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●《沖縄の人にとって春は心がザワザワする季節…県民の4人に1人が犠牲に…。そんな地が悲劇を忘れたかのように再び、戦場として想定されている》

2024年04月27日 00時00分53秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督「軽んじられている命があるのでは」 【こちら特報部/多少の犠牲は仕方ない…その多少って誰のこと? 映画「戦雲」が問いかける「軽んじられる命」】(東京新聞 2024年03月14日、https://www.tokyo-np.co.jp/article/315046?rct=tokuhou)]


(20240410[])
軍隊は住民を守らない》という教訓。《沖縄の人にとって春は心がザワザワする季節だ。第2次大戦末期の1945年3月、慶良間諸島から米軍の大部隊が上陸し、住民を巻き込む地上戦で県民の4人に1人が犠牲になったそんな地が悲劇を忘れたかのように再び、戦場として想定されている》…、そして、《武装ばかりで島は守れない》(佐藤直子東京新聞論説委員)。
 戦闘機の輸出を可能にし、死の商人国家に成り下がることを閣議決定で進めるキシダメ政権。国会での審議など一切なく。どう見ても憲法違反。違憲に破憲。一体どんな独裁国家なのか? 武器輸出でゼニ儲け、どこまで卑しい国に堕ちていくのか。

   『●三上智恵監督『戦雲 (いくさふむ)』…《多少の犠牲は仕方ない…
     その多少って誰のこと?》《「軽んじられている命」があるのでは》

 このしわ寄せが最も顕著なのが沖縄。最早、沖縄差別、沖縄イジメ。《米軍が現場を占拠し、警察は蚊帳の外墜落であらわになった不条理さ》の記憶、そして、《軍隊は人を守らない》《軍隊は住民を守らない》《基地を置くから戦争が起こる》という教訓は一体どこに行ってしまったのか。
 米潜水艦魚雷攻撃で沈没した学童疎開船対馬丸生存者・平良啓子さん「あの戦争が頭から離れないもう二度とごめんだ」…体験通し戦争否定貫く。《「戦時下になれば安全な場所はないという教訓》。《いったん始まってしまえば非戦闘員であろうが、避難の最中であろうが、惨禍を免れることはできないという「戦争の実相」を伝え》続けなければ。

   『●横浜米軍機墜落事件: 「米軍が現場を占拠し、
       警察は蚊帳の外。被害者のための救急車は一番最後に…」
    《▼墜落前に脱出し、傷一つない米兵救出のためだけ自衛隊ヘリは出動した。
     米軍が現場を占拠し、警察は蚊帳の外被害者のための救急車は
     一番最後に来たという石川・宮森小沖国大安部墜落であらわに
     なった不条理さと変わらない》。
    「《不条理の連鎖》は、今もなお沖縄では続く。《米軍機は沖国大墜落など
     「なかったこと」のように、今も県民の頭上をかすめ飛んでいる》。
       「在日米軍特権」も、「日米共犯」も、何も変わらない沖縄。
     《沖縄の人たちは逃げられない》《墜落であらわになった不条理さ》…
     今もなお、何も変わらない」

   『●《住民を守ってくれると信じていた日本軍は、住民を壕から追い出し、食
     料を奪い、投降しようとした兵士を背後から射殺し、住民をスパイと…》
   『●沖縄イジメ…《米軍が現場を占拠し、警察は蚊帳の外…墜落であらわに
     なった不条理さ》の記憶、そして、《軍隊は住民を守らない》という教訓

 佐藤直子論説委員による、東京新聞のコラム【〈視点〉沖縄、高校教員の思い 武装で島は守れない 論説委員・佐藤直子】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/320070?rct=shiten)。《だが、その山の隣は目下、陸自の訓練場整備計画で揺れている。政府がゴルフ場跡地を用地として取得する計画を進めていると、昨年末に地元の琉球新報が報じた。地元には寝耳に水。周辺は幼稚園児の散歩道や、青少年が自然と触れ合う教育施設もある。保革党派を超えて白紙撤回を求める事態となった問題はこの訓練場だけではない》。


   『●「従わぬ者には容赦ない、国家の暴力性が作品を貫く」…
            松下竜一さん「豆腐屋の四季」の舞台が取り壊し
    「東京新聞の佐藤直子記者のコラム【【私説・論説室から】
     竜一の愛した書斎】…。毎日新聞の大漉実知朗記者の記事
     【松下竜一さん 自宅取り壊し 「豆腐屋の四季」舞台消える】」

   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。(佐藤直子)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/320070?rct=shiten

〈視点〉沖縄、高校教員の思い 武装で島は守れない 論説委員・佐藤直子
2024年4月9日 06時00分

     (春の日、伊波さんの父と娘が並んで歩く山道は、
      新緑が芽吹いていた=伊波さん撮影)

 沖縄で高校教員をしている伊波園子さんから久しぶりにメールが届いた。時間割の作成など新学期の準備に忙しい合間に、4歳の娘と父と3人、地元うるま市の山をハイキングしたそうだ。新緑が芽吹く山を歩く。添えられた家族写真はみんな笑顔だった。

 だが、その山の隣は目下、陸自の訓練場整備計画で揺れている。政府がゴルフ場跡地を用地として取得する計画を進めていると、昨年末に地元の琉球新報が報じた。地元には寝耳に水。周辺は幼稚園児の散歩道や、青少年が自然と触れ合う教育施設もある。保革党派を超えて白紙撤回を求める事態となった

 問題はこの訓練場だけではない。同市では先月、陸自の勝連分屯地地対艦ミサイル連隊が始動した。宮古島駐屯地石垣駐屯地など八重山諸島から、鹿児島の奄美群島までに築かれた地対艦部隊の司令部で、侵攻する艦艇を迎撃する力を持つ。すべては「台湾有事」という名の戦争を想定しての体制であり、同時に敵の標的となるリスクを抱え込むことでもある

 私が国語教員の伊波さんと出会ったのは2年前。生徒たちとの日々を魅力的に語る彼女に取材を申し込んだのが始まりだったが、当時に比べても沖縄はさらに軍事化が進み、伊波さんは「無力感にさいなまれるばかり」と嘆く。

 沖縄の人にとって春は心がザワザワする季節だ。第2次大戦末期の1945年3月、慶良間諸島から米軍の大部隊が上陸し、住民を巻き込む地上戦で県民の4人に1人が犠牲になったそんな地が悲劇を忘れたかのように再び、戦場として想定されている

 うるま市には訓練場の計画地から1・5キロに宮森小がある。米軍統治下の59年6月、米軍のジェット戦闘機の墜落事故に巻き込まれ、児童や周辺住民18人が死亡、200人以上がけがを負った現場だ。当時同小の1年だった伊波さんのお父さんは大惨事を目の前で見たという。

 取材の日、私を同小に案内してくれた伊波さんは、事故犠牲者を悼む碑の前で目を閉じた。何を思っていたのか。それは、沖縄の子どもたちの未来に戦のない世を、という祈りしかなかったと思う。

 想像したい自分の街で戦争が想定されるとはどういうことか。夜間のヘリ訓練も空砲を使った訓練も、装甲車が走ることも、政府が言うところの沖縄のため。沖縄の声を無視して米国の戦略に従い、計画を押し付ける政治に道理はないはず。沖縄の痛みを黙認してきた大多数の国民の想像力が問われている。

 伊波さんの娘さんは朗らかに歌い、踊る。時に「まーま(母さん)」と甘えながら、伸びやかに育っている。

 武装ばかりで島は守れない。「若い世代に希望を届けるために草の根で粘りたい」。この伊波さんの思いを共有したい。少数派である沖縄の人たちに問題解決を押し付けないためにも。(論説委員


【関連記事】<あしたの島 沖縄復帰50年>(1)本土に響け琉球箏 川崎沖縄芸能研究会
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●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。…大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》

2023年08月08日 00時00分04秒 | Weblog

[↑ ※袴田事件捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2023年07月23日[日])
大川原化工機事件…公安の男性警部補「捏造ですね」…。とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1の命は戻らない。(東京新聞)《共に逮捕、起訴された元幹部は体調を崩し、起訴取り消し前に亡くなった》。(元木昌彦さん)《弁護団は緊急保釈を請求したが、東京地検はそれを却下してしまった。ようやく緊急保釈が認められたが、手術どころか抗がん剤治療にさえ耐えられないほど衰弱していて3カ月後には息を引き取ったこれは国家による人殺しである》…こういうことを「ヒトデナシ」の所業と呼ぶのではないか。(元木昌彦さん)《青木は「これまで公安警察の捜査や数々の冤罪事件を取材してきた私自身、これほどのデタラメと刑事司法の悪弊が濃縮された事件をにわかに思い出すことができない」と書いている》。
 それにしてもマスコミの報道が少なすぎやしまいか。本当にとんでもない捏造事件・でっち上げ事件だというのに、もっと公安や東京地検に対する批判の声がマスコミから上がるべきではないですか。《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を間違っているとは思っていない謝罪する気持ちなどない」と答えた》。以前から指摘されている問題にもダンマリ…《罪を認めない限り保釈を認めない人質司法」はここでも貫かれ、ようやく保釈が認められたのは逮捕から330日以上経ってからだった》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》

 日刊ゲンダイのコラム【週刊誌からみた「ニッポンの後退」 元木昌彦/横浜の中小企業を襲った冤罪の悲劇…警察・検察はこうやって「事件を捏造」する】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/326384)によると、《国家の暴力装置である警察と検察が事件を捏造して、無辜(むこ)の人たちを犯罪者に仕立て上げる。そんな例は枚挙にいとまがないが、大川原化工機の例は、この国がすでに新しい戦前化していることをわれわれに教えてくれる》、《暴力装置が暴走を始めている》。さらに、《青木は「これまで公安警察の捜査や数々の冤罪事件を取材してきた私自身、これほどのデタラメと刑事司法の悪弊が濃縮された事件をにわかに思い出すことができない」と書いている》とも。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/326384

週刊誌からみた「ニッポンの後退」
横浜の中小企業を襲った冤罪の悲劇…警察・検察はこうやって「事件を捏造」する
公開日:2023/07/23 06:00 更新日:2023/07/23 06:00

     (訴取り消しにや「謝罪する気持ちなどない」について思いを
      語る大川原化工機の大川原正明社長(C)共同通信社)

 国家の暴力装置である警察と検察が事件を捏造して、無辜(むこ)の人たちを犯罪者に仕立て上げる。そんな例は枚挙にいとまがないが、大川原化工機の例は、この国がすでに新しい戦前化していることをわれわれに教えてくれる

 横浜市に本社を置く同社に、外為法違反容疑で警視庁公安部の捜査が入ったのは2020年3月。従業員90人程度の中小企業だが噴霧乾燥機分野のシェアは7割ある。容疑は「経産相の認可を得ないで生物兵器製造に転用可能な機材を輸出した」というもの。

 サンデー毎日(7月23.30日号)でジャーナリストの青木理が怒りのリポートをしている。おどろおどろしい容疑がかけられ、逮捕されたのは社長、役員、顧問職に就いていた3人。身に全く覚えのない3人は、容疑を懸命に否認した。だが取り調べは苛烈を極めた。任意の聴取に40も応じた女性社員は疲れ果て、地下鉄のホームに身を投げようとしたと週刊新潮(7月20日号)で語っている。

 罪を認めない限り保釈を認めない人質司法」はここでも貫かれ、ようやく保釈が認められたのは逮捕から330日以上経ってからだった。だが、顧問職は勾留中に体調を崩し、悪性の胃がんだと診断された。弁護団は緊急保釈を請求したが、東京地検はそれを却下してしまった。ようやく緊急保釈が認められたが、手術どころか抗がん剤治療にさえ耐えられないほど衰弱していて3カ月後には息を引き取ったこれは国家による人殺しである

 しかも驚くことに公安のでっち上げ調書をもとに起訴した東京地検が、初公判のわずか4日前に起訴を取り消し強引に事件の幕を下ろしてしまったのだ。

 青木は「これまで公安警察の捜査や数々の冤罪事件を取材してきた私自身、これほどのデタラメと刑事司法の悪弊が濃縮された事件をにわかに思い出すことができない」と書いている。社長と役員、顧問職の遺族の怒りはすさまじく、国と東京都を相手取って損害賠償請求訴訟を起こした。その法廷で公安部の現職捜査員が驚愕の発言をしたのである。

 原告側の弁護士が「公安部が事件をでっちあげたのではないか」と聞くと、「まあ、捏造ですね」と認めたのである。さらに、「捜査幹部の欲でこうなった」。だが「捏造しても、その上の検察が責任を自覚していれば防げた」とも証言したのである。

 青木は今回、歯止めが利かなかったのは、「大阪地検で発覚した証拠改ざん事件(2010年=筆者注)でもその名前が取りざたされた問題検事が東京地検でこの事件を担当し、公安部と共に暴走してムチャな起訴に踏み切ったのが原因」だと見る。くだんの女性検事も証人として出廷した。

 原告側の弁護士が「誤った判断で長期勾留を強いられ、1人は命まで失った。謝罪するつもりはないか」と問うた。女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を間違っているとは思っていない謝罪する気持ちなどない」と答えたのである。

 無罪がほぼ確定している袴田巌87)の再審公判で、静岡地検は有罪を立証してみせるとバカなことを言い出した。袴田の姉・ひで子90)は「検察だから、とんでもないことをすると思っていた」と痛烈批判。文春が連続追及している木原誠二官房副長官の“本妻”の「夫殺し疑惑」を再捜査していた刑事たちは、突然、上から捜査を事実上ストップされてしまった。暴力装置が暴走を始めている。 (文中敬称略)

(「週刊現代」「フライデー」元編集長・元木昌彦
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●6月ジャーナリズム…《戦争について集中的に報道される様を指す。記念日までの雄弁さと、対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信》

2023年07月14日 00時00分51秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(2023年06月27日[火])
着々と軍事要塞化=《標的の島へと…。相変らず、日々、美ら海に土砂をぶちまけ続けてている。ドブガネ。新基地は完成しないし、普天間は返還されない。踏んだり蹴ったりの辺野古。辺野古は単なる破壊「損」

 《沖縄にとって戦争は遠い昔話ではない沖縄は、今も一年中、戦争の延長線上を生きている》(大矢英代さん)。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>沈黙している暇はない】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1734579.html)によると、《「8月ジャーナリズム」という言葉がある。毎年、広島、長崎への原爆投下や、8月15日に合わせて、戦争について集中的に報道される様を指す。記念日までの雄弁さと対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信もあるだろう》。

   『●《8月ジャーナリズム》と《沖縄にとって戦争は遠い昔話ではない。
     沖縄は、今も一年中、戦争の延長線上を生きている》(大矢英代さん)
   『●《欠陥飛行場》米軍普天間飛行場…《本来なら移設条件を付けずに直ちに
        閉鎖すべき軍事施設だ。閉鎖できないのは政治の不作為である》

 軍事要塞化=《標的の島へと…《「集団的自衛権の行使」容認や「敵基地攻撃能力の保有」によって、沖縄が再び戦場となる危険性》が日に日に…。
 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/沖縄慰霊の日に 日本社会の病がごろんと転がっているように見えてくる】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202306260000083.html)/《日本が米軍基地の7割を沖縄に押しつけ、辺野古の海に、きょうも土砂を投入し続ける。日本社会の病が、ごろんと転がっているように見えてくる。沖縄は23日、78回目の慰霊の日を迎えた》。

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
   『●軍事要塞化=標的の島々…《「集団的自衛権の行使」容認や「敵基地
     能力の保有」によって、沖縄が再び戦場となる危険性》が日に日に…
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
    《青木理さん「甘い見積もりの防衛費倍増上手くいっている保険証
     なくすマイナ保険証、財源先送りの少子化対策差別増進法という
     批判があるLGBT法原発回帰の法案、難民を追い返す入管法
     そして解散権を振りかざして首相がニヤニヤ
     この国会は戦後最悪だと思います」》

   『●《住民を守ってくれると信じていた日本軍は、住民を壕から追い出し、
     食料を奪い、投降しようとした兵士を背後から射殺し、住民をスパイと…》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1734579.html

<金口木舌>沈黙している暇はない
2023年6月24日 05:00
金口木舌 慰霊の日 沖縄戦 8月ジャーナリズム

 「8月ジャーナリズム」という言葉がある。毎年、広島、長崎への原爆投下や、8月15日に合わせて、戦争について集中的に報道される様を指す。記念日までの雄弁さと対照的にその時期以外は沈黙するメディアへの不信もあるだろう

慰霊の日を前に増える沖縄メディアの報道は「6月ジャーナリズム」なのか。沖縄戦という単語を含む本紙の記事は2022年の1年間で1546本、うち233本が6月1日~24日の掲載だ

▼確かに6月は沖縄戦報道が増えるが、平均の2倍弱程度だ。7月のサイパン陥落、10・10空襲、4月1日の米軍上陸など、6月以外にも節目が多いことも一因だろう

▼それ以上に、沖縄戦を過去の出来事にはできない現状がある。戦争を起点に存在する米軍基地は騒音や環境汚染、事件事故の発生源として残る。南西諸島の防衛強化は隣国との緊張感を高め「新たな戦前」も想起させる

▼沖縄は戦後78年の慰霊の日を迎えた。100年、200年と「戦後」を重ねていくために、沖縄メディアに沈黙している暇(いとま)はない。
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https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202306260000083.html

コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

2023年6月26日8時0分
沖縄慰霊の日に 日本社会の病がごろんと転がっているように見えてくる

取材で沖縄県宮古島を訪ねてきた。地方に足を延ばした時の私の楽しみは地元紙を読むこと。宮古には宮古新報と宮古毎日の2紙があり、さらに沖縄本島から沖縄タイムスと琉球新報が送られてくる、ちょっとぜいたくな地方紙事情だった。

手にした日の沖縄タイムスのコラム、「大弦小弦」の筆者は編集委員の阿部岳さん。辺野古のある北部支社員だった7、8年前からのお付き合いだ。この日のテーマは先の国会で成立した「LGBT理解増進法」。

G7広島サミットで高まった外圧に苦慮し、嫌々制定した情けない事情が伝わる ▼性的少数者が、差別の被害に遭っている必要なのは差別を禁止する法律だったー

だが現実はどうか。これまで「国家の暴力」「フェンスとバリケード」(共著)などの著書がある阿部さん。ここにも国家のバリケードが見え隠れしているようだ。

日本維新の会国民民主が「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」趣旨の条文追加を提案…法の性格は一変した。▼…「安心して生活」に客観基準はない。多数者が「不安だ」と言うだけで、性的少数者を抑圧する仕組みができてしまった>。

そして最後は<多数者の責任で差別をやめるのではなく、少数者に分をわきまえるよう強要する。日本社会の病が、この前代未聞の法律に凝縮されて、私たちの前にごろんと転がっている>と結ばれている。

日本が米軍基地の7割を沖縄に押しつけ、辺野古の海に、きょうも土砂を投入し続ける日本社会の病が、ごろんと転がっているように見えてくる。

沖縄は23日、78回目の慰霊の日を迎えた。


大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。
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●《カネ、カネ キャッシュ、キャッシュ 現金、現金 キャッシュッシュ》(統一協会「愛唱歌」)と同じ、カネカネカネ…金(カネ)色の五つの輪

2022年10月22日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 筑紫哲也 NEWS23とメディアの未来 望月衣塑子が尋ね 金平茂紀が語る (週刊金曜日、2021年12月03日1356号)↑]


 (2022年10月09日[日])
カネカネカネ、金(カネ)色の五つの輪につながる統一協会の合唱歌。ボイコフ教授は《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、カネ、カネだ」》。

 再掲します。カネカネカネ…余談ですが…思い出される。
 dot.の記事【【朝日ジャーナル #3】統一教会「霊感商法」の巨大な被害(1986年12月5日号)】(https://dot.asahi.com/dot/2022082600075.html)によると、《■呪術地獄を演出した巫女たちの証言 「因緑」や「霊能」を説いて印鑑や壺、多宝塔を売っていた体験を持つ数人に会った。どの人も、世界基督教統一神霊協会(統一教会)のかつての会員や信者だった、と自らを語った。彼らの話した「売る側の体験」は、被害者の目には神秘的とも映った霊感商法の舞台裏をさらけ出す》、さらに、《■迷い許さぬ上部指示 中部地方の元教会員の一人は、汽車ポッポの替え歌を教えてくれた。毎朝、印鑑売りに出かける前の“出発式”などで合唱し、景気をつけたという。こんな歌詞だ。カネ、カネ キャッシュ、キャッシュ 現金、現金 キャッシュッシュ 僕らはやるぞ 現金、現金、キャッシュッシュ S展、億展、勝利するぞ 畑も売る売る 家も売る おかあさん、がんばろう、がんばろう 浄財だ、浄財だ うれしいな》。
 札幌!? 冗談でしょ。カネカネカネ、金(カネ)色の五つの輪…まさに、ボイコフ教授《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、カネ、カネだ」》を、再度、やろうとしている。

   『●金(カネ)色の五つの輪の中止を! …《フタを開ければ、おぞましい
        ほどカネにまみれているのが五輪の実態なのだ》(金子勝さん)
   『●ボイコフ教授《新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、聖火
     リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している》
   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》
   『●金(カネ)色の五つの輪、《中止になって「万歳」でなく、3兆
     6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならない》
   『●ボイコフ教授《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、
     カネ、カネだ」…「そのカネのほとんどはアスリートではなく…」》
   『●《「パソナ」の純利益が前年の10倍以上》―― カネカネカネの金
     (カネ)色の五つの輪に便乗して、アサマシき「なんでも金、金、金」…
   『●東京五輪、金(カネ)色の五つの輪…ボイコフ教授《五輪がごり押し
     されるのは「主な理由は3つ。カネ、カネ、カネだ」》を札幌でも…

 AERAの記事【誰のため、何のための東京五輪だったのか 白井聡×望月衣塑子「五輪汚職」対談】(https://dot.asahi.com/aera/2022092800088.html)によると、《昨夏の東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。何のための五輪だったのか。なぜいま、捜査が行われているのか。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った》。
 もう一つのAERAの記事【白井聡×望月衣塑子「呪われた五輪」を振り返る 中止しなかった腐敗の構図とは?】(https://dot.asahi.com/aera/2022092800108.html)によると、《東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。コロナ禍に開催前から続いた数々の不祥事。「呪われた五輪」の腐敗の構図が次々と明らかになり、掲げられた理想は遠くかすむ。いったい、こんな五輪に誰がした──。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った》。

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https://dot.asahi.com/aera/2022092800088.html

誰のため、何のための東京五輪だったのか 白井聡×望月衣塑子「五輪汚職」対談
2022/10/02 08:00

     (海上に設置された五輪マークのオブジェ。風の影響で周りは
      波立っていた=2021年2月、東京都港区、
      朝日新聞社ヘリから)

 昨夏の東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。何のための五輪だったのか。なぜいま、捜査が行われているのか。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った。AERA 2022年10月3日号の「五輪汚職」特集の記事を紹介する。

*  *  *

白井:元電通専務で東京五輪・パラリンピック大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者の逮捕に端を発した「五輪汚職事件」で、検察による捜査が進んでいますね。ただ、東京五輪をめぐって「汚いカネ」が動いているんだろうなということは、ずいぶん以前からさまざまな識者から指摘されていました。

望月:英国の通信社ロイターも五輪前の2020年3月、高橋容疑者が招致委員会から820万ドル(当時のレートで約9億円)を受け取り、ロビー活動していたと報じていました。五輪招致疑惑でIOC(国際オリンピック委員会)委員だった際の収賄容疑が持たれているラミン・ディアク世界陸連前会長(セネガル)に腕時計などの贈り物をしたと。そういう情報は日本の検察にも入っていたはず。だけど開催までは黙っていたと。これはこれで罪な話です。


■メディアの姿勢は

白井:なぜいまになって捜査が行われているのか。私には安倍晋三さんという政治家が亡くなり、疑惑にふたをする「重しが取れた」ことが大きいとも見えますが、何よりも指摘したいのはメディアの姿勢の問題です。東京五輪の招致をめぐって19年、JOC(日本オリンピック委員会)の竹田恒和前会長がフランス検察当局の捜査対象になったときも、真相はどうなのかという追及をやろうとしなかった。これって要するに「新聞社がみんな五輪のスポンサーになっちゃったからでしょ?」っていう、ものすごくわかりやすい話に見えるんです。それをいまになって疑惑が広がっている状況を「驚きだ」みたいに伝えているのを見ると、あなたたちのカマトトぶりこそ驚きだ、と言いたくなります。

望月:これまで五輪のスポンサーは「1業種1社」に限られていたところを、今回の東京五輪では複数の新聞社がスポンサーになりました。「オフィシャルパートナー」として朝日、毎日、読売、日経の4社で各60億円。「オフィシャルサポーター」に北海道新聞と産経新聞で各15億円のスポンサー料を払うことになったと言われています。2008年の北京五輪で読売がオフィシャルパートナーになったとき、すごく儲けたらしいんです。他社からすると「今回は読売1社の牙城にさせまい」みたいな横並び意識もあったと思います。大会前、コロナの感染が爆発するなか菅義偉首相が「コロナに打ち勝った証しとして」などと言っているときに、スポンサーになった新聞社で社説に「中止せよ」と書けたのは朝日のみでした。メディア全体の論調として強く中止を形成していけなかった背景には、新聞社がカネ儲かるんだから、乗っかっておくかみたいなことをやって自ら利権に入り込んでしまった点も大きい。


東京新聞社会部記者 望月衣塑子(もちづき・いそこ、左):1975年、東京都生まれ。大学卒業後、中日新聞社(東京新聞)に入社。東京地検特捜部などを担当、事件を中心に取材。経済部などを経て現在、社会部遊軍記者/思想史家、政治学者 白井聡(しらい・さとし):1977年、東京都生まれ。京都精華大学教員。3・11を基点に日本現代史を論じた『永続敗戦論──戦後日本の核心』で第35回石橋湛山賞などを受賞した[写真/望月さん(本人提供)、白井さん(朝日新聞社)]


白井:私は五輪が始まる直前に、ある新聞社にコラム執筆を依頼されたんです。テーマは任せるというので、「五輪とメディア」について書きました。メディア企業がスポンサーになっていることで五輪の是非に関する報道はまずいことになっていないか。そして札幌五輪もやろうとしているようだが、再考した方がいいのではないかと。そうしたら掲載は不可。「原稿料は払います」と。載らないのに原稿料を受け取るのは嫌なので別テーマで書き直し、その原稿は改稿して別媒体に載せました。たぶんこの原稿はボツにされるぞ、と予期した上であえて試してみたんですが、やはり案の定でしたね。


■誰のため、何のため

望月:結局「誰のための、何のための五輪なのか」と考えると、「電通利権のための五輪なのでは?」という結論にならざるを得ないんです。高橋容疑者からすると、東京五輪という巨大なイベントを成功させるために──ここで言う成功はつまり、五輪を商業ビジネス的にいかに「稼げる」ようにするかということだと思いますが、そのために、おそらくさまざまなリスクも負って体を張ってやってるんだと。カネもらうくらい当たり前だろ、という感覚もあるかもしれない。でもこれほどに腐った面々が次々と明るみに出てくると、商業主義に浸りきってしまった五輪というものがそもそも本当に必要なのかという原点を問うてしまうし、何よりも選手にとって不幸ですよね。
 組織委は、スポンサー企業の選定やライセンス商品の承認などにも関わる中枢部局「マーケティング局」など、各部局の幹部に電通社員が多く出向していると聞きます。ライセンス商品をどうしても決めたかったりする企業が、規模は小さくても接待だとか高橋容疑者にやっているのと似たようなことをやっているのは想像に難くないですよね。だから、五輪利権=電通利権であるという感じかなという気がします。

(構成/編集部・小長光哲郎)

※AERA 2022年10月3日号より抜粋
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https://dot.asahi.com/aera/2022092800108.html

白井聡×望月衣塑子「呪われた五輪」を振り返る 中止しなかった腐敗の構図とは?
2022/10/03 08:00

     (東京招致が決定=13年9月、代表撮影)

 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が波紋を広げている。コロナ禍に開催前から続いた数々の不祥事。「呪われた五輪」の腐敗の構図が次々と明らかになり、掲げられた理想は遠くかすむ。いったい、こんな五輪に誰がした──。政治学者・白井聡さんと東京新聞記者・望月衣塑子さんが語り合った。AERA 2022年10月3日号の記事を紹介する。

*  *  *

白井:まず、カネと利権。そもそも五輪に、それ以外のことってあったんですか?とさえ思う(笑)。だから私は、いま、さまざまな汚職が明るみに出始めて、ある意味ようやっと東京五輪が「本当に開幕したな」と感じています。だってもう最初から、「アンダーコントロール」というウソから始まり、「(東北のための)復興五輪」という意味不明な言葉、国立競技場の建て替えをめぐるごたごた、エンブレム選び、開会式直前に楽曲担当者と演出担当者が降板に至るスキャンダル、組織委会長だった森喜朗氏の女性蔑視発言と引責降板、マラソン・競歩開催地移転にコロナ禍で強行開催──もう本当にすべてが「恥ずかしい」の一言でしたから。

望月:でもたとえば森さんの女性蔑視発言などは、明るみに出て海外にも報道され、日本の人権意識やジェンダー意識の低さが露呈したからこそ、日本で「あ、これって異常なんだ」と気づくことができた人も多いと思います。東京五輪で数少ない「良いこと」かも。今回の汚職でいろんなことが明らかになっていることも同様です。

白井:問題は、その気づきを得るために何兆円かかっているのか、ということですよ。
 なぜ、東京五輪がここまで呪われたものになっているのか。根本の動機が不純だからだと私は思います。動機とは、さかのぼれば3.11を利用したことです。
 バブル崩壊以降、日本は経済と暮らしがどんどん右肩下がりになってきて、「平和と繁栄の戦後」というイメージが維持できなくなっていた時に、東日本大震災と原発事故が起きた。本当ならそこで、「あ、戦後の肯定的なイメージをこのまま持続することはもう、絶対にできないんだ」と立ち止まり、見つめ直さないといけなかった。だけど、それは嫌だと。「日本はすごいんだ」と引き続き思い込みたくて「ここは東京でオリンピックだ!」となったわけです。大阪万博開催も同じ動機だと思います。要するに、高度成長期へのノスタルジーで、厳しい現実を否認しようとする、その「否認の欲望の塊のイベント」が東京五輪だった。


東京新聞社会部記者 望月衣塑子(もちづき・いそこ、左):1975年、東京都生まれ。大学卒業後、中日新聞社(東京新聞)に入社。東京地検特捜部などを担当、事件を中心に取材。経済部などを経て現在、社会部遊軍記者/思想史家、政治学者 白井聡(しらい・さとし):1977年、東京都生まれ。京都精華大学教員。3・11を基点に日本現代史を論じた『永続敗戦論──戦後日本の核心』で第35回石橋湛山賞などを受賞した[写真/望月さん(本人提供)、白井さん(朝日新聞社)]


■歴史も記憶も壊す

望月:本当にそうですね。

白井:で、いわばその欲望を政治的に代表していたのが、安倍晋三さんという政治家だったと思います。
 たとえば会場となった国立競技場。あれは旧国立競技場を改修して使う手もあったと思うのですが、そんな否認の欲望によるイベントの結果、本当にかけがえのない歴史や記憶も壊しましたよね。私、さんざん五輪の悪口を言っていますけど、スポーツを見るのは本来、大好きなんです。旧国立競技場ではサッカーなどの名勝負や名場面が本当にたくさんあって、私にとっては大切な記憶です。それを金儲けと、否認の欲望を持続させたいがためにぶっ壊した。その恨みは一生忘れませんよ。

望月:五輪の開催地では再開発や、樹木が伐採されるなど自然環境破壊含めて必ずトラブルが起きますよね。これを機会に、本当に五輪の開催はもうやめてほしいと思います。
 あらためて振り返っても、東京五輪は開催すべきではありませんでした。当時の首相の菅さんがなぜ「中止」という英断をできなかったか。あの夏、コロナの感染が拡大して、救急車を100回呼んでも来ないとか死者の急増とか本当に深刻な状況でした。そんな中で、児童を全国で128万人、都内で90万人、大会観戦に動員する「学校連携観戦プログラム」という話があって、それに菅さんが「私も学生時代に東洋の魔女を見て感動したから」とか言って実現にすごくこだわってました。本当は学校内での集団感染が増えているという統計が出ていたのに、それもあえて発表せずに、です。コロナ感染に対する菅さんの甘さは際立ってひどかったと思います。なぜそこまで、「盛り上げ」たかったかというと、「五輪をやったオレ」という「菅レガシー」を作りたかったのと、あとはもうIOC(国際オリンピック委員会)も含めた巨大な五輪利権──高橋容疑者どころではない規模の──にどっぷりと浸かり、「とにかくやれよ、菅」というプレッシャーの中で、彼は決して退くことはできなかった。そういう状況もあったのではと思います。
 他にも、日本看護協会に500人のスタッフ動員要請が出て、批判を受けて取り下げたものの結局1日に医者230人、看護師310人もの人が五輪のために働くことになった。感染状況を考えると医療機関は猫の手も借りたい時期に、です。本当に、人の命を軽視する国だなと思いましたね。
 かと思えばその裏では、組織委の1日当たりの単価が人によって「80万円」だという内部告発がTBSの報道特集で報じられ話題になりました。お金がなく学校進学をあきらめる人がいる一方、税金から1人1日80万の手当が出るのはなぜか。こうやって振り返っても、なんかもうめちゃくちゃでしたね。


■命を軽視する国

白井:開催費用もどんどん青天井で膨らんでいって、最終的には約3兆円。招致段階の大会経費は7340億円ですから、約5倍に膨れ上がったことになる。他の開催国と比べても桁違いに大きい金額です。2020年の年末時点で追加経費2940億円が決まり、その時点で経費が1.64兆円になる見通しになったときには、森喜朗さんが「きちんと理屈はついている」などと言って、五輪と言えばいくらでもお金が出るみたいな状況になっていった。結局、問題は現代日本人の「たかり根性」ですよね。朝日新聞を含むメディア企業も、このイベントに社会的正当性があるのか一切考えずに翼賛に走った。その落とし前をどうつけるんだということがついに問われているのです。

望月:かくいう我が東京新聞も、社説では中止をとは書けず、「コロナ禍の東京五輪、大切な命を守れるのか」しか書けなかった。スポンサーにこそなってないけど、営業や事業局などでは儲けのチャンスがあるからだと。編集の現場とは全く違う論理で動く仕事とはいえ、そういう論理が結局、社説にまで影響していると思うと……。少しでも旨味が欲しいのが企業の本音とはいえ、残念です。


■自浄作用失った社会

白井:本当に、そういう私たち社会の醜さこそ金メダル級ですね。安倍政権が超長期政権化して「体制」化した日本にふさわしい醜さですよ。「とにかく儲かりさえすればよい」ということで歯止めがまったくかからず社会全体で暴走してしまった。残念ながら、検察による捜査・勾留という、国家の暴力装置を介した「合法的な暴力」でしか解決できない状況になったということですね。これは山上徹也容疑者のしたこととある意味で同じなんですよ。暴力が合法か非合法かという違いがあるだけで。自浄作用を失った社会の末路です。
 この疑獄は、相当大きく発展していく可能性があると思います。というか、捜査が政界までいかなきゃ意味がない。

望月:先ほど、いろんな暗部が明るみに出るのは五輪で数少ない「良いこと」だと言いましたが、それによって社会にショックを与え、私たちの五輪に対する考えの目が覚めるかというと、また別の話なんですね。読者は旧統一教会に関するニュースにはすごく反応するが、AOKIやKADOKAWAの逮捕劇では反応が弱いと聞きます。世の中の人たちにとっては、まだ身に迫るものがない。菅さんが「コロナに打ち勝つために五輪を」と言う一方で多くの死人が出るなど、肌感覚で身近に危機が感じられ、名の知られた政治家がシンボリックな形で罪に問われたとなると、世の中の五輪に対する空気も変わると思います。

白井:ただ、五輪のことを追ってきた人にとっては、今回最初に逮捕されたのが高橋治之さんだったというのは、「お、いきなりこの人来たか」と感じましたよね。捜査の本気度をじゅうぶん予感させるものでした。

望月:いま捜査に入っているのが地検特捜部の主に政治家や官僚などの汚職、贈収賄事件を担当する班なので、誰かしら政治家をターゲットにしているのではと私も思います。事件の広がりが大きいのでお金のルートを絞り込み、「これは」というところで踏み切ってくると見ていますけど。ここまでの大きな疑獄事件になって、札幌五輪への「悪影響」が言われていますが、このままいけば札幌五輪でも「汚職の構図」は変わりません。ここは潔く、開催をやめるべきだと思いますね。

(構成/編集部・小長光哲郎)

※AERA 2022年10月3日号より抜粋
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●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》

2022年07月19日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


2022年07月10日[日]
伊原忠(脱原発に1票 活憲に3票)@tyu318さんのつぶやきの画像から文字起こし(https://twitter.com/tyu318/status/1546025399725215744)。東京新聞の【本音のコラム「暴力と言論」前川喜平】。

 2022年7月参院選、本当にこんな結果で良かったのでしょうか? 《投票に同情を持ち込んではいけない「安倍氏の遺志」を引き継ぐ謂れなど、有権者にはまったくないのである》…はずだったのに。
 《低投票率》を回避するために、自公政権は何か努力したか? 政権の腐敗により、市民に「諦め」「絶望感」をもたらしただけ。(東京新聞社説)《政治に変化を迫り、国民のための政治を実現するには、有権者が「票の力」を突き付けるしかない一人一人が投票所に足を運ぶことが、民主主義の危機を脱する最大にして唯一の力になる》。

   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》
   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」と
     ヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらうべきだった
   『●あとの祭り…《故人の過大評価、美化・神格化…「安倍元首相の悲願は

        憲法改正」「憲法改正が安倍元首相の夢だった」》の垂れ流し…
   『●《二〇二一年時点で民主主義国は八十九で、権威主義国は九十。世界人口
       の七割の約五十四億人が権威主義下で暮ら》す…91国目に堕ちる?
   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
       に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》

 《選挙に行く以外に《悪政は拒否できない》…《1票は重い。責任ある行動が求められる》…#VoiceProject #わたしも投票します #投票はあなたの声》…だったはずなのに。91国目の《権威主義国》に堕ちる…。自公お維コミによる独裁国へと転落。

 自公お維コミに投票してはいけない、選挙に行かずに間接的に自公を支持してはいけない…はずだったのに。

   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」?、   
                    とアベ様をヤジり返してみては?
    《先日の衆院予算委員会で、耳を疑う場面があった。
     …首相が自席からこんなヤジを飛ばした。「日教組!」「日教組どうするの、
     日教組!」…見かねた大島理森予算委員長が「総理、総理も、
     ちょっと静かに」とたしなめた国権の最高機関の中での話である》
    「そのヤジが的を射ているのならまだしも、「民主党議員にヤジを
     飛ばしたことへの説明で「日教組(日本教職員組合)は補助金を
     もらっている」などと20日に発言したことについて、
     「補助金(をもらっている)ということは私の誤解だった。
     正確性を欠く発言だった」と訂正」って、なんじゃそら~!?
      誰か「統一協会暴力団日本会議神道議員連盟…どうするの」
     とヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらいましょうよ」

   『●《野党の質問にヤジを飛ばしている実態…今では政府側が
      野党を“ヤジる”という憲政史上まれにみる下品な内閣》
   『●自称《人材の宝庫》…野党議員ではなく、「あなたじゃないの」
         というヤジを飛ばす先は萩生田光一文科相ではないのか?
   『●指差しヤジ再び…《責任を問うべきなのは安倍ではない。
       責任を取れない社会の■■を…放置してきた日本社会…》
   『●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…
                 こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?
    「桐山桂一さんの仰る通り、《今日では既に、首相の演説にやじを
     飛ばしただけで、警官に排除される時代である。
     こんな表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか》?」
    「《鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、
     うち4図書館で利用者の個人情報が提供》…。
     《警察は政党の手先ではない訳がないし警察は正義の味方
     呼ぶこと》もできない…悲惨な社会。最「低」裁を頂点とした司法も、
     検察や警察も、いまやアベ様に忖度する時代。
     《岸の末裔が首相では日本に未来はない》。」

   『●《安倍政権下で始まった危険な言論統制に歯止めをかける判決…首相に
      ヤジを飛ばした市民が、北海道警の警察官に違法に排除された事件》
   『●《現役の総理大臣へのヤジも許されず、それが報道もされない世界》
     《ヤジも言えない国家や有無も言わさず排除をする警察》でいいの?
   『●「殺す側の論理」、ついには人の「死」にまで「自己責任論」を
     持ち出すようになったよ。あなたは「殺す側」に居るつもりらしいが…
    「決して《失策を改め》ることはないし、反省することなど無し、
     批判は許されない ――― 《大阪ヘイト条例》も、お維への批判を、
     条例を根拠に封じる狙いはないの?

   『●《大阪ヘイト条例》と構図は同じ…《政府・与党政治家への正当な
     批判を「侮辱」として解釈し、気に食わない言論や表現への弾圧に利用》
    《…しかも、国会での審議によって明らかになってきたのは、政府・
     与党政治家への正当な批判を「侮辱」として解釈し、気に食わない
     言論や表現への弾圧に利用しようという政府の魂胆だ


   『●《大阪ヘイト条例》と構図は同じ…《政府・与党政治家への正当な
     批判を「侮辱」として解釈し、気に食わない言論や表現への弾圧に利用》
   『●とっても危険な《侮辱罪を厳罰化する刑法改正案》…自公お維コミの
      《火事場ドロボー》達は、《権力批判の言論を萎縮させる》気満々だ
   『●《政治家の批判や、政府の方針への苦言など…デモ…》が抑制、
     《首相はうそつき》《総理は嘘つき》ウソ吐きなアベ様という批判も…
   『●アベ様をヤジって道警の警察官に排除…札幌地裁は《ヤジを公共的で
      政治的な表現行為と認め、その排除は表現の自由の侵害だと判断》

 《現役の総理大臣へのヤジも許されず、それが報道もされない世界》《ヤジも言えない国家や有無も言わさず排除をする警察》でいいの?
 前川喜平さん《暴力の増長は言論の衰退によって起こる何も説明しない政治家、空疎な国会審議、権力への批判を忘れたマスメディア。言葉では何も解決しないという思いが人を暴力に走らせる。言論の衰退と暴力の増長の悪循環を止めるには言論を立て直すしかないだから今言論が委縮してはいけないのだ》。

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https://twitter.com/Ksangoma/status/1492726412784005120

本音のコラム「暴力と言論前川喜平
2022. 7.10

 街頭演説中の安倍元首相が殺害された。犯人がどんな不満を抱いていたのか知らないが、決して許されない犯罪だ。

 暴力と言論は両立しない。僕は官僚を退職後、言論界の隅っこに居場所を得て、安倍政治を批判し続けれきた。無力感を感じることも多いが、発言をやめないのは、政治や社会を変えるのは言論だと信じるからだ

 暴力は暴力を生む。暴力が強まれば、その暴力に対抗する暴力も強まる。テロが広がればテロ対策という名の国家の暴力が強まる社会の中に暴力が溢(あふ)れると自由な言論が成立する空間が消えていく言論が消滅すれば民主主義は死ぬ

 日本の近現代史を振り返れば、一九三〇年代初頭に政界や経済界の要人の暗殺が相次いだ。果ては陸海軍の軍人がテロを起こした。それは議会政治の衰退と表裏の関係にあった。ヤジも飛ばさずいきなり発砲した犯人の態度には、「問答無用」と犬養首相を殺害した五・一五事件の海軍将校と重なるものを感じる。

 暴力の増長は言論の衰退によって起こる何も説明しない政治家、空疎な国会審議、権力への批判を忘れたマスメディア。言葉では何も解決しないという思いが人を暴力に走らせる。

 言論の衰退と暴力の増長の悪循環を止めるには言論を立て直すしかないだから今言論が委縮してはいけないのだ。(現代教育行政研究会代表)
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●松下竜一さん《『草の根通信』の読者にして…知ろうとする心を閉ざして拒絶する壁をめぐらせてしまうことほど、危険なことはないのだが》

2021年06月03日 00時00分04秒 | Weblog

[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)]



(20210529[])
根岸恵子氏による、レイバーネットの書評【〔週刊 本の発見〕熱い時代を生きた若者の真の姿〜松下竜一狼煙を見よ』】(http://www.labornetjp.org/news/2021/hon204)。

 《映画『狼をさがして』を観た。3月に封切られた韓国の映画監督キム・ミレのドキュメンタリーで、1970年代に連続企業爆破事件を起こした「東アジア反日武装戦線」の思想的背景と事件後の関係者を追いかけた。人生のほとんどを安穏とした平和の中にいたと思い込んでいた私は、子供のころに見た新聞一面の写真を思い出した。爆破で飛散したガラスのなかに人が倒れていた。阿鼻叫喚の情景に恐怖は感じなかった。なぜなら、あさま山荘や「よど号」事件、爆破事件などが日常茶飯事の時代だったから。そう日本は熱かったのだ。映画の出演者も観客も、多くは寄せ場や野宿者運動、反核や戦後補償運動で見かける知己ばかりだった。熱い時代を生きた先輩たちの闘いは続いているのだろうか。その闘いは枝を広げるようにその根っこに「東アジア反日武装戦線」があるのだろうか。まるで懐かしいものを探すように「狼をさがして」やってきた人たちだった。(根岸恵子)》

   『●《われわれは大きな不正を正すために何をしたというのか。
     何もしないからこそ、彼らのように重大な失敗を招くこともなかった》
   『●《「冷酷非情の狼」という印象》…でも彼らがなぜ「その闘争」を
     やらなければならないと思ったのか?、には耳を傾ける必要がある
   『●《浴田由紀子さん…自分たちは暴力ではなく、考えを広めるために、
      平和的に仲間を増やすべきだった。そうすれば社会は変わるだろう》

 《何もしないわれわれが、やったがゆえに死傷者を出してしまった彼らを、裁くことができるのか》(松下竜一さん)。映画『狼をさがして』について、松下竜一さんの『狼煙を見よ ―――東アジア反日武装戦線狼部隊』があまり話題に上らないのが不思議。
 もう何十年も前、当時の『草の根通信』の読者にしても、そうだった。《…拒絶反応だと断じざるを得ない。/…私は暗然とする。信頼してきた『草の根通信』の読者にしてこうなのかと思う。/一度焼きつけられた「冷酷非情の狼」という印象は消えることなく、大道寺将司という名だけで、もう拒絶反応が起きてしまうことになる。知ろうとする心を閉ざして拒絶する壁をめぐらせてしまうことほど、危険なことはないのだが》。
 《“大地の牙”メンバーだった浴田由紀子さん…「東アジア武装戦線の戦いに最も欠けていたのは、いま現在から革命後の社会を、物的に、人的に、思想的に、あらゆる領域から作っていく創造の戦いとして考え、実践することだった。敵を打倒し、破壊することよりも、味方を増やし、味方の力を育て、作り出す戦い方をしたいそれは『もう誰も死なさない革命』でもあるはずです」。未来は私たちの手に委ねられている》。


 佐高信さん《「豆腐屋の四季」は「歌の型を借りた生活綴り方」だが、1964年の東京オリンピックの時に「朝日歌壇」の選者の近藤芳美がオリンピックの歌を1首も選んでいない、と指摘しているのは鋭い。…近藤が選んだ松下の「朝日歌壇最初の入選歌」である。まさに25歳の怒れる青年の生活の叫びだった》。

   『●いま「暗闇の思想」を: 朝日新聞(地方版?)社界面トップ
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●第八回竜一忌、涙が出ました:
                松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん

   『●松下竜一忌での小出裕章さんの講演が本に!!
   『●室原知幸さん「公共事業は法にかない、
               理にかない、情にかなうものであれ」
   『●松下竜一さんと松下洋子さん、そしてカン・キョウ・ケン
   『●「草の根」に思いは永遠に: 松下竜一さんを追悼する“最後”の「竜一忌」
   『●《われわれは大きな不正を正すために何をしたというのか。
     何もしないからこそ、彼らのように重大な失敗を招くこともなかった》

 松下竜一さん《「豆腐屋の四季」は「歌の型を借りた生活綴り方」…まさに25歳の怒れる青年の生活の叫びだった》。当時の朝日歌壇のある選者に関連して、松下竜一さんは《私たちの日々の現実生活そのもののようだ。たとえ首都に華やかに大会が展開されていようとも、私たちが繰り返すのは生きるための労働の日々なのだ》《ここには、そうしなければ生きてゆけぬ生活者の現実がある》と。
 その「豆腐屋の四季」の舞台は、いま、…。



   『●「従わぬ者には容赦ない、国家の暴力性が作品を貫く」…
            松下竜一さん「豆腐屋の四季」の舞台が取り壊し
    「東京新聞の佐藤直子記者のコラム【【私説・論説室から】
     竜一の愛した書斎】…。毎日新聞の大漉実知朗記者の記事
     【松下竜一さん 自宅取り壊し 「豆腐屋の四季」舞台消える】」

 『豆腐屋の四季 ~ある青春の記録~』(全4巻)が、2005年10月に、リブリオ出版より。大活字版。講談社文庫版、河出全集版につづく3種目。



   『●『豆腐屋の四季 ~ある青春の記録~』読了(1/2)
   『●『豆腐屋の四季 ~ある青春の記録~』読了(2/2)

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http://www.labornetjp.org/news/2021/hon204

〔週刊 本の発見〕『狼煙を見よ』(松下竜一)

週刊 本の発見 毎木曜掲載・第204回(2021/5/13)
熱い時代を生きた若者の真の姿
狼煙を見よ』(松下竜一、河出書房新書)評者:根岸恵子

 映画『狼をさがして』を観た。3月に封切られた韓国の映画監督キム・ミレのドキュメンタリーで、1970年代に連続企業爆破事件を起こした「東アジア反日武装戦線」の思想的背景と事件後の関係者を追いかけた。人生のほとんどを安穏とした平和の中にいたと思い込んでいた私は、子供のころに見た新聞一面の写真を思い出した。爆破で飛散したガラスのなかに人が倒れていた。阿鼻叫喚の情景に恐怖は感じなかった。なぜなら、あさま山荘や「よど号」事件、爆破事件などが日常茶飯事の時代だったから。そう日本は熱かったのだ。

 映画の出演者も観客も、多くは寄せ場や野宿者運動、反核や戦後補償運動で見かける知己ばかりだった。熱い時代を生きた先輩たちの闘いは続いているのだろうか。その闘いは枝を広げるようにその根っこに「東アジア反日武装戦線」があるのだろうか。まるで懐かしいものを探すように「狼をさがして」やってきた人たちだった。

 私は「東アジア武装戦線」については彼らのようによくは知らない。映画を観てから、松下竜一が書いたこの『狼煙を見よ』を読んでみようと思った。そして暴力を肯定できない時代に生きるものとして、「なぜ爆弾なのか」という疑問の答えを知りたいと思った。

 大道寺将司ら「東アジア反日武装戦線」は地下出版した『腹腹時計』の中で「われわれは、新旧帝国主義者=植民地主義者、帝国主義イデオローグ、同化主義者を抹殺し、新旧帝国主義、植民地主義企業への攻撃、財産の没収などを主要な任務とした“狼”である」と宣言し、戦前戦後と日本帝国主義に収奪されるアジア諸国、主権や文化を奪われ皇民として天皇崇拝を強要されてきた先住民族のアイヌと琉球、植民地支配下にあった朝鮮半島、台湾への日本人の責任を「日本帝国主義者」の子孫として真摯に向き合うべきだと問うている。

 “狼“とは「東アジア反日武装戦線」の中の一つのグループである。グループは他に “大地の牙”、“さそり”があり、それらは独立して行動していた。互いに干渉しない、リーダーのいない運動は、いまでも序列を重んじる日本の社会運動の中にあって、斬新なことであったのではないか。この事件を知るにつけ、「東アジア反日武装戦線」にかかわった者たちの凶悪な”爆弾魔“というイメージは、実直で生真面目で正義漢のある若者の姿に見えてくる。しかし、今を生きる私の目からは、やはり視野の狭い身勝手な若者の姿はぬぐいようがない

 著者松下竜一は、なぜ「東アジア反日武装戦線」を書こうと思ったのか。本書の中にはそのくだりが詳述されているが、将司との繰り返されるやり取りの中で、次第に彼らに惹かれていく。

     (写真下=松下竜一)

 「安全な日本にいて『ベトナム反戦』を1000回叫んでも何の力にはならない。現実にベトナムの米軍を助ける働きをしている国内企業に爆弾を仕掛けることこそが真の連帯だという考えを、私は否定できないのです」
 「なんとしても、多くの人達に彼等のことを知ってもらいたい。爆弾魔というキャンペーンでぬりこめられ、獄の向こうに隔離されてしまった彼らの『真の姿』を知らしめたい」

 これは松下が、彼の機関誌を休刊したいという友人宛ての私信の中で述べたものだが、この文章を本書に入れた理由こそが、彼がこの本を書く動機の一つであったに違いないだろう。

     (写真左=松下竜一)

 『狼煙を見よ』の初出は1986年の「文藝」冬号であった。それから30年、この本は改めて出版された。歴史の真価は時間によってしか推し量ることができないのであれば、キム・ミレや松下竜一の心眼は、マスコミによって歪められた「東アジア反日武装戦線」を生きた若者の価値観と真の姿を再評価させるだけの意味を持つのだろう。

 さて、あの時と何が変わったのだろうか

 オリンピックの口実のために、明治以降、差別の上遺骨と文化を奪われてきたアイヌ民族は自らのアイデンティティを白老の象徴的空間に押し込められようとしている琉球処分によって失われた琉球の魂は戦争によって粉々にされ、土地は軍用地となり、今また辺野古を遺骨で埋められようとしている。アジアの自然を壊し、巨大なプランテーションを作り、人々は技能実習という奴隷労働をさせられている難民という弱者に入管は人間扱いをせず、さらにひどい悪法を突き付けようとしている

 

 インドネシアの女性はユニクロで働き、一方的に首を切られた。ミンダナオのバナナ農家は住友フルーツと不平等契約を結ばされ農薬被害と貧困に喘いでいる。日本のODAによる開発で家や土地、仕事を奪われそうになったモザンビークの人たち。ミャンマーの軍事政権に金を出す日本企業。挙げればきりがない。きりがない。ひどいことばかりだ

 アジアとアフリカの人々の血と涙で肥え太った日本企業、私たちはその恩恵を受けてはいないだろうか

 「多くの者は、不正に気付いても気付かぬふりをして、何もことを起こそうとせぬものです。東アジア反日武装戦線の彼らはいわば「時代の背負う苦しみ」を一身に引き受けて事を起こしたのであり、それゆえに多数の命を死傷せしめるというとりかえしのつかぬ間違いを起こしてしまったということです。その間違いだけを責め立てて何もしないわれわれが彼らを指弾することができるでしょうか極悪人として絶縁できるでしょうか。私にはできません。私は彼らの苦しみに触れ続けたいと思うのです」

 “大地の牙”メンバーだった浴田由紀子さんが、2002年の裁判で被告人として読み上げた最終意見陳述を、キム監督は映画の最後に取り上げている。

 「東アジア武装戦線の戦いに最も欠けていたのは、いま現在から革命後の社会を、物的に、人的に、思想的に、あらゆる領域から作っていく創造の戦いとして考え、実践することだった。敵を打倒し、破壊することよりも、味方を増やし、味方の力を育て、作り出す戦い方をしたいそれは『もう誰も死なさない革命』でもあるはずです」。

 未来は私たちの手に委ねられている
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●和泉洋人首相補佐官…《日本の民間企業に建設協力を打診し、便宜供与を匂わせていた…徹底的に民意をないがしろにする政権の姿》

2020年02月08日 00時00分05秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



沖縄タイムス・阿部岳さんによる、dot.asahiの記事【元防衛大臣・驚愕の発言「なんでこんなに必要だったの?」 沖縄・ヘリパッド建設強行の舞台裏】(https://dot.asahi.com/dot/2020012200057.html)。

 《メモの中で、和泉洋人首相補佐官は「本件は官邸で官房長官直結で私が仕切っており、一省庁の問題ではなく、国の問題」と発言していた。菅義偉官房長官の側近として、官邸で権勢を振るう人物。「本件」は米軍のヘリパッド東村高江周辺に建設する事業を指す》

 トドメのサクラカジノ汚職、様々な公選法違反問題などにかき消されているが、非常に重要な沖縄タイムスのスクープ…《反対する市民らに対抗するのに協力することの見返りに、海外事業で便宜を図ると和泉首相補佐官は約束…》。もっと大騒ぎされるべき問題。
 さらに驚くべきことに…《驚くべきエピソードがある。工事が一段落した2017年1月、高江区の区長が防衛省の大臣室を訪れた時のこと。新設ヘリパッドの配置図を示すと、当時の稲田朋美防衛相はこう言ったという。「なんでこんなに必要だったんでしょうね」。建設を強行した防衛省の責任者が、必要性を根本から問うている》。

 《これは安全保障政策ではない。日本をぼろぼろにすることと引き換えにした米国への隷従であり、「売国的」ですらある》…ホシュやウヨクの皆さんの大好きな売国奴という言葉。でも、一体誰が《売国》奴なのでしょうか?皆さんのお嫌いなプーチン氏に《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末ですよ?

   『●《生物多様性の生きた教科書》な森や美ら海を殺すな!
      《和泉洋人首相補佐官…民間企業に便宜供与を打診し、
                                行政をゆがめ…》
   『●《高江のヘリパッド建設工事は異常だった》…その背景に
      和泉洋人首相補佐官の暗躍、高江での《わずか9時間の歓喜》
   『●高江破壊…《反対する市民らに対抗するのに協力する
     ことの見返りに、海外事業で便宜を図ると和泉首相補佐官は約束》
   『●辺野古・大浦湾が「ホープスポット」登録…《海と、そして
          海を保護しようと闘っている人々を、守ってほしい》
   『●《民主主義ならぬ「ご都合主義」国家》…《私人》、《調査・
      研究》自衛隊中東〝派兵〟などデタラメ閣議ケッテェ~を乱発
    《「不倫」は和泉洋人首相補佐官(66)、「反社」は菅官房長官。
     根底にあるのは長期政権のおごりと公私混同で、政権中枢は
     腐り切っている

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https://dot.asahi.com/dot/2020012200057.html

元防衛大臣・驚愕の発言「なんでこんなに必要だったの?」 沖縄・ヘリパッド建設強行の舞台裏
阿部岳
 2020.1.27 17:00 dot. #朝日新聞出版の本 #沖縄問題 #読書

     (ヘリパッド建設に抗議する市民は、本土・沖縄連合の
      機動隊員によって強制排除された=2016年7月(写真:阿部岳))
     (Jパワーの内部文書には、和泉補佐官の生々しい発言が記録される
     (ルポ沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実 (朝日文庫)
      阿部岳

 昨年末、沖縄の東村・高江の集落を囲むように造られた「米軍ヘリパッド」建設に際し、政府高官が日本の民間企業に建設協力を打診し、便宜供与を匂わせていたことが明らかとなった。企業側の内部メモから浮かび上がってきたのは、徹底的に民意をないがしろにする政権の姿だ。内部メモの存在をスクープした沖縄タイムスの阿部岳記者が、本土復帰後最悪の「165日」の現場を克明に描いた著書『ルポ沖縄 国家の暴力』(朝日文庫)で明かした「政府暴走」の一端を公開する。

和泉補佐官の生々しい発言が記録されたJパワーの内部文書はこちら

*  *  *

 沖縄の山奥で引き起こされた数々の無法と、政権中枢が一本の線でつながった。入手した内部メモを読んで、「やはりそうだったのか」という感慨のようなものを抱いた。現場をはい回った日々の記憶がよみがえった。

 メモの中で、和泉洋人首相補佐官は「本件は官邸で官房長官直結で私が仕切っており、一省庁の問題ではなく、国の問題」と発言していた。菅義偉官房長官の側近として、官邸で権勢を振るう人物。「本件」は米軍のヘリパッド東村高江周辺に建設する事業を指す。

 沖縄本島北部、広大な森に広がる北部訓練場の約半分を返還する。代わりに、返還区域にあったヘリパッドを引き続き使う区域に移設する。そういう大義名分だったが、新設の6カ所がよりによって集落を取り巻くように配置され、防衛省からまともな説明もなかった。オスプレイやヘリが飛び交う下では危ないし、うるさくて暮らせない。地元の高江区は反対し、2007年に始まった工事は抗議行動で中断していた。

 2016年7月、工事を再開した政府は、反対をよく知った上であらゆる手段を使って抵抗をつぶしにかかった人口約140人の集落に全国6都府県の警察から機動隊員約500人を差し向けた。工事に必要な資機材の搬入が座り込みで阻止されると、陸上自衛隊のヘリを投入して運ばせた

 内部メモはヘリ投入の翌日に当たる2016年9月14日に電源開発(東京、Jパワー)が作成した。この日午前、会長が和泉補佐官から官邸に呼ばれた時のやりとりが記録されている。

 電力卸売りが主力のJパワーは建設現場近くに発電所を持っていた。政府はその発電所の建屋を作業員や防衛省職員の休憩用に使わせたいと考えたが、事務レベルの折衝でJパワーが断った。県民が反対する基地建設に肩入れしていると見られては、沖縄での事業が難しくなる

 だが、会長を呼び出した和泉補佐官は有無を言わせなかった。「懸念は理解するが、国が米国との関係の中で急いでいる事業、と受け止めて、協力して欲しい。中立とか言うのは勘弁して下さい」「会長から下してもらい、事務局間で相談させて欲しい」

 会長は「国の強い要請と受け止める」と応じざるを得なかった。和泉補佐官は「ありがたい。海外案件は何でも協力しますから」と、海外で事業展開するJパワーへの便宜供与まで匂わせていた

 ここで政府側が得たのは、発電所の建屋を使わせてもらう、という非常に些細なメリットである。これによって工事が劇的に進んだわけではない。政府高官が熱心に民間企業トップを説き伏せ、行政の公平性を歪めるような危ない橋を渡る。なぜここまでするのか、不思議な感じがするかもしれない。

 これは、私が高江の現場でずっと感じてきた違和感と一致している。払った犠牲と得た成果がどうしても引き合わないのだ人権を踏みにじり、民主主義を破壊し、法を破って、約94億円の税金を投入した。引き換えに手にしたものは、直径45メートルの米軍ヘリパッド6カ所である。周辺には、既に15カ所のヘリパッドがあった。

 驚くべきエピソードがある。工事が一段落した2017年1月、高江区の区長が防衛省の大臣室を訪れた時のこと。新設ヘリパッドの配置図を示すと、当時の稲田朋美防衛相はこう言ったという。「なんでこんなに必要だったんでしょうね」。建設を強行した防衛省の責任者が、必要性を根本から問うている。ずっと反対してきた区長はあっけに取られ、「はい、そうなんですよ」と返すのがやっとだった。

 「なんでこんなに」。その答えを、政府は知らない。政府が知っているのは米軍が必要だと主張していること。それさえ知っていれば十分だ。

 内部メモは和泉補佐官の発言を伝える。「米国政府は、日本政府は沖縄関連で何もしていないと見ている。本件は、日本政府も汗を流している証拠として、20年間、放置されていた件を動かした」。米国の目にどう映るかだけを気に掛ける日本政府の卑屈さが痛々しい

 今、名護市辺野古の海で、全く同じ構図の新基地建設が進んでいる。総事業費は政府発表で高江の100倍に当たる9300億円に上り、さらなる膨張も確実視される。民意と豊かな海を埋め殺して造るのは、長年リストラ対象となってきた海兵隊の、しかも輸送部隊しか使えない飛行場である。和泉補佐官はここでも強行の指揮棒を振るっている。

 これは安全保障政策ではない。日本をぼろぼろにすることと引き換えにした米国への隷従であり、「売国的」ですらある。(沖縄タイムス・阿部岳
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●《松下竜一著…「豆腐屋の四季」は「歌の型を借りた生活綴り方」…まさに25歳の怒れる青年の生活の叫びだった》

2019年11月11日 00時00分51秒 | Weblog

[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)]



佐高信さんによる、日刊ゲンダイでの書評【週末オススメ本ミシュラン/「豆腐屋の四季松下竜一著/講談社文芸文庫】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/260456)。

 《「豆腐屋の四季」は「歌の型を借りた生活綴り方」だが、1964年の東京オリンピックの時に「朝日歌壇」の選者の近藤芳美がオリンピックの歌を1首も選んでいない、と指摘しているのは鋭い。…近藤が選んだ松下の「朝日歌壇最初の入選歌」である。まさに25歳の怒れる青年の生活の叫びだった》。

   『●いま「暗闇の思想」を: 朝日新聞(地方版?)社界面トップ
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●第八回竜一忌、涙が出ました:
                松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん

   『●松下竜一忌での小出裕章さんの講演が本に!!
   『●室原知幸さん「公共事業は法にかない、
               理にかない、情にかなうものであれ」
   『●松下竜一さんと松下洋子さん、そしてカン・キョウ・ケン
   『●「草の根」に思いは永遠に: 松下竜一さんを追悼する“最後”の「竜一忌」
   『●《われわれは大きな不正を正すために何をしたというのか。
     何もしないからこそ、彼らのように重大な失敗を招くこともなかった》

 松下竜一さん《「豆腐屋の四季」は「歌の型を借りた生活綴り方」…まさに25歳の怒れる青年の生活の叫びだった》。当時の朝日歌壇のある選者に関連して、松下竜一さんは《私たちの日々の現実生活そのもののようだ。たとえ首都に華やかに大会が展開されていようとも、私たちが繰り返すのは生きるための労働の日々なのだ》《ここには、そうしなければ生きてゆけぬ生活者の現実がある》と。
 その「豆腐屋の四季」の舞台は、いま、…。



   『●「従わぬ者には容赦ない、国家の暴力性が作品を貫く」…
          松下竜一さん「豆腐屋の四季」の舞台が取り壊し
    「東京新聞の佐藤直子記者のコラム【【私説・論説室から】
     竜一の愛した書斎】…。毎日新聞の大漉実知朗記者の記事
     【松下竜一さん 自宅取り壊し 「豆腐屋の四季」舞台消える】」

 『豆腐屋の四季 ~ある青春の記録~』(全4巻)が、2005年10月に、リブリオ出版より。大活字版。講談社文庫版、河出全集版につづく3種目。



   『●『豆腐屋の四季 ~ある青春の記録~』読了(1/2)
   『●『豆腐屋の四季 ~ある青春の記録~』読了(2/2)

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/260456

週末オススメ本ミシュラン
「豆腐屋の四季」松下竜一著/講談社文芸文庫
2019/08/18 06:00

 “時の人”の滝川クリステルが「おもてなし」とスピーチする映像が繰り返し流れる。

 それを“表なし”なら“裏ばかり”じゃないかと痛烈に皮肉ったのはお笑い芸人の松元ヒロだった。権力といちゃつかないホンモノの反骨芸人である。

 笑いということなら、環境権を掲げ、九州電力の火力発電所建設を阻止しようと裁判に訴えた松下のそれも強烈だった。敗訴の判決が出た時、松下は「アハハハ……敗けた、敗けた」と書いた紙を表示したのである。

 うなだれられるより、哄笑される方が相手は怖い。屈していないからだ。

 「豆腐屋の四季」は「歌の型を借りた生活綴り方」だが、1964年の東京オリンピックの時に「朝日歌壇」の選者の近藤芳美がオリンピックの歌を1首も選んでいない、と指摘しているのは鋭い。

 「そのことに私は近藤先生の姿勢を感じる。先生がいつも凝視しているのは、私たちの日々の現実生活そのもののようだ。たとえ首都に華やかに大会が展開されていようとも、私たちが繰り返すのは生きるための労働の日々なのだ。たぶん、近藤先生は頑ななまでにそこに凝視をしぼって、無数に寄せられたオリンピックの歌(その大部分はテレビを観て作られた歌だろう)を、全首裁断したのであろう

 半世紀以上経った現在も事情は変わらない。問題は近藤亡き後、近藤のような選者がいるかどうかである。

   ○ようやくに魚売りかえる峡の道 蕎麦畑光る月夜となりぬ

 作者名は省かせてもらうが、オリンピックの歌が登場した週に近藤が首位に推した歌である。

 「ここには、そうしなければ生きてゆけぬ生活者の現実がある。オリンピックの感興が薄れた今、私の胸にひそやかに沁みて拡がるのは、月に白々と光るそば畑の景だ。時流のおりおりのできごとの陰にいとなまれる平凡な生活の歌は、一見つつましやかに、しかも時流とかかわらぬ命長い叙情を細く絶えることなく保ち続けるのであろうか」

 松下はこう述懐している。

   ○泥のごとできそこないし豆腐投げ 怒れる夜のまだ明けざらん

 近藤が選んだ松下の「朝日歌壇最初の入選歌」である。まさに25歳の怒れる青年の生活の叫びだった

 ★★★(選者・佐高信
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●辺野古破壊…《暴力政治への批判…それが“勇敢”なんて言われてしまうことが、この国の異様さを物語》る

2019年01月12日 00時00分55秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



琉球新報の記事【米首都で集会 工事停止訴え 請願署名20万超に】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-858181.html)。
日刊ゲンダイの記事【ローラ辺野古発言の波紋 安倍政治に口をつぐむ異様な国】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245143)。

 《ホワイトハウス前で、県民投票が行われるまで名護市辺野古の新基地建設工事を停止するよう求める県系4世のロバート梶原さん(中央)ら=7日、米ワシントン》。
 《<土砂投入が始まって、SNSでは停止を求める署名が広がりました。タレントのローラさんが署名を呼びかけていましたが、偉いですよね。日本では「袋だたき」に遭うのが怖くて口をつぐむ人も多い>…坂本龍一氏の言葉だ。…そんな暴力政治への批判をつぶやくのは一国民として当たり前の感覚なのに、それが勇敢なんて言われてしまうことがこの国の異様さを物語っている》。

 ホワイトハウスへの請願"Stop the landfill of Henoko / Oura Bay"で、目標の10万筆を遥かに超えた。米政府から何らかの回答が得られることになった。現在は請願のWeb頁のトップに表示されるよう、4番目の請願数になるべく、署名の呼びかけが続いている。

 以前引用させて頂いた琉球新報のコラム【<金口木舌>中傷する人からまず手を挙げて】には、《▼空軍も海軍も陸軍も抱える沖縄。県は基地全てを撤去しろと要求しているわけではない。国防の重要性を訴え、ローラさんを中傷する人からまず移設先に手を挙げてはいかがだろうか》。《批判の声に耳を傾けず、力で押し切る政府の姿勢に疑問を感じないどころかメディアや一般市民までもが権力者を守る側に回って、批判の声を弾圧しにかかる摩訶不思議な現象が、この国の日常になっている》

 一方、またしても息吐く様にウソを吐き続けるアベ様。
 琉球新報の【<社説>首相サンゴ移植発言 フェイク発信許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-858590.html)によると、《安倍晋三首相がNHK番組「日曜討論」で、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立てについて「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移している」と、事実と異なる発言をした。一国の首相が自らフェイク(うそ)の発信者となることは許されない》。

   『●「米ラスベガス・サンズに日本に参入する免許を与えるよう
               強く要求」されておきながらアベ様は平気で…
    「憲政史上最悪の国会で、アベ様は《そんな事実は、これはまったく、
     一切なかったということをはっきりと申し上げておきたい》と明言。
     息吐く様にウソをつく。《ニヤニヤと笑みを浮かべながら…、
     根も葉もないヨタ話と言わんばかりに笑い、鼻にもかけないような態をとり、
     事実を完全に否定》しておきながら、なんじゃそりゃ。」

 それに対して、玉城デニー知事は…。日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/「誰からのレクチャー?」玉城デニー氏投稿の“絶妙な2行”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245183/2)によると、《「安倍総理…それは誰からのレクチャーでしょうか。(後略)」(玉城デニー沖縄県知事)…安倍首相が6日の日曜討論に出て、普天間は返還されるだの、辺野古への土砂投入前にサンゴや希少な生物を移動させただの、堂々と嘘ついたことに対しての。…あの方、ご自分の考えがあるんだかないんだか。いっつも誰かが書いた作文を読むだけでしょう? だから自分が辛い目に遭わせている人たちに「真摯に寄り添って」なんていえる。ただ文を読んでいるだけだから。》

   『●2018年12月14日、「美ら海」に土砂投入…
      辺野古を破壊して巨大な新基地が恒久的に沖縄を占領…
   『●辺野古破壊のために美ら海に土砂投入…
      その翌日も現地で抗議が続く中、アベ様はのんびりとゴルフを満喫
   『●破壊「損」な美ら海への土砂投入…「2019年2月までの
           米軍普天間飛行場の運用停止」をやってみせよ!
   『●【政界地獄耳/問答無用の自治破壊実行する政府の怖さ】 
              《民意も海に埋める》…民主主義国家がやること?
   『●《『日本を取り戻す』の中に沖縄は入っていな》かった、 
          そして今《国民のうちに沖縄は入っているのか》?
   『●《ルールを守》っていない代表格は、民主主義を破壊する
                「選挙妨害を暴力団に発注する」人・アベ様
   『●辺野古「移設」に非ず、《新基地は軍港はじめ、
       普天間にない巨大で多様な機能を備えた一大戦争拠点…》
   『●三上智恵さん《埋められていくのは、辺野古の海だけではない。
                   この国の未来…助けを求める、あなたの声》
   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…
      プーチン氏に《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末
   『●「在日米軍特権」「日米地位協定」「日米合同委員会」…
                《米国の言うことを聞くお友達は日本だけ》
   『●鈴木耕さん《美ら海を破壊するために、軍事基地を造っている…
                      言い換えれば、サディスティックな政治》
   『●《「ならばどうぞ独立を」とは決して言うまい。
        沖縄をそこまで追い込んだのは本土の側。その責任は重い》

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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-858181.html

米首都で集会 工事停止訴え 請願署名20万超に
2019年1月9日 05:00
辺野古 ホワイトハウス 米軍普天間飛行場 新基地建設 県民投票 請願署名

     (ホワイトハウス前で、県民投票が行われるまで名護市辺野古の
      新基地建設工事を停止するよう求める県系4世の
      ロバート梶原さん(中央)ら=7日、米ワシントン)

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米首都ワシントンのホワイトハウス前で7日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立ての賛否を問う県民投票まで工事を停止するようトランプ米大統領に求める集会が開かれた。県民投票まで工事停止を求めるホワイトハウスへの請願活動を始めた県系4世のアーティスト、ロバート梶原さん(32)=ハワイ在=をはじめ米在住の日本人や米国人ら約40人が参加し、「沖縄に米軍基地はいらない」などと書いたプラカードや横断幕を持って、工事停止を訴えた。請願署名は開始から30日を過ぎた8日午前9時(日本時間同日午後11時)時点で20万2258筆が集まった。
 集会を主催した梶原さんは「少なくとも沖縄の人々が2月24日の県民投票で民主的な権利を表明できるまで工事を停止すべきだ」と訴えた。
 梶原さんは昨年12月8日、ホワイトハウスの請願サイト「We the People」で、トランプ大統領宛てに埋め立て工事の中止を求める請願を始めた。
 インターネット署名が呼び掛け開始から30日以内に10万筆が集まれば、ホワイトハウスから何らかの返答が60日以内に届く仕組みになっている。
 英ロックバンド「クイーン」のギタリストで天文学者のブライアン・メイさんら国内外の著名人らも署名をするなど、賛同の輪が広がっている。同サイトで確認できる請願で5番目に多い筆数となっている。署名は同サイトで引き続きできる
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245143

ローラ辺野古発言の波紋 安倍政治に口をつぐむ異様な国
2019/01/10 17:00

     (署名を呼びかけたローラ(C)日刊ゲンダイ)

<土砂投入が始まって、SNSでは停止を求める署名が広がりました。タレントのローラさんが署名を呼びかけていましたが、偉いですよね。日本では「袋だたき」に遭うのが怖くて口をつぐむ人も多い

 9日の朝日新聞社会面に載った音楽家・坂本龍一氏の言葉だ。辺野古への土砂投入など、沖縄をテーマにしたインタビューで、国家の暴力に異を唱えることについて、坂本氏はこう続ける。

<米国では、国民の半分近くはトランプ大統領支持ですから、バッシングは日本の比ではない。それでも芸能人やスポーツ選手が政治的な発言をすることが当たり前です。立場を表明しない人はかえって愚かだと相手にされません>

<世界ではいま、「声がデカい人の意向が通る」という政治が横行しています。真実を追求しようとするメディアには「ウソつき」と繰り返すなど、一方的な対応が目立ちます。反対する者とまともに議論しようとしない日本政府の姿勢は、トランプ大統領のマネをしているんでしょうたがが外れていますよね

 そして、「そのことに多くの国民が気づいていないことが一番大きな問題」だと指摘する。

 批判の声に耳を傾けず、力で押し切る政府の姿勢に疑問を感じないどころかメディアや一般市民までもが権力者を守る側に回って、批判の声を弾圧しにかかる摩訶不思議な現象が、この国の日常になっているからだ。


■政権批判の発言だけが叩かれる

 ローラが署名を呼びかけたのは、昨年12月14日から土砂投入が始まった名護市辺野古沿岸の新基地建設について、2月24日の県民投票まで工事を停止するようホワイトハウスに求める請願サイト。8日時点で20万筆を超えたが、ローラが自身のインスタグラムで「みんなで沖縄をまもろう」「美しい沖縄の埋め立てを止めることができるかもしれないの」などと訴えたところ、バッシングの嵐に見舞われた。「芸能人は政治的発言を控えろ」というのである。有名人が政治的な発言をするのが当たり前の米国とは対極的だ。

「辺野古工事反対の請願署名には、世界的ロックバンド『クイーン』のブライアン・メイ氏もツイッター協力を呼びかけましたが、ローラさんに対して脅迫めいたことを言っていた人たちも、彼には『政治的発言をするな』と噛みつかないイビツなダブルスタンダードの上に成り立ったバッシングであり、日本の有名人が現政権に批判的な言動をすると、政治的と問題視される安倍政権をヨイショするタレントの発言だって政治的なのに、そちらは決して攻撃されないのです。ローラさんの『きれいな海を守りたい』という気持ちは政権批判とは別物ですが、現政権が進めることに異を唱えた途端にやり玉に挙げられる。本来なら、そういう言論弾圧には毅然と対峙し、自由な発言を守るべきメディアが腰砕けだから、どうしようもありません」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 政権にとって不都合な“政治的発言”をすると、「芸能活動に影響が出ないといいが……」と心配するフリをするが、それ自体が同調圧力となって発言者を追い込んでいく。中立や公平を持ち出して、テレビ番組にも呼ばなくなる。それが大メディアのやり方だ

 中立・公平というのなら、政権に好意的な意見も批判的な意見もあっていい。大体、日本の美しい海を埋め立て、日本国民の税金を使って米国様のために、必要かどうかも分からない基地を建設するなんて、愛国者ほど黙っていられないはずだ。それなのに「辺野古反対すら言えないなんて、一体この国はどうなっているのか


■政府のフェイク垂れ流しに協力するメディアの罪

およそ民主主義国家とは思えない異様な言論状況の元凶が、政権の意向を忖度する大メディアです。安倍首相がデタラメ答弁を繰り返す国会審議はマトモに報じないのに、辺野古湾への土砂投入は生中継して基地新設を既成事実化したい政府をアシストする。政府がおかしなことをすれば糾弾するのが当たり前なのに、大メディアが共犯者になって政権を守っている。とりわけひどいのがNHKで、国民から税金のように受信料を徴収しておいて、政府の言い分をそのまま垂れ流す広報機関になり下がっています。多くの国民はNHKが嘘を流すはずがないと信じているから、コロッとだまされてしまう。そこが問題です。この国のメディアが真実を伝える役割を放棄したために、嘘にまみれた安倍政権が6年も続き、やりたい放題を続けているのです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 6日のNHK「日曜討論」は、まさに御用メディアの本領発揮だった。辺野古の埋め立てによって海域の希少サンゴや絶滅危惧種が死滅する恐れについて、「サンゴについては(他の場所に)移している。絶滅危惧種は(砂を)さらって別の浜に移していく」という安倍の発言をそのまま流したのだ。しかし、これは事実ではない。

 地元紙「琉球新報」によれば、埋め立て海域全体で必要な約7万4000群体移植は行われておらず、移植されたのは別の区域群体だけ。砂をさらって生物を移す作業もしていないという。

 ここまで堂々と国民に嘘を言う首相もどうかと思うが、NHKもそろそろ公共放送の看板を下ろして“政権放送”と認めてはどうか。くだんの「日曜討論」の安倍放言は事前収録だった。ファクトチェックする時間はあったはずなのだ。嘘だと気付かなかったのか分かっていてフェイクニュースに加担したのか


■当たり前の批判が「勇敢」とされる異常

 安倍のサンゴ発言については、8日の官房長官会見でも「事実誤認なら改めて見解を出すつもりはあるか」と質問が出たが、菅官房長官の回答は「報道によれば、の質問に政府として答えることはない。報道に問い合わせをして欲しい」という信じられないものだった。

「いまだ収束のメドも見えない福島第1原発事故の汚染水について、安倍首相が『アンダーコントロール』と言い切ったことを思い出します。その場しのぎの嘘をメディアが批判しないから、言ったもん勝ちのフェイクがまかり通ってしまう。批判すれば政権支持者から袋叩きにされるから、誰もが口をつぐんでしまう。恐ろしいのは、国民が安倍政権の嘘や暴力政治に慣れ、マヒしていることです。何を言っても暖簾に腕押しで嘘をまき散らし、首相が外遊三昧の政権が、どんな横暴を働いても唯々諾々と従い、批判する人を叩く風潮が横行している。こうやって、民主主義は切り崩されていくのですメディアも言論活動を放棄してしまったこの国は、もはや“民主主義のフリ”をしているだけ。厚顔無恥に権力を振りかざし、正論が通用しないトップに対し、心ある国民はどう対処すべきか、真剣に考えなければなりません」(五野井郁夫氏=前出) 

 忖度メディアに守られたペテン首相は、きょうもヌクヌク外遊三昧だ。9日に政府専用機で英蘭歴訪に向かい、オランダに到着。出発前に安倍は「6月に大阪で開かれるG20の成功に向けた協力を確認したい」とか言っていたが、オランダはG20参加国ではない。物見遊山で血税を浪費されてはたまらないのだが、批判の声は上がらない。誰も文句を言おうとしない。

 これでは、嘘とゴマカシ答弁でアリバイ的に日程を消化し、強行採決が当たり前という国会軽視が常態化するのは当然という気がしてくる。民意をナメているから、国会を愚弄し、辺野古への土砂投入も問題なし、サンゴ移植の嘘も問題なし。そんな暴力政治への批判をつぶやくのは一国民として当たり前の感覚なのに、それが勇敢なんて言われてしまうことが、この国の異様さを物語っている
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●琉球新報「社会全体で育てよう…沖縄の未来を担う子どもたちの夢や希望をかなえられる社会でありたい」

2018年05月27日 00時00分28秒 | Weblog


子どもの日を大きく過ぎてしまいましたが…琉球新報の【<社説>こどもの日 社会全体で育てよう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-712932.html)。

…と、その前に。大朗報。素晴らしい!! 百田尚樹氏らデマ屋ヘイト屋に…。
 沖縄タイムスの記事【本紙・阿部岳記者に「日隅一雄賞」奨励賞 高江ヘリパッド問題を発信】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/250135)によると、《表現の自由や情報公開などに力を入れる個人・団体をたたえる一般社団法人「日隅一雄・情報流通促進基金」(東京都)は10日までに、「第6回日隅一雄賞」奨励賞に沖縄タイムス北部報道部長の阿部岳記者(44)を選んだ…同基金は、受賞理由として米軍基地を巡る報道と執筆活動を挙げ「沖縄の現場の状況を精力的に取材し、全国に発信したと評価した。阿部記者は「高江の山奥に封じ込められていた国家の暴力の実態を、特に本土の人々に伝えたくて本を書いた。本土側で評価していただいたことはとても光栄で、励まされる」と話した》。

   『●追悼・日隅一雄さん
   『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
      沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ


 さて、本題に戻って。

 《沖縄の未来を担う子どもたちの夢や希望をかなえられる社会でありたい。沖縄県の子どもの貧困率は29・9%で、3人に1人が貧困状態だ。ひとり親世帯に限れば58・9%に達する。子どもの貧困を放置すると、生活面だけでなく進学や就職にも大きく影響する。子どもの貧困は親だけの責任ではない。社会全体で子育てをする環境を整える必要がある》。

   『●沖縄県「子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が貧困」
                    …アベ様らは「思いやる」先を間違ている
    「■湯浅誠さんによると(大竹まことゴールデンラジオ 2016年2月9、
     https://www.youtube.com/watch?v=lJNG1tPoapQ)、県別での
     データ公開は画期的。沖縄県が先駆的。一方、内容は衝撃。
     全国平均16%、沖縄は30%。  @BARANEKO  @dd_hassie 
     沖縄タイムス 沖縄・子どもの貧困(13)母子3人、食費1日200円」

 未来への重要な〝投資〟…《子どもの貧困は親だけの責任ではない。社会全体で子育てをする環境を整える必要がある》というのに、アベ様や沖縄イジメを繰り返す最低の官房長官らときたら…。番犬様を「思いや」れば、沖縄の子どもの貧困問題は解決するのですか?

   『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
      「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」
   『●「思いやり」に溢れた、番犬様にとっての「天国」ニッポン
                  …子どもの貧困問題などは置き去り
    《日本が負担する在日米軍経費は米兵の光熱水料まで含まれ
     本年度五千五百六十六億円基地を抱える各国中
     ダントツの負担額、負担割合である。加えて高速道路の
     「ただ乗り」だ。米兵の天国ではないか》
    「《トランプ次期米大統領が主張する「安保ただ乗り論」》どころか、
     番犬様こそがフリーライダー…アベ様によるとんだ「思いやり」。
     《七億二千九百万円五千五百六十六億円》って、ニッポンの
     子どもの貧困を見捨てて、どれだけ番犬様を思いやっているのか? 
     番犬様にとっての《天国》ニッポン。《基地を抱える各国中
     ダントツの負担額、負担割合》って、番犬様は内心ほくそ笑んでいる
     でしょうに。真の右翼や極右の皆さんは、アベ様の自公政権を
     恥ずかしいとは思わないのでしょうかね?」

 「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら。沖縄県の「子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が貧困」…アベ様らは「思いやる」先を間違えている。人殺し・戦争のための「番犬様」にふんだんに「思いやる」前に、やることがあるはず。

   『●アベ様は「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、
           基地負担の軽減に全力を尽くす」…って、はぁ?

   『●稲嶺進さんの「この8年の実績と誠実な姿勢は、
       多くの市民が認めている」(目取真俊さんのブログ)

   『●名護市長選後の「アメとムチ」…勝たせてはいけなかった新市長と
                        負けさせてはいけなかった稲嶺進さん

   『●「米軍再編交付金を政府は再開…。なんじゃそりゃ。
         あんたは鳥取城を兵糧攻めで落とした秀吉か!」
    「《札束の力で自治体をねじ伏せ、住民を分断させる恫喝(どうかつ)政治
     これ、民主主義なんですか》? 勝たせてはいけなかったのに…
     大変に残念だった名護市長選の結果。「アメとムチ」の露骨なサツタバ
     恫喝政治…。ニッポンに…、少なくとも沖縄に民主主義は無い。
       《それでも名護市は交付金に頼らない行政を貫いて、全学校への
     冷房設置や校舎の耐震化、小中学生の医療費無料化まで実現させた》…
     負けさせてはいけなかった」

   『●速攻辞任…県民の命は政局の取引材料ではない。
          政府が真剣かどうかは、選挙後に分かる。(阿部岳)
   『●横田一さん名護市長選ルポ:
     「詐欺集団の安倍自民党が“フェイク演説”で市長ポストを騙し取った──」

    「さて、この名護市長選について、ルポ冒頭の、横田一さんの
     この一言に尽きる…《詐欺集団の安倍自民党が“フェイク演説”で
     市長ポストを騙し取った》。やはり、《前代未聞の詐欺的手法で当選》の
     勝たせてはいけなかった新市長と、一方、負けさせてはいけなかった
     稲嶺進さん。「本土」の自民党国会議員による〝フェイク演説〟…」

   『●最低の官房長官のフェイク言説「基地容認の民意」は「架空の代物」
                           …それに悪乗りするアベ様広報紙
   『●決裁文書書き換えという犯罪…「最低の官房長官」が
       沖縄に向けて言い放った「法治国家」を取り返さねば
   『●辺野古高江裁判とヒラメ…《「人権のとりで」としての
        司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば…》

 名護市長が交代したとたんに、交付金を出す…。あまりのアザトさではないか。最低の官房長官は《法治国家》とか、《民主主義》などと口に出せる「政」をやっているのか? 勝たせてはいけなかった新市長と負けさせてはいけなかった稲嶺進さん…。
 『今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、いつもすいませんが、【稲嶺前名護市長「非暴力で抵抗」 辺野古で座り込み】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/04/29/133623)によると、《2月の沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場…の名護市辺野古移設反対を訴えて敗れた稲嶺進前市長(72)が、辺野古での抗議の座り込みに参加している。今月25日には県警機動隊員に強制排除された。「市長権限はなくなったが、非暴力の抵抗を続ける」と決意を新たにする》。

   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている
           変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…
   『●「菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない翁長知事を
         念頭に、「わが国は法治国家だ」と牽制」だって!?

   『●新作『標的の島~風かたか~』の監督・三上智恵さん、 
           「あなたが穴をあけた森はもう元には戻らない」!
   『●「歳出抑制が狙い」ならば、教育破壊ではなく、
      「害遊」のカネバラマキ「害交」こそ何とかしなさいよ
   『●未来に投資しない国: 「そういうせりふは、
      ハコモノではなく、子どもたちのために言ってほしいものだ」
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ 
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-712932.html

<社説>こどもの日 社会全体で育てよう
2018年5月5日 06:01

 きょうは「こどもの日」。沖縄の未来を担う子どもたちの夢や希望をかなえられる社会でありたい

 沖縄県の子どもの貧困率は29・9%で、3人に1人が貧困状態だひとり親世帯に限れば58・9%に達する。子どもの貧困を放置すると、生活面だけでなく進学や就職にも大きく影響する。子どもの貧困は親だけの責任ではない社会全体で子育てをする環境を整える必要がある

 県は2016年度を「子どもの貧困対策元年」と位置付け、対策に乗り出している。国の補助金を活用し、子ども食堂などの交流の場を約130カ所整備した。各地に設けた無料学習塾は17年度の受け入れ数が700人を超えた。県民の寄付を財源給付型奨学金も創設した。

 とりわけ親から子への「貧困の連鎖」を断ち切ることが大きな課題となっている。

 親も貧困の環境で育ち、入浴習慣や偏りのない食事の大切さを知らなかったり、障がいやストレスを抱えて子どもに教えられなかったりすることが多いという。

 低収入などの理由で親が遅くまで働く子ども向けに、放課後から夜まで大人と過ごす「もう一つの家」づくりが全国で進んでいる。歯磨き、手洗い、宿題、食事の後片付けなど生活習慣を確立させる。こうした取り組みが子どもたちの「生きる力」に結び付くのだという。県は先行事例を積極的に取り入れてほしい。

 子どもの貧困対策として、一人でも多くの子を進学させる取り組みが進む中、妊娠を理由に高校を自主退学する例がある。若年妊産婦向けに学業と子育てを両立できる仕組みづくりが急務だ。

 会員制交流サイト(SNS)をきっかけに、犯罪に巻き込まれる子どもが増え続けている

 警察庁によると、昨年1年間にSNSをきっかけとして性犯罪などの被害に遭った18歳未満の子どもは1813人で、統計がある08年以降で最多だった。

 スマートフォンの普及が子どもにも広がる中、SNSで知り合った相手に、自分の裸を撮影して送るよう強要される「自画撮り被害」が増え、児童買春は13年の226人の倍近い447人だった。

 被害者は高校生が51・9%で過半数を占めた。中学生は37・3%、小学生は2・3%。8歳の小3女児は、ユーチューブで知り合った相手に自分で体を撮影した写真を送らされていた。

 子どもたちを犯罪から守るため、学校や家庭でインターネットやSNSを適切に使いこなす知識をどう教えるかが課題だ。

 家庭にも問題がある。母親の3人に2人は子どもと遊んでいる最中にスマートフォンをいじっているという。玩具販売会社のアンケート結果で明らかになった。目の前の子どもとしっかり向き合って、成長を見守ってほしい。
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●「子や孫、未来を生きる世代のため」に壊憲?…「憲法9条…軍隊は禁止…子どもたちに、うそはいけない」

2018年03月16日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



沖縄タイムスの磯野直さんによるコラム【[大弦小弦]ウルトラマン生誕50周年を記念してNHKは昨夏、名作ベスト10…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/82131)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>子どもの内なる力】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-665492.html)。

 《▼日本国憲法は今年、施行70年を迎える。安倍晋三首相は20日の施政方針演説で「子や孫、未来を生きる世代のために、国民的な改憲議論を訴えた ▼そもそも「権力者を縛る」という立憲主義の理念からすれば、改憲議論を首相に指示されるのは筋違いだ。だが、それが国会でまかり通っている》。
 《▼特撮テレビ番組「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」…脚本担当の上原正三さん…物語のモチーフは関東大震災時の朝鮮人虐殺群衆が持つ恐ろしさや…》。


 《主人公が所属するのは科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MAT(怪獣攻撃隊)など、いずれの組織にも「名称はない。上原さんら作り手の「日本には憲法9条があり、軍隊は禁止。まばたきもせず見てくれる子どもたちに、うそはいけないとの信念からだった》そうだ。
 アベ様やその信者の皆さんは、「子や孫、未来を生きる世代のため」に壊憲したいそうだ? 《私たちを守ってくれる真のウルトラマンは憲法のはず》だというのに。そして、《主人公が所属するのは科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MAT(怪獣攻撃隊)など、いずれの組織にも「名称はない。上原さんら作り手の「日本には憲法9条があり、軍隊は禁止。まばたきもせず見てくれる子どもたちに、うそはいけないとの信念からだった》そうだ。「子や孫、未来を生きる世代のため」に壊憲したい人たちの気が知れない。

   『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…ウルトラマンに
               見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」
    《「国家の暴走を縛る憲法と立憲主義が、時の権力者の恣意で
     着物のように簡単に脱ぎ捨てられた米軍統治時代よりも
     ワジワジして(怒って)いる」。…真のウルトラマンは憲法》。
    「《前泊博盛(まえどまりひろもり)沖縄国際大教授(55)は言う。
     「在日米軍は、本土からは外国の脅威を倒してくれる
     ウルトラマンに見えるが沖縄から見ると怪獣でしかない
     私たちを守ってくれる真のウルトラマンは憲法のはず》。
     その「真のウルトラマン」を殺そうとしているのがアベ様ら自公および
     「癒(着)」党の議員達。「本土」の自公・「癒」党投票者の愚かさと、
     手も足も出ない「本土」マスコミの情けなさ」

 《関東大震災時の朝鮮人虐殺》をモチーフに「怪獣使いと少年」の脚本を書いた上原正三さんは「琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではな」と言う。歴史を抹殺したい人々は、戦争できる国に逆戻りし、くら~い暗いアンナ世に戻りたいと思っているらしい。馬鹿じゃなかろうか。

   『●『抵抗人名録 私が選んだ77人』読了(2/2)
    「朴慶南さん、「石原慎太郎の「三国人発言」などに
     怒りを露わにする彼女」。兄貴分は梁石日。
     「暴徒と化した日本人から朝鮮人のいのちを守った横浜の
     鶴見警察署長、大川常吉のことを知り、ペンで顕彰した」」

   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
     基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
    《■「怪獣使いと少年」で問うた人間の心の闇
    《登場人物の少年は北海道江差出身のアイヌで、メイツ星人が化けた
     地球人は在日コリアンに多い姓『金山』を名乗らせた。1923年の
     関東大震災で、『朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ』『暴動を起こした』
     などのデマが瞬く間に広がった市井の善人がうのみにし、軍や警察と
     一緒になって多くの朝鮮人を虐殺したんだ。『発音がおかしい』
     『言葉遣いが変』との理由で殺された人もいる。
     琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない

   『●自民党亜種トファの小池都知事が「震災時に
      朝鮮人が虐殺された史実の否定にもつながりかねない判断」を…
   『●瞬く間にデマを善人が鵜呑みにし…
     上原正三さん「琉球人の俺も、いたらやられていた。人ごとではない」
    「瞬く間にデマを善人が鵜呑みにし、警察や軍人らと共に狂気の暴走…
     「怪獣使いと少年」の脚本を書いた上原正三さんは「琉球人の俺も、
     いたらやられていた。人ごとではない」と。「関東大震災朝鮮人虐殺事件」は、
     とんでもない史実であり、反省の意味を込めて、長く記憶され、
     語り継がれなければならない。歴史を抹消し、修正することは許されない。
     「数」の議論に落とし込んでよいような事件ではない。「震災死」と
     同一視して良いものではなく、「人災」と呼ぶ人も居る。悍ましい虐殺だ」

   『●朝鮮人虐殺…黒澤明監督「何をかくそう、
     その変な記号というのは、私が書いた落書きだったからである」
   『●詩人萩原朔太郎「朝鮮人あまた殺され…
     われ怒りて視る、何の慘虐ぞ」: 歴史の事実を抹消したがる人々…

 マガジン9の鈴木耕さんによる記事【言葉の海へ 第2回:とても偏った読書案内(鈴木耕)】(http://maga9.jp/kotoba170906/)によると…:

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ものすごく面白い少年たちの物語 
『キジムナーkids』(上原正三/現代書館 1700円+税)…》

 実は、この小説もメインの舞台は沖縄である。前述の『キジムナーkids』は敗戦直後の焼け野原の話だったけれど、本書はいまの沖縄だ。
 出てくる人物たちが尋常じゃない。
 語り手である有馬次郎(ジロー)は世界を放浪した後で沖縄へたどり着き「精神科 うるま病院」の職員として働いている。この病院の院長の霧山は、かつて「60年安保闘争」の際、全学連を率いて30万人もの人間を動かし、国会を包囲した人物。霧山は闘争の後、沖縄へ移り住む。沖縄戦で傷つき心を病んだ人たちが多い沖縄でこそ精神医療が必要だという信念で、数十年間にわたって治療を続けてきた。
 しかし彼は今、末期がんに侵されている。
 霧山の周辺には、乙姫さまと呼ばれる「医者半分、ユタ半分」の不思議な老女や、かつてセックス教団と呼ばれた新興宗教に関わった副院長の田島など、実にさまざまな個性の人間たちが出没する。
 話は沖縄にとどまらない。ジローは、人工衛星の乗組員で友人のジムと交信している。宇宙から見える地球、地上のほんの小さなアジアの片隅の島で、駐留米軍の精神科医や、アメラジアンの青年たち、戦争PTSDを抱える患者などが必死に自分の道を探して生きようとする。
 かつて「全体小説という文学」ジャンルが野間宏氏らによって提唱されたことがあったと記憶するが、本書はまさに、地球全体を包含するような小説である。
 読者は、いったいどこへ連れていかれるのか分からない。だから引きずり込まれる小説の快感を味わう。読者の予想や想像をまったく寄せ付けない流れは、真の意味での「読書の快感」なのだ。
 やがて「GRANDMOTHERS COUNSEL」という老齢女性(国際的おばあたち)集団が現れ、沖縄での「平和の祭典」開催が図られる。ここからの急展開も、読者の先読みを許さない。
 そして、静謐な終幕。
 少し前のツイッターで、ぼくは早々と「これは今年のNO.1だ」と書いてしまったが、その感想は再度ページをめくってみても変わらない。「この小説は今年のNO.1である」と、改めて断言したいと思う。
 ここでもひとつ付け加えておこう。著者は高名な小説家だが、現在73歳である。この年齢でこれだけの想像力(創造力でもある)を自分のものとしている精神の若さには驚かされる。

ものすごく大切なルポルタージュ
ルポ沖縄 国家の暴力――現場記者が見た「高江165日」の真実』(阿部岳/朝日新聞出版 1400円+税) ………
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/82131

[大弦小弦]ウルトラマン生誕50周年を記念してNHKは昨夏、名作ベスト10・・・
2017年1月31日 08:04 磯野直 ウルトラマン 憲法

 ウルトラマン生誕50周年を記念してNHKは昨夏、名作ベスト10を視聴者の投票で決めた。1位は「ウルトラセブン」の最終回「史上最大の侵略」、2位は「帰ってきたウルトラマン」の第33話「怪獣使いと少年

▼属性で人を差別しない大切さを描いた「史上-」の脚本は故金城哲夫さん、日本人の集団心理の恐ろしさを告発した「怪獣-」は上原正三さん(79)。「金城と2人、沖縄でワンツーを取ったんだよ」と上原さんは喜ぶ

▼主人公が所属するのは科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MAT(怪獣攻撃隊)など、いずれの組織にも「名称はない。上原さんら作り手の「日本には憲法9条があり、軍隊は禁止。まばたきもせず見てくれる子どもたちに、うそはいけないとの信念からだった

▼日本国憲法は今年、施行70年を迎える。安倍晋三首相は20日の施政方針演説で子や孫、未来を生きる世代のために、国民的な改憲議論を訴えた

そもそも「権力者を縛るという立憲主義の理念からすれば、改憲議論を首相に指示されるのは筋違いだ。だが、それが国会でまかり通っている

▼「夢のある世界を子どもたちに」との思いで脚本を書き続けた上原さんの次回作は、全編しまくとぅばを話す沖縄発のヒーロー物という。必殺技は光線や武器を使わず、敵を説得すること。見たい。(磯野直
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-665492.html

<金口木舌>子どもの内なる力
2018年2月15日 06:00

 孤児の少年は「宇宙人だ」と言われ、いじめられた。小屋で老人と二人暮らし。その老人こそが宇宙人で、体は地球の環境汚染でむしばまれていた。少年は老人の星で一緒に暮らす夢を抱く。難破した宇宙船を探すため、必死に穴を掘る

▼特撮テレビ番組「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」である。老人は「宇宙人は殺せ」と押し寄せた住民から少年を守り、警官の銃弾を浴びて死ぬ。このため老人が念力で封印していた怪獣が現れる

▼ウルトラシリーズ最大の問題作とされる。テレビ会社幹部から「結末が陰惨」などと酷評され、放映する代わりに監督は助監督に降格、脚本担当の上原正三さん(那覇市出身)も最終回まで干された

▼上原さんによると、物語のモチーフは関東大震災時の朝鮮人虐殺群衆が持つ恐ろしさや、いじめられても夢に向かって穴を掘る少年を描きたかったという

▼上原さんはこのほど、優れた児童文学に贈られる坪田譲治文学賞を受賞した。作品は沖縄戦直後、戦争で傷ついた少年たちがたくましく生きる物語「キジムナーkids

▼上原さんは、子どもには「透視能力」があるという。それが戦後の混乱を生き抜いた原動力だと。「魔法の目」は、はるかかなたに光を見いだし、生きる糧にする。そんな子どもの内なる力を大人たちは忘れていないか-。上原さんの問い掛けは続く。
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●「トンズラ総理」の広報機関やオトモダチ、取巻き連中…どの辺が「中間中立」的な立ち居振る舞いなのか?

2017年11月16日 00時00分58秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



リテラの記事【百田尚樹から「娘は中国人の慰み者」と侮辱された「沖縄タイムス」記者が官邸、警察、ネトウヨの横暴に反撃】(http://lite-ra.com/2017/11/post-3576.html)。

 《百田尚樹差別性を糾した阿部記者に百田が放った下劣すぎる言葉…〈壇上でマイクを握った百田氏は、最初から最後まで私を名指しして嘲笑を向けてきた〉》。

 ここ最近の沖縄で行われてきた不条理をコンパクトにまとめたリテラの記事。安倍政権による、沖縄への人権も法律も無視した力による支配》《あらゆる国家権力が動員され、暴圧の嵐が吹き荒れた》《人権や市民的自由が否定され、権力が意のままに振る舞う》《沖縄市民を欺く小汚いやり口》《そこで警察が市民におこなったのは、まさに暴力だった》《重大な人権侵害》《白昼堂々と露骨な弾圧が実行》《権力を笠に着てやりたい放題の限りを尽くす安倍政権の蛮行》《市民が国家権力による圧倒的な暴力に晒される》《市民に対する権力の凄まじい暴状の数々々々々…。
 いまも沖縄デマを撒き散らす百田尚樹氏ら…態度・人間性・思考のお粗末さ。「謙虚」「真摯」の欠片も無し…逃げるは恥だし役立たず息吐く様に噓をつく総理」「トンズラ総理」「口先だけ総理」の広報機関やオトモダチ、取巻き連中の何と醜いことか。それらココロ卑しき人々の沖縄デマは《あまりに下劣》。

   『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
      沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ
    「沖縄タイムスの阿部岳さんによるコラム【[大弦小弦]作家の百田尚樹氏から
     「悪魔に魂を売った記者」という異名をいただいた…】…
     《▼逆らう連中は痛い目に遭えばいい。ただし自分は高みの見物、
     手を汚すのは他者、という態度あえて尊厳を傷つける言葉を探す人間性
     そして沖縄を簡単に切り捨てる思考》。」

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http://lite-ra.com/2017/11/post-3576.html

百田尚樹から「娘は中国人の慰み者」と侮辱された「沖縄タイムス」記者が官邸、警察、ネトウヨの横暴に反撃
2017.11.10

     (阿部岳『ルポ沖縄 国家の暴力 現場記者が見た
              「高江165日」の真実』(朝日新聞出版))

 先の衆院選においても示された民意をまたも無下にし、政府は辺野古の新基地建設で新たな護岸工事に着手した。そして早速、昨日には、沖縄の現状を発信してきたヒップホップミュージシャンの大袈裟太郎氏が、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で公務執行妨害などの疑いで現行犯逮捕された。一部報道では「交通整理中の警察官から合図灯を奪い取った」ことが理由と報じられているが、大袈裟氏は本日午後には釈放されており、でっちあげ逮捕の可能性が濃厚だ。
 しかし、今後、辺野古における反基地運動に対する政府・警察による強硬姿勢はいっそう強まっていくだろう。事実、警視庁はこの護岸工事に合わせて、高江につづいて警視庁の機動隊員を100人規模で投入している。
 さらに耳を疑ったのは、菅義偉官房長官の発言だ。6日の記者会見で、辺野古とその周辺の3区に直接振興費を支出することについて問われた菅官房長官は、こんな言葉を吐いた。

   「反対運動の違法駐車や交通量の増加で騒音が激しくなったことに
    対応するのは自然なことだ

 この振興費支出は新基地建設に反対する名護市を介さず地元を懐柔しようとする露骨なバラマキだが、よりにもよってそれを菅官房長官は「反基地運動の迷惑料だと言ってのけたのである
 安倍政権による、沖縄への人権も法律も無視した力による支配──。しかし、これは言うまでもなく沖縄ではなく日本全体の問題だ。


沖縄タイムス記者が高江で政府・警察がふるった暴力をあらためて告発

   〈きょうの沖縄は、あすの本土である

 そう警告するのは、今年8月に発売された『ルポ沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実』(朝日新聞出版)だ。著者は高江に通いつめ、市民に対する権力の凄まじい暴状を目の当たりにしてきた沖縄タイムスの阿部岳記者だ。

   〈政府がヘリパッド「完成」を宣言する12月22日までの165日間、
    あらゆる国家権力が動員され、暴圧の嵐が吹き荒れた。それは
    辺野古で記録された最大瞬間風速をはるかに上回る〉
   〈ここは日本なのか、と目を疑うことがしばしば起きた。戦後日本が
    表向き保障してきた人権や市民的自由が否定され、権力が
    意のままに振る舞う。これは戒厳令なのだ。そう説明するほかになかった〉

 ご存じのとおり、高江のヘリパッド建設工事は昨年の参院選の翌日から資材搬入がおこなわれた。あまりにあからさますぎるやり方だが、このとき沖縄タイムスは「不意打ちまたも」とタイトルに打っている。
 というのも、たとえば2013年にも埋め立て申請書類を報道陣の目を盗んで関係のない部署に持ち込むという方法をとり、このとき、当時も防衛相だった小野寺五典は花見会を開いて記者を油断させた上、後日におこなわれた講演会では「こういうの(提出の様子)がメディアに映れば映るほど反対が広がっていく」「カメラは一つも撮っておらず段ボールの写真しかない。うまくいった」などと述べたのだという。沖縄市民を欺く小汚いやり口はいまにはじまった話ではないのだ。
 しかし、それでも〈14年の辺野古着工から、構図ははっきり変わった〉と阿部記者はいう。〈曲がりなりにも中立を守って〉きた警察だったが、この年から政権の完全な操り人形となり、市民の強制排除を繰り返すようになった。そして、住人が約140人の高江においては、500人の機動隊員を動員した異常な状況をつくり出したのである。
 そこで警察が市民におこなったのは、まさに暴力だった
 たとえば、工事に抗議していた50代の女性は街宣車の上で機動隊員に引きずり下ろされないようにとビニール紐で身体を固定した。しかし、首に巻かれたそれを、機動隊員は両方向から引っ張った。女性は「こうして殺すんだ!」と叫んだという。

   〈ただ命令に従い、暴力を振るう機動隊員に、戦場の兵士が重なった
    こうして戦争が始まるんだ。こうして犠牲が生まれるんだ――。
    ひもはすぐに緩んだが、体の力が抜け、意識が遠ざかった。
    全身がしびれ、頭がひどく痛かったことを覚えている。近くにいた女性が
    「何やってるの! 死ぬでしょ!」と抗議していた〉

 この日、3人が病院に運び込まれたというが、阿部記者は〈警察が救急車を通したことすら意外に思えた。それくらいの無法状態だった〉と綴っている。
 抵抗する市民たちに警察がおこなった力づくの排除。腕を力いっぱいに掴む。ロープで縛りつける。〈笑いながら「首も絞まっちゃうよ」と言った警官〉もいたという。その壮絶な現場ルポを読むと、死人が出なかったことが不思議なくらいだ。


国連で沖縄の弾圧を告発した反基地リーダーに官邸が報復

 さらに、テント村をつくろうと市民が屋根代わりのブルーシートを広げただけで機動隊員約40人が流れ込み、シートが持ち去られたこともあったという。

   〈市民が機動隊員に向かって叫ぶ。

      「泥棒! 警察呼ぶよ!」

    それは根源的で、絶望を含んだ問いだった。警察が違法行為をしたら、
    いったい誰に頼ればいいのか〉
   〈市民よりも、機動隊の行為の方が犯罪の要件を満たしている。強盗に、
    器物損壊。証拠の写真も撮った。だが捜査をする者がなく
    当然のごとく不問になった〉

 一方、警察は嫌がらせ行為もおこなった。法的根拠も怪しいゲリラ検問。個人情報の聞き出し。「友達に会いにいく」という車は通し、抗議のプラカードを所持していた運転手は車を止めさせる。まさに〈思想による選別そのもの〉である。さらに、警察車両に工事作業員を乗せて現場に送ったり機動隊員が基地建設会社のトラックに乗って移動する様子も目撃されるなど、〈警察と沖縄防衛局、建設会社の完全な一体化〉は一目瞭然だった。
 このような警察の無法地帯化のなかで逮捕されたひとりが、反基地運動のリーダーであり精神的支柱である山城博治さんだ。
 山城さんは有刺鉄線1本を切断した器物損壊で逮捕され、その後、傷害と公務執行妨害の容疑で再逮捕。どう考えても任意の事情聴取を行うのが筋の事案だが、なんと約5カ月も拘留され、家族とさえ接見が許されなかった
 こうした重大な人権侵害に対しては、国連の表現の自由に関する特別報告者であるデービッド・ケイ氏が「不均衡な重い罪を課している」と指摘する報告書を国連人権理事会に提出。また、山城さんはジュネーブでおこなわれた国連人権理事会に出席し、「自供と抗議運動からの離脱を迫られた」「日本政府が人権侵害をやめ、軍事基地建設に反対する沖縄の人々の民意を尊重することを求める」と訴えた。〈国内で被告人席に座らされた博治が、国連で逆に政府を告発する〉という事態となったのだ。このとき、国連スタッフたちは「山城議長は人権の擁護者である」「今後も見守っていく。安心してほしい」と述べたという。
 この「人権の擁護者」の逮捕の背後に見え隠れするのは、官邸の影だ。

   〈国家意思としての博治逮捕が現実になったのは首相官邸の司令塔、
    官房長官の菅義偉が沖縄を訪れた9日後だった。菅は10月8日、
    自衛隊ヘリから建設予定地を視察した後、ヘリパッドを16年内に
    完成させると宣言していた。
      工事を加速させるため、リーダーを狙い撃ちして現場から引きはがす
    現場の機微も世論への配慮も吹き飛び、白昼堂々と露骨な弾圧が実行された〉

 これらの「国家の暴力」を、沖縄の問題、沖縄の山奥で起こった出来事と捉えていていいのか。阿部記者が指摘するのは、〈政府の暴走を本土の無関心が可能にしている〉ということだ。実際、2016年末に防衛省関係者は、高江であれだけ機動隊員を大量に動員し、市民を逮捕したにもかかわらず「本土」で批判が広がらなかったことを「成果の一つ」だと沖縄タイムスの記者に語ったという。


百田尚樹の差別性を糾した阿部記者に百田が放った下劣すぎる言葉

 いや、「本土」無関心でいるばかりか沖縄への差別まで助長させているのが実態だ。その筆頭が『ニュース女子』問題であり、沖縄デマを垂れ流しているネトウヨ文化人の“活躍”だろう。
 そうした現実とも阿部記者は向かい合う。阿部記者は先日10月27日に名護市で講演会をおこなった百田尚樹氏が、高江の反対運動の現場に行ったときのことについて「中国や韓国から来ています(と参加者の内訳を同行者に説明され)、嫌やなー、怖いなー、どつかれたらどうすんの(と返した)」と話したことに対し、その差別性を本人に問いただした。
 しかも、11月6日付けの阿部記者が執筆したコラムによると、〈壇上でマイクを握った百田氏は、最初から最後まで私を名指しして嘲笑を向けてきた〉といい、挙げ句、「中国が琉球を乗っ取ったら、阿部さんの娘さんは中国人の慰み者になりますまで言われたのだという。
 百田氏の発言はあまりに下劣で言葉を失うが、さらにネトウヨは先日放送された関西のニュース番組『キャスト』(朝日放送)の取材を受けた阿部記者が「中間中立で報道しているという気は確かにない」と発言したことを「やっぱり偏向している」などと攻撃している。
 しかし、権力を笠に着てやりたい放題の限りを尽くす安倍政権の蛮行の前では、「中間中立」の報道こそが「偏向報道」と呼ばれるべきだ。市民が国家権力による圧倒的な暴力に晒されるなか、市民の側に立って報道する国家の欺瞞を指摘する権力と市民の力の差を考えればそうしなければ「公正」な報道とはけっして言えない
 阿部記者は、本書のなかでこのように綴っている。

   〈沖縄の山奥で起きるこういう現実を山奥に封じ込めさせないため、
    記者は足を運んだ。高江ではこの国のむき出しの権力、本当の姿が
    表れていた。それを記録し、有権者に判断材料を提供することが、
    民主主義を機能させるために欠かせない。警察までが中立の立場を
    放棄した後、第三者は私たち記者しかいなかった
   〈きょうの沖縄は、あすの本土である〉。

 沖縄と同じことが、いつ「本土」で起こってもおかしくはない。市民の立場から警告を発する沖縄メディアの然るべき姿勢を見て、「本土」メディアは猛省してほしい

(編集部)
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●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ

2017年08月27日 00時00分20秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(http://maga9.jp/mikami170802/)。

 《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。…そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えようと映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった」という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊のミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、何とかそれを止めようともがく人々にとって、高江の人たちは大事な存在になるということだ》。


 沖縄の先島諸島や鹿児島の奄美など、自衛隊基地配備やミサイル基地建設などで、《いずれの島でも人々は分断されている》(半田滋さん)ようです。番犬様や自衛隊基地により人々は分断され、「統合エアシーバトル構想」により「防波堤」にされる島々。

   『●『DAYS JAPAN』(2015,APR,Vol.12,No.04)の
                         最新号についてのつぶやき
    「丸井春さん【自衛隊基地配備の与那国島 宙に浮く住民の不安】、
     「日本最西端の「国境の島」は、島の活性化を自衛隊誘致にかける形に
     なった」」

   『●中学生を「青田買い」する自衛隊: 
     「体験入隊や防衛・防災講話」という「総合的な学習の時間」も
   『●自衛隊配備で「住民分断」: 
     「自衛隊の配備計画…いずれの島でも人々は分断されている」
    「東京新聞の半田滋さんによるコラム【【私説・論説室から】
     島を分断する自衛隊配備】…。《「賛成派が新たな職を得て
     優遇される一方、反対した人は干され、島を出ている」という。
     …自衛隊の配備計画は与那国に続き、奄美大島、宮古島、
     石垣島でも急速に進む。いずれの島でも人々は分断されている》」

   『●「しかし、沖縄にはいまだ“戦後”は 
     一度たりとも訪れていない」…安倍昭恵氏には理解できたのだろうか?
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態はアメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
    《現在、安倍政権が進めている石垣島、宮古島、奄美大島、
     与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の配備。政府は
     南西諸島の防衛強化を謳うが、実際は、米中の“新たな戦争”の
     「防波堤」にするのが目的だ──。この衝撃的な事実と、石垣島や
     宮古島、そして辺野古、高江で子どもの未来を守ろうと必死に
     抵抗する市民たちの姿を描いた三上智恵監督の最新作
     『標的の島 風かたか』》

   『●米中戦争の「防波堤」:
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?

    「《安倍政権が進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備》は「統合エアシーバトル構想
     へとつながる。《政府は南西諸島の防衛強化を謳うが、実際は、
     米中の“新たな戦争”の「防波堤」にするのが目的》。米中戦争の
     「防波堤」であり、そのための「捨て石」…。
     「島おこし」「活性化」とはほど遠い」

   『●島袋文子さん「基地を置くから戦争が起こる。
      戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」


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http://maga9.jp/mikami170802/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第71回:高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~
By 三上智恵 2017年8月2日

 変な言い方かもしれないが、私は自分の映画のファンだと思う。自分で散々編集した映像なのに、ただの観客のように心を躍らせて見入る場面がある。正確には作品のファンと言うより、登場人物のファンなのだ。相手に惚れ込んで惚れ込んで撮影し、大事に大事に編集したのだから、観客より監督がまず一番のファンであるのは、ある意味当たり前でもある。だから一つの作品が完成し、過去のものになっても、登場人物たちのその後がもっと見たいという気持ちは、実は観客以上にあるのかもしれない。

 しかし政治家や芸能人ならいざ知らず、被写体になり日常をカメラで追い回されるのはほとんどの人にとって心地よいはずがない。たとえば高江や辺野古の闘争現場でも、世の中に伝えてほしいと思うからこそ多くの人は私たちがカメラを向けても我慢して下さる。でも主人公格だと私に魅入られくっつかれた人は、たぶんいい迷惑でしかない。また来た、と戸惑う表情を向けられる。

 「三上さんが伝えてくれるのは嬉しいし、協力したい。でも、ここまで映すのは…」。敬遠の眼差しはひしひしと伝わってくる。だからこそ、一つの作品が終わったら解放してあげないといけないと自覚している。魅力的な人々だからとずっと追いかけていったら、それこそストーカーだ。もう負荷をかけてはいけない、と自分にブレーキをかけるのも必要だ。わかっている。でもそう言いつつ、今回また二人の女性のその後を映像でお届けする矛盾を許して欲しい。『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。

 彼女たちに出会ったのは2006年、もう11年も前になる。まだ誰も本格的な取材に乗り出していない頃の高江で、ヘリパッドに反対する住民のゲンさんこと安次嶺現達さんと伊佐真次さんの二人を私は主人公に選んだ。その伴侶としてお会いしたのが雪音さんと育子さん。特に育子さんはカメラが嫌いで、いつもインタビューは嫌がっていた。もし育子さんが月並みな女性であれば、嫌がる中で二度三度とカメラを向けたりしなかっただろう。でも彼女は全く気取らない素朴で控えめな女性で、多弁ではないのだが、いつもハッとすることを言う。戻って映像を見ながら、なんて素敵な女性なんだろう、と毎回ため息をつく。育子さんを知る女性なら、私が言う意味をわかって下さると思う。内面から輝くような美人とは育子さんのことだと私は常々思っている。

 そして6人の子どもを育てている雪音さん。下の二人は髙江の自宅で、自力で出産したという肝っ玉母さんで、独自の歌唱ワールドを持つシンガーでもあり、何よりいつも輝くように笑っている。辛かったことも笑って話す才能がすごい。どんなしんどいことでも雪音さんと一緒なら乗り越えて行けそうだと、周りを明るく照らしてくれる太陽のような女性だ。私は母性本能が乏しいほうで、めったに人の子までかわいいと思うことはないのだが、雪音さんの6人の子どもたちは破格にかわいい。目が輝いていて、ちゃんと話ができて、幼いうちから人間力がハンパない。雪音さんとゲンさんに育てられればこうなるのかと納得の家族である。

 高江に住む人たちのこういう人間力がなければ、この10年、ここまで全国の人たちの連帯の輪を拡げることはできなかっただろう。高江の輝く自然と笑顔溢れる人々。それは最初からそこにあり、描くのにあまり苦労はなかった。国家の暴力と向き合う150人ほどの小さな村が「戦後民主主義を守る最後の砦」と言われるほど重視され、彼らと共にありたいと高江を訪ねる人が増え続けているのは、土地と人と、そこに宿る志がシンプルに人を惹きつけて止まなかったからだ。

 しかし、高江のヘリパッド建設に反対して10年も頑張ってきた結果が、去年後半の工事強行であり、6つのヘリパッドがすべて完成という現実である。国が住民を裁判にかけ地形や集落ごと訓練に取り込んでオスプレイを飛ばそうという人権無視の基地計画は、とてもじゃないが容認できない。絶対に止めなければならない。そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えようと映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかったという現実に、正直に言ってまだ向き合えていない

 「この事実を白日の下にさらすことで、絶対に軍隊の好き勝手にはさせない、だから撮影に協力してくれ」。そう啖呵を切っていろんな人に付きまとってきたのに、結局私たちの報道や映画ではこの基地建設を止められなかった。カメラで追い回して人に迷惑をかけただけだった。影響力も訴求力も足りなかったのだ。ベトナム村の話はしたくないと言う住民たちを一人ひとり探し出してマイクを向けたくせに、その負荷は高江のためにならなかった。「今は迷惑に思うかもしれないけど、必ず全国の人たちの力を揺り起こす作品を作るから、待っていて!」と自分を信じて走っていたのは、思いあがりだった。止められなかった。改めて申し訳ない気持ちでいっぱいだ。これからどの面下げて高江にいけるのだ? どうやって高江を語るのだ? そこから私はまだ全然立ち直っちゃいない

 でも、ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊のミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、何とかそれを止めようともがく人々にとって、高江の人たちは大事な存在になるということだ。座り込みもしたことがなく、運動などとは程遠い生活者であった高江の住民たちが、どうやって声を上げ、分断されつつも仲間を増やし、権力に立ち向かっていく体制を作り上げていったか。私もゼロからそれを見てきたからこそ、宮古や石垣に必要な知恵は10年前の高江であり、20年前の辺野古であるということがわかる。彼ら経験者と離島の人々を結ぶことくらいは私でもできる。

 そう思って去年の秋、山里節子さんら石垣のおばあたちと、宮古島の石嶺香織さんや楚南有香子さんを辺野古と高江に案内して住民たちと出会うチャンスを作った。高江の人たちは特に、これから防衛局を相手する先島の人たちにどんな場面が待っているのか手に取るようにわかるだけに、彼らの不安を丁寧に受け止めて「一緒に頑張りましょうと先島の女性たちの手を強く握ってくれた

 そして7月15、16日、ついに雪音さんと育子さんが宮古島に行く機会がやってきた。私はとっても嬉しかった。何より、すでに航空自衛隊の基地と共存しながら、さらにミサイル基地ができたら挟み込まれてしまう運命の野原(のばる)集落の人々と直接ひざを交えて話す機会が作れたのが大きい。野原出身で、自衛隊配備に反対する上里樹宮古島市議の妻でもある上里清美さんが受け入れ態勢を作って下さったおかげで、雪音さんたちは不安の渦中にある野原の人々に、高江が通過してきた具体的な体験の数々を直に伝えることができた。

 夕方、野原公民館で始まった交流会。

   「宮古島で今、どれだけの人たちが反対の声を上げているのかは
    わからないけど、その人たちに、一人じゃないんだよ、
    私たちもいるから一緒に頑張ろう、と伝えたかった」

 雪音さんは来島の動機をそう話した。

 そして高江の座り込み当初の映像を少し紹介した後で、育子さんはこう切り出した。

   「これが10年前、私たちが始めて座り込みをしたとき、
    道路に座ったときの様子です。私たちははじめ、
    ガタガタ震えていました。普通にこれができたわけではありません」

   「私たち区民は、高江区として反対決議をしているので
    工事はできないだろうと思っていた。でも村長が容認している
    ということで2007年の7月に着工されてしまいました」

 宮古島では、座り込んで反対する住民運動というのはあまり経験がない。自衛隊基地は反対でもそこまではやれない、という消極的な声も上がっている。そして野原は地区として反対の声を上げている。それも、かつての高江とよく似ているのだ。しかも、集落の規模も同じ。野原は自衛隊基地と、高江は米軍北部訓練場と戦後を生きてきたという歴史も共通している。地域の声を黙殺して市町村長が容認してしまっているという点まで全く同じなのだ。

 去年の夏からオスプレイの訓練が本格化し、ヘリパッドに最も近い雪音さんの家では昼夜を問わずとどろく轟音と低周波で子どもたちが体調を壊し、避難を余儀なくされた。その現状を繰り返し訴えても、容認している東村としては何も手を差し伸べてはくれない現実防音工事も、引越しの費用も、何の補償もなく黙殺されたままの残酷な状況を説明しながら、雪音さんは「とにかく、作られてしまったら終わりです。その前に止めましょう」と呼びかけた。

   「胸が詰まる。高江は、宮古島の縮図なんですね。
    私たちは二の舞をしようとしている」

 話を聞いていた野原の女性は涙声になった。会場からは深いため息が漏れた。

 育子さんは言った。

   「高江のヘリパッドはできてしまいました。でもこの壊された自然を
    元に戻すのが私たちの使命です。沖縄の闘いというのは、
    こんな4つのヘリパッドどころではありませんでした。
    戦後ずっと人権を勝ち取っていく闘いが沖縄にあったということを、
    この10年間で先輩たちに教わりました。どうしておじいおばあたちが、
    あの炎天下座り込むのか。私たちは学びました。そしてそれを
    次に伝えていく役割がある。ヘリパッドが4つできてしまったから
    もうやめよう、というような問題ではないということを沖縄の皆さんから
    習ったわけです。まだ始まったばかりなんです

 なんて強くなったんだろう。育子さんは、私たちは学んだ、だから次の役割が見えているのだとさらりと言った。

 オスプレイが沖縄に飛来した2012年10月1日。普天間基地のゲートで肩を震わせていた育子さん。「日本はもう、平和ではないね。平和が崩れ落ちていく」そういって泣いていた育子さんが、同じ日、夕方になってもオスプレイ反対のプラカードを掲げて県道で手を振り続けていた姿を昨日のことのように思い出す。私は目の前に次々に着陸するオスプレイを見て、心が折れ、尻尾を巻いて帰りたい一心だったあの夕方、育子さんは「私はこれであきらめたりはしない」と自らを叱咤激励するように道に立っていた。ドライバーに向かって頭を下げ、一緒に反対しましょうと手を振ることで自分を保っているように見えた。あの時に、彼女の並外れた精神力を垣間見た気がしたのだが、あれからの5年で、育子さんはさらに揺らがない大きな存在に昇華していた。5年前と同じように現状にへこたれている私と、えらい差がついてしまった。

 雪音さんだってそうだ。自分のことのように宮古の人たちの不安を背負う覚悟で乗り込んできた。自然体で。笑顔で。だから、こういう魅力のある人たちだからこそ私は彼女たちのファンがやめられないし、その続きや変化を見たいし、それが私以外の多くの人たちの心を揺さぶる場面になるのだということがわかるから撮りたいのだ。もう撮影はいいでしょ? と苦笑されるのはつらいけど、私以外にも『標的の村』以降の住民たちがどうなっていったのか、自分のことのように気になっているファンがいっぱいいることを私は知っている。それが次の高江を止める力=辺野古や先島の自衛隊配備を止める力に直結すると思うからこそ、結局また同行取材を申し込んでしまうのだ。

 「宮古島では関心は高くはない。みんな犠牲が出てはじめてびっくりするのではないか。そうならないうちに声を上げたいと思います」。参加した女性は最後にそう言って、「反対ののぼりを立てましょう!」と元気よく呼びかけた。

 集落に迫りくる運命がどんなに過酷であるのか、高江の経験を聞くと確かに戦慄する。でも、ヘリパッドがほぼ出来上がった今も、以前より堂々と前を向いて闘い、離島まで応援に駆けつけてくれた彼女たちの笑顔を見て、野原の人たちが受け取ったものは単なる絶望ではなかったはずだ。

 まだ、止められる。敵を知ること。連帯することで、私たちはまだ強くなれるし、頑張れる。これから始まる奮闘は、決して孤独な戦いにはならないことを確認できた夜になった。

………。

三上智恵(みかみ・ちえ): ジャーナリスト、映画監督/東京生まれ。大学卒業後の1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移り住む。夕方のローカルワイドニュース「ステーションQ」のメインキャスターを務めながら、「海にすわる〜沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945〜島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年には、女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。初監督映画『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、キネマ旬報文化映画部門1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭監督協会賞・市民賞ダブル受賞など17の賞を獲得。現在も全国での自主上映会が続く。15年には辺野古新基地建設に反対する人々の闘いを追った映画『戦場ぬ止み』を公開。ジャーナリスト、映画監督として活動するほか、沖縄国際大学で非常勤講師として沖縄民俗学を講じる。『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)を上梓。 (プロフィール写真/吉崎貴幸)
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●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》

2017年04月26日 00時00分25秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記/第69回 罪を犯しているのは国ではないのか~博治さん法廷へ】(http://www.magazine9.jp/article/mikami/33083/)。

 《「「この裁判は、これ以上基地を負担したくないと声を上げた、沖縄県民全体に対する裁判です」「その代表として囚われ、罪に問われているのは博治さんたちですが、その他大勢の氏名不詳者たちという言葉で、私たち反対運動全体を罪に問おうというのが国の今回の姿勢なんです」》。

   『●「沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく
       国策捜査だと思う」…山城博治さん「予防拘禁、プレ共謀罪」


 沖縄では共謀罪の先取りが行われていた。《沖縄ではプレ「共謀罪」捜査が先取りされている》。

   『●金平茂紀さん「僕らの国の司法には
      かつて「予防拘禁」という仕組みが合法的制度として存在していた」
   『●森達也さん「人は誘惑に負けることもあるが反省もする。
                …それをも許さない」「平成の治安維持法」
    「◆金平茂紀さん(テレビキャスター) まだやっていないことが
     取り締まりの対象になる共謀罪は特別に危ない法律だ。
     沖縄で基地反対運動のリーダーが逮捕されたが、
     これは共謀罪を先取りした予行演習


 どうやら、アベ様らに楯突くやつは全てひっ捕まえろ=「平成の治安維持法」の本質はそういうもの。悍ましき超監視社会、密告社会。
 リテラの記事【テレ朝・玉川徹のツッコミに自民党が共謀罪の正体をポロリ「目的はテロ対策じゃない」「市民の座り込み抗議にも適用」】(http://lite-ra.com/2017/04/post-3094.html)に驚くべきことが。《…などと“テロ対策”であることを強調したが、もはやこんな詭弁が通用するわけがない。というのも、今回の共謀罪の取りまとめ役となっている自民党法務部会長である古川俊治参院議員が、「テロだけじゃない」とテレビで断言したからだ…そこで玉川氏は、沖縄のように基地建設を阻止するために市民たちがトラック車両を現場に通さないよう座り込みで抗議する、そのことのために銀行でお金を下ろすなどしたときにも共謀罪は適用されるのか?ということを古川議員に質問。すると、古川議員はこう述べたのだ。「仮に完全にトラックを防止するっていう目的だけにみんなが集まると、仮にですよ、仮にね。極めて具体的な計画でやる。具体的な計画といったら危険性が出てくるということですから、まさにやろうとしているということなんですね。そして、そのための実行準備行為をやったという段階じゃないと、これ適用になりませんから」…ここですかさず玉川氏は「逆にいえば、そこまでやれば適用できるということですよね」と言うと、古川議員はそうなれば、組織的犯罪集団として認定される可能性はありますねと明言したのである》。

 琉球新報の記事【<社説>米軍通告なく訓練 県民の安全軽視許さない】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-482373.html)によると、「民間地域を巻き込む軍事訓練は大きな危険を常に伴う。訓練場所と実施日時を関係機関に連絡し、県民に知らせるのは当然だ。その常識が働かないのは、組織が劣化しているためと断じるしかない》…そうだ。《組織が劣化》しているのは番犬様だけではなく、ニッポン「本土」そのもの。

 所詮、番犬様も、(ダグラス・ラミスさん)《米軍基地は植民地です アメリカの占領する縄張り》としか思っていない。デンデン王国「裸の王様」にとって沖縄は、米政権への「供物」程度と思っていないでしょう。

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
      武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」
    「「戦後70年、日本は国家として他国民を誰一人殺さず、
     また殺されもしなかった。非戦を貫けたのは、戦争の放棄を定めた
     憲法9条があったからにほかならない」。一方、壊憲はどんどんと進み、
     沖縄の高江辺野古では沖縄差別、沖縄イジメ、沖縄破壊が進む。
     番組中でダグラス・ラミスさんは述べています、
     「(沖縄)…米軍基地はアメリカという帝国の単なる手段ではなく 
     米軍基地は植民地です アメリカの占領する縄張りなのです」。
      アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること…
     「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」。アベ様、
     自公議員や翼賛野党議員が好き放題に壊憲させていていいのか?
     そんな議員に投票する人たちは、そんなに「人殺し」に行きたい
     のだろうか?、そんなに「大量殺人」に行きたいのだろうか?」

 《罪を犯しているのは国ではないのか?》…全沖縄《県民を獄につなぎたいという国家の意思の表れ》。
 《沖縄の平和運動のリーダーたちの逮捕・勾留は共謀罪の先取りで、国はどこまで国民が騒ぐかを注視しているのだと早くから指摘されてきたが、その実験の結果今の国民の無関心は国に自信を与えてしまっただろう》…デンデン王国ニッポン、本当にオメデタイ国。

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http://www.magazine9.jp/article/mikami/33083/

2017年4月19日up
三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記
69回 罪を犯しているのは国ではないのか~博治さん法廷へ 

 「この裁判は、これ以上基地を負担したくないと声を上げた、沖縄県民全体に対する裁判です」

 「その代表として囚われ、罪に問われているのは博治さんたちですが、その他大勢の氏名不詳者たちという言葉で、私たち反対運動全体を罪に問おうというのが国の今回の姿勢なんです」

 裁判所前の集会で、マイクをとる人たちがこの裁判の重みを次々に訴えた。およそ250人が集まって被告として法廷に入る仲間を激励した。

 5ヶ月余りの勾留を解かれた山城博治平和運動センター議長はじめ、公務執行妨害などの罪に問われた基地反対運動参加者を巡る裁判の3回目の公判が、17日那覇地裁で開かれた。保釈中の博治さんには様々な条件が付けられ、裁判が終わるまでは事実上反対運動に参加できない形になっている。ところが2回目の公判では、国側が証拠として提出したビデオがコピーの手違いなどで審理が進まず無駄に終わった。そしてそのビデオを整理するのに5月まで時間がほしいと言い出す始末だ。博治さんが長期勾留されていた5ヶ月もの間、いったい何をしていたのか。証拠・書類の作成がいい加減で、求められると「準備ができていない」と時間を稼ぎ結局秋までリーダーを現場から引き離そうということなのか。その間に埋め立てをどんどん進めてしまおうという国の魂胆があるとすればなおさら、裁判所は公正に迅速な訴訟指揮を執るべきだ不誠実な時間稼ぎを許してはならない。しかし、それだけではない。この裁判は船出からおかしかった。

 3回目の公判では、去年1月に辺野古のゲート前にブロックを積み上げて抵抗したことについて、防衛局員が目撃証言に立つことになっていた。毎日毎日、座り込んではごぼう抜き、座っては引きずられを繰り返していた現場で、同じ運ぶならブロックを運んだらどうだ? と誰からともなくブロック作戦という奇策がでてきた。数日で終わった作戦だったが、目撃者は警察官、アルソック、軍警、防衛局員、そして座り込み参加者もメディアも大勢いるだろう。今回証言に立つ防衛局員が何も特別な存在ではないはずだが、彼の側から「傍聴人から威圧される、危害を加えられる恐れがある」と申し立てがあったとして、裁判所が傍聴席と証言者の間を完全に遮蔽するという決定をした。

 これはおかしな話だ。たくさんの目撃者がいる中で、この防衛局員の証言が特段に恨みを買う性質のものとは思えない。なのに彼が「博治さんにも、傍聴席にも顔を見られたくない、報復が怖い」と大げさに申し立てをすることで、あたかも被告と傍聴席にいる人々が後で危害を加えにやってくるタチの悪い人々だと裁判官に訴えているも同然である。それは印象操作に当たる。加えて、この日那覇地裁は正面玄関を一切封鎖しピケを張って暴徒の侵入を防ぐような形をとった。わざわざ福岡から裁判所職員を呼び寄せて大げさな体制で警備に当たった。こんな那覇地裁は初めて見た。このピケを突破してどんな過激派が押し寄せるというのだろう? 通行人はただならぬ裁判所の警戒ぶりに恐怖を感じるだろう。これも一般市民に対する印象操作である。

 そして結局、証人と被告との間の遮蔽はしなかったものの、傍聴席との間は完全に目隠しされてしまった。裁判は公開が大原則である。公正な抽選で傍聴券を手にした一般市民は、個々の思想信条がどうあれ、公平に裁判が行われているのか見届ける責任がある。性犯罪や暴力団の被害者など、弱者である被害者が守られるべき事例で遮蔽がおこなわれることはある。しかし、傍聴に来た誰かが恨みを持つかもしれないという程度でその都度遮蔽していたら、公開の原則は崩れ、その結果、顔を隠してぺらぺら無責任な証言をするのも容易になるだろう。

 まだ罪が確定していないのに、山城博治被告は顔も名前もさらされて、しかも今回は5ヶ月という長きにわたって自由を奪われ、有罪になる前に事実上の制裁を受けている。勤め人なら仕事も奪われただろう。彼の家族がこの5ヶ月に味わった苦しみは計り知れない。そうやってようやくたどり着いた裁判で、博治さんたちは顔をさらして被告席に立つ。博治さんたちを恨む人もたくさんいる。ネット上には悪質な書き込みが満載である。

 逮捕勾留されただけで罪人のように扱う人もいる世間に、実名と肖像をさらされて、片や裁判に臨んでいるのに、「この人がやりました」と証言する人間は姿を隠せるというのはあまりに不公平だ。基地を提供する仕事を担う公務員として、堂々と証言したらいいのではないか。「彼が指示していました。こういうことをされると困るんです」というなら、それは彼の仕事なのだからその通り法廷で裁判官に訴えればいいだけの話ではないのか。普段は、国のやることに抵抗するなとゲートの奥からで偉そうに警告をし、ビデオを撮りまくっている彼らは弱者なのか。なぜ裁判所に守ってくださいと訴え、震える子羊のように自ら演出するのか。「こいつがやりました」と言われた側はすでに多くのものを奪われているしかし言う側は何も失いたくないという。その国側の姑息な姿勢に加担した裁判所の決定に対して、法廷は騒然となった。

 被告の弁護団は開廷後すぐに裁判官の忌避を申し立てた。遮蔽は公開の原則に反し、公正公平な判断が期待できないためだ。しかし直ちに却下され、今度は即時抗告をした。それでも議事は進められる。まもなくついたてが登場した。検察側のいいなりの裁判運営に傍聴席からも抗議の声が上がった。

 「こんなの裁判じゃない!」「私たちを犯罪者扱いするのか!」、傍聴席にいた文子おばあは閉廷した後も最後まで抗議を続けたという。そのあとの傍聴者の怒りは動画を見てほしい。なぜ、こんな不当な長期勾留にも抗議の声を上げる沖縄県民全体を罪びと扱いされる屈辱にも、耐えなければならないのか。この島に生まれたのだから仕方がないと思えというのか。


 (山城博治さん)
 「少し、熱くなってしまったなと反省しています。ただですね、皆さん。この裁判は私やIさんが代理人になっていますけれども、全県民が対象になっていますね。辺野古・高江新基地に反対する県民のリーダーだということで私たちを獄につなぐということは、可能なら全県民を獄につなぎたいという国家の意思の表れでしょう。私たちを5ヶ月も6ヶ月も、一人の仲間はまだ拘置所の中にいるというのに、自分はこそこそと隠れて『こいつがやった』という話をする。政府として国家として、国防のために安全のために基地は造らなきゃならないというなら堂々と出てきてそれを言えばいいじゃないですか! 県民の皆さんにお願いしたいと。この基地がなければ日本は守れない。日本の将来はないんだ。まげて県民の皆さんにお願いする。という話なら堂々とやればいいです。県民は今、血の出るような、県知事を先頭に屈辱と、そして忍従を強いられている中で、基地を造ろうという。強引に権力の力を借りて、機動隊の力を借りて推し進める側がこそこそと隠れて『こいつが犯罪者だ』と。こういう言われ方はないんじゃないですか? おかしい!」

 「国が150万県民を抑えてでも基地を造るというなら、その仕事を防衛局が担うというなら、堂々と言えばいいじゃないですか。私たちはどんなに捕らわれても、手錠でつながれても、腰縄されても堂々と自らの主張をしてまいりました。私たちをさらしものにして、まるで動物園の犬みたいにさらし者にして、罪を問う、告発するというなら、なぜ告発する側が堂々としていられないんだ。本当に激しい怒りで今日は身が震えそうでした」

 「根本にあるのは、基地を造ろうとする政府と、基地ができたら戦争に巻き込まれるそういう無謀な戦争、防波堤となるような戦争はもう二度とごめんだという県民の思いがまず、あるんじゃないですか。そのことを堂々と論じてそのうえで具体的な罪に触れるべきではないんですか」


 そうだ。国家の暴力こそ問われるべきだ抵抗しなかったら、また沖縄が真っ先に戦場にされるのだ。沖縄の犠牲を当然のこととする政府。民主主義を曲げて沖縄には適用せず、民意を押しつぶし、非暴力の抵抗に1000人の機動隊を差し向けた政府その暴力は問われず、有刺鉄線を切った罪で逮捕される。警察や海保が首を絞めたりひき逃げしようとしたりしてもお咎めなしで、防衛局員を揺さぶったくらいで、威力業務妨害で再逮捕。今行われていることは異常であり、国家権力の暴走を司法もメディアも止められていない

 本人がやっていないと一貫して言っているにもかかわらず、6ヶ月を超えて現在も勾留されている人がいることにほぼすべての国民が無関心だこれではテロ等準備罪の成立を止められるわけがない。テロやスパイの嫌疑をかけられて、自分は違うと立証するのは非常に難しい。目をつけられたら罪人に仕立て上げられるそういう社会なら声を上げる人は極端に減るだろう。もし博治さんのような人がテロリストの親玉に仕立て上げられたら、次は演説に拍手していた人々まで引っ張られる。そんな監視社会が訪れる。沖縄の平和運動のリーダーたちの逮捕・勾留は共謀罪の先取りで、国はどこまで国民が騒ぐかを注視しているのだと早くから指摘されてきたが、その実験の結果今の国民の無関心は国に自信を与えてしまっただろう

 沖縄への弾圧に興味がない大勢の国民をバックに、いよいよ明日20日にも辺野古の埋め立て作業に着手すると伝えられている。カリスマ的なリーダーである博治さんを現場から奪われたまま、辺野古はまもなく大きな山場を迎えようとしている。

いかなる弾圧が 度重なるとも
  われらの友情は 永遠に変わらず
  海や森  空も澄めば
  わが心は  やんばるの地に

………。
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●「従わぬ者には容赦ない、国家の暴力性が作品を貫く」…松下竜一さん「豆腐屋の四季」の舞台が取り壊し

2017年03月23日 00時00分34秒 | Weblog

[アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg


[アサヒコム(2007年9月22日)↑:「書斎の真ん中に置かれた松下竜一さん愛用のテーブル」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220088.jpg)]


東京新聞の佐藤直子記者のコラム【【私説・論説室から】竜一の愛した書斎】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017032202000142.html)。
毎日新聞の大漉実知朗記者の記事【松下竜一さん 自宅取り壊し 「豆腐屋の四季」舞台消える】(http://mainichi.jp/articles/20170313/k00/00e/040/131000c)。

 《大分県中津市に残る作家松下竜一さんの家が、昨年暮れに取り壊された。…「砦に拠る」…「ルイズ」…「記憶の闇」…。従わぬ者には容赦ない、国家の暴力性が作品を貫く》。
 《反戦、反権力のノンフィクション作品群や脱原発の市民運動家として知られた作家松下竜一さん(1937~2004年)が暮らし、デビュー作「豆腐屋の四季」の舞台にもなった大分県中津市船場町の自宅が昨年12月、市道の拡幅工事に伴って取り壊された》。

 洋子さんは《結婚してから夫と苦楽を共にしてきた家なので寂しい》と。《従わぬ者には容赦ない、国家の暴力性が作品を貫く》 《反戦、反権力のノンフィクション作品群や脱原発の市民運動家として知られた作家松下竜一さんのご自宅が、昨年末に、取り壊されていたとのこと…。《生前に書いた本があればいい。文学館や歌碑などはいらないと語っていた》ことから、取り壊しとなった。
 迂闊にも気付かなかった…。他に報じているところを探してみて、毎日新聞の記事を見つけました。
 でも、松下洋子さんや梶原得三郎さん、梶原和嘉子さんのご様子も知れて、良かった。《数千冊の蔵書は事前に運び出され図書館への寄託》、さらに、一般公開もされるようです。
 和嘉子さんの歌<竜一の愛した書斎こわれゆく 涙の雨の降りしきる中>。

   『●いま「暗闇の思想」を: 朝日新聞(地方版?)社界面トップ
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●第八回竜一忌、涙が出ました:
                松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん

   『●松下竜一忌での小出裕章さんの講演が本に!!
   『●室原知幸さん「公共事業は法にかない、
               理にかない、情にかなうものであれ」
   『●松下竜一さんと松下洋子さん、そしてカン・キョウ・ケン
   『●「草の根」に思いは永遠に: 松下竜一さんを追悼する“最後”の「竜一忌」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017032202000142.html

【私説・論説室から】
竜一の愛した書斎
2017年3月22日

 大分県中津市に残る作家松下竜一さんの家が、昨年暮れに取り壊された。市道拡幅の対象になったためだった。地方に根差し、反公害・反原発運動などを通じて戦後日本の矛盾を見つめてきた作家の話をじかに聞きたいと、六十七歳で亡くなる前年の二〇〇三年、訪ねたあの家が今はない。

 築五十年は過ぎていたその家は、若き日に営んでいた豆腐店の面影を残していた。土間に板を張っただけの書斎。そこが一日の居場所だった。食べて、寝て、客を迎え、孫が走り回る。生活のすべてが詰まったこの簡素な部屋から松下さんの思索はつむがれていた

 国家事業のダム建設に抗(あらが)う男の物語「砦(とりで)に拠(よ)る」、大正の「アナキスト」大杉栄伊藤野枝遺児を描く「ルイズ」、甲山事件の冤罪(えんざい)を訴えた「記憶の闇」…。従わぬ者には容赦ない、国家の暴力性が作品を貫く今日にそのまま通じる主題である。全三十巻の「松下竜一 その仕事」(河出書房新社)、「未刊行著作集」(海鳥社)は今こそ読まれてほしい。

 家の解体を見守ったのは七〇年代に地元で起きた火力発電所建設反対闘争以来の盟友、梶原得三郎さん(79)と妻の和嘉子さん(79)。数千冊の蔵書は事前に運び出され図書館への寄託を待つ。書斎が壊される時だけ雨が土砂降りになったという。和嘉子さんは万感の思いを歌に詠んだ。<竜一の愛した書斎こわれゆく 涙の雨の降りしきる中> 

佐藤直子
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http://mainichi.jp/articles/20170313/k00/00e/040/131000c

松下竜一さん
自宅取り壊し 「豆腐屋の四季」舞台消える
毎日新聞2017年3月13日 09時15分(最終更新 3月13日 09時31分)

     (自宅の書斎でくつろぐ在りし日の松下竜一さん
      =梶原得三郎さん提供)
     (市道拡幅のため取り壊された松下竜一さんの自宅
      =梶原得三郎さん提供)

 反戦、反権力のノンフィクション作品群や脱原発の市民運動家として知られた作家松下竜一さん(1937~2004年)が暮らし、デビュー作「豆腐屋の四季」の舞台にもなった大分県中津市船場町の自宅が昨年12月、市道の拡幅工事に伴って取り壊された。蔵書などは市立小幡記念図書館に寄託される予定で、同館が整理した後に一般公開する

 自宅は木造瓦ぶき2階建てで、かつては家業の豆腐屋を兼ねていた。松下さんは高校卒業後の1956年、貧困から大学進学を断念し、自宅で父親の豆腐作りを手伝いながら短歌を詠み新聞に投稿する生活を続けた。68年に短歌を軸に恋や青春の苦悩を描いたノンフィクション「豆腐屋の四季」を自費出版。後に講談社が単行本として出版するとベストセラーとなり、俳優の故緒形拳さん主演でテレビドラマにもなった。

 70年に豆腐店を廃業し、「無謀」との声もある中で33歳から文筆業に専念。豆腐作りの作業場を改築して書斎とし、下筌(しもうけ)ダムの建設反対闘争を主導した室原知幸さんを描いた「砦に拠(よ)る」(77年)や、アナキストの大杉栄の娘、伊藤ルイさんの半生をたどり講談社ノンフィクション賞を受けた「ルイズ-父に貰(もら)いし名は」(82年)など数々の硬派ノンフィクションを執筆した他、ミニコミ誌「草の根通信」を発行した。

 一方で「底ぬけビンボー暮らし」などユーモアあふれるエッセーも書き、老朽化した小さな自宅は読者にはおなじみだった。市民らから「せめて書斎は保存してほしい」などと惜しむ声もあったが、生前に書いた本があればいい。文学館や歌碑などはいらないと語っていたこともあって取り壊しを決めた。

 解体前には、「松下竜一の青春」などの著作がある福岡県築上町の元図書館司書、新木安利さん(67)が約4000点の蔵書と資料を引き取り、図書館へ寄託するための仕分け作業を進めている。解体した当日は雨が降り、松下さんの同志だった中津市の市民運動家、梶原得三郎さん(79)の妻和嘉子さん(79)が「竜一の愛した書斎こわれゆく 涙の雨の降りしきる中」と詠んで泣いたという。

 市内で長女と同居する松下さんの妻洋子さん(69)は「結婚してから夫と苦楽を共にしてきた家なので寂しい」と話している。【大漉実知朗】
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