噴火が続いていると思ったら、小笠原沖で大きな地震があった。ここ100年では東日本大震災についで大きな地震だったそうだが、幸い震源が深かったのと遠かったので、大きな被害はでなかった。
それにしても、地下で何かが進行しているんじゃないかと思っているのは僕だけではあるまい。こういうときは心配していても仕方ないので、災害になったときのための準備だけはしておくのが懸命だろう。と言いながら、結局何もしないのが日本人の悪いクセなのだが。
災害の怖さは、百人いれば百人が違うふうに捉えているだろう。家の下敷きになるのが怖いという人もいるだろうし、地下鉄やトンネルの中でだけは災害に遭いたくないと思っている人もいるだろう。火に巻かれるのが怖いという人もいれば、水に溺れるのが怖いという人もいるだろう。
僕が東京にいたとき、何が一番怖いといって停電になることだった。電車が止まるだとか、食料が確保できないとか、そういったことは副次的なことだ。僕が何よりも恐れるのは、停電になることによって、トイレの水が一切流れなくなることだ。
想像してみるといい。いや、想像もしたくない。トイレに入ると、流されないブツがそこにあるに決まっているのだ。ことによれば、足の踏み場もないことになっていることだってあるだろう。トイレはおろか、ビルの物陰や木陰にもブツがあるだろう。田舎にいれば、人目につかず用を足す場所はいくらでもある。
が、都会ではそうはいかない。想像してみるといい。いや、想像もしたくない。僕が東京を後にしたのは、そういう理由だ。