おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

狼の遠吠え

2023-01-31 11:55:55 | 日記
 Yahoo!ニュースに「オオカミ飼育員が知らせたかった衝撃の事実」という記事が出ていた。と言っても、内容は読んでいないのだが、たまたま昨夜YouTubeでタモリさんが出ていた昔のテレビ番組「トリビアの泉」を見たら、偶然にも「オオカミの遠吠えをバウリンガルで翻訳したら何と言っているのか」という回をやっていたのだ。

 バウリンガルというのは、ノーベル賞のパロディでもあるイグノーベル賞も受賞した、日本のおもちゃメーカーが発売した犬の言葉を解析する犬語翻訳機である。それを利用してテレビでは、一匹狼の遠吠えを翻訳したら面白いに違いないと企画したのだ。

 で、早速北米に日本人スタッフが出向き、オオカミが多数生息する地域で、現地の研究者とともにオオカミの姿を探し始めた。ところが、そうそう簡単には見つからない。日本人スタッフがしびれを切らすと、「日本人はオオカミに二、三日で会えると思っているらしい」と馬鹿にされてしまう始末である。で、結局10日かけて、ようやく一匹狼の姿を発見する。

 タモリさんいわく、一匹狼というのは群れの権力闘争に敗れた個体なので、大体群れの後を追いかけ、ひとり寂しく生活しているから、寂しいよとでも言ってるのではないかと感想を述べるが、実際バウリンガルで翻訳した結果、なかなか意味深なセリフを吐いていることがわかった。遠吠えを集音したバウリンガルが解析した内容は、「僕は何をしたらいいの」と言っていたのである。これにはアメリカの研究者も、スタジオのタモリさんなんかもビックリしていた。

 バウリンガルの実力がどれほどのものかは怪しいところもあるが、群れを追われたオオカミが、そんな遠吠えをしていたというのは、興味深かった。

 ちなみに番組では、タモリさんがふざけてバウリンガルに向けて「ハッハッハ」と荒い息遣いをすると、機械の解析は「ボク、張り切っちゃうぞ」だった。
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飲めません

2023-01-30 11:49:25 | 福島
 今日は午後から雪になるかもしれない、というので、とりあえず10日ぶりにランニングに出ることにした。金曜日に降った雪は、昨日まで道路をカリカリにしていたが、今朝はほとんど溶けていたから、今を逃すと、次はいつ走れるようになるかわからない。

 というものの、気温はようやく0度を上回ったくらいで、空気はキンキンに冷えている。風がないのだけが救いである。とにかく、ここ数日、どれだけ寒かったかというと、家の中に置いてあるテオとアンの飲み水を入れた容器に薄氷が張っていたくらいである。そんな中で寝ていたのかと思うと、よくぞ凍死しなかったものだと、我ながら感心する。

 これだけ寒くても、外が大好きなテオは、中庭を自分のトレーニングフィールドにし、食後は自主的に走り回っている。そんなテオが水分補給できるようにとバケツに水を入れて置いているのだが、今朝はそのバケツに氷が張っていた。「これじゃあ、飲めないね」と表面の氷を割ろうとすると、いくら力を入れて叩いても、割れない。仕方がないのでバケツをひっくり返すと、中身がすべて凍り、水は一滴もなかった。



 「これじゃあボク、飲めまへんがな」とテオくん。



 さて、そんな寒さの中、久しぶりのランニングで張り切って出かけたものの、途中、何度も白鳥がV字に編隊を組んで、僕の頭のすぐ上を飛んでいく。その度に慌ててリュックからスマホを取り出し、白鳥の群れを撮影しようとするが、スマホというのは電源を入れたり、もたもたとカメラのアプリを起動させているうちに白鳥たちは飛んで行ってしまい、なかなか撮影できない。うまく撮影しようと思うと、最初から構えていないといけないのだ。

 そんなことをするうちに、すっかり時間を食ってしまい、走っているんだか、撮影のために出かけてきたんだか、わからなくなってしまった。まあ、今日は10日ぶりのランニングだし、一生懸命走るのは次回にまわすことにしよう。




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久々の雪の散歩

2023-01-29 10:57:28 | 福島
 温暖化のせいか年々雪の積もる日も少なくなり、積雪量も減っているので、雪の中を散歩する機会も数えるほどしかない。福島に来た当初は、さすがに東北だと感動していたが、近頃は日本海側ばかり大雪になり、この辺はちっとも東北らしくないのである。

 一昨日の夜から降った雪は、昨日になっても溶けずに残っていた。午後、太陽が出て気持ちよく晴れたので、久々にカメラを首にかけ、早い時間からテオの散歩に出た。





 寒いことは寒いのだが、お日様が照っているというだけで暖かく感じる。家の中にいるよりも、思い切って外に出たほうが意外と寒さは感じない。







 テオは久々の雪に興奮気味だ。吹き溜まった雪の中に鼻先を突っ込み、歩きながら雪を食べたりしている。足元がツルツルなので、グイグイリードを引っ張るテオに四苦八苦する。立ち止まって写真を撮るのも大変なので、時々リードを持つのをタミちゃんと交代してもらう。







 九州にいた時には、雪を求めて雪山に出かけていたが、あのくらいの雪はこの辺ではどこにでもある。普通の散歩でも、簡単に雪山を散策している気分になる安上がりなアベさんなのであった。



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かつては日本でも

2023-01-28 11:42:19 | 日記
 ずっと読み続けていたドナルド・キーンさんの「明治天皇」も、いよいよ終わりに近づいた。日露戦争に勝利した日本は、次の段階、すなわち日韓併合へと進んで行く。

 今でこそロシアのウクライナ侵攻に眉を顰める日本も、かつては同じようなことをやっていた、ということを忘れてはならない。ロシアのウクライナ侵攻とは、西側諸国のNATOとの緩衝地帯となっていたウクライナが、西側と距離を縮めたことに関してロシアが脅威を感じたせいだ。ウクライナがロシアの子分であり、ロシアの言うことを聞いてくれる国なら侵略する必要はない。が、西側の一員になるとすれば、それは国境を隔ててすぐそこに脅威が迫ることになる。

 明治時代の日本も朝鮮半島に対して、緩衝地帯となってくれることを期待していた。ロシアが西側諸国と対峙しているのと同様、当時の日本はロシアと朝鮮半島を巡って対立していた。日本は日清戦争において中国に勝ち、朝鮮半島の中国からの独立を勝ち得た。それは中国の子分から独立することで、中国との緩衝地帯になってくれることを期待したのだが、朝鮮半島の民主化は進まず、軍隊は昔ながらの弱体組織だった。

 ロシアが南下政策を進め、朝鮮半島にちょっかいを出し始めると、日本はちっとも進まない朝鮮の近代化に痺れを切らし、日本が直接手出しをすることに決定した。日露戦争に勝った日本は、すぐに日韓併合を決行し、韓国の王様を退位させ、日本が直接国を収める体制を敷いた。

 朝鮮半島の位の高い人たちは、身分を保障されることで、日韓併合をやむなしと認めたが、庶民には何ら保障はなかった。

 で、ドナルド・キーンさんは書く。「日韓併合が相互の繁栄をもたらすと考えた韓国人は、これまでの外交経験に照らして次のことを予見すべきだった。外国のための利益は、常に韓国人に繁栄をもたらそうとするどんな欲求にも優先する、と。また、次のことにも気づくべきだった。かりに彼らの名目上の国王が快適な隠遁生活を享受することを許されたとしても、韓国大衆は搾取されることになりそうである、と」

 「また、自国の政府が公言している目的を真面目に信じた日本人たちは、次のことに気づくべきだった。総督として韓国を支配する軍人たちは、大陸での日本のさらなる拡張を可能にする跳躍台として以外の関心を韓国に寄せている形跡は何もない、と」

 僕たちは現在のロシアの行為に対して、自国民はどうしてそれに素直に従っているのだろう。プーチンさんのプロパガンダをどうして信じようとしているのだろう、と思う。が、それは遠くから眺めているからであり、当事者だった時には、かつての日本が「台湾、樺太、そして韓国までも統治下に収めたことを喜び、かつ誇りに思った」のである。

 その結果が、現在の中国や韓国、北朝鮮との関係である。キーンさんはこうも書く。「当時の日本人のほとんどは、植民地主義がその犠牲者のみならず当の植民者をも冒す毒であることに未だ気づいていないようだった」。
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家電がないと

2023-01-27 11:53:36 | 日記
 我が家には家電がある。それも古いダイヤル式の黒電話である。カフェをやるにあたって、もらったアンティークな黒電話を使えるようにしていたからだが、カフェに来た人は揃って「これまだ使えるの」と半信半疑だった。面白かったのは、子供たちに使い方を尋ねると、誰もダイヤル式の電話機でのかけ方を知らなかったことだ。

 最近は個人個人が携帯電話を持っているので、家電を解約したという家も多いし、そもそも携帯電話しか持っていないカップルの場合、結婚してもわざわざ家電を契約することはない。では、家電は必要がないのかと言うとそうではなく、「なるほど、こういう時に必要になるのか」と去年は痛感する状況に遭遇した。

 というのは、美術展を開催しているグループで知り合った人と、ここ何年か付き合いがあり、ふた月に一度くらいの割でカフェに顔を出してくれていたりしていた。ところが、ある時からぷっつり連絡が取れなくなってしまった。他の知り合いに聞いても、「携帯に連絡しても、現在使われておりませんのアナウンスが流れる」ということで、もしかしたら病気でもして入院しているのではないかと噂になった。

 で、いろんなツテを通じて調べてもらった結果、数日前に入院先の病院で亡くなっていることがわかった。

 なぜ、こんなに連絡がつかなかったのかと言えば、彼が家電を解約していたからである。家族はいたものの、それぞれが携帯電話を使っているため、必要ないと考えたためだが、彼と付き合いのある人は彼の携帯電話の番号しか知らず、家族に連絡をして様子を聞くということができなかったからだった。

 昔は家電に電話をかけると、本人不在でも何時ごろ帰るとか、どこそこに行っているとか教えてもらえることもあった。それが面倒臭いと考えている人は多いだろうが、本人が何かの理由で携帯電話に出られないとなると、そこでプツリと消息が途絶える。奥さんがいても奥さんの携帯電話の番号は知らない。家の住所がわかればいいが、携帯電話の番号しか分からなければ、そこであきらめなければならないのである。

 ちなみに、我が家では家電を解約できない理由がもうひとつある。それはテオとアンの首輪に、我が家の家電の番号を印刷しているからで、万が一行方不明になった時のために解約はできないのだ。

 
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活力って何

2023-01-26 11:34:04 | 日記
 昨日の猛烈な寒さも、今日は少しだけ和らいでいるようだ。と言っても、家の中に置いてあるテオとアンの水を入れた容器には薄氷が張っているし、エアコンをつけてもちっとも温かくならず、涼しい風を出し続けているので、思わず「扇風機かよ」とツッコんでみたりしている。

 道路が凍っているので、ランニングはお預け。テレビでやってる国会中継をつけっぱなしにして、習字の練習に励む。

 聞くともなく、議員の質疑応答を聞いているうちに、気になり始めた言葉がある。それは少子化や地方から若者がいなくなっていることについて、「活力が失われていく」と表現していることだ。若者が少なくなっている、とか、子供の声が聞かれなくなった、というのは分かる。が、「活力が失われる」というのはどういう状態を言うのだろう。年寄りには活力がないということなのだろうか。だったら、「年寄りは元気を出しなさい」と言えばいいような気がする。

 と、へそ曲がりに解釈してみたりして聞いていたが、要するに「活力がない」というのは、「売り買いすることが少ない」という意味でしかないようだ。年寄りは、子供のようにあれが欲しいこれが欲しいということがないし、若者のように見栄を張るために何かを衝動買いするということもない。だから、経済がいまいち回らないということが言いたいらしい。

 少子化対策のため、今が最後のチャンスなどと言っているが、働く人口が少なくなるのなら、移民を受け入れるということだって少子化対策のひとつと言えるだろう。年寄りの年金をひねくり出すには、赤ん坊が少しくらい増えてもどうしようもない。というのも、子供を産める若い女性の数が、そもそも数十年の間に3分の2にまで減少した。となると、昔みたいに産めよ増やせよで、ひとりが10人くらい産まなければ追いつく話ではない。

 結局のところ、少子化対策や子育て支援などと政治家は言うが、突き詰めれば子供のことをお金にしか見ていないんじゃないかという気がする。子供が少なければ、ひとりの子供が数人分の能力を持つように育てればいい。ひとりの天才が、どれほどの富を産むか。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、イーロン・マスクみたいな人のことを考えれば、いくらでも税収は増やせるのである。

 最近のニュースで、こんな記事を読んだ。ある科学者が調査した結果、経済的に豊かになるほど、人はポジティブより、ネガティブになっていくという。それは個人でもそうだし、国家レベルでもそうだ。日本は豊かになった結果、「生活満足度」調査では世界でも下の方にいる。なぜこんなことになるのかというと、経済的に豊かな暮らしを求めるなら、それだけ試験や就職など、さまざまなストレスがかかってくるからだ。そんな状態で、「活力」など発揮できはしないだろう。鼻を垂らして元気に走り回っていた子供がいた時代は、決して豊かな世の中ではなかったのである。
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尋常じゃない

2023-01-25 11:47:42 | 12音詩
 朝起きたら、何もかもがカリカリに凍っていた。窓は氷で覆われ、テオとアンのための水を入れた容器も氷が張っている。夜中に起きて食事をするアンは、明け方には水が飲めなかったに違いない。

 家の中が凍っているくらいなので、朝の散歩は気合を入れて出発しなければならない。夜の間に雪は積もらなかったが、夜明け前から吹雪いている。あまりの寒さに、雪まで凍りつき、雪というより埃のような状態だ。おまけに風が強いので、地面に落ちた雪が再び舞い上がり、辺り一面霧がかかっているようだ。





 今日の最高気温はマイナス4度ということで、エアコンを入れて習字を始めたら、昨日洗った筆先が凍っていた。仕方ないので、水で洗い凍りついた筆先をもう一度整える。

 最近の家はオール電化で、車まで電気自動車になりつつあるが、寒さの厳しい地域では、電気に頼るのは危険だ。大雪で車が立ち往生した時、電気自動車では暖房までバッテリーに頼ることになる。ガソリン車なら予備のガソリンを積んでおくことはできるが、電気自動車の場合、高速道路などでバッテリーが切れたらどうなるのだろう。

 あまりに寒いので、手がすぐにかじかむため、習字も少し書いてはコタツに避難する。ついでなので、最近書いたひねくり12音詩をパソコンに入力する。



 「夕日暖めて坂道」



 「枯れ葉踏む君の足音」
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デジャブみたいな歴史

2023-01-24 10:10:45 | 日記
 去年の暮れから、ドナルド・キーンさんの「明治天皇」を読んでいる。1冊500ページ以上あるのが上下巻2冊だから、なかなか終わらない。ひと月以上かかってようやく終わりに近くなってきた。明治天皇を扱ってはいるが、明治天皇の前の孝明天皇から始まり、幕末の動乱から近代国家の道のりの歴史をたどっているので、僕のように知識の薄い者にとってはスラスラとは読めないのである。

 とにかくサムライの時代が終わり、民主国家となるべく、全国に学校を作り、郵便局を作り、銀行を作り、国会を作り、憲法を作り、鉄道を敷き、インフラを整備しと、わずかな間に日本はどんどん近代化していく。これだけの短時間に、国家の混乱もなく国ができるというのは、世界史上例を見ないというのは、日本人として胸を張っていいことだ。

 が、その頃世界は軍国主義が台頭していたため、日本も先進国になるために富国強兵路線を取り、中国、ロシアと戦争をした。世界は野蛮な国からようやく民主国家へと産声をあげたばかりの日本が、中国にもロシアにも勝つはずがないと思っていたが、日本はまるでサッカーのワールドカップのように勝ち進んだのである。

 というところまでがほぼ明治という激動の時代だったわけだが、日露戦争のところまで読み進むうちに、なんだかデジャブみたいな記述が増えてきたことに気づいた。以下、本文の記述をいくつか紹介する。

「(この)戦争は、どちらからも事前の宣戦布告が無いまま始まった」

「10月21日夜に起きたある事件で、ロシア人が人命の損失に対して無関心であるという事実が発覚した。これが英国人のロシア人嫌いを憎悪にまで高め、英国人の多くは直ちにロシアへの宣戦布告を支持したほどだった」

「ローゼン男爵(ロシアの外交官)は、他の各国の世論に失望していた。ローゼンは言う、到るところで、我々は糾弾された。米国でさえそうで、これだけは我々も予想していなかった」

「ルーズベルト大統領は、1905年8月の書簡で表明しているように、ロシア人をひどく毛嫌いしていた。黒人であれ、黄色人種であれ、白人であれ、およそ人間たるもの、現在の体制下にあるロシア人のように不誠実、不真面目、傲慢、つまり、あらゆる意味で信用がおけないということは、まったくあり得ないことである、と」

「ギューリック(キリスト教宣教師)は次のように付け加えた。ロシアに体現された白禍は、最悪の形をとっている。強引な貪欲さに偽善を加え、あろうことか彼らを非難して然るべき宗教でその罪を覆い隠しているのである」

「ロシア駐在フランス大使は次のように報告している。極東における戦争は、ロシアの大衆に益々嫌われつつある。ロシア人民は、この戦争を個人的な利害によって始められた大事業とみなしている。すなわち、これは宮廷によって仕組まれた大がかりな外国侵略の遠征である、と」

「サンクト・ペテルブルグ駐在のフランス海軍武官は次のように明言している。・・・・・第二艦艇(ロシア無敵艦隊)での軍事的価値は、凡庸以上のものではない。雑多な混成部隊である。あらゆる年代、あらゆる型の船舶の寄せ集めにすぎない。経験豊富な士官は、皆無に等しい。機関工は、質が悪い。下士官は一人もおらず、水兵の大半は軍事的訓練を受けていないばかりか、これまで海上に出たことさえない」

「(フランス外務省)パレオローグ氏は次のように報告している。史上初めて、アメリカ合衆国がヨーロッパの問題に介入しようとしている」

 こうした文章を読みながら、これが100年以上前の話だとは感じられず、何かデジャブを見ているような感覚に陥った。ロシアと戦っているのが日本ではなく、ウクライナに置き換えてもまったく違和感がないからである。ロシア皇帝をプーチン大統領に置き換えただけで、昔も今もほとんど変わりないことが行なわれているのがわかる。ロシア帝国は日本に敗れた後崩壊し、ソビエト連邦となった。ソビエト連邦が崩壊すると、再びプーチン率いるロシア帝国が出現し、かつて日本と戦争をしたように、大義のもと、ウクライナに兵を送っている。

 さて、僕たちは日露戦争では日本が優位に立ち、アメリカが調停を申し出て戦争が終結したことを知っている。果たして今回の戦争はどういう結末を迎えるのだろう。歴史は繰り返すのか、2度と繰り返さないのか。
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最強寒波

2023-01-23 12:45:30 | 福島
 明日あたりから、この冬一番の最強寒波がやって来るという。日本海側は暴風雪、太平洋側でも雪雲が流れ込み、積雪のあるところもあるらしい。

 同じ福島でも横に長い地形から、会津地方は大雪でも奥羽山脈が壁になって大した雪でないことも多い。特に最近は温暖化の影響からなのか、積もってもその日のうちに溶けてしまうことも多く、10年前に福島に来た時のように何日も雪が残り続けるということがなくなった。そんなこともあって、今年は冬タイヤに交換していない。かなりのギャンブルだが、雪が積もったら車を出さなければいいだけの話である。

 10年以上乗った愛車も、ずいぶんガタが来ていて、そろそろ買い替え時期に来ている。冬タイヤは3年以上前に買ったので、すでにゴムが古くなって冬タイヤの意味をなさない。かといって、ここで買い替えても今の車をこれから3年乗るかどうかわからない。冬タイヤの規格が同じで、別の車を買ってもそのまま使えればいいが、車ごとにタイヤの大きさが違うので面倒だ。そんなこともあって、冬タイヤを新調するのをやめた。

 明日からの寒波で雪が積もればランニングできなくなるので、今日は午前中走ってこようかと考えていた。が、朝からすでに雲行きが怪しい。下手をすれば午後からでも雪になるかもしれない。そうなると車を出せないので、午前中に買い物を済ませておくことにした。少しくらい道が凍っていてもランニングにはあまり支障はないが、車はそういうわけにはいかない。

 積雪で怖いのは、交通機関が止まってしまうこともあるが、忘れがちなのが積雪による停電である。そうなると水は出なくなるし、暖を取ることもできなくなる。準備しておくのは、水の確保、携帯コンロに使うガスボンベ、石油ストーブを使うための灯油、懐中電灯のための乾電池。とりあえずは最低このくらいは揃えておきたい。

 冷蔵庫は停電しても、家の中が冷蔵庫みたいなものだから、冷凍食品もすぐにダメになるというわけではない。野菜なんかはわざわざ雪の下に埋めて、雪下野菜として売っていたりする。そのほうが糖分が増すからだ。というわけで、とりあえず最強寒波に対する備えを終え、ひと安心だ。三日くらい家に閉じ込められても全然大丈夫。

 それにしても、地球環境の変化で、ゲリラ豪雨だの線状降水帯だの、今まで経験してこなかった気象を経験するようになった。雪に関しては、まだ大雪くらいの経験だが、そのうち2倍3倍の降雪が来たり、信じられないくらい低温になったりと、新たな気象用語を発明しなければ説明できないようなことになってくるに違いない。覚悟しておいて損はない。
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ネーミングの妙

2023-01-22 11:59:56 | 日記
 漫画の祖と呼ばれているのは、19世紀に活躍したフランスの画家オノレ・ドーミエだ。当時、漫画と言えば風刺漫画のことで、ドーミエは新聞に、国王を風刺した風刺画を発表した。それは国王が洋梨に似ているというもので、国王の似顔絵を洋梨として描いたものだった。「国王を洋梨に例えるとは無礼だ」ということで裁判沙汰になったのだが、ドーミエは法廷に立つと、「国王が洋梨に似ているのか、洋梨のほうが国王に似ているのか」の大演説を行い、法廷の聴衆を笑いの渦に包んだ。

 笑いというものは、権力に対抗する大きな力だ。逆に言えば、冗談も言えない世界というのは、硬直した封建的な社会だとも言える。日本人によくあるタイプだが、シリアスな場面で冗談を言うと、「場所を考えろ」などと叱られたりする。が、そもそも笑いとは、緊張を緩和するものであり、シリアスな場面ほど必要になるものだ。

 最近ニュース記事を読んでいて、思わず「山田くん、座布団一枚」と言いたくなったのが、岸田総理が「岸田検討使」と呼ばれているという話題だった。口を開ければ「検討する」ばかりで、いつ実行に移すのかと思っていたら、今度は「検討を加速する」と言い出した。検討を加速してどうなるというものではないだろう。さすが「岸田検討使」なのである。

 安倍元総理が自慢していた経済対策アベノミクスは、コロナ対策に布マスクを配ると、途端に「アベノマスク」と嘲笑された。その前の総理麻生さんは、アホウ太郎と呼ばれてしまった。

 本人たちは腹が立っただろうが、庶民はそんなことで溜飲を下げているのである。年の瀬に流行語大賞というのをやっているが、それとは別に僕としてはネーミング大賞みたいなものもやってもらい、大いに笑いたい。
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