どうしても食っちゃ寝になるお正月休みは、体を動かそうにも雪が積もったりして、ツルツル滑るのでその辺を歩いて来るくらいしかない。スキーやスケートといったウインタースポーツは、お金も時間もかかるし、冬山登山はよほどテンションが高くないと行動には移せない。
日陰では凍結しているところもあるが、日の当たるところは大丈夫そうなので、朝飯を食った後、阿武隈川の土手を走ることにした。大晦日だし、あんまり頑張って走っても、後が大変なのでとりあえず15キロくらいを目標にしよう。雪の残っているところは歩き、凍っていそうなところは慎重に通過するので、休み休みのランニングだ。当初の目的地までやってきたが、まだ体力があるのであと5キロ延長することにした。
公園になっているところで休憩し、そこから折り返そうとしていたら、むこうから走って来る人がいる。犬と朝の散歩をしていると、いつも走っている近所の人ではないか。言葉は交わしたことはないが、頭くらいは下げているので、声をかけた。
「どのくらい走っているんですか」と聞いてきたので、「今日は20キロくらいですかね」と答えると、「ほお、なかなかですね」と言う。
「どのくらい走ってるんですか」と聞き返すと、「この先の東北新幹線が交わるところまで」と言うが、そこがどこかわからない僕は、生返事だ。ただ、かなりの距離を走っているのは見当がつく。相手は僕の返事がモヤモヤしているのを感じたのだろう。「今年は364日走りました。走るのが好きでね」と、改めてそのすごさを強調してくれた。
そこで分かれたが、ここで折り返してはその人の背中を追いかけることになってしまうので、もう少し頑張ることにして、あと5キロ追加で走ることにした。結果、ヘロヘロになり、ようやく家に帰り着いたが、大晦日に体力を使い果たしたことに、ちょっとだけ満足したのだった。
さて、我が家では様々なことがあった一年であったが、来年はどうなるのだろう。とにかく、一年間に感謝して年を越すことにする。