新たなに加わった4名の次に、ここからは昨年結成した7名のアピールを紹介します。最初に、昨年、職務中ではなかったにもかかわらず「職務命令」違反として「不起立」戒告処分を受け、そのうえ、再任用取り消し処分を受けた菅平和さんからのアピールです。
闘うことで多くのことを知る
元大阪府立堺工科高校教諭 菅 平和
昨年の卒業式、休日であったが、登校。校門前で「日の君」強制に反対するビラを配布。卒業式に参列し「君が代」斉唱時に不起立。結果、職務命令違反として戒告処分と合格していた再任用の取り消し処分を受ける。そして府教委に対し、「不服申し立て」を行いグループZAZAのメンバーとなる。
◆府教委の腐敗の深化
多くの人の働きかけにより「再任用教員採用審査会の議事録」や教育長通達に対する府教委が作成した「校長・准校長QA」が開示される。議事録によると私の再任用は「職務命令違反を繰り返した」を理由にして「再任用の更新をしない」としている。事実として、私は、「教育長通達」(仮にこれを職務命令として)以外に一度として職務命令を受けていない。おまけに開示された「QA」では「勤務日でない再任用教職員に対して、職務命令を発することはできない」と府教委自身が答えている。どう考えてみてもこの議事録の内容は事実と異なる。また、「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令には従います。」という職務命令遵守の意向も提出するが、この事実を議事録には記載していない。これらは、不起立者を職場から排除するためであれば、でっち上げでも何でも平然とやるという府教委の本音を明らかにした。デタラメな根拠や事実の隠蔽で「不起立教師」を排除するほどまでに府教委は腐敗している。こうした府教委の姿勢は戦前の教育行政を彷彿させるものであり、権力に逆らう者を徹底的に社会から排除する行為である。また、府教委の主張する「国を愛する心」を育てる教育が、考えない子ども=従順な子どもの育成へと進むことも教えている。
◆府教委が恐れていること
昨年春から非常勤講師での採用の話が4回ある。2回は現場からの声だけで校長が拒否。非常勤教師の任用拒否は現場の管理職にまで徹底。次は、校長面接を終え、健康診断書まで提出するが、戒告処分があることを理由に校長が不採用を通知。その次は、校長と現場が「非常勤教師の採用は人物本位で決めることであって、戒告処分は関係ない」と教育委員会に内申するが、教育委員会が「戒告処分」を理由に採用(任用)を拒否。再任用を拒否されても非常勤講師として任用された例はあるが、不起立した上で「不服申し立て」をしている人間には非常勤の道さえ閉ざし、徹底的に職場から排除してくる。府教委のこうした攻撃は、現場への見せしめであるが、府教委が本当に恐れているのは、不起立の広がりです。みんなで「立たない」「歌わない」を広げることが、中原府教委への反撃となる。
◆署名活動の協力から勇気を
昨年末より「職場の支援する会」が中心となり「菅先生の職場復帰」の請願署名に取り組む。職場や組合だけでなく、卒業生にも協力依頼する。全体で約2000筆集まり、60名に上る卒業生が協力してくれる。自分だけの署名は簡単だが、一人でも多くの人に署名をもらおうとするとどれほど大変なことなのかを教えられる。職場での署名活動ができず、地域の友人知人や隣人に署名依頼したとのこと。一人一人に署名の目的を説明する。それだけでも大変だったが、説明しても署名につながらず、一人の署名を集めるのに苦労した話なども聞く。また、大阪を離れて就職した卒業生の保護者も積極的に動いてくれる。一人で130筆を集めた強者もいたが、卒業生から頂いた600筆超の署名には、卒業生の汗と勇気が詰まっていることを知る。さらに応援の手紙やメールでの励まし受ける。「菅先生なら勝てます。絶対に!!」「職場復帰を願っています。」などのエールを受け感激。署名から闘うエネルギーと強い絆をいただく。
◆最後に、多くの人から「休みの日に登校して、何で不起立したん」と聞かれる。「間違っている教育を黙って見学しているほど寛大にはなれませんでした。」「今黙ることは戦争に子どもを送り出す道へと進むと思い不起立をしました。」と答える。
多くの仲間や支援者の協力に感謝。さらに、多くの仲間との出会いを楽しみに闘い続ける。