今般の大阪教育委員会事務局トップ教育長人事については、教育委員のみなさまも、事務局のみなさまも、現場で働くみなさまも、いやいやそもそも多くの府民のみなさまも、きっと内心では首をかしげておられることでしょう。
就任した中原徹氏は、昨年卒業式「君が代」斉唱時、部下に命じて口が動いているかどうか目視させた、いわゆる「口元チェック」で全国的にも名を馳せた人物です。そのうえ、年度末に、本来出席しなければならない「校長研修」をすべて無断で欠席したということも判明しました。そういう人物がなにゆえ教育長に?誰が考えても不可思議千万、公正さを欠く人事です。橋下徹大阪市長の「お友達」というだけで彼が教育長に就任したことは誰もがわかることですが、そもそもそこにマスメディアを初めとして、ほとんど批判が起こらないことが一番の問題ではないでしょうか。
橋下市長と「組んで」、彼が教育長として一体大阪の教育をどのようにしようとしているのか、私たち市民が見ていく必要があります。今回は、大阪教育合同労組のニュースをもとに、彼の初仕事ともいえる4月1日「辞令交付式」の様子を紹介します。
辞令交付式~開式前から国歌斉唱の練習
訓話は橋下市長の受け売りそのもの
NHKホールに集まった新任者は約1900人。開式前、「国歌斉唱の練習をします」とアナウンスが流れ、会場はどよめいたそうです。「起立」と「斉唱」の練習後、檀上の幕が上がって開式。檀上に教育委員会のお歴々が居並ぶなか、ひときわ若さが際立つ人物が中原教育長だったそうです。
中原教育長の訓話の要点は、「ルールを守れ」「悪い習慣は打破せよ」ということだったそうです。大阪の教育をこれから担う新任者への訓話としては、あまりにも薄っぺらな内容ではないでしょうか。それに、これらのことは橋下市長の持論と言ってもよく、橋下市長が折に触れ強調しています。中原教育長には哲学がない、その一言に尽きるように思います。
ぜひとも、この日、中原教育長の訓話を聞かれた方の感想をお待ちしています。