも変わっていない。
 一方、ほかの原発の廃炉費用は同省が一五年の有識者会合「廃炉に係る会計制度ワーキンググループ」で、すべての電力利用者から徴収する方針を示していた。電力の自由化で大手電力会社から顧客が流出すると、廃炉費用を工面できなくなる可能性があるためだとしている。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092102000120.html

原子力政策の限界鮮明に 廃炉費をすべての電力利用者負担へ
2016年9月21日 朝刊

 経済産業省が東京電力福島第一原発をはじめとする大手電力会社の原発の支援に乗り出すことで、国民には「底なし沼」のような負担が迫る。「原発は安いという説明を続けながら、綻(ほころ)びが生じるたびに国民負担を増やすことで覆い隠そうとする政府の原子力政策。有識者からは「限界にきている」と厳しい批判が相次いでいる。(吉田通夫

 実質的に国有化されている東電と政府は二〇一三年に福島第一原発の廃炉費用を二兆円と見積もり、東電が工面する計画を立てた。しかし、今後の作業は溶け出た核燃料の取り出しなど世界でも前例のない段階に入り、「十兆円はくだらない」(経産省関係者)などとみられている。除染や賠償費も、すでに一三年の見積もりを超えた。東電関係者によると、今年七月に、東電が政府に支援を求める声明を書いたのは、経産省から出向中の西山圭太執行役で、同省の「自作自演」だった。
 今後、費用の上乗せを議論する「東京電力改革・1F問題委員会」は、国民に負担を求める議論にもかかわらず、経産省は「東電の経営に直結するので」(電力・ガス事業部の畠山陽二郎政策課長)と一部を非公開にする構えだ。
 一方、ほかの原発の廃炉費用は電力会社が四十年かけて積み立てる規則だった。同省の資料によると一三年三月末時点で全国の原発五十基の廃炉費用一・二兆円分が不足している。「原発が安いというならば、原発を持つ大手電力会社は廃炉費用に悩む必要はないはずだが、それも結局は国民に頼るという
 電力問題に詳しい立命館大の大島堅一教授は「矛盾は明らかで、福島第一原発のように最終的にいくらになるのか分からない費用があったり、超長期にわたって費用を積み立てなければならない不安定な電源を『安い』とは言えない」と話す。
 原子力資料情報室伴英幸共同代表は「原発を保有する東電や大手電力会社を生かすために付け焼き刃の対応と国民負担を増やし続けている状態で、原子力政策の行き詰まりは明らかだ」と批判している。

◇各委員会のメンバー 
 (五十音順、敬称略)

東電改革・1F問題委員会
 ▽伊藤邦雄(一橋大大学院特任教授)▽遠藤典子(慶応大大学院特任教授)▽小野寺正(KDDI会長)▽川村隆(日立製作所名誉会長)▽小林喜光(経済同友会代表幹事)▽白石興二郎(読売新聞グループ本社会長)▽冨山和彦(経営共創基盤CEO)▽原田明夫(原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員長)▽船橋洋一(日本再建イニシアティブ理事長)▽三村明夫(日本商工会議所会頭)▽オブザーバー・広瀬直己(なおみ=東京電力ホールディングス社長)

電力システム改革貫徹のための政策小委員会(◎は小委員長、○は小委員長代理)】
 ▽秋池玲子(ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー)▽秋元圭吾(地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー)▽安念潤司(中央大法科大学院教授)▽石村和彦(旭硝子会長)▽伊藤麻美(日本電鍍工業代表取締役)▽大石美奈子(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事)▽大橋弘(東京大大学院教授)▽大山力(横浜国立大大学院教授)▽崎田裕子(ジャーナリスト)▽松村敏弘(東京大教授)▽圓尾(まるお)雅則(SMBC日興証券マネージングディレクター)◎山内弘隆(一橋大大学院教授)▽山口彰(東京大大学院教授)○横山明彦(東京大大学院教授)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092802000110.html

原子力政策のほころび次々 原発廃炉の国民負担議論スタート
2016年9月28日 朝刊



(↑すいません、コピペさせて頂きました。
 【http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/images/PK2016092802100053_size0.jpg】)


 政府の原子力政策のほころびが次々に明らかになってきた。政府は「原発は安い」と説明してきたが、廃炉費用を国民に負担させるための議論を二十七日に開始。「夢の原子炉」と言われた核燃料の高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉とする方向だ。使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の行き場もない。経済産業省はそれぞれの課題の解決に向け、年末に一定の方針を示す考えだが、その場しのぎの対策に終わる可能性がある。(吉田通夫

 経産省は二十七日、有識者会合「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の初会合を開催。原発の廃炉費用を電気料金に含まれる送電網の利用料「託送料金」に上乗せする方向で議論を始めた。十月に始まる「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」の議論も踏まえ、東京電力福島第一原発の廃炉や賠償に必要な費用の上乗せも検討する。
 政府はこれまで原発による発電費用は安いと強調してきた。だが福島第一原発の処理に必要な費用は一三年に見積もった十一兆円を超えることが確実福島第一を除く全国四十八の原発の廃炉に必要な費用には数兆円が見込まれる一方、大手電力会社の積み立ては不足。経産省の資料によると、一三年三月末時点で不足額は一・二兆円に上る。
 「使った以上の核燃料を生み出す」とされたもんじゅは一兆円の税金を使いながらほとんど稼働せず廃炉の方向だ。経産省は代替の高速炉の開発方針を年末に示す考えだが、建設が実現するめどは立っていない。
 核のごみの問題もある。高レベル放射性廃棄物の最終処分場の立地について政府は自治体の立候補を待ったが方針転換。自ら前面に出て、年末に最終処分場を建設できる地域を色分けした地図を示す。しかし「国民との議論が不十分」(東京工業大の今田高俊(いまだたかとし)名誉教授)との指摘があり、決定できるかは見通せない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016093002000133.html

【コラム】
筆洗
2016年9月30日

 夜の繁華街には、なかなか恐ろしい店があって、「安いよ。○千円でいいよ」と誘っておいて、法外な料金を請求する。そんな店を野放しにする訳にはいかぬから、自治体によっては条例で規制している▼たとえば、大阪府の場合は<料金について、不実のこと又は実際のものよりも著しく低廉であると誤認させるようなことを表示し、又は告げてはならない>とし、違反すれば五十万円以下の罰金が科せられる▼しかし、市井では禁じられている行為も政府がやれば、問題にはならぬらしい。「安いよ。原発はお得だよ」と国民に告げ続けても平気なのだ▼だが、福島第一原発の処理に十一兆円以上、他の原発の廃炉にも数兆円はかかる「核のゴミ」の処理には目途が立たず、費用がどこまで膨らむか上限が見えぬのに、「原発は安い」と言い続ける▼そのツケを誰が払うか。政府が今考えているのは、国民に負担させることだ。電力自由化で好きな電力会社を選べるようにしたはずなのに、経済産業省は「どの電力会社を選ぼうが、原発のツケは全員で」と言いだした▼「過去に原発の恩恵を受けていたのだから、その分はこれからも払ってもらう」という理屈だが、これでは、ちゃんと支払いを済ませた店から「経営難で閉店費用も払えないので、追加料金をと請求されるようなもの。消費生活センターにでも訴えようか。
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●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

2016年09月24日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事【もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html)と、
社説【もんじゅ、廃炉へ 大転換の時代に移る】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092202000181.html)。

 《「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す》。
 《「もんじゅ」がようやく廃炉に向かう。高速増殖原型炉。使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの要の石だ。日本の原子力政策は転換すべきである》。

 東電核発電人災からでさえ5年以上、《九五年にナトリウム漏れ事故》から20年以上、無為な月日を費やし、お金をドブに捨ててきました。予想に反して、プルトニウムを燃やしつつ「増殖」させるという「悪夢」から、ようやく目覚め、「閉じない環」である第2の「環」が終わりを迎えることになりそうです。
 一方で、「閉じない環」である第1の「環」を継続し、プルトニウムを取り出す六ヶ所村の再処理工場の稼働を目指すことを続けるそうだ。恐ろしいリスクを抱えつつ、瀕死の「ホワイト・エレファント」にエサを与え続け、エサ代を支払い続けるつもり。「もんじゅ」という悪夢に目覚めるのにこれだけの月日を費やし、誰も責任をとらず…、「第1の閉じない環」の悪夢からいつ目ざめるのだろうか? あまりに愚かすぎる。

   『●原発人災、犯罪者を追求すべし:  
      なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?
   『●原子力ムラは土台から腐ってる
    「河野太郎氏のブログより…」
    《やっぱり日本の原子力の土台は腐っていた
     自民党本部に九大、東工大のエネルギー、原子力関係の教授を
     招いて、原子力関連の人材育成についてのヒアリング…
     あきれるというよりも、その象牙の塔ぶりに笑いが出た…
     シビアアクシデント対策とか、放射性物質の除去とか、
     核のゴミの処分や廃炉のために必要な人材を供給しよう等
     ということは一言もない
     もちろん、使命感や倫理感に欠けた人材を供給してきたこと
     に対する反省など全くなし
     こういう人間達に、原子力を任せたくないし、こういう人間達に、
     原子力に関わる人材育成を任せたくない。
     日本の原子力、根底の根底からおかしい

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに十二兆円を
       ドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢

   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、 
      「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!
   『●もんじゅ「エサ代」の無残さ: 《ナトリウムを使う
      原子炉の解体技術は確立されておらず》…無責任過ぎる
   『●全く知恵の無い「もんじゅ」は発電もせずに、
      「年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上る」
   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント… 
     私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?
   『●「夢の高速増殖炉」もんじゅ、「夢から覚める時が来た」
                 ……とっくに目覚めの時は過ぎている
   『●談合: 原子力「ムラ寄生」規制委員会から運営交代を
             申し付かったあの日本原子力研究開発機構
   『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
       原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人
   『●高速増殖炉もんじゅ…ニッポンでは、
       巨額の「エサ代」を支払い続けるつもりらしい
   『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と
                   …ドブガネという巨額の「エサ代」は続く
   『●ナトリウムを取り扱う技術を持つ日本原子力研究開発機構…
                   ナトリウムを使う原子炉の解体技術は?
   『●NHK解説委員長、原発は人間の手に負えないモンスター…
                 「アベ様のNHK」発の核発電政策への波紋

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html

もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持
2016年9月22日 朝刊



(↑すいません、コピペさせて頂きました
  『もんじゅを巡るこれまでの主な動き』
  【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/images/PK2016092202100047_size0.jpg】)

 政府は二十一日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について関係閣僚会議を開き、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す。もんじゅにはこれまで国費一兆円以上をつぎこんだ。再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。

 菅義偉官房長官は閣僚会議で「高速炉開発は、原発の新基準の策定など大きな情勢変化がある。本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」と述べた。

 核燃料サイクルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する。プルトニウムを燃やすもんじゅはサイクルの柱だもんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉「常陽」(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討される

 廃炉も容易ではない。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の試算によると、三十年の期間と三千億円の費用がかかる。地元の福井県には、松野博一文部科学相が陳謝し、直接出向いて事情を説明した。

 もんじゅは、消費した以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」とされた。半面、危険なナトリウムを冷却材に用いる必要があり、構造も複雑。一九九四年に本格稼働したものの九五年にナトリウム漏れ事故を起こして停止した。その後もトラブルが相次ぎ、稼働日数は二百五十日にとどまる。停止状態でも一日あたり約五千万円の維持費が必要だ。

 原子力規制委員会は昨年十一月、約一万点の機器点検漏れなどを受け、所管する文部科学省に新しい運営組織を示すよう勧告した。運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団に始まり、すでに二回変更されている。文科省は新しい受け皿を探したが、電力会社は難色を示し、引き受け手はなかった。


◆核燃、既に12兆円 本紙調べ

 高速増殖原型炉「もんじゅ」を中心とした核燃料サイクルには、少なくとも十二兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明している。施設の維持・運営費で年間約千六百億円が新たにかかる

 本紙は一九六六年度から二〇一五年度までのもんじゅや再処理工場、取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料工場、高レベル廃棄物の管理施設の建設費や運営費、必要になる廃炉・解体費などを積算した。立地自治体への交付金も足しているが、通常の原発向けと判別が難しい場合は、全額を除外している。

 その結果、判明しただけで総額は計約十二兆二千二百七十七億円。主なものでは、もんじゅは関連施設なども含めると約一兆二千億円。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブル続きで稼働していないが、七兆三千億円かかった。

 核燃サイクルのコストを巡っては、電力会社などでつくる電気事業連合会が〇三年、建設から最終処分までの総額は約十九兆円と試算している。


<もんじゅと核燃料サイクル> 普通の原発は、主な燃料に「燃えるウラン」を使う。それに中性子をぶつけて、核分裂の連鎖反応を起こし、生じた熱を取り出し、タービンを回して発電する。

 もんじゅでは、主な燃料がプルトニウム。中性子を高速でぶつけ、燃料周囲に置いた「燃えないウラン」をプルトニウムに変える。燃料が増えるので、「高速増殖炉」の名がある。

 中性子を減速させないよう、炉内は水ではなく、高温の液体金属(ナトリウム)で満たされている。ナトリウムは水などと激しく反応し危険だ。

 核燃料サイクルは、原発で燃やした使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、もう一度高速炉で燃やそうという試み。青森県六ケ所村に、巨費を投じて再処理工場が建設されている。だが高速炉がいつまでもできないので、普通の原発にプルトニウムを含む燃料を装填(そうてん)する「プルサーマル」が行われている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092202000181.html

【社説】
もんじゅ、廃炉へ 大転換の時代に移る
2016年9月22日

 「もんじゅ」がようやく廃炉に向かう。高速増殖原型炉。使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの要の石だ。日本の原子力政策は転換すべきである。

 原発停止、火力による代替が長引くと、石油や天然ガスの輸入がかさんで「国富」が消えていくという。

 だとすれば、展望なき核燃料サイクル計画による長年の国費の乱用を、どのように説明すればいいのだろうか

 原発で使用済みの燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理を施して、新たな核燃料(MOX燃料)にリサイクルして、もんじゅでまた燃やす-。それが核燃料サイクル計画だった。


◆色あせた原子力の夢

 もんじゅは、計画の要とされた新型の原子炉で、理論上、燃やせば燃やすほどリサイクル燃料が増えていく“夢の原子炉というふれ込みだった。

 現在の運営主体は、文部科学省が所管する独立行政法人の日本原子力研究開発機構、正真正銘の国策である。

 一九七〇年代の計画当初、もんじゅにかかる費用は、三百五十億円という見積もりだった。

 ところが、ふたを開けると、深刻なトラブルが相次ぎ、費用もかさむ。本格稼働から二十二年、原子炉を動かせたのは延べわずか、二百数十日だけだった。

 そんな“夢”というより“幻”の原子炉に、政府は一兆円以上の国富を注ぎ込んできた止まったままでも、もんじゅの維持には年間二百億円という費用がかかる

 冷却材として、水ではなくナトリウムを使うのが、高速炉の特徴だ。ナトリウムは固まりやすく、停止中でもヒーターで温めて絶えず循環させておくことが必要だ月々の電気代だけで、一億円以上になることも


◆飛べない鳥のように

 発電できない原発が、日々大量に電気を消費する。むだづかいを通り越し皮肉と言うしかないではないか。

 米国や英国、ドイツは九〇年代に、高速増殖炉の実験から手を引いた。もんじゅでナトリウム漏れ事故が発生し、当時の運営主体による隠蔽(いんぺい)が指弾を浴びた九五年、日本も夢からさめるべきだった

 青森県六ケ所村の再処理工場も九三年の着工以来二十三回、完成延期を繰り返し、建設費用は当初の三倍、二兆円以上に膨らんだ核燃料サイクルという国策も、ほとんど破綻状態なのである。

 二〇一〇年策定の国のエネルギー基本計画は、高速増殖炉を「五〇年より前に実用化する」とうたっていた。ところが一四年の計画からは目標年が消えていた。

 政府の中でも、もんじゅは終わっていたのだろうか。

 それなのに、廃炉の決断は先延ばし。科学の夢を塩漬けにする愚を犯しただけでなく金食い虫の汚名を着せて放置した。その責任は軽くない。

 プルトニウムは核兵器に転用できる。日本は日米原子力協定で、非核保有国では例外的に、プルトニウムを取り出す再処理を認められてきた。政界の一部には「特権を手放すべきではない」との声も根強くある

 日本は現在、四十八トン、長崎型原爆六千発分とも言われるプルトニウムを国内外に保有する。

 核不拡散を主導する米国も、再来年に迫った協定の期限を前に、日本の「核の潜在力」に対する警戒感を強めている。

 プルトニウムは増殖どころか、そもそも減らすべきものなのだ。

 日本はおととし、ランスが、核廃棄物の減量や無害化をめざして開発を進める高速炉「ASTRID(アストリッド)」への技術協力に合意した。核燃料サイクルのシステム自体、減量に軸足を移すべきである。

 3・11を経験した日本で、もはや原発の新増設などあり得まい。これ以上ごみを増やさないように脱原発依存を進めるべきである。しかし、最終処分場の選定が容易ではない以上、保有するプルトニウムや、一時保管されている、すでに出た使用済み核燃料を減らす技術は必要だ。

 先月に再稼働した四国電力伊方原発3号機のような、MOX燃料を通常の軽水炉で燃やすプルサーマル発電だけでは、とても追いつかない。


◆雇用や経済は維持を

 廃炉にしたもんじゅの設備を核廃棄物減量の研究拠点に転用できれば、地元の雇用や経済は維持できる。もんじゅと共生してきた自治体も納得できるに違いない。

 いずれにしても、もんじゅがなければ、核燃料サイクルは根本的に行き詰まり、日本の原発政策の大前提が崩れ去る。

 それは、核のごみを増やせない時代への転換点になる。
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●「夢の高速増殖炉」もんじゅ、「夢から覚める時が来た」……とっくに目覚めの時は過ぎている

2015年11月11日 00時00分56秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【もんじゅ運営「失格」の烙印に首相&高木大臣が頭抱えるワケ】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168763)、
東京新聞の社説【もんじゅ やはり廃炉にすべきだ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015110602000143.html)。


 《核燃料サイクルの主役である「もんじゅ」の存続に赤信号がともったことはもちろん、JAEAという組織自体にバッテンが付いたようなもの》。
 《原子力規制委員会は高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運営者を代えるよう、文部科学省に勧告した。そもそも、もんじゅはその名の通り、人間の手に余る。夢から覚める時が来た》。

   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
      私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?


 「文殊の知恵」「夢の環」……夢から覚めない自公議員達、そして、電力会社と「地元」。アベ様をはじめ、正気の沙汰じゃあない自公議員たち、「地元」議員達。

   『●自公議員に投票したことの意味: 原発は「重要なベース電源」、
                        さらに「もんじゅ」「核燃サイクル」継続

 昨日も書きましたが、田中俊一「寄生」委員会委員長は半年間延命してあげた訳です、何の知恵なんでしょうね?…「もんじゅ」の知恵ではなく、「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!? もんじゅの運営組織の見直しを指示した委員長、さて、半年後に、「廃炉」を勧告できるでしょうか? 半年間のドブガネは、どうなるのか。ようやくにして「夢から覚めて」御終い、それとも、さらなるドブガネが続くのか? 「目覚める」べき時は、とっくに過ぎているというのに。

   『●悪「夢の原子炉」
   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
   『●もんじゅに〝投資〟、まだやっている・・・
   『●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう
   『●「もんじゅ」の尻拭い・後始末も
      出来ない日本原子力研究開発機構が・・・・・・
   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、 
        「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!


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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168763

もんじゅ運営「失格」の烙印に首相&高木大臣が頭抱えるワケ
2015年11月7日

     (無視したくてもできない…(C)日刊ゲンダイ)

 福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」について、原子力規制委員会が「日本原子力研究開発機構」(JAEA)には“運営能力ナシ”の判断を下したが、これに安倍首相と高木復興相が頭を抱えている。核燃料サイクルの主役である「もんじゅ」の存続に赤信号がともったことはもちろん、JAEAという組織自体にバッテンが付いたようなものだからだ。

 JAEAはもんじゅ以外に全国に原子力関係の研究施設を抱えていて、事故を起こした福島原発の廃炉にも関わっている。先月19日には福島県楢葉町に廃炉研究の中核となる「遠隔技術開発センター」をオープンさせたばかり。「原発の廃炉技術開発の世界的拠点をめざす」というもので、研究棟には国内最大級のスクリーンを使い3D画像で廃炉作業を体験できる設備がウリだ。開所式には馳文科相とともに安倍首相がわざわざ出席し、高木復興相も顔を並べていた。

   「もんじゅの運営で『失格』の烙印を押されたJAEAが、
    世界に類例のないほど技術的に困難だといわれている
    『廃炉』で指導力を発揮できるのか、という疑問符まで
    付けられることになりかねません」(自民党関係者)

 特に「もんじゅ」の地元選出の高木復興相は、JAEAとはズブズブの関係だ。高木復興相の政党支部と資金管理団体が、JAEAの業務を請け負う企業3社にパーティー券354万円(98~06年)を購入してもらっていたことが報じられ、問題になったこともある。

   「原子力規制委員会は余計なことをしてくれた、というのが
    政府・自民党の大方の感想でしょう。規制委にもんじゅの
    運営主体を判断する権限まであるのか。規制委の勧告に
    強制力はありませんが、無視したら世論から批判を浴びるのは
    間違いない」(前出の自民党関係者)

 下着ドロに加え、選挙区内で香典を支出した公選法違反疑惑で追い詰められている高木復興相にとっては、弱り目にたたり目だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015110602000143.html

【社説】
もんじゅ やはり廃炉にすべきだ
2015年11月6日

 原子力規制委員会は高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運営者を代えるよう、文部科学省に勧告した。そもそも、もんじゅはその名の通り、人間の手に余る。夢から覚める時が来た

 繰り返し述べてきたように、やはり廃炉にするしかない。

 勧告権は、いわば“伝家の宝刀”だ。規制委は初めて、刀を抜いた。日本原子力研究開発機構に、もんじゅを運営する資格はないという、つまりレッドカードである。

 使用済み核燃料を再利用、発電すればするほど、燃料が増えていく-。そんな“夢の原子炉”という触れ込みだった。だが文殊菩薩(ぼさつ)の御名を冠したこの原子炉には、初めから不運や不正がつきまとう。

 通常の軽水炉とは違い、もんじゅの冷却材には液体ナトリウムを使う。空気に触れると激しく燃える、管理が難しい物質だ。

 一九九五年暮れ、発電開始から四カ月足らずでナトリウム漏れ事故を起こした。

 当時の運営主体、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が事故の実態を隠そうとしたため指弾を浴びて、長い停止を余儀なくされた。

 この間、動燃から核燃料サイクル開発機構、そして日本原子力研究開発機構へと運営者は代わったが、その体質は変わっていない。

 二〇一二年十一月、約一万点にも上る機器の点検漏れが見つかった。規制委は改善を求めたが、その後も新たな点検漏れや安全管理上のミスが相次いだ。

 運転は止まっていても、ナトリウムが固まらないよう電熱で温める必要がある。二十年間ほとんど発電できなかったもんじゅの維持に、大量の電気を使い、一日五千五百万円の巨費を投じている。これでは“悪夢の原子炉”だ。

 三年前に閉館したもんじゅのPR施設には、二十五分の一の配管模型があって、毛細血管を思わせる構造を「配管の化け物」と呼ぶ人もいた。ひと目見て、こんな複雑な設備と危険な資材が必要な原子炉を、そもそも人間が安全に管理し続けられるのかという疑問が湧いてきたものだ。

 この際、速やかに廃炉にし、もんじゅそのものを廃炉の研究施設などに“リサイクル”する道筋をこそ、検討すべきではないか。

 使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルは、日本の原子力政策の根幹で、もんじゅはその中心に位置している。規制委の勧告は、この国の原子力政策そのものを問うているともいえないか。
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●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?

2015年11月10日 00時00分53秒 | Weblog


東京新聞の記事【もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015110502000144.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015110502000157.html)。

 《▼さらに大きな白い象は、文殊菩薩から名をいただいた高速増殖原型炉「もんじゅ」だ。こちらは二十年前に深刻な事故を起こして以来、ほとんど動いていないのに、年に百数十億円もの維持費がかかる▼しかも、それほどの費用を使いながら、原子力機構はまともに点検すらできない。さすがに原子力規制委員会は、もう機構には任せられないと断を下した▼そもそも十兆円を投じても先が見えぬ核燃料サイクルという事業自体、飛び切り大きなホワイト・エレファントだろう。私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか》?

   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、
       「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!

 さっさと「廃炉」に向かうべきだったのに……科学者=田中俊一原子力「寄生」委員会委員長は半年間延命してあげた訳です。一体何の知恵??……「もんじゅ」の知恵ではなく、「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」という、ドブガネ!? 半年後、ウヤムヤにするのが目に見える? 一日も早く、「廃炉」に向かえないグズグズぶり。アベ様のご機嫌ばかりをうかがう情けなき「寄生」委。

   『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず

 いらんことですが、民主党も次期選挙では脱原発を看板に掲げるべきですね……大飯原発再稼働を決して忘れない。東京新聞の記事【「軽減税率よりももんじゅ廃止を」 民主・枝野氏、公明を批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201511/CK2015110502000137.html)によると、《かつて廃炉を選挙公約にしていた公明党について「軽減税率より先に、もんじゅの廃止を実行したらどうか」と批判……枝野氏は、もんじゅについて「国民の税金や電気料金から巨額の負担を続けている」と述べ、規制委の勧告に賛意を示した》、そうです。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015110502000144.html

もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻
2015年11月5日 朝刊

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉が現実味を帯びてきた。原子力規制委員会は点検漏れ問題で文部科学省に対し、信頼できる運営主体を探すか、安全対策を抜本的に改善するかを勧告する。どちらかを実現しないと、廃炉は避けられない。もんじゅは国が推進してきた核燃料サイクル計画の中核的な存在。なくなれば、十兆円をつぎ込んできた計画は名実ともに破綻する。 (小倉貞俊榊原智康


 規制委は四日、現在の運営主体の日本原子力研究開発機構では、停止しているもんじゅの保全管理もできておらず、運転は任せられないとの判断を下した。

 かつて「夢の原子炉」とうたわれたが、二十年以上も前に造られ、稼働期間はわずか二百五十日。冷却材に爆発的燃焼の危険性が高いナトリウムを使い、維持費もかさむ。機構は二十年前のナトリウム漏れ事故以降、甘い管理体制を改善する機会は何度もあったが一向に進まない。まだ待てというのか-。

 規制委の委員五人は全員一致で、文科省への勧告という重い決断をした。

 核燃サイクルは、一般的な原発系と高速炉系の二系統で、使用済み核燃料を再利用する計画。十兆円が投じられてきたが、どちらの循環も回るめどはない。原発で核燃料をMOX燃料として再利用するプルサーマルは、海外で製造した燃料を使って一部始まったが、使用済みMOXをどうするのかは白紙。もんじゅがなくなれば、高速炉系の「輪」は名実ともに消える

 もんじゅの新たな担い手を半年以内に見つける必要に迫られる文科省は「運営主体は幅広くいろいろなことを検討していきたい」(高谷浩樹研究開発戦略官)と話す。

 考えられる担い手には、(1)文科省所管の別の研究開発法人(2)機構から独立したもんじゅ部門(3)民間の原子力事業者-などがあるが、どれも難しい。

 原子炉の運転経験は絶対に必要な条件で、単なる機構内の看板の掛け替えでは規制委が納得しない。

 文科省幹部は「日本原子力発電(原電)は、もんじゅの次につくる実証炉を受け持つ予定だった」と原電の名を挙げつつも、「不備だらけの現状で、もんじゅを受け取る経営判断をするだろうか」と話す。

 来週にも勧告の具体的な内容が決まり、文科省に出される。これまでの経過からすると、文科省からは中途半端な回答しか出てこないこともあり得る。中途半端で認めれば、規制委の存在理由が問われる。

 一方、文科省の回答を不十分とし、もんじゅの廃炉まで踏み込めば、昨年四月のエネルギー基本計画で核燃サイクルの維持ともんじゅ存続を打ち出した政府の方針と対立する。

 四日の記者会見で、田中俊一委員長にあらためて覚悟を問うと、「(核燃サイクルを)どうするかは国の政策マター(問題)で、私たちがどうこういう話ではない。申し上げているのは、もんじゅの安全の問題への懸念だ」と述べた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015110502000157.html

【コラム】
筆洗
2015年11月5日

 白象は、普賢菩薩(ふげんぼさつ)をその背に乗せる霊獣だ。しかし英語でホワイト・エレファントといえば「始末に困るもの、金のかかる厄介物」という意味になる▼その昔、タイでは王様が気に入らぬ家来に白い象を与えたという。神聖な生き物でしかも王からの贈り物となれば、いくらエサ代がかさもうが手放すこともできずに、家来は破産に追い込まれる。使い道がないのに維持費がやたらかかるもの。それがホワイト・エレファントである▼普賢菩薩にあやかって命名された日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」は、「開栄丸」という白い象をお持ちだ。この炉から出た使用済みの核燃料を運ぶ船なのだが、ここ六年近く一度も運んでいないのに、五十九億円が維持などに費やされたという▼さらに大きな白い象は、文殊菩薩から名をいただいた高速増殖原型炉「もんじゅ」だ。こちらは二十年前に深刻な事故を起こして以来、ほとんど動いていないのに、年に百数十億円もの維持費がかかる▼しかも、それほどの費用を使いながら、原子力機構はまともに点検すらできない。さすがに原子力規制委員会は、もう機構には任せられないと断を下した▼そもそも十兆円を投じても先が見えぬ核燃料サイクルという事業自体、飛び切り大きなホワイト・エレファントだろう。私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか。
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●自公議員に投票したことの意味: 原発は「重要なベース電源」、さらに「もんじゅ」「核燃サイクル」継続

2013年12月19日 00時00分17秒 | Weblog


東京新聞の社説【エネルギー政策 反省ゼロの基本計画】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121102000126.htmlと『私説・論説室から』【おごれる者は久しからず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013121102000127.html)。asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)エネ計画どう変わる?】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312120411.html)。東京新聞の記事【「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013121402000119.html。最後に佐賀新聞の記事【再稼働、現状では暴挙 専門家、新基準を批判】(http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2596187.article.html)。

 「経産省のエネルギー基本計画素案によると、原発は「重要なベース電源」で、輸出も推進、新増設の比率は明記しないが、将来に含みを残し、使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル計画さえ、引き続き推進するという」・・・・・・メチャクチャ。東京電力原発人災の被災者に対して何の感情もわかないらしい。

   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「成長戦略に「原発の活用」」: あ~恥ずかしい政権、恥ずかしい国
   『●「もはや犯罪というしかない」 
              ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●すぐさま廃炉作業に着手を!

   『●東京電力原発人災対策へのお金を「ケチ」ったあげくに、
                                  致命的欠陥対策にドブ金か?
   『●核開発・核使用、そして原発推進・・・・・・、それは愛国心の発露か?
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、さらに「死の商人」へ:
                           どうやら「恥」という概念は無いらしい
   『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」: あとは野となれ、山となれ
   『●呆れた!! 自公議員が、どの口で「憲法違反」を叫ぶのか!?
                            そして、国会は一体何をやってきたのか?
   『●東京電力原発人災4号炉問題
                    「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   『●トルコ原発、「責任」を持って「死の灰」は
          日本に逆輸入してあげるのですか? 日本で10万年管理??

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・「まさに『神頼み』」、それほど危険な作業

 しかもである、「実現性が疑問視されている核燃料サイクルは「着実に推進」とした。ずさんな保安管理とトラブル続きで停止中の高速増殖原型炉もんじゅの研究も「実施体制を再整備する」と継続を明記」なんて、正気の沙汰なのだろうか?

   『●事業仕分け忘れ?
   『●悪「夢の原子炉」
   『●美浜の会「もんじゅ運転再開への抗議声明」
   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●高速増殖炉もんじゅ廃炉
   『●廃炉と、核燃サイクル撤退を
   『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く
   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
   『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●もんじゅに〝投資〟、まだやっている・・・
   『●原発立地県知事の神経を疑う: 「原発のお金が大好き」という最低レベルの議論
   『●復興予算をムダに「原子力ムラ」事業に流用
   『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開
   『●視察パフォーマンスと経団連詣で
   『●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう
   『●「技術的には危険、経済的には損、資源的には何の意味もない」プルサーマル
   『●もんじゅ周辺の住民はそんなことを望んでいるの?
   『●「もんじゅ」の尻拭い・後始末も出来ない日本原子力研究開発機構が・・・・・・

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121102000126.html

【社説】
エネルギー政策 反省ゼロの基本計画
2013年12月11日

 経済産業省の新たなエネルギー基本計画案を見て驚いた。福島原発事故の反省は一体どこへ行ったのか。三年足らずで、もう忘れてしまったのか。忘れた時に、人は過ちを繰り返すのではないか。

 経産省のエネルギー基本計画素案によると、原発は「重要なベース電源」で、輸出も推進、新増設の比率は明記しないが、将来に含みを残し、使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル計画さえ、引き続き推進するという。

 福島の事故などまるでなかったかのように耳をふさいで、3・11以前にすべてを戻そうというのだろう。

 ベース電源とは、基本になる最も重要な電源の意味である。

 福島の事故を真摯(しんし)に反省し、原発依存度は可能な限り少なくするとは書いてある。だが、国の反省は伝わらない。素案をまとめた審議会委員の大半は、原発維持・推進派が占めている

 原発を「ベース電源」に位置付けるのは、エネルギーの安定供給や発電コスト、温暖化対策のためだという。

 しかし、今現に五十基ある原発は、すべて停止中である。汚染水さえ止められず、膨大な国費をつぎ込んでいる。この先、除染、補償、廃炉など、天文学的な費用が必要になるだろう。

 とてもではないが、原発は安定的とも低コストとも言い難い。そこにごまかしがあったのは、私たちの大きな反省点である。

 使用済み核燃料の処分方法は、棚上げにしたままだ。核燃料サイクルの実用化は可能かどうかわからない。再処理して取り出した危険なプルトニウムが蓄積されていくだけだ。代替エネルギーの開発は世界に後れを取りかねない。

 手続き的にも問題がある。

 民主党政権は、少なくとも討論型世論調査などの結果を踏まえて原発ゼロ方針を打ち出した。

 自民党は昨年末とこの夏の国政選挙に大勝した。しかし、エネルギー計画を明確な争点にはしていない。世論調査を見れば、それこそ民意のありかは明らかである。

 ゼロから推進へ、これほどの大転換を図るなら、国民の声をもっとよく聴いてからにするべきだ。

 特定秘密保護法に従えば、原発の事故対策すら、テロ防止を口実に公開されない恐れがある。

 基本エネルギーが原子力である必要はない。原発に代わる新技術をなぜ奨励しないのか。そこには国の未来がかかっている
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013121102000127.html

【私説・論説室から】
おごれる者は久しからず
2013年12月11日

 過酷事故の後始末もできないのに「原発再稼働」を目指す公約違反の「TPP交渉参加」を決めるバラマキもやめないで「消費税増税」する民主主義を壊しかねない「特定秘密保護法」を強引につくる

 「民意」の多くに反する重大事案をさも平然と決めていく。安倍政権は国政選挙さえ勝てば「やりたい放題の免罪符を得ると勘違いしているのではないか

 もっとも、「民意」と政権との大きなズレは選挙結果で分かっていたことだ。一年前の総選挙で自民党は大勝したが、それは低投票率や小選挙区制の特性のおかげだった。全有権者でみれば自民の得票率は小選挙区で24%、比例代表はわずか15%四分の一以下の「民意」しか得ていない

 「ナチスの手口を学んだらどうか」「デモはテロという政権である。以前、この欄で触れた寓話(ぐうわ)『茶色の朝』の世界に、いよいよ近づいたと感じる。ファシズムの怖さを原体験に持つ作者パブロフ氏は言った。

 「民主主義は壊れやすい花瓶と同じ。小さなひびを放っておくと、いつの間にか割れてしまう」。氏は多くの人に伝えたいと印税を放棄し、寓話の原書は一ユーロ(約百四十円)で販売された。フランスでは学校教材としても広く読まれた。

 道徳を教科化するというなら、この国も教材に採用してはどうか。いや、「不都合な真実」を「秘密」にしておきたい政権には望むべくもないか。 (久原穏
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http://www.asahi.com/articles/TKY201312120411.html

もんじゅ君のエネルギーさんぽ)エネ計画どう変わる?
2013年12月13日09時43分

■「みんなでワーワーいう」のがだいじ

 こんにちは。もんじゅ君です。特定秘密保護法はとっても残念だったね。きまったあとで安倍さんが「もっとていねいに説明すべきだった」といっていたけど、開いた口がふさがらないとはまさにこのことですだよ

 法律は成立しちゃったけど、再認識したのは「みんなでワーワーいう」ことの大切さ。

 審議の終盤にかけてたくさんの人たちが国会前や日比谷公園にあつまって抗議や集会をしていて、それとともにテレビなどの報道でも法案への疑問を投げかけるものが増えたように感じたよ。


■声は届いている

 のちに撤回したけれども、石破さんが「デモはテロだ」といって問題になっていたでしょ。あれはきっと、官邸前でずっとつづいてきた脱原発の抗議活動がよっぽど耳ざわりだったんだよね。

 だとすると、とにもかくにも声は届いているということ。石破さんにとってはあの声が、脱原発や秘密保護法の撤回を「強制している」かのように感じる、いやなものだったということだよね。


■来年の再稼働にそなえて

 残念だけど、来年の春にはきっと原発の再稼働が現実的なものとして浮上してくると思うの。具体的には、愛媛の伊方くんとかね。

 そのときに早い段階からみんなでワーワー声を上げることがきっとだいじなんだろうな、と秘密保護法の騒動をとおして思いました。

 とりわけ、立地自治体の人たちの声というのは大切。ボクの地元・福井もそうだけれども、自分の住んでいるところに原発のある人は、はやくから「再稼働がくるかも。やだね」とまわりの人とお話ししたり、地元の議員さんに「応援してます。反対するようがんばってくださいね」と励ましの声を届けたりするといいのかもしれないね。


■年末ぎりぎりのエネルギー計画

 ところで、この年末にあたらしいエネルギー基本計画がリリースされそう。これは、国のエネルギーの全体量やうちわけについて、このさき10年、20年、30年の計画をしるしたもの。とっても重要なんだ。

 民主党さんの時代には「2030年代には脱原発依存社会に」という戦略が打ち出されていて、そのときにはそれでさえ「表現が弱い」と批判もあったのだけど、今回のエネルギー計画には「どんどん再稼働」「輸出もしていく」「核燃料サイクルはやめない」と書かれるようで、脱原発はおおきく後退しそう


■なぜこのタイミング?

 このタイミングで、再稼働の方針をはっきり打ち出したエネルギー計画を出すのには、電力会社さんの都合もありそうなんだ。

 ことし、安倍さんの原発イケイケな姿勢にあとおしされて各電力会社さんはもりもりと再稼働の申請を出していて、その数は7原発14基にもおよぶの

 年末に「再稼働をすすめます」という政府の計画が出れば、それも2014年度の事業計画に織り込むことができて、ほら、経営の見通しを明るく描けそうでしょ。

 ボクたちの暮らしにおおきくかかわるエネルギー計画が、ゆううつなクリスマスプレゼントになってしまわないように、サンタさんにお願いしておかなくちゃ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013121402000119.html

「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記
2013年12月14日 朝刊

 経済産業省の審議会「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は十三日、エネルギー基本計画案を了承した。経産省の素案段階で「重要なベース電源」としていた原発を「基盤となる重要なベース電源」と書き換え、さらに推進色を強めた。国民の意見を踏まえて決めた民主党政権の「原発ゼロ目標」からの転換姿勢を鮮明にした。

 今後、国民の意見を募り、関係閣僚会議の議論を経て、来年一月に閣議決定する。前民主党政権は意見公募に加え、討論型世論調査などで国民の意見を取り入れ脱原発へ舵(かじ)を切ったが、現政権は意見公募しか行わない。政府が国民の声に耳を傾ける姿勢は大きく後退した。

 計画案は、脱原発の世論に配慮して「原発依存度を可能な限り低減させる」とした。ただ、原発をどう減らすか具体策は示さず、「必要な規模を確保する」と明記した。

 原発の依存度が増す新設や建て替えについての考えは記載せず、判断を先送りし、将来に含みを残した。運転から四十年で廃炉にする原則にも言及はなかった。脱原発につながる項目は曖昧にして、なし崩し的に原発を進めようとする姿勢が見え隠れしている。

 実現性が疑問視されている核燃料サイクルは「着実に推進」とした。ずさんな保安管理とトラブル続きで停止中の高速増殖原型炉もんじゅの研究も「実施体制を再整備する」と継続を明記し、研究終了を掲げた前民主党政権時の方針は白紙に戻した。実用化のめどがないまま国民の税金が投入され続ける恐れがある。

 基本計画は中長期のエネルギー政策の方向性を示し、三年をめどに見直す。

 前民主党政権は二〇一〇年の計画で、将来的に全電源の半分を原発に頼る方針を決めたが、福島第一原発事故後に「二〇三〇年代に原発ゼロ」目標に転換した。
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http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2596187.article.html

再稼働、現状では暴挙 専門家、新基準を批判

 佐賀県議会は13日、原子力安全対策等特別委員会を開き、井野博満東京大名誉教授(金属材料学)が参考人として出席した。原子力規制委員会が定めた原発の新規制基準について、「福島第1原発事故で破綻した設計基準そのものを見直していない」などと問題点を指摘した上で、現状での再稼働は「暴挙」と批判した。

 井野氏は、新規制基準に関し、外部電源の耐震性など従来の設計基準が見直されていないと指摘。過酷事故対策もフィルターベントなど5年の猶予期間を設けるなど、「付け焼き刃と批判した。

 さらに、規制委員会が「基準に適合しても原発の安全を完全に保証するものではない」としていることと、安倍政権が「適合した原発は再稼働させる」としていることが矛盾すると指摘。「原発の安全に誰が責任を持つのか」と批判した。

 現在、審査が行われている玄海原発3、4号機についても、メルトダウンした際、格納容器に注水するとしている九州電力の対応について、作業時間などの問題点を指摘した。

 再稼働の判断については、技術的な問題点や廃炉費用を含めた原発の経済性などをすべて公開して論議し、国民が判断すべきと提言した。

 特別委はこれまで九電や原子力規制庁の担当者などを招致。今回は、原子力政策に批判的な専門家として井野氏から意見を聞いた。今後は原発政策を推進する立場の専門家を招致する。

2013年12月14日更新
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●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう

2013年05月25日 00時00分22秒 | Weblog


asahi.com(http://www.asahi.com/national/update/0512/OSK201305120135.html)。さらに、文科省が是正を求めたというasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0517/TKY201305160485.html)、でも、自己評価は酷かったという記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051890070200.html)。東京電力原発人災の国会事故調の参考人招致を自民党が拒んでいるという記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013051702000123.html)。もんじゅ点検漏れについての引責辞任の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051790135406.html)。最後にもんじゅ君のコラム(http://www.asahi.com/culture/update/0516/TKY201305160392.html)。

   『●事業仕分け忘れ?
   『●何処も彼処も
   『●悪「夢の原子炉」
   『●美浜の会「もんじゅ運転再開への抗議声明」
   『●警報は地域住民にも聞こえるように
   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●高速増殖炉もんじゅ廃炉
   『●井戸謙一元裁判官再び: 最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に
   『●つまらんことにメンツをかけて、結果が東京電力FUKUSIMA原発人災では・・・
   『●廃炉と、核燃サイクル撤退を
   『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く
   『●海渡雄一氏インタビュー「原発と司法」
   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
   『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●もんじゅに〝投資〟、まだやっている・・・
   『●原発立地県知事の神経を疑う: 「原発のお金が大好き」という最低レベルの議論
   『●復興予算をムダに「原子力ムラ」事業に流用
   『●ムダ首相・ムダノ経産相の二枚舌にウンザリ
   『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開
   『●視察パフォーマンスと経団連詣で
   『●原発をそんなところに建て、稼働してきた責任をどう取るのか?

 最初から建設や事業認可なんかしてはいけなかったのです。このフザケタ名称(「文殊」)と云い、責任者にはその責任を取ってほしい。経済的にもドブ金(『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖』、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2df70ebf0d79928fb44752fc5337c6aa)。環境的には最悪の事態を想定しなければならない。しかもその最悪事態の発生確率はゼロどころか、決して低くない。チェックはいい加減で、運転・管理も高い技術レベルにあるとは言い難く、事実、相対的に軽微な事故を含めればすでに何度も事故発生。
 しかし、3.11東京電力原発人災を経験した、この期に及んでも文科省はまだ「安全」を言うか!?  東京電力原発人災について、自民党が全く反省していないのも酷い。責任感なし。復権させた支持者や自民党への投票者もどうかしている。来る参院選でも同じ過ちを繰り返そうとしていないか?

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http://www.asahi.com/national/update/0512/OSK201305120135.html

2013年5月13日3時5分
もんじゅ、無期限の停止命令へ 機器1万個の点検放置

【室矢英樹】原子力規制委員会は近く、日本原子力研究開発機構に対し、原子炉等規制法に基づき、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の使用停止を命じる方針を固めた。内規に違反し、1万個近い機器の点検を怠っていた問題を重くみた。期限はつけず、安全管理体制を全面的に見直すまで運転再開を認めない。
 もんじゅは2010年8月に核燃料交換装置が落下したトラブル以降、再開しないままになっている。使用停止処分は長期化するとみられ、同機構が目指す今年度中の運転再開は不可能となり、核燃料サイクル政策に与える影響は大きい。
 もんじゅをめぐっては1997年9月、ナトリウム漏れ事故の虚偽報告で国が1年間の運転停止を命じているが、使用停止命令に踏み込むのは初めて。これにより、運転の前段階となる原子炉起動に必要な核燃料の交換や制御棒の動作、格納容器の密閉性などの確認作業が禁じられ、運転再開の準備ができなくなる。

・・・・・・・・・。
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http://www.asahi.com/national/update/0517/TKY201305160485.html

2013年5月17日0時40分
もんじゅの是正措置、文科省が要求 点検漏れで5項目

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、試運転再開に向けた準備作業の中止を原子力規制委員会が命じたことを受け、所管官庁の文部科学省は16日、日本原子力研究開発機構(JAEA)に対し、保全計画の見直しなど必要な措置を取るよう要求した。地元と国民の理解を得られるように、説明責任をしっかり果たすことも求めている。
 文科省は、規制委の命令に必要な措置を早急に講じる▽責任を明確にして再発防止体制をはかる▽安全文化の醸成につとめる▽安確保の取り組みを最優先する――など5項目の是正措置を求めている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051890070200.html

点検漏れ もんじゅ安全「優秀」? 文科省・自己評価「A」ばかり
2013年5月18日 07時02分

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題を引き起こした日本原子力研究開発機構と、監督官庁の文部科学省が、機構の安全管理の状況に関し、毎年「順調に実績を上げている」などと甘い評価を続けてきたことが分かった。機構理事長の鈴木篤之氏が十七日に辞任し、一定のけじめをつけた形だが、現実を見ようとしない緩い組織の体質が改まるかどうかは疑問だ。 (加賀大介、榊原智康)

 機構の業務評価は二〇〇五年の発足以降、機構による自己評価と文科省の有識者委員会による二本立てで実施してきた。安全面のほか、もんじゅ研究開発や業務効率など約四十項目ある。
 もんじゅの研究開発では、トラブル続きのため、順調であることを示す「A」ばかりとはいかず、努力が必要な「B」や改善が必要な「C」の評価も少なくない。
 しかし、原発の安全性を保つために不可欠な機器の点検などが含まれる「安全確保の徹底」の項目では、自己評価、文科省の評価とも、東海研究開発センター(茨城県東海村)の放射能漏れや隠蔽(いんぺい)が発覚した〇七年度の評価がBだったことを除けば、全てAの評価を付けていた。
 その一方で、点検漏れは一〇年八月ごろから拡大し、昨年十一月に発覚した段階では、安全上重要なものも含め約一万点の機器で点検時期が守られず、うち半分は点検されずに放置されていた。
 評価とは正反対の状況で、今月十五日の原子力規制委員会で「こういう組織が存続していること自体が問題」(島崎邦彦委員長代理)などと批判された。
 監督する文科省の問題もある。下村博文文科相は「一義的に機構の問題」とし、同省担当者の責任を問う考えはないとした。
 原子力資料情報室伴英幸共同代表は「機構は点検漏れを含め、最近だけでも七件のトラブルを繰り返している。これだけ度重なるのは、監督官庁が何もしてこなかったからではないか相応の責任を問うべきだ」と指摘した。

関係企業に発注ずらり

 日本原子力研究開発機構をめぐっては、安全管理以外にも、機構出身者が役員を務めるファミリー企業との不透明な取引などの問題も指摘されていた。
 東京電力福島第一原発事故後の二〇一一年十一月、国の事業仕分けでその使い方がずさんと指摘された。機構が業務を発注した先に、ファミリー企業がずらりと並んでいたためだった。しかも、金額ベースで約二割が競争性のない随意契約で、発注先のほとんどは売上高の半分以上が機構からの受注に頼っていた。
 こうした指摘を受け、機構は一二年度から原則としてOB企業と随意契約をしないよう方針を変更。「赤字の垂れ流し」と批判された原子力のPR施設の運用も見直した。
 その一方、機構は福島第一原発の事故で、除染や事故収束に向けた技術開発など業務を拡大している面もある。国の原子力予算の約四割にあたる千六百六十七億円(本年度)を機構が握っている。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013051702000123.html

原発、国会事故調 参考人招致できず 不利だから?自民拒否
2013年5月17日 朝刊

 国会が設置した東京電力福島第一原発事故調査委員会(国会事故調、解散)の元委員に国会が意見を聞く「参考人質疑」を開けない状況が続いている。自民党が元委員の招致を拒否しているからだ。国会事故調の報告書は、過去の自民党政権の原子力政策を批判しており、野党側は自民党が元委員の発言で原発再稼働などに水を差されるのを嫌っているとの見方を強め、反発している。 (宮尾幹成)

 元委員の参考人招致は、衆参両院の各委員会で野党側が繰り返し要求。慣例で、与野党の理事全員が賛成すれば実現する。
 十三日の参院予算委では、みどりの風の谷岡郁子代表が崎山比早子元委員の招致について、本人の了解を得た上で求めたにもかかわらず、自民党の反対で実現しなかったことを暴露。新党改革の荒井広幸幹事長も、黒川清・元委員長の招致を自民党などに拒否された事実を明らかにした。
 元委員の招致が実現したのは、衆院に新設された原子力問題調査特別委員会が先月、元委員十人のうち九人を一括して呼んだ一度のみ。参院では石井一予算委員長(民主)が職権で招致を強行する可能性まで示唆していたが、自民党の抵抗で結局実現しなかった。
 国会事故調は昨年七月に公表した報告書で、福島原発事故に関する国の責任について、事故当時の民主党政権だけでなく「歴代政府の、人々の命と社会を守る責任感の欠如」などと、過去の自民党政権にも言及した。直接の事故原因も、津波ではなく地震である可能性が否定できないとし、政府とは異なる見解を示している。
 元委員を国会に呼べば、原発の再稼働や海外輸出を進めたい安倍政権に不利な発言が出ることも予想される。国会が選任した元委員を、国会自らが追及する可能性がある場に呼ぶのは好ましくないというのが自民党の主張だが、野党側は「『原子力ムラとの癒着などを蒸し返されるのが嫌なのだろう」(みんなの党幹部)とみており、招致を求め続けていく構えだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051790135406.html

原子力機構理事長が辞任 もんじゅ点検漏れ引責
2013年5月17日 13時54分

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、もんじゅを保有する独立行政法人「日本原子力研究開発機構」の鈴木篤之理事長(70)が十七日付で辞任することが決まった。下村博文文部科学相が同日の記者会見で明らかにした。点検漏れでは、原子力規制委員会がもんじゅの使用停止を命じることを決定。鈴木理事長は自らの進退について「これから考えたい」と報道陣に答えていたが、十六日に文科省と対応を協議後、辞任を決めた。
 鈴木氏は原子力工学が専門で、東大教授を経て二〇〇六年四月から四年間、国の旧原子力安全委員長を務め、一〇年に一九九五年のナトリウム漏れ事故で停止していたもんじゅが運転再開する際の審査にもかかわった。〇五年に発足した機構の理事長には公募に応じて一〇年八月に就任。規制側から推進側に転身することに疑問の声が多く出ていた。
 会見で、下村氏は「規制委からの厳しい評価を踏まえ、理事長自ら熟慮して出した判断を重く受け止め、受理することにした」と話した。慰留はしなかったという。鈴木氏の任期は一五年三月までで、後任は「できるだけ早く考えたい」としているが、当面は辻倉米蔵副理事長が代行する。
 原子力の安全に尽力すると表明して理事長に就任したが、今回の安全上重要な設備を含む約一万点もの点検漏れは、鈴木氏が理事長に就任した前後から続出していた。
 昨年十一月に発覚した後、規制委に呼ばれた鈴木氏は「形式的ミスが出るのはやむを得ない」と安全軽視とも受け取れる発言をした。
 今年二月の規制委による立ち入り検査で、新たに点検漏れが見つかったほか、職員への聞き取りでも点検時期が過ぎていても問題なしとするような認識が広がっていることが確認された。
 規制委は、これまでももんじゅでトラブルが相次ぎ、機構はそのたびに改善を約束しながら果たさなかったことを踏まえ、機構の安全管理体制には重大な問題があると判断。もんじゅの使用停止を命じる決定をした。機構に弁明する機会を与えた上で、二十二日にも命令が出される。

 <日本原子力研究開発機構> 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の開発や放射性廃棄物の処分など、原子力にかかわる研究や技術開発を行う文部科学省所管の独立行政法人。2005年、当時の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合して発足した。本部は茨城県東海村。福井県や福島県など国内各地に研究所などがある。略称はJAEA。

(東京新聞)
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http://www.asahi.com/culture/update/0516/TKY201305160392.html

2013年5月17日9時33分
もんじゅ君のエネルギーさんぽついにボクに停止命令


ボクもんじゅにストップがかかる

 ついにボク高速増殖炉もんじゅは、国の原子力規制委員会さんから、運転停止の命令をうけることになったの。
 5月3日のこのコラム(リンク:http://www.asahi.com/culture/update/0502/TKY201305020260.html)でもふれたように、つい最近の4月にも非常用発電機から黒煙がでるさわぎがあったり、そもそもおしりの下には活断層があるんじゃないかと疑われていたり、問題が山積みのボクだったんだ。
 それがいよいよ「安全管理があまりにもずさんすぎる」ということで、監督官庁である原子力規制委員会さんが法律にもとづいて「きちんと管理できるようになるまで、動かしたり、その準備をしたりしちゃダメだ」という命令を出すことになったんだよ。


■今回の停止命令のもつ意味って?

 そんなわけで今週は、ボクもんじゅのことが新聞やテレビのニュースになんども登場して話題になっているけれど、なかには「ん? 停止ってどんな意味?」とか「そもそももんじゅって発電してたの?」とかって、ふしぎに思う人もいるかもしれないね。
 じゃあ、今回の停止命令って、どんな意味をもっているんだろう?


■もんじゅのかなしい黒歴史

 まず、ボクもんじゅは、高速増殖炉という未完成の技術の実験・研究のための施設なんだよ。売るために電気をつくる、ふつうの原発とはちょっとちがうの。
 そんなボクだけど、1995年に運転をはじめていらい、4か月たらずでナトリウム漏れ火災というおおきな事故を起こしてしまうのね。
 それから15年ちかく謹慎状態にちかい感じでおやすみをしていたんだけど、2010年に満を持して実験を再開するの。だけどまた1か月ほどで、核燃料交換装置落下事故というトラブルを起こしちゃったんだ。


■推進派からも疑問視される存在

 これまでに1兆円いじょうといわれる国の予算を使いながら、トラブルがおおすぎるために、目的の実験はほとんどできていないんだよ。
 原発推進派とよばれる人のなかにも、「もんじゅだけはあきらめたほうがいい」「18年間やっていて、4か月ほどしか運転できていないなんて、高速増殖炉の実用化はムリだ」っていう人がいるくらいだよ。


■もんじゅはこれまでも止まっていた

 だから、「停止命令が出る」なんてきくと「動いているものをストップさせる」ような感じがしちゃうけれど、じつはこれまでもずっとボクもんじゅは止まったままなんだ。
 だけどボクのパパのJAEA(日本原子力研究開発機構)は運転再開のチャンスをうかがっていたの。だから「これまではいろいろ事故もあったけど、こんどこそきちんと安全管理します」といっていたんだよ。


■1万か所におよぶ点検漏れが発覚

 それなのにことしの1月、1万点ちかい機器で点検をさぼっていたことがバレちゃって、原子力規制委員会さんは「やるやるといっていて、ぜんぜんちゃんとしてないじゃないか。そんなんじゃ運転させられない。しっかりした保安体制をつくるまで、もんじゅを使っちゃダメだ」という命令を出すことにしたの。
 これが今回の、事実上の停止命令の意味なんだよ。


■もんじゅ特有のナトリウムというリスク

 この命令が出ることで、すくなくとも今年度中のもんじゅの運転再開はないだろうといわれているの。でも、研究じたいがストップするわけではないんだよ。
 「やめるといったって、廃炉の方法も確立されてないでしょ」「廃炉もお金がかかるし」というご意見もあるの。
 だけど、ボクもんじゅはふつうの原発にくらべたら配管がうすくてやぶれやすいし、冷却材として「ナトリウム」を使っているんだ。これが外にもれると空気にふれるだけで火がついて、水をかけるとさらに激しく燃えだすという危険なしろものなんだ。動いていなくても、ふつうの原発よりもハイリスクなんだよね。
 いますぐ廃炉はムリでも、「もう高速増殖炉の研究はやめよう」と国が決定して、ナトリウムを抜いてしまうだけでも、地震のときの事故のリスクはぐっと低くなるんだ。


■停止中こそ声を上げるチャンス

 今回の停止命令がでているあいだに、「成果も出ないのに1日あたり5500万円もかかるなんて、税金のムダづかいじゃない?」「18年間やってて運転もろくにできないのにホントに実現するの?」「高速増殖炉はイギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、みんなほかの先進国はやめちゃったよ。そんな技術にしがみついてていいの?」なんて議論になることで、ボクの引退への道すじがつけばいいなぁ。
 この規制委員会さんの決定も、きっと全国のみんなのデモや抗議やパブリックコメントといったアクションがあとおししたんだろうし、これからますます声を上げていくことがだいじになってくると思うの。だからみなさん、今後ともどうぞよろしくお願いいたしますだよ。
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●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である

2012年08月07日 00時50分34秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0805/OSK201208050030.html)と社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20120806.html)。

 個人的に「教育産業」とか「シルバー産業」という言葉が大嫌いです。そいうところで、金儲けしようというのが嫌だ。「水ビジネス(水商売)」についても「水=コモンズ」「水へのアクセス=基本的人権」という視点で、水道を民営化私企業化し、オカネ儲けの手段に使うことに非常に大きな危機感を感じます。一方、「原子力ビジネス」・・・・・・、「死の商人=戦争屋の一翼を担うビジネス」が言い過ぎならば、核開発と通じる「原子力=核」発電に巨費を投じることによって、(準)公共事業でカネを儲けようとたくらむ電力ビジネスだろうか? 「原子力=核」なのに、電力会社に「原子力ビジネス」でカネ儲けをさせててよいのだろうか。
 消費税増税のドサクサに紛れて、「原子力の憲法」改悪までして、「全保障」などという言葉を滑り込ませている。「「安全保障(セキュリティー)」の言葉を使えば「平和利用に限る、軍事には使わないという原則を日本は放棄するのではないか」といった疑念や拡大解釈の余地を国際社会に与えてしまうおそれがある。しかも、福島原発事故の後であり、朝鮮半島や西アジアなど核をめぐって世界情勢が緊張する中、あまりに無神経だ」・・・・・・というか、第2自民党・元祖自民党・第3自民党が十分に意識的に謀ったのだと思う。

    『●原発再稼働ごり押しの陰で、消費税増税のドサクサに紛れて姑息な「憲法」改正


 (根源は社主)読売新聞は大嫌いなので、例えネット上でも、ましてや、わざわざ社説を読むことなどありませんが、(リ)ツイートで以下の文章を知りました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
孫崎 享@magosaki_ukeru

8日読売社説批判・原発:どこまで無神経。原爆忌位原発推進論止めてくれ。「大量殺りく兵器と原子力の平和利用とを同列に論じるのはおかしい。原発事故は、安全対策をしっかり講じれば防ぎ得る。事故の教訓を生かし、世界の原発の安全性向上に貢献することが、むしろ日本の責務ではないのか」嘘。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 核兵器やその開発と、原子力の「平和」利用を同列に論じてはいけないそうだ。特に読売新聞の社説は社主の意向が大きく左右するはずなので、これは渡邊恒雄ナベツネ氏のご意向なのだろう。さすがは「独占的な通信網欲しさから原発を日本に持ち込み、田中角栄は利権目的で原発を利用した」「「原発の父」と呼ばれる正力松太郎」氏の読売新聞の社説だ(『●原発の父・正力松太郎のくだらない〝理由(わけ)〟』)。
 でも、原理的には「原子力=核」ではないのか? 物理的には、原爆も原発も同じはずです。「原発=原爆」。「安全神話」に支えられた原子力の「平和」利用としての原子力発電の推進の裏に、核燃サイクルなどを通した「核開発」の意図が無かったなんて考えられません。主に小出裕章さんに関する以下のブログで、その点に触れています。

   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●悪の枢軸国〟の核開発: イヤ~御尤も、でも言えた義理か
   『●つまらんことにメンツをかけて、結果が東京電力FUKUSIMA原発人災では・・・
   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●いまさらながら「倫理」がキーワード?(1/2)
   『●被爆国が核兵器を持つことが〝大国〟・〝一流国〟の証なのか?
   『●広島・長崎の教訓を活かせない日本
   『●社説:核廃絶と脱原発
   『●吉永小百合氏の原発廃止発言
   『●核の軍事利用と原子力の平和利用
   『●恥ずかしいから、引っ込んでてくれ
   『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?
   『●IAEAの二つの顔
   『●FUKUSIMAとなってしまった、その前に想いを馳せておくべきだったのに・・・
   『●悪「夢の原子炉」』 


 前書が長くなりました。最後に、核開発との接点にまでは触れませんでしたが、「「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する御意見の募集(パブリックコメント)」に以下のコメントを発送しました。原発輸出や建設再開・新規建設などについてのコメントも忘れてしまいました:

++++++++++++++++++++++++++++++++++
 「より積極的な原発0%案」を支持する。
 再稼働中の大飯原発も含め、すべての原発を即座に停止・廃炉にすべきである。高速増殖炉もんじゅや核燃サイクルも即時廃止。
 昨年に続き、本年も十分に電力は足りている。原発は不要であることは、実証された。多くの原子炉が活断層の上にあり、危険極まりない。即座に廃止すべきである。全国での意見聴取会でも、7割近くの人々が「原発0%案」を支持した。
 福島に至っては、ほぼ全員が「原発0%案」を支持している現実を政府、電力会社、国会議員は良く考えるべきだ。2011年3月11日の東京電力原発人災以降、何も問題が解決していないにもかかわらず、冷温停止「状態」宣言し、野田首相の責任で大飯原発を再稼働するなど、福島で被災・被曝した人々に失礼極まりない行為を繰り返している。いまもそこで苦しんでいる人々が居るのにもかかわらずである。まず、議論の前提は、全原発廃炉・核燃サイクル廃止であり、それが議論の出発点であるべきだ。
 非常時だけでなく、恒常的に労働者を被曝させなければ原子力発電は成り立たない。しかも、それは電力会社の幹部ではなく、下請けや孫請けの弱い労働者である。「たかが電気のために」、このような誰かの被曝という犠牲でしか成り立たないような発電方式を選択することは誤っている。
 省エネに努め、今ある電力でわれわれは十分に心豊かに暮らせる。『暗闇の思想』に学ぶべきだし、『浪費なき成長』は可能である。
++++++++++++++++++++++++++++++++++


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http://www.asahi.com/national/update/0805/OSK201208050030.html

2012年8月5日21時4分
はだしのゲン「生きろ 麦のごとく」 元安川の水面に

 広島市中区の原爆ドーム前を流れる元安川の水面に5日、漫画家中沢啓治さんの代表作「はだしのゲン」の主人公中岡元の姿が映し出された。6日、広島は被爆67年を迎える。

 水面への映写は9回目。当初は原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)の復元映像だったが、東京電力福島第一原発事故後は、福島県などの被災地に向けた復興の願いを表現。今年は「生きろ 麦のごとく」とのメッセージを添えた。現場を訪れた中沢さんは「制御できない原発はなくすべきだ。被災地の人は踏まれても麦のようにまっすぐ生きてほしい」と話した。(倉富竜太)
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http://www.asahi.com/paper/editorial20120806.html

2012年8月6日(月)付
核廃絶と脱原発破滅リスクのない世界へ

 広島はきょう、長崎は9日に、被爆から67年を迎える。
 核時代に入った第2次大戦の後、世界戦争は起きていない。それは核抑止の戦略が有効だったから、との意見が根強い。
 だが実は、世界は何度も、核戦争へ転がり落ちそうになったことがある。
 そのひとつが、1983年に起きた。旧ソ連軍の早期警戒システムは、米国が5発の核ミサイルを発射したとの情報を探知した。
 担当官は、米国の先制攻撃なら何百発も飛ばすはずで、誤報の可能性が高いと思った。悩んだすえ、自分の判断を信じ、情報を上部に報告しなかった。後にやはり誤報とわかった。
 米ソが緊張関係にあった冷戦時代だけに、彼の機転がなければ、旧ソ連は核発射ボタンに手をかけたかも知れない。
 放射能禍をもたらした福島での原発事故の背後には、本当に深刻な事態を「想定外」とする慢心があった。核兵器も同じで、そのリスクの軽視は、破滅につながりかねない。
 だからこそ、原爆と原発事故を体験した日本には、歴史的使命がある。核エネルギーによる両方の惨事を知る身として、そのリスクを世界からなくしていく役目である。

抑止にも「安全神話」
 核兵器がある方が世界を安全に保てる。そんな核抑止の「安全神話」に潜む落とし穴を直視したい。
 判断ミスによるリスクに限らない。核拡散が進むいま、地域紛争で使われる恐れもある。
 核武装したインドとパキスタンは、領土やテロ問題などで対立している。パキスタンは政情も安定しない。
 中東では、イスラエルが事実上の核武装国である。敵対するイランが核を持った場合、地域紛争で使われるリスクは南アジアを上回る事態も予想される。
 北東アジアでは北朝鮮が核実験をしている。独裁体制の崩壊などの有事に、自暴自棄や、軍の暴走などで核使用に動く心配は消えない。
 こうしたなか、被爆地からの言葉が、核抑止のプロたちにも、響き始めている。
 核の恐怖をなくす唯一の方法は核をなくすことだ、というメッセージである。
 世界各地の政府や軍の元幹部らによる国際NGO「グローバルゼロ」は、2030年までの核廃絶を提唱する。それを具体化するために、米国の元核戦力部隊指揮官らが、米ロは10年以内に核兵器を8割減らすべきだと提言をまとめた。
 核は、安全保障上の利益より危害の方が大きいからだ。

■隠せぬNPTの限界
 原発利用を核拡散から切り離せるという「安全神話」も、極めて疑わしくなっている。
 世界は、核不拡散条約(NPT)を足場に、核保有国を増やさない政策を重ねてきた。
 核保有国に軍縮義務を課す一方、その他の国には保有を禁じる。非核を堅持すれば、原発など原子力利用で協力を受けられる。これが、約束の基本だ。
 確かにNPTは核拡散の防止で重要な役割を果たしてきた。だが肝心の核軍縮は期待ほどに進んでいない。保有国が核抑止にこだわり続けるなか、同様の力を持とうとする国が相次ぐ。
 NPTのもとで原子力を利用する権利が強調され、これがまた拡散リスクを高めている。核燃料のためのウラン濃縮、プルトニウム抽出施設は軍事目的に転用できるからだ
 典型例がイランだ。NPT加盟国であることを盾にして、核武装につながりかねないウラン濃縮を進めている。
 核軍縮は進まず、核拡散もなかなか止められない。NPTの限界が見えるなか、原子力利用国を増やすことが得策なのか。悪くすると、NPTが原子力利用を正当化するだけの条約になりはしないか。

■新しい平和と繁栄
 脱原発をグローバルな潮流にする試みが、核不拡散、核廃絶の双方にプラスとなる。そこにもっと着目すべきだ。
 いまこそ、発想を変えるべきときである。
 核兵器を持たず、しかも脱原発を選ぶ国を、再生可能エネルギーや効率的な天然ガス利用などで国際的に支援する。
 非核でいることのメリットを、原発ではない電源による国づくりへと切り替えていく。それを通じて、核廃絶と地球温暖化防止の一挙両得をねらうのである。
 非核国の原子力利用を制限する以上、核保有国は軍縮を加速する責任が一層、強まる。原発を多く使う国は、原発依存からの脱却を急がねばならない。
 軍事用であれ民生用であれ、核エネルギーへの依存をできるだけ早くなくすことで、リスクのない平和と繁栄の姿へと変えていく。
 そうした未来像を、核惨事を知る日本から発信してこそ、世界は耳を傾ける
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●つまらんことにメンツをかけて、結果が東京電力FUKUSIMA原発人災では・・・

2011年11月25日 00時08分50秒 | Weblog


東京新聞より(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011111902000022.html)。

 誠につまらないことに自民党や電力関係者がメンツをかけ、こんなに長期間。結果がナトリウム漏れ事故であり、ひいては東京電力FUKUSIMA原発人災じゃないのですか。元々、核燃料サイクルなどとおに破綻し、技術的にも不可能といっても過言ではないはず。停めれない民主党もどうかしている。停めたらこれまでの投資が失われるって・・・、破滅よりはましでしょ。そんなお金やメンツなんてドブに捨てた方がましだ。1キロワットも発電できない、無駄どころか超危険な悪「夢の原子炉」。もっとも夢のような原子炉なんてこの世のどこにも存在しないのだけれども。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011111902000022.html

国のメンツ 浪費17年 仕分け「もんじゅ」存廃議論へ
20111119 朝刊

 「夢の原子炉」と呼ばれながら、トラブル続きでほとんど稼働していない高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の存廃が、二十日の政府政策仕分けで議論される。その歩みを振り返ると、この先も膨大な国費を浪費し続けるのかと、率直な疑問が浮かんでくる。 (谷悠己、福田真悟)

 ◇事故
 総事業費に約一兆円もかけながら、稼働してから十七年間で、動いたのはたった二百数十日間。「発電しながら燃料を生む未来の原発を開発する」とのふれこみだったが、実績からすると、もんじゅは壮大な無駄遣いだったといえる。
 文殊菩薩(ぼさつ)に由来するその名を広めたのは、試運転後すぐの一九九五年に起きた事故だ。核燃料を増殖させるため、冷却材に使う液体ナトリウムが配管から漏れ、空気に触れて火災を起こした。事故映像を隠していたことも発覚した。
 昨年、十四年ぶりに運転再開にこぎ着けたのもつかの間、燃料交換用の機器が原子炉容器に落下し、あえなく再停止に追い込まれた。停止中でも、液体ナトリウムを循環し続けるなどの維持費が年間二百数十億円かかる。機器落下による炉内の損傷状況を調べようとすると、百七十億円もかかることが判明している。
 動いていても止まっていても、途方もない金食い虫だ。

 ◇背景
 扱いの難しいもんじゅだが、核燃料と液体ナトリウムさえ抜けば停止できる。
 それでも国がこだわってきた背景には、原発が抱える最大の課題である使用済み核燃料の存在がある。
 全国の原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、高速増殖炉の燃料として再利用できれば、燃料は節約、核廃棄物の処分量も減る-。こう強調され、半世紀前から国の原子力政策の要に据えられてきた。
 もんじゅのパートナー役が再処理工場(青森県六ケ所村)。電力各社の資金で九三年に着工したものの、トラブル続きで竣工(しゅんこう)予定は十八回も延期を繰り返してきた総額二兆円を投じながら稼働のめどが立たない点は、もんじゅそっくりだ
 もんじゅをあきらめれば、ここに燃料を供給するための再処理工場も不要になる。日本が保有するプルトニウムは核兵器ではなく発電のため、との主張の根拠がなくなる
 巨額の資金をかけ、国の重要施策として進めてきただけに、やめるにやめられないのが実情だ。

 ◇地元
 立地対策として交付金だけで百三億円を受けてきた地元・敦賀市の受け止め方は複雑だ。事故の不安もつきまとうが、もんじゅがあり続ければ一定の雇用効果が期待でき、国内外の研究者の往来も見込める。河瀬一治市長は「いまさら廃止は考えられない」と話す。
 福井県にとっては、もんじゅを受け入れるかわりに北陸新幹線を延伸させる取引材料として政治利用を模索してきた経過もある。
 もんじゅの廃止論は九五年の事故後にも浮上したものの、いつの間にか必要論にすり替わった仕分けのメスはどこまで入るのか。二十日の議論に注目が集まる。
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●悪「夢の原子炉」

2010年05月08日 01時22分11秒 | Weblog

asahi.com 記事

 プルトニウムを〝増殖〟させる「夢の原子炉」。どこが「夢」なんでしょう? 悪夢としか思えません。その必要性を、核兵器への転用を視野に入れた安全保障上の問題に絡める人々もいるようで、困ったものです。(与党3党のうちの少なくとも一党は別だとは思いますが)現政権もこの運転再開を支持しているのですから、全く呆れます。「地域振興策を条件に再起動を了承」・・・って、悲しい中毒症状です。

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http://www.asahi.com/national/update/
              0506/OSK201005060010.html】

高速増殖炉もんじゅ、運転再開 事故から14年半ぶり
                       2010年5月6日12時19分

 1995年末のナトリウム漏れ事故で停止していた高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が6日午前10時36分、運転を再開した。燃料のプルトニウムを燃やした以上に生み出す「夢の原子炉」とされ、国が核エネルギー政策の中核に位置づける巨大事業が14年5カ月ぶりに動き出した。ただ、長期の中断を経た再開は世界的にも例が少なく、安全性や経済性に課題を残すなかでの再起動となった。
 事業主体の日本原子力研究開発機構は午前10時半すぎ、もんじゅの原子炉の制御棒を炉心から引き抜くボタンを押した。中央制御室に詰めた運転員らは、炉心の核反応を確認しながら、計19本の制御棒を順次動かす作業を始めた。
 8日には、核分裂反応が連続して起きる臨界に達する見通し。同機構はまず、14年5カ月にわたり運転を止めていた原子炉が正常に作動するかをみる「炉心確認試験」を行う。臨界状態のまま低い出力を維持し、制御棒の動きや炉心内の温度変化などを2カ月半かけて調べる。
 その後はいったん原子炉を停止し、次の段階の準備に入る。来春には、原子炉で加熱した液体ナトリウムを使って水蒸気を作り、タービンを回して発電する「40%出力プラント確認試験」を実施。さらに100%の出力で連続運転させる「出力上昇試験」を予定している。各段階の試験が順調に進めば、2013年春には本格的な運転に入る見通しという。
 高速増殖炉の研究構想は1960年代から動きだし、国がめざす核燃料サイクル計画の柱とされてきた。一方、空気や水に触れると激しく反応するナトリウムを冷却材に使い、核兵器にも使用されるプルトニウムを増やすなど、運転管理や保安面の難しさが指摘されてきた。
 技術開発や採算性を見極めるための原型炉として、もんじゅは91年に試験運転を開始した。しかし、95年末にはナトリウムが漏れる火災事故が発生。当時のもんじゅを管理していた動力炉・核燃料開発事業団(現・日本原子力研究開発機構)による現場ビデオの改ざんなどが発覚し、安全性への不信が高まった。その後も、ナトリウム漏れ検出器などでトラブルが続いた
 改造工事を施したとはいえ、14年以上も停止していた原子炉やプラントが支障なく動くか、なお不安が残る。複雑なシステムはコストの増大も招き、これまでにかかった建設や維持管理の費用は約9千億円に達する。
 国は昨年の政権交代後も、もんじゅの運転再開をめざす方針を確認。今年4月には、地元・福井県も北陸新幹線の延伸などの地域振興策を条件に再起動を了承した。(岡野翔)
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 さらに、以下の記事が。恐ろしくて、見ちゃいられない・・・。 「試験運転を継続することに問題はないとの見解」などと平気で述べるなんて、気がしれない。

=======================================【http://www.asahi.com/national/update/0507
                  /OSK201005070042.html】
もんじゅ原子炉内のガス検知器、6度の警報 公表遅れ
                       2010年5月7日13時42分

 6日に運転再開した高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、6日深夜から7日午前にかけて6回にわたり、原子炉内のガスを監視する検知器の警報が鳴った。事業主体の日本原子力研究開発機構は7日正午ごろ、報道各社や自治体に事実関係を伝えた。今のところ放射能漏れなどの異常は確認されておらず、機器の誤作動の可能性もあるが、公表が遅れた機構の対応については批判の声が出そうだ。
 監督官庁の経済産業省原子力安全・保安院などによると、6日午後11時9分に1度目の警報が鳴り、さらに、7日午前10時すぎから正午にかけて5回警報が鳴った。検知器は、原子炉下部にある炉心の核燃料から上部に注入されたアルゴンガスに放射性物質が漏れた際に異常を検知する機能をもつ。
 保安院などが調べたところ、炉心から炉内上部に放射性物質が漏れた形跡は認められなかった。このため、誤警報の可能性もあるとみて、機構と保安院が詳しい原因を調べている。
 機構は1回目に警報が鳴った際、職員が検知器を確認。数値がいったん正常に戻ったため、通常通りの作業を続けた。しかし、約11時間後から再び警報が鳴り続けた。  警報後に公表が遅れた点について、機構は「検知器の故障が原因と推定している。いま思えば、警報が鳴ったことを早く公表すべきだった」と認めた。保安院は「機構は早く公表すべきだった。改善を求めたい」と指摘したが、試験運転を継続することに問題はないとの見解を示した。
 敦賀市原子力安全対策課によると、機構側は警報について、7日午前11時28分に連絡してきたという。同課長は「故障やトラブルはあってはならないこと。住民の不安につながるので、しっかりと原因究明をしてもらいたい」と話した。福井県も今後、機構側に事実関係の説明を求める方針。
 1995年末のナトリウム漏れ事故で停止していたもんじゅは6日午前10時半すぎ、14年5カ月ぶりに原子炉を再起動したばかりだった。
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