会社のエレベーターの中にヘッドフォンの音漏れ君がいた。狭い密室の中、かなり気になる。音の主の顔は見覚えがある。たぶん「e-ビジネス部(この名称もいいかげんなんとかならんか)」の若手社員。私が4階で降りるとき、肩を軽く叩いて「音、かなり漏れてるよ」と教えてあげた。
10人くらい乗り合わせていた中に同じ部の奴がいて見られていたようで、直後に「なべさんってああいうこと直接言えるんだー」と言われた。どういう意味だ。
でも、今頃彼の周辺で、俺のこと自体が話題にされてるかもな。
「きょうさおれさエレベータんなかでいきなりしらねえおやじにちゅういされちったよ」
「えーなにそれしらないひとなんでしょきもいー」
あ、これ書いてて、昔Niftyの某フォーラムでこういう空想の会話を延々と書き続けるという芸をやっていたことを思い出したぞ。けっこう面白いこと書いたのにな。logがなくて残念だ。もしくは幸いだ。
5階の給湯室の冷蔵庫に貼ってあったプリント。何か個人所有の食べるもの(なんなんだろうか)を冷蔵庫にしまっておいたら、他の誰かに4回も食べられてしまったと憤慨しているようだ。同じ紙が2台の冷蔵庫に合計4枚も貼ってあったから、相当頭に来たんだろうな。でも誰かがこっそり盗み食いしてる風景を想像すると「サザエさん」のヒトコマみたいでほほえましい感じもある。プリンとかだとかわいいね。
盗みといえば、例のスラムダンクの絵を盗用したマンガ家の話。これもどうにもせつないねえ。私としてはこれだけ恥ずかしいことが白日に晒されて、いたたまれない思いをしているわけだから、処罰としてはそれで充分という気がする。連載中止とか発売中のコミックスを絶版にするという講談社の対応はどう見ても異常。盗むほうも盗まれる方も同じ講談社なんだし、だいたいプロの編集者がスラムダンクを読んでなくて、自分の担当漫画化がそういう行為をしてると気付かないってこともおかしいんじゃないかな。
しかし、この漫画家、掲示板でひとりのファンになりすまして自らを擁護するコメントを書いた。IPがその前の本人の書き込みと一致して自作自演がばれている。これは恥ずかしい。まあ、その程度の知能の人間なのだ。こんな人によってたかって目くじらたてるのはやめようよ。
ある程度長いことマンガを読んでいれば、構図や表現手段のパクリなんていくつでも目にする。そりゃあ褒められたことではないけど、漫画家はみんな何かの真似をして成長して行くもんだ。世の中は手塚治虫や大友克洋ばかりではないのだ。多少は目こぼししてやれ。
一番気の毒なのは、このマンガの連載を楽しみにしていた純粋なファンだろう。けっこう人気あったみたいなのに、突然打ち切り。あああ、あの秘密はいったいなんだったんだろう~とか、一生答えがないのだ。