グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

菅義偉内閣総理大臣による「学問の自由」を蹂躙する日本学術会議の人事への政治的介入に断固抗議し、6人の任命拒否撤回と6人の任命を改めて求める!

2020-10-06 19:12:00 | 全国から

菅義偉内閣総理大臣による「学問の自由」を蹂躙する日本学術会議の人事への政治的介入に断固抗議し、6人の任命拒否撤回と6人の任命を改めて求める!


2020102日(金曜日)


許すな!『日の丸・君が代』強制、止めよう!安倍・菅政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク (略称「ひのきみ全国ネット」)


私たち、全国の教員・退職教員・市民による全国ネットワークである<許すな!『日の丸・君が代』強制、止めよう!安倍・菅政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク>は、菅義偉内閣総理大臣によって、「学者の国会」ともいわれる日本学術会議で長年守られてきた人事の独立が破られ、日本国憲法23条の「学問の自由」を蹂躙する日本学術会議会員の人事への政治的介入により、日本学術会議への6人の新会員の任命が拒否されたことに対し、満腔の怒りを込めて抗議し、6人の任命拒否の撤回と6人の任命を改めて求める。


1.菅義偉内閣総理大臣は、101日、「日本学術会議法」の規定に基づいて日本学術会議が新会員として推薦した105人のうち6人を任命しなかった。会員に任命されなかったのは、芦名定道・京都大教授(宗教学)、宇野重規・東京大教授(政治思想史)、岡田正則・早稲田大教授(行政法学)、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)、加藤陽子・東京大教授(日本近代史)、松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)の6人である。

「日本学術会議法」では、「優れた研究、業績がある科学者のうちから会員候補者を選考し、首相に推薦する」と定めており、推薦に基づき首相が会員(210人)を任命する。任期は6年で3年ごとに半数を改選している。会員210人の日本学術会議は3年に1回、半数の105人を改選する。

日本学術会議は20209月末で会員の半数が任期満了を迎えることから、学術研究団体などから提出された推薦書をもとに、20202月から学術会議の選考委員会で選考が進められ、79日の臨時総会で候補者105人が承認された。831日、安倍晋三首相(当時)あてに、831日に6人を含む計105人の推薦書を提出した。9月末に学術会議事務局に示された任命者名簿には6人を除く99人の名前しかなかったという。

菅義偉首相によって6人が任命されなかった理由について、政府からの説明は一切なく、学術会議事務局が任命されなかったことを事前に問い合わせたところ、政府からは「間違いや事務ミスではない」と返答があったという。任命を拒否された6人以外の新会員99人は101日付で菅義偉首相に任命された。

「学者の国会」と呼ばれ、高い独立性が保たれる学術会議の推薦者を首相が任命しなかったのは、現行の制度になった2004年度以降では初めてである。政府は拒否した理由を明らかにしていないが、6人の中には、安全保障関連法や「共謀罪」を創設した改正組織犯罪処罰法を批判してきた学者が複数含まれている。


2.加藤勝信官房長官は101日の記者会見で、学術の立場から政策を提言する政府機関「日本学術会議」が推薦した新会員候補の一部を菅義偉首相が任命を見送ったと明らかにした。加藤勝信官房長官は、6人が任命されなかった理由について、「個々の候補者の選考過程、理由については人事に関することでありコメントは差し控える」と説明を避け、「結果の違いであって、これまでの対応の姿勢に変わりはない」とし、法律に基づいた正当な判断であると主張し、「学術会議の目的において、政府側が責任を持って(人事を)行うのは当然だ」、「首相の所轄で、人事等を通じて一定の監督権を行使することは法律上可能となっている」「推薦を義務的に任命しなければならないというわけではない」と述べている。政治判断による人事介入は憲法が保障する「学問の自由」の侵害になるのではないかと問われると、加藤官房長官は、「直ちに学問の自由の侵害にはつながらないと考えている」と応えている。現在の任命の仕組みになった2004年以降、推薦された候補が任命されなかったケースについても、「そうした事例があるとは承知していない」と述べている。

102日、閣議後の記者会見で、加藤官房長官は、「総理大臣の所轄のもとの行政機関である『日本学術会議』について、任命権者である総理大臣が法律に基づいて任命を行った。こうした説明を引き続き行っていきたい」、「専門領域の業績のみにとらわれない広い視野に立って、総合的、ふかん的観点からの活動を進めていただくため、累次の制度改正がなされてきた。これを踏まえ、総理大臣の所轄のもとの行政機関である『日本学術会議』について、任命権者である総理大臣が法律に基づいて任命を行った。こうした説明を引き続き行っていきたい」と述べた。


3.菅義偉内閣総理大臣が「日本学術会議法」の規定に基づき日本学術会議が新会員として推薦した105人のうち6人を任命しなかったことに対し、学術会議会員らからは「学問の自由を保障する憲法に反する行為」と批判が相次いでいる。

10月1日の日本学術会議の総会で退任した日本学術会議前会長・山極寿一・京都大前総長は、オンラインを含め会員ら230人が出席して開かれた挨拶の冒頭で、「6人の方が新会員に任命されなかった。初めてのことで、大変驚いた。菅首相あてに文書で説明を求めたが、回答はなかった」と述べている。学術会議は8月末、政府に105人を推薦していた。しかし、6人が任命されないことを山極会長が知らされたのは928日の夜だという。総会後、「私たちは理由を付して新会員を推薦したのに、理由をつけずに任命しないという事実がまかり通ってしまったことは大変遺憾。学術にとって非常に重大な問題だ」と話した。

新会長に選ばれたノーベル賞受賞者の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長は、「極めて重要な問題で、しっかり対処していく必要がある」と述べ、6人を任命しなかった理由について菅首相に説明を求めることを検討すると述べた。推薦した人が任命されなかった例は平成16年度に今の制度になって以降なく、日本学術会議は102日に開かれた総会で、緊急にこの件を協議した。6人が任命されなかった理由を明らかにすることと、6人の任命を改めて求める要望書をまとめることを決めた。総会のなかで、日本学術会議新会長の東京大学梶田隆章教授は「非常に重要な件だと思うので、引き続き部会で議論して、学術会議としてしっかりと対応したい」と述べた。総会後に梶田隆章会長は「学術会議は政府からある程度、独立して学問を基礎に発信するものなので、その基本が変わることがあってはならない」と話している。


4.日本学術会議は、人文・社会科学や生命科学、理工など国内約87万人の科学者を代表し、科学政策について政府に提言したり、科学の啓発活動をしたりするために1949年に設立された。「学者の国会」とも言われる。210人の会員は非常勤特別職の国家公務員で任期は6年間。3年ごとに半数が交代する。1954年には、原子力の平和利用について「自主、民主、公開」の原子力三原則を打ち出し、55年の原子力基本法に盛り込まれた。軍事研究のあり方についても、「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を1950年と1967年に発表し、2017年にも、防衛装備庁が創設した研究助成制度をめぐり、軍事研究を禁じた過去2回の声明を継承するとの声明を発表した。


5.今回任命されなかった6人のうちの一人、東京大学の加藤陽子教授(日本近代史)は「共謀罪」法案などに反対の立場を取ったことがある。加藤教授は、「首相が学術会議の推薦名簿の一部を拒否するという、前例のない決定をなぜしたのか、それを問題にすべきだ。学術会議内での推薦は早くから準備され、内閣府から首相官邸にも8月末には名簿があがっていたはずだ。それを、新組織が発足する直前に抜き打ち的に連絡してくるというのは、多くの分科会を抱え、国際会議も主催すべき学術会議会員の任務の円滑な遂行を妨害することにほかならない。欠員が生じた部会の運営が甚だしく阻害されている。この決定の背景を説明できる協議文書や決裁文書は存在するのだろうか、私は学問の自由という観点からだけでなく、この決定の経緯を知りたい。」「学術会議の担うべき任務について、首相官邸が軽んじた点も問題視している」などとコメントした。

任命されなかった小沢隆一・東京慈恵会医科大教授、岡田正則・早稲田大教授、松宮孝明・立命館大教授は1日、梶田会長に、任命拒否の撤回に向け、学術会議の総力をあげてあたることを求める要請書を手渡した。要請書で3氏は、首相から理由の説明がなく、「私たちの研究活動についての評価に基づく任命拒否であれば、憲法23条が保障する学問の自由の重大な侵害」、「(任命が首相の意のままになれば)日本学術会議の地位、職務上の独立性、権限は、会員の任命が内閣総理大臣の意のままになればすべて否定されてしまい、学問の自由はこの点においても深刻に侵されます」などとしている。小沢氏は「私は2015年、安保法制をめぐる国会での中央公聴会で『憲法違反だ』と述べた。仮に、学問上の意見を国会で述べたことが任命拒否につながっているのだとすれば、学問の自由の侵害だ」と話している。


6.私たち、全国の教員・退職教員・市民による全国ネットワークである<許すな!『日の丸・君が代』強制、止めよう!安倍・菅政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク>は、菅義偉内閣総理大臣によって、「学者の国会」ともいわれる日本学術会議で長年守られてきた人事の独立が破られ、日本国憲法23条の「学問の自由」を蹂躙する日本学術会議会員の人事への政治的介入により、日本学術会議への6人の新会員の任命が拒否されたことに対し、満腔の怒りを込めて抗議し、6人の任命拒否の撤回と6人の任命を改めて求めるものである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

抗議声明 菅首相による日本学術会議への政治的介入に断固抗議し、任命拒否撤回を求める

2020-10-06 15:22:00 | 当該から

抗議声明


菅首相による日本学術会議への政治的介入に断固抗議し、任命拒否撤回を求める

 

2020106


グループZAZA(「君が代」不起立処分司法闘争当該)

 

 101日、菅首相は、「日本学術会議法」に基づき学術会議が新会員として推薦した105人のうち6人の任命を拒否した。会員人事への介入は2005年に現在の選考方法に変わって初めてのことだ。菅首相及び加藤官房長官はその理由も明らかにせず、政府側が責任を持って人事を行うのは当然と開き直っている。「政府の任命は形式的なものだ」としてきた従来の見解を勝手に反故にする暴挙である。

 

 日本学術会議は、「科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学会と提携して学術の進歩に寄与することを使命と」(日本学術会議法)することを目的に設立され、内閣総理大臣の所轄だが政府とは「独立して職務を行う」(3条)とされている。首相の命令に服し、従わなければならない機関ではなく、科学者としての見地で独立に職務を果たすべき機関である。その人事に介入し、学問的な業績ではなく首相に不都合な人物は任命をしないとするのは学問の自由と自治に対する著しい侵害である。首相自らが最初の仕事として憲法を真正面から踏みにじる行為を行ったことに怒りを禁じ得ない。

 

 任命を拒否された6人の学者達の何人かは「共謀罪」反対、「戦争法」反対などで政府に批判的立場を取っていた。あるいは私たちとともに日の丸・君が代強制に反対し政府に反対の立場を取った。今回の任命拒否がこれらの人々を排除する政治的意図から行われたことは明白である。2017年に日本学術会議が「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」との決議を再確認して以降、首相官邸が学術会議会員の任命について政治的介入を試みていたことが明らかにされている。今回の動きが、安倍-菅と続く内閣が執拗に学術会議の政治的支配と政府の進める軍事研究への屈服、それを通じて戦争法体制の徹底を行おうとしていることは明らかである。私たちはそのような暴挙を決して許さない。

 

 日本学術会議は菅首相に6人の任命拒否の理由の説明を求め、改めて6人の任命を求める要望を行っている。拒否された当事者も抗議の声や行動を起こしている。当然のことである。学術会議関係者だけでなく、メディアも含めて広範な人々が抗議の声をあげている。


 私たちグループ・ZAZAは日の丸・君が代の強制と教職員の処分に反対する被処分者のグループである。その立場から、菅政権の民主主義を無視し国家を私物化するような行動を徹底的に批判する。私たちは、菅首相が直ちに任命拒否を撤回し、直ちに6人を任命することを要求する。そして、学問の自由侵害と日本学術会議への政治的介入を謝罪することを要求する。


https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする