Snapeの英語指南

英語長文対策、英語速読法、英語学習法、高校生、中学生、社会人の英語学習に役立つヒントを紹介。

"Warning: Graphic Images" 「警告: 刺激的な画像を含みます」

2011-06-28 23:09:11 | Snapeニュース配信

"Warning: Graphic Images"

「 警告: 刺激的なシーンを含みます」

このタイトルにひかれてこの記事を開けた方は多少失望があったかもしれない。ここには映像も画像もいっさいない。"graphic" という言葉の話だけである。

"graphic"  :形容詞

第1義として、「グラフィックな、視覚的な、写実的な、絵の、グラフの、図表の」、というニュートラルな意味である。グラフィックデザイナー、コンピューターグラフィックス  などがいい例である。

第2義として、「活き活きとした、目に見えるような」という意味に使われる。これは比ゆ的用法なので、視覚的なものにはむしろ言われず、もっぱら言語表現について言われる。「群衆による活き活きとした(graphic)報告」などである。

 しかし、近頃では、上記の2つとは別の意味で、「刺激的な」「残虐な」「残酷な」というマイナスの意味で使われるのを目にするようになってきた。一部の映画やYouTubeの映像の本編前の警告などで時おり目にする表現である。

この意味でメディアで大きな事件に関して使用された例として、オバマ大統領の声明がある。ビン・ラディンの死体写真を公表しないという決定についてのものである。

"... photos are too graphic ..."

 「(死体の)写真は刺激的すぎる…」 

写真について”写実的”かどうかを言うのは意味がないであろうし、”活き活きとした”、”目で見るような”という意味は、文章について言うものである。となると、ビン・ラディンの死体写真についての "too graphic" の意味はやはり「刺激的すぎる、残虐すぎる」という意味にとるほかないだろう。

しかし、この意味は、Oxford やWebster の辞書にもまだ掲載されていない。おそらく、あと1、2年のうちに載ると思われる。

他の用例を以下にいくつか挙げてみる。

   

"WARNING :This gallery may contains graphic images that some viewers may find disturbing."

「警告: この映像には、一部の視聴者が不快に感じるおそれのある刺激的な部分を含む可能性があります」

 

"Warning: This film depicts scenes of graphic violence and may upset sensitive viewers."

 「警告: このフイルムには、刺激的な暴力シーンがあり、感受性の強い方には不快である可能性があります」

 

"WARNING! Graphic Images and Descriptions"

「警告!: 刺激的なシーンと描写を含みます。」

 

"Warning: This video contains graphic content. Viewer discretion is advised."

 「警告: このビデオには、刺激的な内容を含みます。視聴者の側でのご注意をお願いします」

 

"Man electrocuted live, dies - Warning Graphic"

「感電して死亡する男性 - 警告:刺激的

 

"GRAPHIC...Trainer Dies After Being Attacked By Grizzly Bear, Caught On Tape!!!

刺激的... 調教師がグリズリーベアーに襲われた後に死亡。記録映像!!」

 

"WARNING GRAPHIC: Public Execution Of 3 Young Insurgents In Iran Caught On Tape...."

「警告/刺激的: イランにおける3人の反政府活動家の公開処刑の記録映像」

 

"WARNING VERY GRAPHIC" Man Commits SUICIDE, Jumps From Apartment Building!!

「”警告: 非常に刺激的”自殺を図る男性、アパートからの飛び降り」

(上記の例は、すべて"graphic"  の用例を集めるためにグーグルでこの語を検索にかけてから拾ってきたものである )

 


”キンドル3” 無料主義的活用法 

2011-06-11 07:36:29 | 英語の読み方

「本は、アナログの最後の砦」

2007年にアマゾンのCEOのジェフ・ベゾスが、キンドルを発表したときに、彼が「本はアナログの最後の砦」と言ったのが、頭からずっと離れない。彼はこのように言っていた。「なぜ本はアナログ最後の砦なんでしょう。本はデジタル化を頑なに拒んできました。高度に進化し、本という器に最適なかたちになったため置き換えが困難なのです。本の一番大事な機能は「姿を消す」ことです。つまりわれわれは読書する時にはみんな状況の流れが飲み込めているので、糊、紙、縫合などそんなことは何一つ考えなくて良いわけですね。残されたものは作家の世界だけ。そこに真っ直ぐ飛んでいける。」 私は、この男ほど本というものについて考えている人間はいないなと思い、以来一目置いていた。

ネット書籍店のアマゾンが、電子書籍端末という”自殺行為的”な商品を発売し始めた4年ほど前から、いつか買うことになると思っていたが、つい先週、メリットのほうが大きいといよいよ判断して購入した。今まで気になりながらも買わずにきたのは、以下の理由からだった。

1) 紙の本への愛着 (たとえば、読んだ後、その本が身辺にゴロゴロしていないとさみしい)

2) キンドル版書籍のほうが安いといっても、アマゾンマーケットで中古本を安く買うほうが安い

3) ベストセラーはさほど読まず、多く読むのは専門書が多く、キンドル版が少ない

4) インターネットと同様、電子書籍はできるだけ無料で読まなくては、という”無料主義”(単に金が無くてケチな人間のスタンス)

5) 版権切れの無料で読める人類の知的遺産は、キンドルでなくともパソコンで無料で読める

6) 新しい本は無料版が少ない

7) 価格が自分にはまだ高い(無料主義の私だが、さすがに端末にまで無料を求めてはいない)

 

無料主義者、キンドルの軍門に下る

ところが、円高の影響で、最後の、7)の価格の問題が小さくなってきた。キンドルのあたらしいバージョン、キンドル3が1万6千円くらいで買えるようになってきた。キンドルが初めて出てきた4年前には三万5千円以上はしていたはずだ。iPadの旧タイプでも6万円しているのに比べると、たしかに別種の端末ではあるが、割安感はある。人間、現金なもので、安いとなると、上の買わない理由の1)から6)までも全部見直し始めることになる。1)の理由も今度は、本の置き場所に困るという、読書家の永遠の悩みを解消することこそ電子書籍の福音の最たるものではないかと思えてくる。2)、3)は、キンドルを手に入れても両立するので、より安いものがあればそちらを買うし、キンドル版がなければ紙の本を買うだけである。4)は今でも変わらないが、実は、私が読むものは、書籍だけではなく、ネット上で公開されている論文などもある。それらをダウンロードしてキンドルで読めるように変換する方法があることを知った。これはすごいと思った。実際にやってみたが、そんなにむずかしくない。5)の版権切れ書籍については、別のページで「プロジェクト・グーテンベルク」の話でも触れたが、キンドル版に変換してあるものがどんどん増えてきている。6)について言えるのは、新刊本で無料のキンドル版であって、この自分にとって読むに値するようなものは非常にまれであって、探し出す労力にほとんど値しない。

 

せめてファイルはタダで集めよう!

さて、いま現在での使い方であるが、まず無料ダウンロードして今の私のキンドルに入っているファイルは以下のようなものである(2週間後にはだいぶ変わっているだろう)。読みたいからというより、どんなものがネット上で無料で手に入れられるかという立場で試験的にざっと集めてきただけなので、この私のふだんの読書傾向とはだいぶ違う。キンドル本体には金を払ったが、中身はとにかくタダだ。

Le Journal d'Anne Frank.............. Felderer Dietlieb 

A Hunger Artist .......................... Franz Kafka

Aesop's Fables ........................... Aesop

Robinson Crusoe ........................ Daniel Defoe

蜘蛛の糸 ..................................... 芥川龍之介

In the Penal Colony .................... Franz Kafka

The Hoax of the 20th Century ...... Arthur R Butz

The Third Truth of 911 ................. Dimitri Khalezov

Stand By Me ............................... B. E, King

 これからも無料本をガンガン集めるつもりである。

ちなみに、最後の Stand By Me は、YouTubeからMP3 で入れた歌である。キンドルはウォークマン代わりにもなる。スピーカ付きで、しかも両角に付いていてステレオである。これは便利である。私はYouTubeなどで公開されているいろいろな人の講演やインタビューもよく聞くのだが、それらもMP3の形式で取り込めるのは、キンドルのうれしいオマケだ。

左が初代キンドル(2007年)、 右が現在のキンドル3(2011年)

(続く)

加筆(1):

さて、キンドルに音声再生機能が付いていることは、すでに少し触れたと思う。英語の本を音声で聴くことができるということは買った最初からわかっていた。ただ、それはオーディオブック版の書籍がキンドルで再生できるということなのだろうと思っていた。自分で勝手にお金をかけずにダウンロードしたインターネット上のテキストまで読んでくれるなどとはまったく期待していなかった。ところが、違ったのである。英文テキストであれば、何だって読み上げてくれるのである。これには驚いた。別に小説でなくたって読み上げてくれるし、テキストの内容にかかわらず何でも英語なら読んでくれるのだ。ふつう、機械的な音声読み上げというものは駅のアナウンスにしても、電話のメッセージにしても、どうしても不自然なものである。しかし、このキンドルの英文読み上げは、確かに機械読み上げではあるが、日本語の機械読み上げほど不自然ではない。ネイティブの耳にもよおく注意して聞かないと機械読み上げとはわからないようである。つまり、われわれ日本人には十分使えるものである。液晶画面でテキストを見ながら音声での読み上げを聞いてもいいし、テキストをいっさい見ないままイヤフォンで音声朗読だけ聴いていてもいいだろう。音声読み上げだからといって余分の料金が発生するわけではないのである。これってスゴくないだろうか。おそらく視覚障害者にとっては大きな福音となっていることだろう。私のこのサイトでも英語の勉強に役立つものをいろいろ紹介してきているが、この電子書籍の端末機は価格的にも、必要な機能の観点からしても優にアップル社のipad を凌ぐものだろう。

加筆(2):

ネット上でダウンロードできる英語の書籍は、版権切れのものにかぎらない。最近出版されたばかりの本もあったりする。さまざまなものが、本一冊まるごとダウンロードできる場合もめずらしくない。また、書籍のかたちになっていなくても、ありとあらゆる著述業の人間が、自分のサイトで自説を公開している。最新の論文を、本のかたちになる前に電子書籍で読み、かつ朗読で聴くことができる。さて、今まで書き忘れていたが、キンドルの読み上げ機能は、スピードの切り替えが可能である。ノーマル、速い、ゆっくり の3段階である。語学学習に理想的である。ノーマルでわからなかったら、ゆっくり、で始めるといい。ノーマルで聴いてわかるなら、速い、で聴いてみるとよい。速聴の訓練になる。