おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

木靴の樹の少年

2023-10-31 11:00:02 | イラスト
 朝4時、いつものようにアンに起こされる。なぜだか時間に正確なアンは、どんなに寒い朝でも4時前後に起き出し、僕の耳元でミャアミャア鳴き始める。目を開けると、顔のすぐ前にアンが座っていて、僕の顔をぺろりと舐める。仕方がないので布団からゴソゴソと抜け出し、アンに餌をあげる。

 もう一回布団に戻ろうかとも思ったが、昨日から描き続けている墨絵の続きをやることにして、顔を洗うとコーヒーを淹れる。

 今回挑戦するのは、イタリア映画「木靴の樹」に出てきたミネク少年である。少年と言っても学校に上がったばかりの男の子で、この映画のクライマックスは、この子が学校に通い始めたことから起こる事件を扱っている。

 ちなみにエルマンノ・オルミ監督によるこの映画は、1978年のカンヌ映画祭で審査員の満票一致で最高賞を得る。カンヌ映画祭始まって以来の快挙であった。

 登場人物はすべて本物の農民であり、演技に関してはズブの素人である。照明はすべて自然光による撮影だったため、ロウソクやランプで照らされた夜のシーンなどは見づらいが、ドキュメンタリー映画さながらのリアリティーを生んでいる。描かれた農民の過酷な運命は、ミレーやゴッホの絵画で表れているものと同じである。



 お日様が高くなり、ようやく部屋の中がポカポカしてくると、アンが日向にやって来て、自分のベッドでまん丸くなっていた。アンがオス猫だったら、名前はミネクでも良かったかな、なんてことを考えながら描き続けた。


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水道工事

2023-10-30 11:25:28 | 福島
 先週末、ネットで注文した洗面台が、予定より数日早く届いた。とりあえず水道工事をお願いしていたところに届いた旨の連絡をすると、「では早速」という。工事はもう少し先だと思っていたから、いろいろ予定が立ててある。来週ならいつでもいいですとお願いすると、では火曜日にということになっていた。

 ところが翌日には、こちらの勘違いで月曜日が空いてますから、その日はどうですかというので、こちらは問題ありませんとお願いすることにした。

 で、予定よりだいぶ早く工事をしてもらえることになったので、慌てて洗面台の周りや台所の蛇口周りを掃除し、庭の水道栓につけていたホースの接続部品も取っておく。

 そういうわけで今日は朝から工事が始まったので、その間水道は一切使えない。ということはトイレも使えないことになるので、覚悟を決めておく。もし途中でトイレに行きたくなったら、車に乗ってホームセンターかスーパーまで出かけるつもりだ。

 お客さんが来るのが大好きなテオとアンは、工事の人が庭先に停めたバンと家の中を往復するたびに、玄関まで出迎えと見送りを繰り返す。テオに至っては黙っていてくれればいいのに、入ってくるたびに「いらっしゃい」とワンワン吠え続けるので、「こら」と低い声でたしなめなければならない。こちらとしては他にやりたいことがあるのに、テオを見張っていなければならないので、落ち着いて何もできないのである。

 新しい洗面台は、横幅の寸法は前のものと同じだが、高さは7センチほど高い。どうやら今まで使っていた物は、昔の日本人体型に合わせてあったのか、ずいぶん低かった。子供が使うのには便利だが、大人が朝目覚めてすぐに顔を洗おうとすると、腰がギクッとなりそうだったのだ。

 洗面台には基本的な規格があるようで、普通の住宅に設置するような洗面台は大中小の3パターンほどあったが、高さに関してはほぼすべての高さが同じだった。7センチも高くなっては、慣れるのに大変だとと思っても、それしかないのだから人間の方が合わせていくしかないのである。

 ある時テレビ番組でやっていたが、新幹線の座席がなぜ誰が座ってもしっくりこないのかと言えば、誰が座ってもそこそこ座りやすくできているからだという説明だった。つまり、特定の誰かにしっくりくる作りだと、それ以外の人にとってはまったくもって座りにくい椅子になってしまうのである。

 そんなこんなで工事は午前中いっぱいかかった。とりあえずこれで壊れた洗面台と、冬場になると蛇口からの水漏れしていた台所と庭の水道の心配がなくなった。突然の出費ではあったが、安心して冬が越せると思えば安い物である。
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アナの墨絵、その2

2023-10-29 11:32:58 | イラスト
 昨日、アナの墨絵をアップした時には、すでに第二弾をほぼ描き終わっていた。が、いろいろこねくり回しているうちに、取り返しのつかないところまで行ってしまった。普通の絵具のように調節ができず、水の量だけで墨の濃さを変えていく。その割合がものすごく微妙で、描いた瞬間、「あっちょっと濃い」となるともう手遅れだ。修正する手段は、その濃さに合わせて全体を濃くしていかなければならない。

 そんなことを繰り返しているうちに、絵が黒くなりすぎてしまった。

 仕方ない。また一からやり直しだ。というわけで、真っ白の画用紙にあらためて描いてみた。



 前回が正面の顔だったのに比べると、斜め上を向いているという構図だ。これだと立体感と光のコントラストがついて、より難易度が増す。とりあえず破棄したものよりずっと良くなったので、今回はこれで完成とする。画用紙が水を吸ってヘニャヘニャになってしまうので、いずれイラストボードのような硬い紙で描こうと思っている。
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墨で絵を描く

2023-10-28 08:26:44 | イラスト
 心機一転、毎日習字をするようになったのは、字を書くのはキーボード、絵を描くのはタブレットペンを使うようになり、筆を握るという経験が皆無になってしまっているからだ。普通に生活していると、筆を持つのは結婚式だとか葬式の受付で署名するときの筆ペンくらいなもので、その時だけはもう少し字を書く練習をしておけばよかったと感じていた。

 そんなことで毎日筆を握り習字をしているが、どんなに頑張っても集中力が続くのは良くて2時間くらいなものだ。考えてみれば、ランニングも2時間くらいだし、犬の散歩も一日2時間程度、絵を描くにしても読書をするにしてもそんなものだ。そういえば映画の長さも2時間程度のものが多いから、人間の集中力が続く平均的長さなのかもしれない。

 半紙に向かい、ずっと習字をしていると、いつの間にかそのまま眠っている時がある。ハッと気づくと半紙に大きなしみを書いていたりする。僕の場合、精神集中は睡魔との戦いでもある。そういう時はついつい書き損じた半紙にいたずら書きをしたりしていたが、どうせ墨でいたずら書きをするのなら、絵を描いたらいいじゃないかと気づいた。

 で、習字に飽きたらスケッチブックに絵の練習をしている。最初は何を描こうかと悩んだが、日本画風の自然ではあまりに当たり前過ぎる。それに木や花を描くというのは、多少変でもあまり気にはならない。その点、体や顔というのは見慣れているので、ほんの少しおかしな点があれば、すぐに違和感を覚えてしまうのである。おそらくそういう理由から、美大生など絵の練習の初歩はまず人物デッサンということになっているのだろう。

 それならまず顔でも描くかと考え、次に誰の顔にするかを考え、最初は映画「ミツバチのささやき」の主人公、アナの顔にすることにした。「ミツバチのささやき」は、僕が勝手に三本指に入る名画だと思っている。主人公は5歳の少女で、昔僕の妹が犬を飼うときに名前をつけてと言われたので、「アナにしな」と即答した。それ以来、我が家の犬猫の名前は映画やドラマの子供から取られている。



 墨絵というと、普通は中国の風景だとか日本の自然を思い浮かべるだろうが、墨一色で洋画風のポートレートを描くというのもありなんじゃないかと思う。何枚か描き、うまく描けるようになったら、そのうち大きな画面で書いてみようかなと今から考えているアベさんなのである。また楽しみがひとつ増えちゃった。
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秋の日は釣瓶落とし

2023-10-27 11:46:11 | 福島
 このところ、連日秋らしい爽やかな秋空が広がっている。早朝は寒くて手袋が必要なほどだが、お昼を過ぎるとポカポカと暖かくなる。気温差で言うと10度以上ある。日中は日向ぼっこをしているテオとアンだが、テオに限っては午後3時くらいになると、そろそろ散歩じゃないですかとウロウロし始める。無視していると、甲高い声でキャンと散歩を催促する。

「うるさい」と一度は叱ってはみるが、最近はすっかり日が短くなっているので、用事がなければ早めに散歩に出なければ、あっという間に日が暮れてしまうのである。4時を過ぎるとお日様は弱々しくなり、4時半には薄暗くなってくる。5時ではかなり暗くなり、5時半ではすでに真っ暗になっている。長い散歩に出ようと思えば、3時台には出発しなければならないのである。



 この日はタミちゃんにテオのリードを任せ、僕はカメラをあちこちに向けて、秋の写真を撮ることにする。



 家を出ると、すぐに道の脇に柿の木がたくさんの実をつけているのでカメラを向ける。空の青と柿色は、色彩学的には補色の関係になる。これは一番強烈な色の組み合わせで、絵を描く人は常に頭にある。青とオレンジ、赤と緑、黄色と紫。この組み合わせは、何かを強烈にアピールしたい時には有効だ。



 庭先で目立つのは菊やコスモス。



 住宅地を抜けると、一番目立つ秋の花はセイタカアワダチソウの黄色だ。土手いっぱいにまるで黄色いラインを引いたように咲き誇っている。かつては喘息の原因になると忌み嫌われたこともあるが、実は喘息の正体は、よく似たブタクサだったので、とんだトバッチリだったのである。セイタカアワダチソウは、あまり群生し過ぎると、自分が出す物質によって生育しなくなる。セイタカアワダチソウだらけと思っていた場所が、いつの間にか見かけなくなっているのはそういった理由からだ。最近は再び勢力を伸ばし、あちこちで目立つようになってきた。



 パチパチと写真を撮っていると、いつの間にか僕ひとり歩くのが遅れている。のんびり歩いている間に、秋の日は釣瓶落としで、あっという間に夕焼け空になっていくのであった。

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お見積もり

2023-10-26 11:44:52 | 日記
 今週の初め、水道管の蛇腹部分の亀裂から水が漏れ、洗面台のキャビネットが水浸しになってしまった。翌日の朝に早速水道工事をお願いすると、担当者が出払っていて折り返し連絡をくれるという。が、お昼を過ぎても連絡がないので、こちらから電話をかけて「お忙しいようなので別のところを当たります」と断った。

 この日の修理は無理になったので、翌日に修理をしてくれる業者を探して電話をかけてみると、夜に様子を見に来てくれるという。個人でやっている小さな会社なので、時間の都合はどうでもなるというのだ。

 で、故障部分を見てもらうと、結局この家が建ってずいぶん時間が経っているので、あちこち老朽化が進んでいるという。問題は洗面所だけでなく、台所の水道の蛇口も、庭にある水道の蛇口も摩耗しているために水漏れが起こる。そっちの修理も時間の問題なので、一緒にやってもらうことにした。

 問題は水浸しになった洗面台のキャビネットが、合板のためにフニャフニャになり、使用不能となってしまったことだ。業者に新品の洗面台をお願いすると、高くついてしまう。来てくれた業者さんが親切なのか、洗面台はネットで購入すると安く済みますよとアドバイスしてくれ、台所の蛇口部分も併せてネットで頼むことにした。

 そんなわけで、見積もりは洗面台の交換作業、亀裂が入った止水栓の交換、台所の蛇口の交換、庭の水道の蛇口の交換をやってもらうことで4万円ほどになった。3カ所の修理を一緒にお願いしたので、かなり安くしてもらったが、これが別々にその都度修理したら、5割増くらいになっただろう。

 ちなみに交換する古い洗面台とその下の使い物にならなくなったキャビネットの処分は、こちらですることにした。粗大ゴミで出せば数百円で済む。これが業者に持ち帰ってもらうと、産業廃棄物扱いになるため、費用がかさむらしい。

 というわけで、修理費プラス、こちらで買う洗面台のキャビネット、台所の水とお湯が出る蛇口の代金、合計で7万円強になった。まったく予定になかった出費なので、かなり痛い。道具さえあれば修理代は浮くんだけどな。こういう時に技術を持っているかどうかは、とっても大切なことなのである。
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約2年続ける

2023-10-25 10:57:07 | 日記
 2年前のクリスマス、タミちゃんから何か欲しいものはないと聞かれたので、ふと思い立って「習字道具」と答えた。ただでさえミミズがのたくったような字しか書いていなかったにも関わらず、最近はパソコンで文字を打つばかりで、ペンや鉛筆を持つことさえほとんどなくなっていた。ごく稀に、役所の書類なんかに住所や名前を書くことがあったが、普段全然書いていないので、頭で思う動きと手の動きが一致せず、とんでもない下手くそな字になっていた。

 このままでは自分の名前でさえ満足に書けなくなるんじゃないかと危機感を覚え始めたので、一念発起して習字を始めることにした。筆をうまく使えるようになれば、絵を描くのに役に立たないわけがないのだ。

 最初は超初心者向けのお手本を見ながら、縦棒だけを何度も書き、次に横棒を書き、右払いや左払いを描きというふうに、文字の部品ばかり書いた。それが済んだら、次は「春」だとか「城」だとか「夢」だとか、ひと文字を大筆で書いた。お手本では次にふた文字、三文字と字数が増えていく。最終的に6文字まで書いた。

 そこで超初心者向けのお手本が終わったので、ひらがなに移った。漢字の線の構成は基本的に縦、横、斜めくらいだが、ひらがなとなると「あ」だとか「の」だとか、ぐるっとひと回りするという漢字になかった筆の動きが登場する。まずは大筆でひと文字ずつ書き、それが済んだら小筆で「いろはにほへと」を最後まで何度も書いた。

 ここまで来ると、次の段階は漢字の小文字である。四角張った今の文字、つまり楷書を始めることにしたが、この時初めて「楷書」というのが最近生まれた字体で、最初はハンコなどに使われる古代の文字「隷書」、ミミズが這ったような「草書」、少し形を整えた「行書」、最後に教科書などに使われる「楷書」と発展したことを知った。僕は「楷書」がまずあり、それがだんだん崩れて、行書、草書となったとばかり思っていた。

 で、今は楷書を終わり、半年前から小筆で行書を書いている。お手本を一度最後まで書いたが、今は2度目に入り、3分の2ほど終わった。



 今日、練習した成果がこれ。まるっきりの初心者から1年10カ月が経過した。2年目からは、いよいよクネクネ、サラサラ、昔の人が書いたような草書に挑戦する予定だ。
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老朽化

2023-10-24 11:32:18 | 日記
 風呂に入る前に、洗面台下のキャビネットの扉を開けると、中が水浸しになっている。一体、どこから水が漏れたんだと、慌てて中に入っているものを全部取り出し、あちこち水が漏れそうなところをチェックする。水漏れは今に始まったわけではなさそうで、キャビネット内にあった容器の中まで水が溜まっているし、洗面台の下もあちこち水が染み出している。

 こうなるとのんびり湯船に浸かっているわけには行かない。風呂を上がると、早速原因を突き止めるべく、調査を始める。が、どうしても原因がわからない。排水管がどうかなったのなら、漏れた水は濁っているはずだから、そういう感じがないということは排水管ではなく水道管がどうかなっているということなのだろうか。とりあえず、どこから漏れているのかわからないので、掃除した後のキャビネット内に洗面器を置き、周囲にタオルを敷きつめたりして寝ることにする。

 この家は中古住宅で、僕らが引き継いで3家族目である。築30年は経ち、あちこちガタが来ている。リフォームはしているが、考えてみれば水道管などは建てた当時のままだ。知らないうちに老朽化が進んでいたのである。

 が、やっぱり気になって寝つけないので、またぞろ起き出していろいろチェックする。合板できたキャビネットは、水を吸ってフニャフニャになっている。これじゃあ今後は使い物にならないだろう。そうこしていたら、タミちゃんが水道管と蛇口を繋ぐ金属製の蛇腹に細い亀裂が生じ、そこから水が漏れているのを発見する。となると、水道の元栓を閉めなければいつまでも水漏れを起こしているということだ。これで、修理が終わるまでは使うことはできなくなったが、とりあえず安眠だけはできるのである。

 というわけで、朝を迎えたので早速業者に電話を入れてみる。「今、担当者が出払っているので、あらためて折り返しこちらから電話を差し上げます」という返事をもらったが、果たしていつ電話がかかって来るのやら。

 とにかく今の日本は高齢化が進み、おまけに若者がきつい、汚れる仕事を嫌うために、自動車整備や建設、土木など、インフラを支えるような場所の人材が足りなくなっている。水道工事だって同じようなものだろう。あちこちからの依頼にてんてこまいになっているのかも、と想像しながら、気長に連絡を待つことにしているアベさんなのである。
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床屋の髭

2023-10-23 10:27:39 | 日記
 この前買った本「宇宙は『もつれ』でできている」をずっと読んでいる。なんとか半分を超えたが、科学に素人の僕には難解で、四苦八苦しながら喰らいついているといったところだ。本の帯には「直観と論理の狭間で、物理学者がもがく」とあるくらいだから、一般人はもがくくらいでは済まされないのである。

 理論はともかく、どうしても解けない難問を世界最高の頭脳を持つ人たちがああでもこうでもないとやり合う様子を読んでいると、壁を突破する困難さは天才だろうが凡人だろうが、まったく同じだということだけはわかる。

 ある議論についての話で、その中で解けないパラドクスについてこんな冗談が書いてあった。「もし自分で髭剃りをしない男性全員の髭を床屋が剃るなら、誰が床屋の髭を剃るのか」。これだけ読めば、床屋が自分で剃ればいいじゃないか、と思うが、問題はパラドクスの話だから、床屋ではなくても医者を誰が治すのか、でもいい。要するに、もうひとり別の床屋なり医者がいれば問題は解決するのである。

 で、この話を読んですぐに連想したのが、この前観た富山チューリップテレビが制作したドキュメント映画「はりぼて」だ。富山市の税収入が足りなくて、公共サービスがきちんと行えないにも関わらず、市議会で議員の給料アップの話が賛成多数で可決した。これはおかしいというので、チューリップテレビが調査を始めると、出て来る出て来る、市議会員たちの不正流用が次々に明るみになり、最終的に十数名の辞職者を出したのだ。

 なんたって、議員の給料を決めるのが、議員自身だというのだから、これこそ冗談に近いパラドクスである。そんな議会が、自分たちの給料を上げようとし、議会を開いているのだから開いた口が塞がらないのだ。

 同じことは国会議員の議員数削減の話である。かつて民主党が政権を取った時、野田さんと自民党の安倍さんが党首討論をし、議員数の削減が議題になった。が、結局その後自民党が議席を取り戻し第一党になると、議員数削減の話はどこかへ消え失せてしまった。なんたって、議員の数を決める話を、当の国会議員がするのだから、積極的に「減らしましょう」なんて言う議員はひとりも出てこないのである。

 なぜ、議員の給料を自分たちで決めるのか、議員の数を自分たちで決めるのか。こんなおかしなことはない。せめてそこだけは別の有識者たちが決めるべきである。このままだと、どんなに日本国民の数が減ろうが、国民全体の所得が減ろうが、何ひとつ改革されずにいるだろう。
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土鍋で水餃子

2023-10-22 11:15:01 | 福島
 畑の野菜たちがなかなか大きくなってくれない。アスパラ菜はまだひと掴み収穫できるくらいだし、春菊は葉っぱは出ているが使えるほどはない。キャベツ、白菜は結球するところまで行かないし、大根もほかの畑に比べると成長が遅いようだ。我が家の畑では、今時期に収穫できるものは大きいネギと小ネギしかないのである。ただ、畑の周囲にニラが馬鹿みたいに自生していて、育てているわけではないのに収穫できる。これでも採って帰るかと、散歩の途中で摘んでいく。

 野菜がネギとニラだけなので、何を作ろうかと考え、ひき肉があったのでチヂミを作ることにする。ただ、夕飯がチヂミだけじゃあ寂しいなあと思いながら、ワインを買おうとスーパーに立ち寄ると、シメサバが目についた。そうだ、夜は鯖寿司にしようとひとつだけ購入する。数年前、旅行で福井に立ち寄った時、そこで食べた焼き鯖寿司が美味しかったので、簡単に我が家でできないかと考え編み出したのが、シメサバで作る焼き鯖寿司だ。

 切れ目の入っていないシメサバを買ってくると、これを縦半分に切って巻きすに長方形になるように並べる。その上におぼろ昆布を乗せ酢飯を広げる。本当は型押しの枠があるといいのだけれど、ないから巻きすをしっかり巻き、しばらく時間を置く。ある程度硬くなったところで巻きすを外し、バーナーでサバの皮の部分を炙ると自家製焼き鯖寿司の完成である。というわけで、手間をかけずにチヂミと焼き鯖寿司の夕食が完成する。

 昨日は、朝の散歩の途中で大きなキャベツを「持って行くかい」と手渡され、ありがたく持って帰った。さて、これをどうやって食べよう。ホイコーローでも作ろうか。でも、急に寒くなり体の中からあったまるものを食べたい。そこでチヂミで使ったミンチとキャベツを合わせて、水餃子にすることにした。水餃子の皮がないので、使い残しの中力粉と薄力粉を混ぜしっかり捏ねて、自家製の皮を作る。皮一枚分になるように小さく切って均等に丸めると、全部で16個分の皮ができた。

 水餃子は土鍋に鶏がらスープの素、酒、塩、鷹の爪を入れ、ネギと豆腐を入れる。そこに自家製皮で包んだ餃子を投入して、ふっくらして来るのを待って完成。全部入りきれないので、一旦餃子を全部食べた後に、入りきれなかった分を再投入することにする。

 というわけで、土鍋でコトコトと煮てふっくらしたところを、ポン酢醤油をかけて食べる。水餃子と湯豆腐で、これだけでお腹いっぱいだ。土鍋といえばやっぱり熱燗だと、ちびちびやりながら餃子をハフハフ頬張ると、寒い夜を体の中から温かく過ごせるのであった。
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