蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

終わってみれば他人事

2007-04-07 19:47:05 | Weblog
昨日に引き続きまして、蛇口屋の乗っていた車の後輪が外れた話の後日談ですが、その後の調査にて判った事ですが、タイヤが外れたのではなくて、シャフトからバッキリと折れていたそうです。

車を引き取りに行ったメーカーさんの話によると、「良く運転手は無事でしたね」とのことでした。

写真を見たら、本当に、大惨事です。タイヤは後輪一つ無くて、運転席側のタイヤも明後日の方向を向いていて、シャフトは完全に車から浮いていました。
ちなみに道は片側一車線の道路で、川に向かってゆく上がり坂で、下の田園とは2メートルほどの土盛りになっている場所です。
交通死亡事故の多い箇所でもあります。

ハンドル操作でどうにか出来るレベルじゃあない、って感心してくれました。

多分、蛇口屋以外の人間が運転していたら間違いなく事故に至っていたと言う、会社ではそう言う結論に達したみたいです。

まあ、蛇口屋も、昔、JAC(ジャパンアクションクラブ)でスピンターンとバックスピンターンの練習をやっていた事が良かったんでしょう。
言ってみれば、スーパーストロングテクニシャンって所ですね。
カースタントもこなせる設備屋さんってことですね。

会社じゃ、もう大絶賛でしたね。
蛇口屋は運転が上手いとか、素晴らしい判断力だとか、いやあ、良かった良かったって…、あんたら、みんな他人事だもんなあ、無事で済んで他人事の様に言っている会社の人間を見ては嫌気がさしている蛇口屋ですよ。
あんたら、笑えるかもしれないけど、こっちは真面目に命がけだったんだぞ!

そりゃあ、整備不良でとっくの昔に寿命を迎えている車なんですもの、人が無事で何よりですよね。経営者的にはね。社長。

今回のことだって、実際は運が良かっただけなんですよね。外れたシャフトにブレーキオイルが絡んで、上手い具合に渇いたアスファルトの上を滑って行ってくれただけなんです。
お陰で、車体が傾いても、バランス良く滑って行ってくれました。

もう後少し早くシャフトが折れていれば、カーブだったし、遅ければもうあと少しで、交量の多い国道の交差点だったんです。

この運の良さが無ければ、今頃、このブログだって一昨日で停まって、女房が悲しい事実を綴っていたかもしれません。

待遇がどうだとか、給料が上がらないとか、そう言う問題じゃあなくて、生存に関わる問題ですよ。

この会社にいたら、命がいくつあっても足りやしません。

たった一つの命を守る為に、蛇口屋、転職します。

もう嫌だ、こんな発展途上国どころか未開な土地にあるような会社!






死ぬかと思った…

2007-04-07 01:05:46 | Weblog
実は帰ってきたのは少し前、日付が変わるちょっと前でした。

今日は、蛇口屋の運勢、蠍座絶好調な日らしく、仕事も順調に滞り、思わず残業。現場を出たのは夜の9時を回った頃でした。

今日の仕事は、カーポートとガレージ。

一日で、両方を完成させなければなりませんので、ほとんどの社員を総動員して行われました。

なんか、今日、入学式な日ですよね、世間一般に。
そんな日に、一家団欒の夜にまで騒音を立てて、近所に悪いなあ~、なんて思いながら工事は進んで行って順調に終わりました。

さて、帰る段取りで、蛇口屋は、珍しく自分専用以外の車に乗って帰ることになりました。助手席には、今日からうちで働き出したおじさんが乗っています。
千歳から江別まで、コースは農道を選びました。

そして、車を走り出すこと、30分。

走行中の蛇口屋の運転する軽トラックに、いきなり車体に大きな振動。
そして、右に左に車体が大きく傾き出しました。

バックミラーには、車体の後から火花が散っているのが映っています。

既にブレーキは効いていません。

隣で、パニクるおじさんに蛇口屋は「大丈夫だから、あわてないで」と諭すように言います。でも心の中では、「本当にヤバイ」と覚悟を決めました

少なくとも、この隣に乗っているおじさんも、入社初日で殉職ってのも嫌だし。この一瞬で、色々な出来事が浮かんでは消え、消えては浮かび、最悪な状況も浮かびました。

ここへ来て、ようやく軽トラックの後輪の一本が外れていることに気がつきました。

北広島の農道の闇の中に、吸い込まれる様に綺麗に火花が舞っていました。
そして、車体も傾きつつも、安定を取り戻して何とか停まってくれました。

本当にびっくりしました。

全てが終わって、初めて、身震いするほどの恐怖に包み込まれていた蛇口屋でした。