蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

引きこもる土地柄

2006-05-07 22:50:45 | Weblog





ちょっと前に、マンション設備の会社にいた頃のお客さんに再会しました。若くてはつらつとして奥さんです。

「えー、会社変わっちゃったの?」

とコロコロと笑っていましたが、もう6年以上の前の話で、久しぶりに見るそのお客さん、もうすっかり北海道の生活になじんでいたようでした。

当時蛇口屋の勤めていた会社は、マンションの新築や、改修工事を行う会社で、マンションの修繕以外にも、設備の維持運営を行っていて、その中に、お客さんへの対応も含まれていた様で、この奥さんはその時のお客さんでした。

賃貸の大型マンションに越してこられた奥さんは、当時、さんざん悩んで、行き詰まって、電話をかけて来ました。

内容は「洗濯機を設置出来ない」という内容で、最近全ての棟の配管替えを実施して、本給水設備も、高架水槽形式から、給水加圧ポンプに替えて、他の住人の方々からはすこぶる評判の良いマンションで、一体何が問題になっているのだろうと頭をかしげながら管理人に呼ばれた蛇口屋は、現場に急行すると、その奥さんは、本当に困った顔をして蛇口屋を、ベランダに呼んで、「洗濯機用の蛇口が無いんです」と真摯に訴えかけて来ました。

そこで、蛇口屋は「あー、なるほど」と思って、訪ねました。

「奥さん、本州方面から引っ越してきたでしょ?」
と訪ねると、四国の方から引っ越してこられたとのこと、

お客さんの居室のユーティリティーに案内して、壁から出ているお湯と水の蛇口を見せて、
「これが洗濯機の蛇口ですよ」
と説明すると、本当に驚いていました。

そうなんですよ、寒冷地である北海道は、洗濯機を住宅内へ設置するんです。

給湯器もですね。

水の配管も、家の外壁を這うような事はありません。大抵は保温防露処置をした上で、壁内部に入ります。

凍ってしまいますから、雪が積もってしまいますから、全ては器具を守る為です。

だいたい、寒冷地でない方は、洗濯と言えば、縁側横に出してある洗濯機や、ベランダの洗濯機を、給湯器と言えば、浴室の窓下に設置された屋外用の物を思い浮かべるんではないんですかね。

北海道みたいな寒冷地は、みんな家の中に入れてしまうんですよ。

これは蛇口屋の勝手な思いこみですが、犬も家の中が多いようです。

ゴールデンやらの大型犬も、室内で飼ってますね。シベリアンハスキーなんて種類も、家の外に出されているのは少ないですね。

全てを住宅内で済まそうとする。
在る意味、地方的には引きこもりやすい土地柄な訳です。

北海道で暮らして、もう6年以上経つ奥さんに「だいぶなれましたか?」訪ねると、現在、ご主人とともに、趣味に『雪掻き』が加わったそうです。

「次の転勤は、多分、九州方面か沖縄みたいなんだけど、除雪道具は持って行くの、だって飾っておきたいぐらい、綺麗じゃない、除雪道具って」

非常に、快活なご意見でした。
確かにここ数年の物は、形といい色といい、見栄えの良い物ばかりですらね。
お気に入りは「鯨のしっぽ」という除雪器具だそうです。

こういう、アグレッシブな方々の転勤が、日本中をかき混ぜてくれるんでしょうね。




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