国歌を歌わない自由を巡って、今や国際的な問題になっています。アレックスの記事をどなたか日本語訳していただけませんか?
9月7日のメール「アベを倒そう!(155)<米アメフト選手の国歌斉唱拒否と根津公子さん>」で、 イギリス人のアレックス・マーシャルから、この問題で論説を書きたいということで、根津さんにコメントを求めるメールが届いたことを紹介しました。また、根津さんが返事を書くつもりだということもお伝えしました。
その後、根津さんは以下のような返事を書き、根津さんの教え子がすぐ翻訳してくれメールで送りました。(少し長いです)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アレックスへ
根津公子です。
ご著書で、日本の「君が代」問題について大きく取り上げてくださったこと、ありがとうございました。
強制の実態を国際社会に暴露してくださり、東京都教育委員会及び日本政府にはいい薬になりました。
さて、お訊ねのことにお答えします。
1. 最近の状況
「君が代」不起立処分取り消し訴訟において、2012年1月に出された最高裁判決は、「君が代」起立を求める職務命令は違憲とは言えない(憲法が定める「思想及び良心の自由の侵害」にはならない)
として1回目の不起立処分は取り消さなかったものの、2回目以上の不起立処分である減給・停職処分は処分が重すぎるとして私を除くすべての人々の減給・停職処分を取り消しました。
しかし、唯一、私が受けた2006年・停職3月処分は取り消しませんでした。なぜ、一人だけ、しかも最も重い停職3月処分を取り消さなかったのか。私は1994年の卒業式の朝、「日の丸」を降ろしたことで、
また、「日の丸・君が代」について書いた学級だよりが「不適切」だった、或いは「日の丸・君が代」に触れた授業内容が「不適切」だったということで過去に何度も処分を受けていました。その、「過去の処分歴」が停職3月処分を取り消さない理由とされたのです。同じ理由で、2013年に判決のあった2005年・減給6月処分も停職1月処分も、処分取り消しにはなりませんでした。私の受けた処分はすべて取り消されないと思わざるを得ませんでしたが、奇跡が起きました。
2007年に受けた停職6月処分ですが、2015年5月28日に高等裁判所は処分取り消しの判決を出し、そして、2016年5月31日、最高裁はこの高裁判決を全員一致で支持し、停職6月処分を取り消しました。
私はもちろん、誰もが、公子の処分取り消しはないと半ば諦めていましたが、稀にみる良心的な裁判官が担当してくれたおかげで、勝利しました。幸運、奇跡であり、歴史に残る判決だと強く思います。
高裁判決は、「停職6月の次は免職」という東京都の規則を考えれば、「自己の歴史観や世界観を含む思想等に、より忠実であろうとする教員にとっては、自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、(中略)日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる」と判じたのです。実にラッキーでした。
まだ、2008年停職6月処分、2009年停職6月処分の裁判が残っています。2007年停職6月処分が取り消されたからと言って、2008年、2009年処分が取り消されることにはなりませんから、
まだ裁判闘争は続きます。
2. コリン・キャパニック選手の国歌不起立不斉唱について
私はこのニュースを小さい新聞記事で知りました。
コリン選手の行為にチームが賛同しているとの記事でした。
コリン選手がなぜ、不起立不斉唱だったのかは書かれていなかったので
行為だけを知ったのですが、やはりアメリカにはこういう人がいるのだと思いました。
アメリカの学校では国旗を踏みつけた、胸に手を当てるのを拒否した等の行為が何件かあり、その処分は、憲法修正第1条を根拠に取り消されてきた歴史があるからです。でも、同時に、スポーツ界では選手を辞めさせられるのではないかと気になりました。 日本なら、即刻選手交代・追放とされると思うからです。
そして今回松原さんが見つけてくれたインターネット記事を読んで、コリン選手が「黒人や有色人種への差別がまかり通る国に敬意は払えない」「差別は私にとってフットボールより大事なこと。見て見ぬふりをするのは自分勝手だ」 と発言したことを知って、痛く感動しました。28歳という若さで、選手生命を覚悟しての行為ですから。
私が「君が代」不起立でクビを覚悟したのは50代半ばでしたが、その時、私はこの歳だから自分が正しいと思う通りの行為ができるのかもしれない。もしも、20代30代で家庭責任があったら、クビを覚悟で不起立を続けることができただろうか、と考えることがありました。だから、コリン選手の思いと行為に感動するのです。コリン選手の行為にチームが賛同したのが、また、いいですね。
新自由主義経済破たんの中で、その鬱屈から人種差別が激しさを増している今日、コリン選手が発した問題提起をアメリカに住む人たちにはしっかり受け止めてほしいです。また、私を含め、国旗国歌問題がある国に住む人たちは、コリン選手の問題提起から学びたいものです。
20016年9月7日
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そうしたところ、「9月15日に発行された米国の外交問題隔月刊誌『フォーリン・ポリシー』」に
アレックスの論説『「国歌斉唱拒否」のキャパニック選手は日本人でなくて幸運だった!』が掲載されました。これについては、レーバーネットの松原さんから以下のような報告が
すでにメールで流されています。
==========================================
国歌強制問題。
キャパニック選手と根津公子さんのケースを比較した記事です。
世界から日本の右傾化がよくみえてきます。
http://www.labornetjp.org/news/2016/0916us
↓以下のサイトから同記事を読むことができます。
https://www.yahoo.com/news/colin-kaepernick-lucky-not-japanese-191749765.html
ところで、このメールを読まれている方にお願いがあります。私も、原文を読み、この論説は現在の世界情勢、国内情勢からみて、国際的にも、国内的にも波紋を広げる内容であり、また、日本における「日の丸・君が代」強制反対闘争にとっても大きな支援になる論説だと思いました。しかし、私の英語力(日本語力も)では正確にかつ素早く訳すことは出来ません。どなたか訳して下さいませんか。
9月7日のメール「アベを倒そう!(155)<米アメフト選手の国歌斉唱拒否と根津公子さん>」で、 イギリス人のアレックス・マーシャルから、この問題で論説を書きたいということで、根津さんにコメントを求めるメールが届いたことを紹介しました。また、根津さんが返事を書くつもりだということもお伝えしました。
その後、根津さんは以下のような返事を書き、根津さんの教え子がすぐ翻訳してくれメールで送りました。(少し長いです)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アレックスへ
根津公子です。
ご著書で、日本の「君が代」問題について大きく取り上げてくださったこと、ありがとうございました。
強制の実態を国際社会に暴露してくださり、東京都教育委員会及び日本政府にはいい薬になりました。
さて、お訊ねのことにお答えします。
1. 最近の状況
「君が代」不起立処分取り消し訴訟において、2012年1月に出された最高裁判決は、「君が代」起立を求める職務命令は違憲とは言えない(憲法が定める「思想及び良心の自由の侵害」にはならない)
として1回目の不起立処分は取り消さなかったものの、2回目以上の不起立処分である減給・停職処分は処分が重すぎるとして私を除くすべての人々の減給・停職処分を取り消しました。
しかし、唯一、私が受けた2006年・停職3月処分は取り消しませんでした。なぜ、一人だけ、しかも最も重い停職3月処分を取り消さなかったのか。私は1994年の卒業式の朝、「日の丸」を降ろしたことで、
また、「日の丸・君が代」について書いた学級だよりが「不適切」だった、或いは「日の丸・君が代」に触れた授業内容が「不適切」だったということで過去に何度も処分を受けていました。その、「過去の処分歴」が停職3月処分を取り消さない理由とされたのです。同じ理由で、2013年に判決のあった2005年・減給6月処分も停職1月処分も、処分取り消しにはなりませんでした。私の受けた処分はすべて取り消されないと思わざるを得ませんでしたが、奇跡が起きました。
2007年に受けた停職6月処分ですが、2015年5月28日に高等裁判所は処分取り消しの判決を出し、そして、2016年5月31日、最高裁はこの高裁判決を全員一致で支持し、停職6月処分を取り消しました。
私はもちろん、誰もが、公子の処分取り消しはないと半ば諦めていましたが、稀にみる良心的な裁判官が担当してくれたおかげで、勝利しました。幸運、奇跡であり、歴史に残る判決だと強く思います。
高裁判決は、「停職6月の次は免職」という東京都の規則を考えれば、「自己の歴史観や世界観を含む思想等に、より忠実であろうとする教員にとっては、自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、(中略)日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる」と判じたのです。実にラッキーでした。
まだ、2008年停職6月処分、2009年停職6月処分の裁判が残っています。2007年停職6月処分が取り消されたからと言って、2008年、2009年処分が取り消されることにはなりませんから、
まだ裁判闘争は続きます。
2. コリン・キャパニック選手の国歌不起立不斉唱について
私はこのニュースを小さい新聞記事で知りました。
コリン選手の行為にチームが賛同しているとの記事でした。
コリン選手がなぜ、不起立不斉唱だったのかは書かれていなかったので
行為だけを知ったのですが、やはりアメリカにはこういう人がいるのだと思いました。
アメリカの学校では国旗を踏みつけた、胸に手を当てるのを拒否した等の行為が何件かあり、その処分は、憲法修正第1条を根拠に取り消されてきた歴史があるからです。でも、同時に、スポーツ界では選手を辞めさせられるのではないかと気になりました。 日本なら、即刻選手交代・追放とされると思うからです。
そして今回松原さんが見つけてくれたインターネット記事を読んで、コリン選手が「黒人や有色人種への差別がまかり通る国に敬意は払えない」「差別は私にとってフットボールより大事なこと。見て見ぬふりをするのは自分勝手だ」 と発言したことを知って、痛く感動しました。28歳という若さで、選手生命を覚悟しての行為ですから。
私が「君が代」不起立でクビを覚悟したのは50代半ばでしたが、その時、私はこの歳だから自分が正しいと思う通りの行為ができるのかもしれない。もしも、20代30代で家庭責任があったら、クビを覚悟で不起立を続けることができただろうか、と考えることがありました。だから、コリン選手の思いと行為に感動するのです。コリン選手の行為にチームが賛同したのが、また、いいですね。
新自由主義経済破たんの中で、その鬱屈から人種差別が激しさを増している今日、コリン選手が発した問題提起をアメリカに住む人たちにはしっかり受け止めてほしいです。また、私を含め、国旗国歌問題がある国に住む人たちは、コリン選手の問題提起から学びたいものです。
20016年9月7日
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そうしたところ、「9月15日に発行された米国の外交問題隔月刊誌『フォーリン・ポリシー』」に
アレックスの論説『「国歌斉唱拒否」のキャパニック選手は日本人でなくて幸運だった!』が掲載されました。これについては、レーバーネットの松原さんから以下のような報告が
すでにメールで流されています。
==========================================
国歌強制問題。
キャパニック選手と根津公子さんのケースを比較した記事です。
世界から日本の右傾化がよくみえてきます。
http://www.labornetjp.org/news/2016/0916us
↓以下のサイトから同記事を読むことができます。
https://www.yahoo.com/news/colin-kaepernick-lucky-not-japanese-191749765.html
ところで、このメールを読まれている方にお願いがあります。私も、原文を読み、この論説は現在の世界情勢、国内情勢からみて、国際的にも、国内的にも波紋を広げる内容であり、また、日本における「日の丸・君が代」強制反対闘争にとっても大きな支援になる論説だと思いました。しかし、私の英語力(日本語力も)では正確にかつ素早く訳すことは出来ません。どなたか訳して下さいませんか。