ほんの三日間家から出なかっただけで、まるで自分が浦島太郎になったかのように、いつも見ている外の景色が新鮮に見える。代わり映えのしない近所をうろついて何が面白いのかと言われそうだが、ただ歩いて回ることができるということが、すでに驚きの連続でもあるのだ。
桃の花が咲いている。
日増しに春らしさを増してくる風景。
野鳥も春の支度に忙しい。
今日は図書館に本を返しに行く日だったので、開館と同時に到着するように出かけたら、新型コロナウイルスの影響で、3月15日までを閉館にすると張り紙がしてあった。仕方がないので返却ポストで本を入れて来たので、しばらくは読む本がない。とりあえずはネットで購入した関敬六著「さ・ら・ば・友・よ」でも読むことにする。これは渥美清さんとトリオを組んでいた三人組のひとりだった関さんが、渥美さんの死後に書いたものだ。作家ではないから、文章そのものは面白くないかもしれないが、渥美さんというプライベートを秘密にしていた人物の、なにほどかはわかるかもしれない。
さて、それにしても新型コロナウイルス騒動は大変なもので、ついに学校も閉鎖になった。が、ここまでの経過を見ると、やはり深刻さが足りなかったというのが実情だろう。
今年は東京オリンピックが開催されることになっている。ということは、オリンピックを狙ったテロ対策も当然のことながら想定にあるはずである。テロといっても爆弾ばかりがテロではない。少し前に炭疽菌によるテロがあったように、生物兵器によるテロも考えていなければならない。生物兵器となれば、来日することなく、国際郵便であちこちに送りつけ、封を開けることで感染が広まるようにしておけば捕まる心配もない。テロとしては一番安心で安価な方法だろう。
このところの政府の騒ぎ方を見ていると、生物兵器によるテロ対策はまったく眼中になかったかのようだ。想定内というのならば、今回の騒ぎほど生物兵器によるテロ対策の予行練習としては最適だったはずである。が、検査機関も収容する場所も手配できずにオロオロしている様子は、テロに対するシミュレーションを何もしていなかった証拠である。