Snapeの英語指南

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戦争中の“米国式地震”予告ビラ

2013-02-28 09:40:08 | 歴史・考古学
戦争中の“米国式地震”予告ビラ
 
日本人に読ませるための宣伝ビラの制作には多くの日系人が関わっていた。彼らは日本にとって勝ち目のない無益な戦争を早く終わらせようと心底善意から対日心理作戦に協力した。

典拠「宣伝謀略ビラで読む、日中・太平洋戦争」P187 一ノ瀬俊也著 柏書房株式会社 2008年
 

「“米国式地震”を注目せよ!」 という文面
 
 
(裏表両面印刷のビラ)

 逐文解説
1. 「一九二三年諸君の国に大損害を及ぼした彼の大地震を記憶しているか」 
もちろん当時から20年か21年前に起きた関東大震災のことである。
 
2. 「米国はこれに千倍する損害を生ぜしめる地震をつくりうる」
技術的方法をすでに確立していることを豪語するだけの裏付けはあった。
 
3. 「かくの如き地震は2トン半ないし4トンの包みにして持って来られる」
地震を誘発する起爆剤としての何らかの爆薬と考えられる。ちなみに広島・長崎に投下した原爆の重量は4.5トン前後である。「持って来られる」場所であるが、当時の米国は日本のアキレス腱とも言うべき南海トラフの存在を知り尽くしていた。
 
4. 「これらの包みはいずれも数年間をかけた苦心惨憺のたまものを2,3秒間内に破壊しうるのである」
破壊力についてはすでに実験済みであるかのようである。実際その状況証拠はある。
 
5. 「米国式地震を注目して、この威力が放たれた際に大地の震動を感知せよ」
「米国式地震」ということは、アメリカが引き起こす“人工地震”ということである。
 
6. 「諸君の家屋は崩壊し、工場は消失し、諸君の家族は死滅するのである」
特に「工場は消失し・・・」を見過ごしてはならない。東南海地震では航空機の製造工場が集中していた中京工業地帯が壊滅し、中でも最大の犠牲者を出したのは中島飛行機半田製作所だった。
 
7. 「米国式地震を注目せよ - 諸君はそれが発生するときを知るであろう」
あいにくこのビラが投下された日付は不明であるが、少なくとも東南海地震以前であろうと推測される。
 
 

1940年代に米国中央情報局(CIA)の前身である戦略事務局OSS (Office of Strategic Services)によって起草された機密文書「OSS日本本土に対する地震心理戦計画」から引用する。上の“米国式地震”予告ビラと照らし合わせてお読みいただきたい。

「日本国民の間に社会的なヒステリー状態とパニック状態をもたらすことにおいて、二つの顕著な要因が歴史的に大きな役割を演じてきた。それは火事と地震である。・・・・・・ 火事という要因はわれわれの焼夷弾による広範囲の爆撃によって供給されつつある。さてここに、われわれが利用すべきもう一つの別の要因が残っている。それは地震という要因である。・・・・・・ 地震学者達は日本が「地質学的な地雷」であると明かしている。地質図と地震変動の記録は、日本直下の地中が不安定な状態であることを証拠立てている。・・・・・・ 科学者達はさらに、強化された爆発によってこの地震の潜在エネルギーを誘発することが現実的に可能であることを明らかにしている。一流の大学や研究機関の物理学試験所で実施されたテストを通して、「通常の自然のトリガーの力」と「人間に引き起こせるトリガーの力」との類似性が実証されている。これらの科学者たちは、この地質学的地雷の上に置かれる、その内部を効果的に起爆すべき様々なサイズの爆薬の効力を示す一覧表を作成している。」

 
 
この“米国式地震”の予告ビラは、戦時下の日本国民に動揺を与える心理作戦のための“実体のないただの脅し”だったのか、それとも当時の米国の技術的能力も戦略的意図も前提とした“本当の予告”だったのか。“はったり”だけで何も起きなかったのか、それとも予告されたことが実際に起きたのか?
 
 
 敗戦前後の4大地震

4年連続、毎年、M8近くの地震が日本の中部を襲った。

_____昭和___西暦____名称___震源____M_死者・行方不明

1回目_昭和18年_1943.09.10__鳥取地震__野坂川___7.2__1,083人
2回目_昭和19年_1944.12.07 *_東南海地震_熊野灘___7.9__1,223人
3回目_昭和20年_1945.01.13__三河地震__三河湾___6.8__2,306人
4回目_昭和21年_1946.12.21__南海地震__紀伊半島沖_8.0__1,330人

_______________3年3カ月の期間_______合計5,942人

1944.12.07 * : この日は、日本側の資料では、「翌8日が真珠湾攻撃3周年(大詔奉戴日)」とされているが、アメリカ時間では、“12月7日”がまさに真珠湾攻撃を受けた日付である。アメリカでは、この“リメンバー・パールハーバーの日”に大地震が日本を襲い、航空機の製造工場が集中していた中京工業地帯が壊滅的被害を被ったことが新聞で大きく報じられ、アメリカ国民は歓喜に沸いた。
 
これらの地震が“米国式地震”であった可能性は果たして皆無であろうか。
 
 
ちなみに当時米軍は日本の都市に対する空襲にも事前に小まめに空襲予告ビラを投下散布し、ほぼその通り空襲している。そうしたビラは敵国の謀略だとされ、拾ったり持っていたりすれば憲兵に捕まったが、当時の人々はそれらの内容が日本政府の発表よりも正確であることを知っていた。以下のビラも参考にされたい。
 
伝単(ビラ)を積み込む米空軍兵士
 
 
(裏表両面印刷のビラ)
 
 
 
 
<関連記事>

米軍の投下ビラ 「地震の次は何をお見舞いしましょうか」

2013-02-27 08:59:04 | 歴史・考古学

1944年 「地震の次は何をお見舞いしましょうか」

番組名: NHK[証言記録 市民たちの戦争]封印された大震災 ~愛知・半田~  放送日: 2011-08-10

 
番組内容:
愛知県半田市には、日本最大の軍用機メーカーだった中島飛行機の工場・半田製作所があった。総面積270万平方メートル。従業員2万9千人。部品工場から滑走路まで完備した施設では、攻撃機「天山」や偵察機「彩雲」が一貫生産によって、1400機が製造されていた。

日本の戦況が悪化し、熟練工が戦地に次々と送られると、航空機増産の使命は「学徒勤労令」によって10代の少年・少女たちに課されることになった。
さらに「過酷な運命」が工場で働く学徒たちを襲った。
昭和19年(1944)12月7日。午後1時36分、マグニチュード7.9の東南海地震が発生。死者・行方不明者、1223人にのぼったこの震災で最大の犠牲者を出したのは中島飛行機半田製作所だった。工場の倒壊による死者は、学徒96人を含む153人にのぼった。

国は軍需工場の被害がアメリカに知られることを恐れ、情報操作を行った。新聞は地震発生の事実を伝えるのみで具体的な被害には一切触れず、被災地では学徒たちに対して厳しい箝口令がしかれた。

東南海地震がもたらした悲劇が明らかになったのは、戦後十数年を経た後のことだった。
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ナレーション:
「東海地方に壊滅的な被害をもたらした大震災。しかし、国民にその実態が伝えられることはありませんでした。
発生の翌日、12月8日の新聞です。この日は真珠湾攻撃から3年の記念日。1面を大きく飾ったのは昭和天皇の写真でした。


地震については、発生の事実を伝えるのみ。具体的な被害にはいっさい触れていません。
新聞が沈黙を守るいっぽう、被災地では学徒たちに対して厳しい箝口令がしかれていました」

 
土屋嘉男氏: 「絶対これはね、ひとに言っちゃいけないって言うの、地震のこと。」「ほいで、秘密に、だから、うちにハガキ出すんでも、地震がありましたなんて書いちゃいけないって。検閲だから、全部手紙は・・・」

インタビュアー: 「それは軍からですか?」

土屋嘉男氏: 「うん、だから当時ね、どーいう地震なのか、震源地はどこなのか、何にもわかんない。ずーと、わかんなかった」


ナレーション:
「しかし、こうした日本の隠ぺい工作はムダに終わりました。震災から3日目の12月10日、アメリカ軍が撮影した偵察写真です。そこには地震の被害が克明に写し出されていました。アメリカは震災の実態を正確につかんでいたのです」

 

 「数日経ってB29が来て、ピラピラピラー っと・・・」

 「・・・見たら、ビラ!」

「拾ってみたら、これがまたショックだったんだ!」
 

「毛筆で、筆で『地震の次は、何をお見舞いしましょうか』 って書いてあったんだ!」 


インタビュアー: 「・・・あ、それじゃ、アメリカは知っていた・・・?」

土屋嘉男氏: 「知っていた!」   (どころではなかったのだ)

 

土屋嘉男(つちや よしお):1927年5月18日生まれ/俳優/主な作品:
『七人の侍』 『地球防衛軍』 『ガス人間第一号』 『怪獣大戦争』 『薔薇の葬列』(ウィキペディアより)

 

この貴重な番組は、以下のNHKのサイトですべて見ることができる。この番組の放映はNHKの数年に一回の快挙である。

http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/bangumi/movie.cgi?das_id=D0001220050_00000

NHK[証言記録 市民たちの戦争]封印された大震災 ~愛知・半田~

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大災害の到来を知っている人間が常にいる

2013-02-20 16:24:46 | 歴史・考古学

天災であれ、人災であれ、大災害の到来を事前に知っている人間が常にいる

 Every disaster is known to happen to some people beforehand, whether it is natural or man-made.

 

タイタニック号沈没: 事前に乗船をキャンセルした客が大富豪を含め多くいた

広島原爆投下: 当日広島の陸軍部隊の上級将校はすべて広島から消えていた

9.11事件: 事前に当該の航空会社の株が空売りされていた、搭乗のキャンセルが多かった

3.11東日本大震災: 数日前から東北の建築関連株が異常に買われていた

ボストンマラソンテロ事件: 爆弾探知犬がスタートとゴールの地点に動員されていた

 

上に挙げたうちの、“3.11東日本大震災”に関しては当時の記録がネット上で見つけることができる。2011年のうちに指摘されていた事実である。これにはわたしは最初半信半疑であった。株価のチャートを見ても、本当かなと疑っていた。2012年のある日、地元の野村証券の支店に用があって行った。40代の非常に有能な担当者であったので、3.11の事前に建築株が多く買われていたという情報があるが本当かどうか訊いてみた。すると、「そんな話は聞いたことがない」という返事であった。ふつうは地震などが起きた直後から売れ出すはずだと言う。やっぱり、と思い、ちょっと気恥ずかしかった。しかし、念のため異常な買いがあった複数の会社のうちの代表格の“東日本ハウス”の2011年の3.11前後の株価チャートをパソコンで出してくれるように頼んだ。

彼は手なれた様子でカチャカチャとキーボードを叩き、“東日本ハウス”のチャートをモニターに出した。

「うーん、そうですねえ、確かに3.11の数日前からかなり買いが入っていますね。3.11の直後にももちろんたくさん入っていますが・・・」

「やはり、事前に買われていますか?」

「・・・ ま、どんな株も常に売り買いはありますが・・・、確かに多いですね」

「ふつうに考えると、やはり3.11に地震が来ることを知っていた人間がいたということでしょうかね」

「なんとも言えませんが、しかし、どういうことですかねえ・・・」

「こういった例は今までにご経験はありますか?」

「いや、ないですね、こういう例は初めて見ましたね。しかし、これは・・・」 と言いながらモニター上のグラフを見ながら、しきりにまたカチャカチャ叩いている。表示を長期間にして株価の変動の流れを見ているのだ。しかし、いくら長期間にしても、3.11の前後ほどのピークは出てこない。岩手県盛岡市の中堅住宅会社の東日本ハウスの株が上昇し始めたのは2011年2月中旬頃からであるが、地震直前の3月8日頃からさらに急騰しているのだ。

株式の現場の専門家も、自分の知らなかった事実に驚いて言葉を失っている。

「9.11のときも事故機の航空会社の株が事前に大量に空売りされていたそうですね」

「え、そうですか?・・・ それは知りませんでしたが・・・」と言いながら、まだカチャカチャ叩いている。なんとか説明できるような手掛かりはないかと必死のようである。

株式マンは“常識的な考え方”の持ち主が多いのかもしれない。“トンデモ的な話”は敬遠するタイプなのであろう。しかし、自分が毎日仕事で使うモニターに写っている“東日本ハウス”の株式チャートの異常な動きを前に彼は常識的な説明ができずにいるのだ。

わたしの勤務先は横浜にある。駅から歩いてその職場にいく途中に大きなビルがいくつかあるが、その中のひとつの1階の大きなウィンドウに2012年の夏のある日忽然と“東日本ハウス”のロゴがでかでかと出ていて驚いた。かなりのテナント料のはずである。2011年3.11後、岩手県盛岡市の一中堅住宅会社に過ぎなかった“東日本ハウス”はめざましい大躍進を遂げているように思えた。

東日本ハウスは3.11事前急騰では特に有名である。しかし、さらに調べてみると、個々には見たのでは目立たないのであるが、大手ゼネコンの株の買われ方にも同様の傾向が見て取れることが指摘されている。その指摘によると、2011年3月の3日、4日、7日に佐田建設、東洋建設、世紀東急工業、熊谷組、三井住友建設、大末建設、技研興業、東海リース、などの大手ゼネコン関連の銘柄がそろってじわじわと買われているのである。これらの銘柄は、地震が起きた後に需要が急増し、3.11の地震後には大きく値上がりが約束されたも同然の建設や災害復興株ばかりである。

「表は、2月14日から地震があった3月11日、さらに今週までのゼネコン関連株の1日ごとの売買出来高を時系列で示したものだ。特に3・4日から7日あたりに注目。」http://nekotomo.at.webry.info/201103/article_7.html

 


「ゼロ・ダーク・サーティ」 のウソ

2013-02-12 01:04:36 | 映画・テレビの英語

「ゼロ・ダーク・サーティ」 はCIAのプロパガンダ

 

以下は、元米国国務次官補代理ピーチェニック氏のインタビューの抜粋である。ピーチェニック博士は、米国国務省で5人の大統領の元で仕事をしてきた、キッシンジャーと並ぶエリート官僚であり、米国政府の裏の裏を知り抜いた人物である。トム・クランシーの小説に出てくるジャック・ライアン、また1992年の映画「パトリオット・ゲーム」でハリソン・フォードが演じた主人公のモデルにもなった人物でもある。なお、同氏は精神分析医、神経学者、作家でもある。

 

アメリカという国は欺瞞に満ちているが、一部に真実を語る人間もいる。こういう人間の言葉にもいちおう耳を傾けておく必要がある。

                        = = = = =  = = = = =  = = = = =  = = = = =  = = = = =

 

ファンタジーの世界では虚構が当たり前である。だからハリウッドには虚構を売る権利があるし、「ゼロ・ダーク・サーティ」の監督キャスリン・ビグローにもその権利があるし、ハリウッドを動かす演出や技術の専門家たちにも事実であれ虚構であれ、好きなように事実や小説を歪曲したりでっち上げたりする権利がある。しかし、今回のこの「ゼロ・ダーク・サーティ」は、“実話をうたった悪質な(on steroids)でっちあげ”である。

 

“In the world of fantasy, fiction does prevail. So the right of Hollywood, and the right of Kathryn Bigelow and the Academy of Arts and Sciences, which dominates Hollywood, has the right to distort or to fantasize any point of fact or fiction. But this is fiction on steroids, this movie in particular (Zero Dark Thirty).

 

わたしの論拠はこうである。まず、この映画はビン・ラディンが米軍のシールズ部隊によって殺害されたという2011年のウソの上塗りであるということだ。あの時にオバマ大統領はビン・ラディン殺害という大芝居をプロデュースしたが、それは大統領に再選されるためにどうしても必要だったからだ。オバマ大統領自身、それがウソであることは承知だったし、このわたしもウソであることはわかっていたし、わたしが長年いっしょに仕事をしてきたCIAの職員は誰でもウソだとわかっていたし、米軍の諜報部も、政府の諜報関係の世界でもみんな「ビン・ラディン殺害」がウソであると知っていたのだ。そして、今ではほとんど世界中が、あれが真っ赤なウソ (an absolute lie) であることを知っている。

 

なぜ“ウソ”であると言えるのか。そもそもビン・ラディンは2011年以前にすでに死んでいたのである。これはわたしの作った話ではない。ビン・ラディンについての基本的な情報として彼がマルファン症候群(Marfan syndrome)という病気であったことをわたしは当時国務次官補代理として知っているからである。このマルファン症候群という病気は何も医者であるわたしがでっちあげたものではない。ちなみにわたしは有資格の精神分析医(psychiatrist) であり神経学者(neurologist)でもある。このマルファン症候群という病気は遺伝病で、ビン・ラディンは生まれつきこの病気だった。国務省勤務していたわたしはアフガニスタンの紛争の際に彼の活動について知る立場にあった。そして彼の病歴記録から彼がこのマルファン症候群であることを当時すでに知っていた。この病気では身体の結合組織が徐々に分解していくために寿命が非常に短くなる。この短命(short lifespan)の病気は、変性遺伝子疾患であって治療法がなく、寿命を延ばすこともできない運命的な病気である。

 

実はクリントン政権時代の2001年の7月に国家安全保障担当大統領補佐官とCIA医療部門の医師が中東のドバイにある米国の陸軍病院に派遣された。何のためか。瀕死状態(dying)にあったオサマ・ビン・ラディンの治療のためである。このことは記録があるのでだれでも確認できる。2001年7月ということは9.11事件の起きる2カ月ほど前のことである。9.11事件の真実についてはここでは深く立ち入らないが、わたしはあのとき翌日のインタビューで「これはでっち上げだ」と言っている。「ブッシュ、チェイニー、ネオコン連中の仕組んだ“被害演出”(false flag)の陰謀である」とわたしはあのときにはっきり言っている。そして対テロ戦争としてイラク戦争が始まったわけだが、この戦争はオサマ・ビン・ラディンの殺害によってしか終結しないものであった。ブッシュ政権からオバマ政権に代わり、そして2011年の5月にオバマ大統領はビン・ラディンがパキスタンで米軍のシールズ部隊によって殺害されたと全世界に向けて公表した。このときもわたしは意見を求められた際に「ありえない話で馬鹿げている(absurd)」と言った。米海軍特殊部隊(シールズ)の精鋭部隊チーム6が、すでに死んで存在していない人間をどうやって殺害できるのだ。遺体安置所を襲撃したと言うのか。ビン・ラディンを追い詰めて彼の頭を撃ち抜いたというお話には開いた口がふさがらない。そして話はさらに発展して遺体を海に投棄したという笑い話のようなオチ(joke)までついている。そして米国政府は投棄に先だってビン・ラディンのDNAを採取したなどとほざいている。そんなものを誰が信じると言うのか。

 

今回の「ゼロ・ダーク・サーティ」という映画でいちばん馬鹿を見る(sucker)のは監督のキャスリン・ビグローである。なぜならば、この作品によって彼女に対する信頼性(credibility)が大きく損なわれるからである。これは彼女の「ハートロッカー」などの今までの作品を賛美し彼女に対して敬意を払っていたわたしにとっても残念なことである。CIAと米軍諜報部には特別な或る部署があり、その部署の仕事の対象はハリウッド映画であり、それらを米国政府のプロパガンダに利用することである。そしてそれらは我々米国民の税金でなされているのである。そういったCIAなどの息のかかった映画を米国民や世界中の人々が知らず知らずに受け入れているのである。この点はよく心しておかなければならない。そうした映画の最近のものではベン・アフレックが監督をした「アルゴ」がある。これはCIAがベン・アフレックにもちかけた構想である。同様に「ゼロ・ダーク・サーティ」はCIAと国防省がキャスリン・ビグローにオファーした構想である。

 

すでに述べたようにビン・ラディンはすでに何年も前に死んでいたわけで、シールズが殺害しようにもそこには存在しなかった。そもそも第三者が検証できるようなビン・ラディン殺害の証拠は何一つないのである。遺体もないし、米政府は遺体の写真すら出せないのである。にもかかわらず、ハリウッドはこのシールズによる実体の無いやらせドラマを今度は事実であったかのような作品として創り上げることができるのだ。ハリウッドに“不可能”はない。キャスリン・ビグローはCIAから持ちかけられただけではない。彼女にはすでにCIAの秘密要員(double)としての顔があり、お国のためと思って活動しているのである。彼女が共和党支持か民主党支持かはもはや問題ではないのだ。

 

このようにCIAはハリウッドに奥深く入り込み、その人脈も自在に操ることができる。テレビドラマも同様にCIAの洗礼を受けることになる。そうしたドラマに出てくるテロリストやアルカイダのイメージはCIAの指示に従って創られている。もちろんストーリー制作のプロセスにも関与している。国防省、陸軍、CIAなどがこぞってハリウッドを活用し、ハリウッド関係者に協力を求めているのである。その時々の政府の国策や計画に応じてきめ細かく世論形成と大衆的思考操作がなされる。イラク戦争突入の際も、アフガニスタン派兵の際もそうであったし、現在ではイランやシリアのアサド政権に対する大衆の反感を醸成するためにやっきになっている。

 

ハリウッドは今でこそCIAや軍部の言いなりになって政府のプロパガンダの道具になり下がっているが、60年前はそういった権力の介入をはねつける心ある人々が多くいた自由の砦であった。中でも“ハリウッド・テン”と呼ばれる10人の映画人はマッカーシズムによる赤狩り旋風が吹き荒れるなか、信念を貫いて権力と闘った。彼らは“共産主義者”というレッテルを貼られ、ほとんど魔女裁判とも言えるようなかたちで弾圧されたが、屈服しなかった。今日のキャスリン・ビグローやスピルバーグやキャサリン・ケネディなどと違って、当時の映画人、中でも「真昼の決闘」(High Noon)の脚本のカール・フォアマンの場合、そのストーリーでは悪漢を恐れて協力を拒む友人や町民に見捨てられながらも一人逃げずにとどまって闘う保安官の姿を描いたが、それはまさに当時のハリウッドにおける状況そのままであった。その名作「波止場」(A view from the Bridge)で有名なエリア・カザンの場合、ちょっと話は複雑で彼自身は元共産主義者で過去の同志の名前を売った密告者(squealer)であった。わたし自身は共産主義(communism)を是認しないが、密告も是認しない。わたしが共産主義と闘ってきたことは皆さんもご承知のとおりである。さて、映画「橋からの眺め」の中で原作者のアーサー・ミラーはこうしたカザンのような“密告”を告発し、異なる文化や異なる主義に対するハリウッドにおける排他主義的傾向を批判した。このようにハリウッドは自由な表現をめぐって常に闘いがあった場所であった。自由な表現を脅かすもの、権力の手先になるような働きかけ、プロパガンダの道具になるような誘い、こういったものと闘う人々がいる場所であった。今日のハリウッドは、CIAの道具であり、米軍の道具、産業と軍部の牛耳る米国政府の道具になり果てている。その目的はわれわれを楽しませ(amuse)ながら米国政府のプロパガンダを広めて洗脳することにある。

 

さて、今回のキャスリン・ビグロー監督の「ゼロ・ダーク・サーティ」をあなたが観に行くのなら、それはそれで結構。それはあなたの選択である。(That's your choice.)わたし自身はこの映画を観ることを拒否する(reject)。アメリカ国民の皆さんにお願いする。どうかCIAによるハリウッド操作に皆さんの税金が使われていることを考えて頂きたい。税金にはもっと重要な使い道があるはずではないだろうか。プロパガンダはFOXニュースのようなメディアだけでも十分すぎるくらいである。

 出典: Title - Hollywood Films Secretly Dictated By The CIA. YouTube Video

 

 

真実は、受け入れられる者にはすがすがしい。しかし、受け入れられない者には不快である。 

  


オサマ・ビン・エルビス?   Osama bin Elvis

2013-02-10 13:23:32 | 映画・テレビの英語

写真は「アメリカン・スペクテイター誌」2009年3月号の表紙

 Osama bin Elvis

  By Angelo M. Codevilla from the March 2009 issue

 

掲載記事「オサマ・ビン・エルビス」のタイトル挿絵

 

「オサマ・ビン・エルビス」

「オサマビン・エルビス」と題するこの論文で、筆者であるアンジェロ・コデヴィラ教授は2009年当時において、「あらゆる証拠からして、現在(2009年)、ビン・ラディンが生存しているというのは現在エルビスが生きているというのと同じくらい馬鹿げている」と結論付けている。オバマ大統領が2011年に米軍シールズ部隊によるビン・ラディン“殺害”という“茶番劇”を“全世界同時公開”する2年前である。

出典:http://spectator.org/archives/2009/03/13/osama-bin-elvis

 

なお、アンジェロ・コデヴィラ教授はアメリカ海軍将校を経て長年外国諜報将校を務め、現在はボストン大学教授として同大学で国際関係論を教えている。ピチェニック氏と同様アメリカ政府の元インサイダーである。長年にわたって国際的な諜報の現場で仕事をしてきた人間の言葉である。実は「ビン・ラディン病死」はアメリカだけでなく、世界の主だった諜報機関でも公然の事実になっていた(手品師はたがいに同業者のトリックをばらしはしない)。つまり、コデヴィラ教授一人の“大胆な説”というわけではなかったが、それを公表した功績は大きい。アメリカ政府は「病死」の事実をひた隠しにして一生懸命捜しているフリをしていた。ビン・ラディンの捜索はアフガン派兵の大きな建前の1つでもあったからだ。

 

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All the evidence suggests Elvis Presley is more alive today than Osama bin Laden. But tell that to the CIA and all the other misconceptualizers of the War on Terror.

オサマ・ビン・ラディンが生きている可能性があると言うならエルビス・プレスリーの生きている可能性のほうがもっと大きい、ということをあらゆる証拠が指し示している。

     <この比較級表現は、日本人にわかりやすく以下のように訳すことが許されるだろう>

=あらゆる証拠によれば、オサマ・ビン・ラディンが現在(2009年)生きていると主張するのはエルビス・プレスリーが生きていると主張するのと同じくらい馬鹿げている。

このことをCIAと“テロに対する戦争”というウソを垂れ流す他の連中に言ってやる必要がある。

 

Seven years after Osama bin Laden’s last verifiable appearance among the living, there is more evidence for Elvis’s presence among us than for his. Hence there is reason to ask whether the paradigm of Osama bin Laden as terrorism’s deus ex machina and of al Qaeda as the prototype of terrorism may be an artifact of our Best and Brightest’s imagination, and whether investment in this paradigm has kept our national security establishment from thinking seriously about our troubles’ sources.

 オサマ・ビン・ラディンが、最後にその生存が確認されてから7年経った今(2009年現在)、彼が生きている証拠は、もはやエルビス・プレスリーが生きている証拠よりも少ないと言える。さて、テロリズムの首謀者としてのオサマ・ビン・ラディン、そしてテロリズムの総本山としてのアルカイダというパラダイムは我が国の政府中枢の知的エリートたちの頭脳から出てきた“こしらえもの”である可能性を問うてみる必要があるだろう。同時に、このパラダイムへのあらゆる投入のために我が国の国家安全保障に携わる人々が、我が国の問題の元凶について真剣に考えることができなかったのではないかと問う必要があるだろう。    (以下略)

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信頼すべきまともな研究者達が再三きちんと指摘しているのに、アメリカの無教養な大衆はオバマ大統領のプロデュースした“ビン・ラディン殺害”の物語を鵜呑みにしている。同じように日本人のほとんどが信じている。そしてCIAの仕組んだ「ゼロ・ダーク・サーティ」に金を払って観ているのである。わざわざ金を払って染脳され、誤った歴史観を植えつけてもらっているのである。

端的に言って、事実は以下のとおりである。

 

2001年12月16日: ビン・ラディン病死 (9.11事件の3ヵ月後)

 (9.11事件からほぼ十年経過)

2011年05月02日: 米軍シールズ部隊が“ビン・ラディン殺害”を演出

2012年10月12日: 「ゼロ・ダーク・サーティ」アメリカ公開

2012年11月06日: アメリカ大統領選 (オバマ大統領再選)

2013年02月15日: 「ゼロ・ダーク・サーティ」日本公開

 

ビン・ラディンの病死はシールズ部隊の茶番劇の10年前である。つまり、アメリカ政府はビン・ラディンがずっと生きていて隠れていたのをちょうど10年めにオバマ大統領政権のときに見つけ出して“殺害”したことにしているのである。CIAはビン・ラディンの“死”をいずれ適切な機会に利用しようと温めていたのである。 

ビン・ラディンの公式の遺体写真も映像もない。もちろん遺体じたいもない。思い出してほしい。フセイン大統領が穴ぐらから引きずり出されたときのことを。彼は生きたまま捕えられて裁判にかけられて絞首刑になったのだ。ビン・ラディンをなぜ生け捕りにしなかったのだ?不可能ではなかったはずだ。大勢で急襲して追い詰めたそうだが、一人で部屋にいたというビン・ラディンを殺す必要がどれだけあったのか。テロの首謀者だというのならば、そしてアメリカが本当に正義の国ならば、生きたまま捕まえて裁判にかけるべきであろう。無い物ねだりをしてはオバマ大統領が可哀そうだろうか。たしかに存在しない人間を生け捕りにはできないのだ。存在しない人間をどうやって裁判にかけられよう。“生け捕り”というシナリオはそもそもありえなかったというのが本当のところだろう。殺害したことにしないと、そのあとの展開があまりにも無理すぎるのである。“ビン・ラディン殺害”ということにして、9.11事件の“落とし前”をつけて幕引きをすることがCIAのシナリオだったのだ。しかし、“殺害というシナリオ”によって“生け捕りのシナリオ”の引き起こす無理な展開を回避できたとしても、いつまでも“殺害の証拠なし”のままでは済まないのである。

 

昨年2012年3月にAP通信社が情報公開法に基づいてアメリカ国防総省(ペンタゴン)に“ビン・ラディン殺害”の証拠の開示を求めたが、ペンタゴンは写真も映像も存在しないとして何一つ提出できなかった。遺体を海に投棄したことになっているが、その空母カール・ヴィンソンの艦上で撮影されたはずの写真や映像すら出せなかった。もし本当に水葬したのなら当然録画しているであろうし、すっかり包まれた遺体を海に投下する映像くらい本当に存在しているのならば出せそうなものではないか。

実はAP通信はビン・ラディンの検死報告書、死亡診断書、そしてDNA鑑定結果報告書の開示も求めていたが、ペンタゴンはそれらの何一つ提出できなかったのだ。ヘタに偽物を作って提出すると徹底的に調べ上げられてボロが出るので、そこは余計な墓穴を掘らないように「存在しない」と言うのである。

出典:http://digitaljournal.com/article/323364

 

いずれにしてもビン・ラディンの“殺害”は現在でも証明できていないのである。さすがにオバマ政権はこの”ビン・ラディン殺害物語”はちょっと説得力にかけると思ったのである。公開できる映像が無いならば、そうだ作ればいい!そこで、「ゼロ・ダーク・サーティ」である。アメリカでは昨年2012年の10月12日に封切りされたが、大統領選のほぼ1カ月前に間に合って、オバマ大統領は自分の任期中の目玉としてアピールできたために無事に再選を果たすことができた。ちなみに「ゼロ・ダーク・サーティ」の女流監督キャスリン・ビグロウはアメリカの知識人の間では“21世紀のレニ・リーフェンシュタール”とみなされている。あのナチスドイツのプロパガンダに加担した女流監督である。

 

 ご参考までに、ビン・ラディンが2001年12月16日にトラボラ山中で病死した証拠とされる新聞記事の1つを紹介したい。日付にご注意願いたい。9.11事件の3カ月ほど後のことである。

 

以下の写真はエジプトの新聞「アル・ワフド」2001年12月26日(水)の1面(左)と、そのページの右はじのオサマ・ビン・ラディンの死亡記事の拡大部分(緑枠)である。出典を以下に示しておく。大国の欺瞞に満ちた公式発表よりも、開発途上国の新聞の愚直な死亡記事のほうが“比較的”説得力があると思うが、いかがであろうか。 

 出典:http://www.ascertainthetruth.com/att/index.php/911-a-false-flag-operations/the-911-event/500-osama-bin-laden-died-in-20018

以下に日本語訳と英訳の両方を掲げておく。

「オサマ・ビン・ラディン氏の死亡及び葬儀

アフガンのタリバン運動の高官が昨日、アルカイダ組織の指導者オサマ・ビン・ラディン氏の死亡を公表した。それによれば、ビン・ラディン氏は肺疾患の重篤な併発症によって病死したが、安らかな永眠であった。

同高官がパキスタン・オブザーバー紙に匿名を条件に語ったところによると、同高官自身が10日前(12月16日)にビン・ラデイン氏の葬儀に参列したとのことである。葬儀の際に同高官はビン・ラディン氏の遺体の顔を見たという。葬儀の後に遺体はトラボラの山中に埋葬されたとのことである。

埋葬にはビン・ラディン氏の遺族やタリバンの同志の他に、30名のアルカイダの戦士が参列したという。

故人の冥福を祈って空へ向けて戦士たちの銃が発砲されたという。

同高官によれば、ビン・ラディン氏の埋葬場所を突き止めることは難しい。なぜならば、イスラム原理主義のワハービの伝統に従って、墓所には何の印も残されないからである。

アメリカ軍がビン・ラディン氏の埋葬場所の何らかの痕跡を見つ出すようなことはまずありそうにないことだとタリバンの同高官は強調した。」

 

 

Translation of Funeral Article in Egyptian News Paper al-Wafd, Wednesday, December 26, 2001 Vol 15 No 4633 Reporting News of Bin Laden's Death and Funeral

"Bin Laden's Death and Funeral

prominent official in the Afghan Taliban movement announced yesterday the death of Osama bin Laden, the chief of al-Qa'da organization, stating that bin Laden suffered serious complications in the lungs and died a natural and quiet death.

The official, who asked to remain anonymous, stated to The Observer of Pakistan that he had himself attended the funeral of bin Laden and saw his face prior to burial in ToraBora 10 days ago.

He mentioned that 30 of al-Qa'da fighters attended the burial as well as members of his family and some friends from the Taliban.

In the farewell ceremony to his final rest guns were fired in the air.

The official stated that it is difficult to pinpoint the burial location of bin Laden because according to the Wahhabi tradition no mark is left by the grave.

He stressed that it is unlikely that the American forces would ever uncover any traces of bin Laden."

 


ヒストリーチャンネルよ、お前もか・・・

2013-02-09 07:22:49 | 映画・テレビの英語

 「ヒストリーチャンネル」のキャッチフレーズは "HISTORY MADE EVERY DAY" 「歴史は毎日作られる」である。嘘ではない。しかし、

ヒストリーチャンネルよ、お前もか・・・

わたしはふだん日本のテレビ番組はほとんど見ない。ケーブルテレビでアメリカの番組をもっぱら見ている。といっても、見るチャンネルはヒストリーチャンネル、ディスカバリーチャンネル、ナショナルジオグラフィックチャンネル、ミステリーチャンネルなどである。こうしたチャンネルの中でもわたしが特に安心して見ていられるのは宇宙ものや恐竜ものや動物ものだろうか。映像、出演者、構成等々の点からみてもかなりの完成度で非常にレベルの高いものがある。番組製作において相当の力量を感じさせる。1本1本がそのままドキュメンタリーDVDとして販売されるのもうなずける。

 

しかしである。これらのチャンネルでもかなりの思考操作、洗脳工作がなされている場合がある。その高度な番組制作技術が世界を欺くためにも利用されている場合がある。最近でもっともこれが顕著だったのが、「特集:テロリズム」である。シリーズもので、タイトルからしてわたしが特にいかがわしく思っていたのは、「9.11」と「ビン・ラディン殺害」であった。どちらもわざわざ見るつもりはなかったが、チャンネルを回していたら、たまたまビン・ラディンのほうをやっていたので、“どの程度のでっちあげか”と思い、付き合うことにした。結論:予想通りの“素晴らしい完成度のでっちあげ”である。これではふつうのひとはひとたまりもなく呑みこまれてしまう。“事実”をわかりやすく解説した話として映像イメージごと無防備な脳にそばから浸透してしまうであろう。特にヒストリーチャンネルの他の優れた番組作品に常々敬服しているような人々は疑うことなく受け入れるだろう。それこそが“ステマ・プロパガンダ”の狙いである。こういったかなりまともに見えるケーブルテレビチャンネルの番組の中に混ぜると警戒心なく呑み込んでくれるのである。

「ビン・ラディン殺害」は50分ほどの長さのドキュメンタリーであるが、これが「ゼロ・ダーク・サーティ」の“ステマ(ステルス・マーケティング)”であって、アメリカ政府の“ステマ・プロパガンダ”の一環、つまりいろいろやっているうちの一つであることは明らかである。この番組は日本では「ゼロ・ダーク・サーティ」の劇場公開の数週間前から繰り返し放映されている。CIAの長い腕と指は日本のお茶の間まで届いているのだ。そして今、アメリカ政府とCIAは映画とテレビを使って組織的に「ビン・ラディン殺害」を既成事実化しようとしている。そしてその卓越した映像技術を使って世界中の人々の頭にでっちあげの歴史を刷り込もうとしている。それをわたしがひしひしと感じたのは、番組中の関係者へのインタビューである。6人くらい出るのだが、なんとオバマ大統領までが顔を出すのである。それも1回や2回ではない。全部で少なくとも5回は顔を出して語るのである。どうして一国の大統領が1つの民間の放送局の1つの番組のためにわざわざインタビューに出てきて5回も話すのだ?以下は出てくるたびにわたしがいちいちデジカメで撮ったものだ。これは公式の記者会見ではない。「ビン・ラディン殺害」という1本のドキュメンタリー番組のための特別のインタビューである。こんな番組は前代未聞だろう。

 

この異常なサービスぶりは「ビン・ラディン殺害」の茶番劇がほころびだけらであることからくるオバマ大統領の焦りを反映している。ビン・ラデインを2011年に殺害したというでっちあげを必死になって“ダメ押し”しているのである。この5枚の写真に現れているオバマ大統領の表情をよく見ていただきたい。1枚だけでは見落とすであろうが、5枚並べてじっくりあらためて見ると、これはウソを言っているときの人間の表情である。動画ではわからないが、こうして複数の静止画で見ると透けて見えるのだ。写真を撮っているときにはそんなことは思いもしなかったが、5枚並べてみて気づいたのだ。実を言うと、わたしは人間としてはオバマ氏には好感をもっている。彼にはどこか憎めないところがある。それが今回わかった。ウソが顔に出てしまう人間なのである。

 

この記事を読んでいるようなひとはきっとこう思うに違いない。「オバマ大統領もそんなに足掻いたって、本当のことはもうバレているのに・・・。無駄なことをして、ご苦労さんなことだ」と。

わたしもかつてはそう思っていた。それは間違いであった。決して無駄ではないのだ。10パーセントのひとを騙せなくても、90パーセントのひとを騙せればいいのである。いや、過半数を騙せるだけでも十分なのである。楽勝なものである。真実を知っているひとが笑っていてもかまいはしないのである。「2011年のビン・ラディン殺害」を大統領が公式の事実として公表する。いろいろ突っ込みが入るが、無視してあとはCIAのお膳立てにまかせておけばよい。そして、あとは国民がテレビを見、世界中が映画を楽しんでくれればいい。やがて時間が経てば、自動的にそれらがそのまま“歴史的事実”となる。そうやって歴史は作られていく。最近では「ゼロ・ダーク・サーティ」という映画が前例のない境地を切り開いたとも言える。実際にはありもしなかった事を実話として、そしてその実話の映像化であるかのようにして世界中に見せ、史実として受け入れさせようというかなり大胆不敵な試みである。ペンタゴンの一室から高笑いが聞こえるようだ。CIAにはそうやって世界に一杯食わせることに無上の喜びを感じる輩がいることを忘れてはいけない。映画「アルゴ」を観たひとにはわかるだろう。

「ヒストリーチャンネル」のキャッチフレーズは "HISTORY MADE EVERY DAY" 「歴史は毎日作られる」である。たしかにそのとおりである。

ちなみに、以下はわたくしの解釈である。


「アルゴ」は核ミサイル1発に相当する "ARGO" A Nuclear Missile

2013-02-08 23:55:38 | 映画・テレビの英語

  「アルゴ」は核ミサイル1発に匹敵する

"ARGO" Equals to A Nuclear Missile

 

この映画は「野蛮人(barbarians)に捕えられた人質を文明人(civilized people)が頭脳を使って(outwitting)見事救い出す(rescued)」という物語(フィクション)である。

 

実話という触れ込みであるが、当時の当事者たちが否定しているようだ。どうも、“映像実現”(Realization On Screen)のようである。つまり、実際はなかったが、代わりに映像の世界で理想的に実現してみせるというパターンであるハリウッドに“不可能”はない。「ゼロ・ダーク・サーティ」と同様、「アルゴ」はCIAによって仕組まれたプロパガンダ映画であることは明らかである。エンターテイメント作品としていくらアカデミー賞を獲得しようが、反イラン映画としてのプロパンガンダであることには変わりはない。ベン・アフレックはこの映画の構想をCIAに持ちかけられて監督に担ぎあげられた。しかし、この映画を作った本当の目的を見据えておかなければならない。何のためにこんな映画を作るのか?

  

誤解のないようにお願いしたいが、わたしはこれらの作品を見るなと言っているのではない。わたし自身は、いずれ“大好きなテレビ”で観るつもりである。批判していて、なぜ見るのか?CIAの手口(CIA's modus operandi)の研究のためである。こういう作品を観るときには作り手の意図、狙いを念頭に置きながら批判的に観るのでなければ意味がない(meaningless)さらに言えば、そのようにして観たほうがわたしにはずっと“リアリティ”があって面白いのだ。しかし、観なくてもすでにわかることはある。それを以下に述べさせていただく。

  

当記事のいちばん下に転載したものは、“野蛮な国イラン”として描かれた当のその国が発信している「アルゴ」についての公式見解(official comment)の記事である。アメリカ発の情報だけで世界がわかっている気になってはならないであろう。アメリカとイスラエルがいちばん敵視している国の視点にもときには目配りしてみよう。野蛮で間抜けなイラン人”(barbaric and stupid Iranians)というイメージ作りにやっきになっているアメリカの深謀遠慮(cunning calculation)を冷静に見据える必要がある。

  

アメリカは近いうちにイランに戦争をしかける計画である(順序としてはシリアを崩壊させてからになろう)。時間の問題である。戦争が始まるそのときにアメリカ国内や国外から反対や批判(opposition and criticism)ができるだけ少なくなるようにするために今から反イランのイメージ(anti-Iranian images)を大衆の頭の中に植え込んで(plant)おく必要があるのだ。そういった下準備をしておけばスムーズに運ぶのである。「ああいった野蛮な、非民主的な国は叩かれてもしょうがないんじゃないかな・・・」と一般大衆に納得させるためである。そのための準備工作(sytematic preparation)を今から地道に(steadily)しているのである。ベン・アフレックは今、次の戦争の露払い役(opening the game)をさせられているのである。アメリカは常に用意周到の国である。

  

そんなバカな、とあなたは思うかもしれない。しかし、CIAが仕組んでいるのは「アルゴ」や「ゼロ・ダーク・サーティ」だけではないのだ。およそあらゆるメディアに食いこんでCIAはアメリカ国民と世界中の人々の考え方を操作(manipulate)している。軍事力による支配だけでなく、そういった情報操作による支配(control by Public Relations)を併用することには多大のメリットがある。

抵抗が少ない、効率がいい、成功率が高い、損失が少ない、低コストである、気づかれにくいので批判されにくい、物理的実害を与えないので罪悪感が薄い。

逆に言えば、こんなメリットだらけの方法を世界最強の国(the most powerful country on the planet)が使っていないわけがなかろう。あえて言えば、こういった洗脳工作、大衆心理操作、イメージ戦略、文化侵略によってこそアメリカはいつまでも世界最強の国家の地位を保っていられるのだ。日本人はお上(カミ)やNHKが国民を騙すわけがないと思ってきた。しかし、2011年の3.11以降多くの人々が真実を知った。にもかかわらず、喉元を過ぎれば(danger past)また元の“お上(カミ)性善説”に戻っている。どこの国のお上(カミ)、政府というものも、原理的に(in principle)“性悪説”(conspiracy theories)で理解すべきものである。

 

 いや、実はある意味で戦争はすでに始まっているとも言える。戦争を軍事的な次元での事柄とのみ考えていては現実をつかみきれない。すでに“経済”戦争、“宗教”戦争になっていることはもう明らかではないか。同様に“心理”戦争(psychological warfare)、“文化”戦争(cultural warfare)が進行していると見るべきであろう。その観点からすると、「アルゴ」は核ミサイル1発分に匹敵する。そのくらいのダメージをイランに与えている。それだけの“戦果”(outstanding military achievement)があったからこそ、アメリカ大統領夫人が直々に(in person)「アルゴ」の作品賞の発表者を務め、功績を称えた(praised)のである。これを単なるご愛嬌(amusing surprise)と見ているひとはおめでたいかぎりだ。CIAによる演出は実に巧妙である。攻撃性(aggression)や欺瞞(deception)を覆い隠すために女性を起用するのである。心理学的に言って、女性のほうが男性よりも非暴力的(less aggressive)で公然とウソをつくことが少ないと思われているからである。「ゼロ・ダーク・サーティ」はまさにその例である。主人公も、そして監督も女性であることは偶然ではない。そこには大衆心理操作の綿密な計算(delicate calculation)がある。こうした演出はハリウッドではなくCIAがすべてやっている。ハリウッド映画界そしてアカデミー賞受賞式は単なる娯楽の世界ではない。今や文化戦争の修羅場(the theatre of war)である。しかし、彼らはいつでも笑い飛ばせるのだ、「なにを目くじら立てているんだい?ただの娯楽映画じゃないかね、はっ、はっ、はっ!」"Why are you being so serious? It's only one of those entertainment movies, isn't it? Ha ha ha!" と。

 

日本にはCIAに相当する組織(no counterpart)が存在しないので、日本人にはぴんと来ない(no clue)。1つの国に匹敵する年間予算と、少なくとも13万人はいるだろうと推定される(estimated)職員を抱えた世界最大の諜報機関である。諜報とは情報の収集(collection)だけでなく拡散(dissemination)も創作(fabrication)もするのである。収集も拡散も、そして創作の拡散も当然ステルス(stealthly)である。アメリカの国益のためなら隠れて何でもやってきたし、今も我々の目の前でメディアを通じて堂々と(in broad daylight)イメージ戦略を展開しているのだが、それが彼らの仕事(their job)だとはほとんどのひとは気づかない(not aware)のである。つまり、われわれ自身が今日みんなCIAに裏をかかれるイラン人(Iranians outwitted by CIA)になっているのだが、それに気づかないで「アルゴ」に描かれる過去の騙されたイラン人を笑っているのだ。

 

 

出典: http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/35308-%E5%85%83%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80%E5%A4%A7%E4%BD%BF%E3%80%81%E5%8F%8D%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%80%8E%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%80%8F%E3%82%92%E5%BC%B7%E3%81%8F%E9%9D%9E%E9%9B%A3 

 


「アルゴ」 イラン側の視点から

2013-02-08 23:47:50 | Snapeニュース配信

イラン側の視点から

 

以下は、「イラン ジャパニーズ ラジオ」掲載の “反イラン映画「アルゴ」のアカデミー賞受賞”  2013/02/25(月) 22:43 の転載である。

良くも悪くも政治的な内容を持つ作品の評価には、複数の視点が必要である。

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アボルファトフ解説員
 
1979年に起こった、在テヘラン・アメリカ大使館占拠事件を題材とした反イラン映画「アルゴ」が、第85回アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞しました。

反イラン映画「アルゴ」がアカデミー賞を受賞した一方、西側諸国の独立した映画関係者がこの映画の質の低さや、虚偽的なストーリーに疑問を提示しました。評論家は、アメリカ政府とCIAの支持がなかったら、この映画はアカデミー賞には選ばれていないだろうと表明しました。映画「アルゴ」は、1979年にイランで起きた事件を題材にしています。この時、テヘランにあるアメリカ大使館が、アメリカの内政干渉に抗議していたイラン人学生らによって占拠されました。

この映画のストーリーは、1979年にCIAのスパイたちが映画制作者を装ってイランに入国し、アメリカ人外交官6名を解放するというものです。さらに、イスラム革命を支持する学生らが大使館内に乱入した後、スパイの巣窟としてのアメリカ大使館から脱出したアメリカ人外交官の一部は、テヘランにあるカナダ大使公邸に逃げ込みます。この映画では、イランとアメリカでの物語が同時に映像化されています。アルゴという反イラン的な映画のアカデミー賞受賞は、改めて、ハリウッドにおいて政治が芸術よりも優位な立場にあることを示しました。

今回、この他の映画「リンカーン」、そして「ライフ・オブ・パイ、トラと漂流した227日」も受賞を争いましたが、そうした中で「アルゴ」が受賞を果たしています。しかし、加筆されたシナリオによる映画が最優秀作品に選出されたことの発端は、その芸術的面での独創性ではなく、その題材にあります。この映画は、最初の部分では1979年のイスラム革命以前のイランで、アメリカが専制体制の成立を惜しみなく支持したことが描かれていますが、35年前のイラン社会の現実とは違う様子が映し出されています。

この映画の質はともかく、その中で扱われているのは、歴史上の明白な虚偽であり、ベン・アフレック監督演じた当時のCIA諜報員トニー・メンデズと、当時テヘランに駐在していたケン・テイラー・カナダ大使の抗議の声を引き起こしています。映画「アルゴ」の虚偽的な内容とは逆に、アメリカは、これらの外交官らのテヘラン脱出には、決定的な役割を果たしておらず、カナダ大使が自らの責務に反する措置として、偽造のカナダ旅券を外交官らに渡し、彼らのテヘラン脱出の便宜をはかっているのです。

それでは、表面的には歴史物といえる、偽りの映画「アルゴ」が何故歓迎され、アカデミー賞を受賞しているのでしょうか?その答えとして、この映画の2つの特質を挙げる必要があります。

先ず第1に、この映画では、他のハリウッド映画作品と同様に、アメリカ人が正義の味方のヒーローとして登場し、悪と戦うストーリーになっていることが指摘できます。これは、ハリウッド映画の重要な特徴であり、宇宙人が地球を攻撃してくるような場合でも、地球を守り、人類を死の淵から救うのはアメリカ人という設定になっています。このため、CIAのスパイの助けなしで、アメリカ人外交官6名がテヘランから脱出した、という事実をそのまま映画化すれば、英雄気分を求めるアメリカ人の感情が満たされず、観客を呼べなくなります。このため、「アルゴ」のシナリオは虚偽にそったものになっているのです。

さらに、この映画のもう1つの特徴は、反イラン的な内容であるということです。現在、アメリカのメディアや政治家の一部の助けにより、アメリカではイスラムやイランに反対する感情が広まっており、イランやイラン国民を侮辱し、イランをいわゆる核の脅威として見せることは、アメリカで支持されています。このため、あれから33年が経過した現在、テヘランでのアメリカ大使館占拠事件について虚偽を仕立て上げることは、再びアメリカの娯楽産業の経営者の使命となり、オバマ大統領夫人はこれまでなかった措置により、そのメッセージの中で、映画「アルゴ」がアカデミー賞を受賞したことを伝えています。

実際、映画「アルゴ」は、西側諸国での反イラン感情をあおり、核問題においてイランを屈服させようとし、或いはイランとの軍事的衝突に向けた心理的な下地を整えようとしています。兎に角、この映画は改めてアカデミー賞獲得には芸術性や創造性よりも、政治に注目し、政治家の動向に倣う必要があることを証明しました。このため、アメリカ史上最高の大統領リンカーンの最も重要な日々までもが、映画「アルゴ」に対し色あせて見えます。それは、この映画が、映画「リンカーン」や「ライフ・オブ・パイ」では決して成し遂げられない使命を背負っているからです。

 

反イラン映画「アルゴ」のアカデミー賞受賞
http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/item/35464-%E5%8F%8D%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%87%E3%83%9F%E3%83%BC%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E