Snapeの英語指南

英語長文対策、英語速読法、英語学習法、高校生、中学生、社会人の英語学習に役立つヒントを紹介。

英問英答の原則

2010-05-30 09:30:34 | 試験対策

英語の質問に対して、英語で答える。この形式の問題を”英問英答”というが、特に、与えられた長文についての英語での質問に、英語で答えるものをいうのが一般的である。

この問題形式については、生徒の側にかなり誤解があるようなので、まずそこを正しておく必要があるだろう。

出題者は、本文の内容について英語で質問をするが、それは Yes / No  疑問文の場合もあれば、 Who, What, When, Where, Whose, Which, How といったいわゆる W/H 疑問文 の場合もある。たとえば、以下のようなかたちである。(ここでは本文は重要ではないので割愛する)

1)  Who asked Jiro to come to the library?

2)  Was it the first time for Jiro to visit the library?

3)  Where was the library?

4)  Did Jiro come to the library by bicycle?

5)  Why did Jiro come late to the library?

6)  Did Emi know Jiro's telephone number?

英問英答の問題であっても、質問自体はだいたいが易しいものである。”答え”は本文中にそのまま見えているのが通例である。そこで、解答者はそのたやすく得られた”答え”を、あとは出題者に指摘するだけでよいのだと思ってしまう。つまり、自分には”答え”がわかったということを出題者に伝えるだけだと思ってしまうのだ。ここが大きな思い違いである。

出題者が見ているのは、解答者がその答えを見つけられるかどうかだけではないのだ。Jiro に図書館に来るように頼んだのが Emi であることがわからないような生徒はほとんどいない。Emi を解答に選んでいないのは論外であって、出題者が見ているのは、実は "Emi "という答えを、解答者が”適切で正しい文”で提示できるかどうかなのである。1)の場合は、以下のようになる。

1)  Who asked Jiro to come to the library?

  × Emi.

  × Emi was.

  × It's Emi.

  × It was Emi.

  × Emi asked Jiro to come to the library.

  × Emi asked.

  ○ Emi did.

 

同様に、2)以下をの例を見ていただきたい。

2)  Was it the first time for Jiro to visit the library?

  × Jiro didn't know where the library was.

  × He didn't know the library.

  × Yes.

  × Yes , he did.

  × Yes, it is.

  × It was the first time for Jiro to visit the library.

  × Yes, it was the first time for Jiro to visit the library.

  ○ Yes, it was.

 

3)  Where was the library?

  × Sakura Park.

  × Next to the Sakura Park.

  × Next to Sakura Park.

  × It is the Sakura Park.

  × Yes, the library is next to the Sakura Park.

  × It is next to the Sakura Park.

  ○ It was next to the Sakura Park..

 

4)  Did Jiro come to the library by bicycle?

  × Bicycle.

  × By bicycle.

  × Yes.

  × Yes , bicycle.

  × Yes, by bicycle.

  × Yes, Jiro did by bicycle.

  × Yes, he came to the library by bicycle.

  × Yes, he did by bicycle.

  ○ Yes, he did.

 

5)  Why did Jiro come late to the library?

  × Lost.

  × He got lost.

  × Jiro lost.

  × Because lost.

  × Because he lost.

  × Because Jiro got lost on his way to the library.

  ○ Because he got lost.

 

6)  Did Emi know Jiro's telephone number? 

  × Yes.

  × Yes, Emi knows Jiro's telephone number.

  × Yes, she knows it.

  × Yes, she does.

  × Yes, she knew it.

  × Yes, she did it.

  ○ Yes, she did.

 

英問英答の原則をまとめよう。

1. 文のかたちで答える。  (主語と動詞を持った文で答える)

2. 不要な反復を避ける。  (代名詞、代動詞 do などを適切に使う)

3. 質問文の動詞のかたちを尊重する。 (同じ時制、完了形には完了形など)

 

1.1. 「答えがわかればいいだろう」 という発想は捨てよ。実際の質問ではない。英語の試験問題である。英語のセンテンスがきちんと作れることを示す必要がある。

1.2. Next to the Sakura Park.  のような、主語と動詞の無いかたちでも正解とされることはたしかにある。それでもセンテンスのかたちで答えるという原則をくずさない方がよい。センテンスで答えて間違いにならないのに、わざわざ句で答えてもよいとされる例外条件をこと細かに立てることは、原則の不要な複雑化になるからである。

1.3. 文のかたちで答えるということは、ていねいに答えるということである。日本語でも「さくら公園」と答えるよりは、「さくら公園です。」と答えるほうが望ましいだろう。

 

2.1. 上記の1で言っていることと一見矛盾するようであるが、反復を避け、できるだけ簡潔に答える必要がある。不要な反復を避けることはていねいに答えることとは矛盾しない。 2)  Was it the first time for Jiro to visit the library? という質問に対する Yes, it was the first time for Jiro to visit the library.  という答えは、不要な反復に満ちている。文のかたちとしては、 Yes, it was. で十分である。

2.1. できるだけ代名詞を使うべきであるが、ごくまれに代名詞を使うと意味が不明瞭になることがある。たとえば、解答文に男性がどうしても2人含まれてしまうときなどである。その場合は、状況を考えて、どちらかは代名詞以外を使うことになる。

2.2. 場所、時をあらわす副詞のフレーズの場合はもちろん、”代副詞”の there / then を適切に使って反復を回避する。

2.3. 代動詞の do, does, did 、また 代動詞としてのbe 動詞 を適切に使うこと。たとえば、6) の She did it.  が誤りなのは、 "did" が すでに "knew Jiro's telephone number" のすべてを表しているからである。

 

3.1. 過去形で質問されているのに、現在形で答える誤りは、単に時制に不注意なだけである。

3.2. 意外に多い誤りは、質問文が一般動詞で質問しているのに、be 動詞で答えようとするものである。構文的にはbe動詞のほうがやや易しいので、単に楽な答え方に流れているだけであろう。 1)  Who asked Jiro to come to the library?  という質問に対して、 It's Emi. とか、  It was Emi.  という解答をして何の疑問も持たない生徒は非常に多い。実際の会話では通じてしまうし、目くじらを立てる人はほとんどいないであろうが、英語の試験では誤りとなる。

3.3.受動態で質問しているのに、不必要に勝手に能動態にして答えるのも誤りとなる。同様に、完了形で質問されているのに、過去形で解答する誤りもよく見かける。

 


そこで間違える理由 2

2010-05-28 08:48:29 | なるほど英文法 

生徒の間違いで多いものの一つに、”3人称・単数・現在”のSを付け忘れるミスがある。 ”3人称・単数・現在”のSの付け忘れは、単なる不注意と言ってしまえば、それまでだが、特に頻出するミスには、それなりの理由がある。

1)  He cook dinner.

2)  My father cook dinner in place of my mother.

3)  My father usually cook dinner in place of my mother.

 

1)の文であればすぐに気がつく誤りが、3)では、見落とされることになる。特に主語と動詞のあいだに副詞などが入って、主語と動詞とが離れてしまうと、この見落とし率がグンと高くなる。この位置にくる副詞としては、頻度の副詞が多い。頻度の副詞とは sometimes     always     never    usually    seldom    といった副詞であるが、特に語尾が s で終わっている副詞の場合には、この見落とし率がさらに高くなる。おそらくその 副詞の語尾の s が無意識に、”3人称・単数・現在”の s と錯覚され、すでに付いているように思ってしまうためであろう。これは、英作文のときに顕著に見られるミスである。

4)  Mr. Jones sometimes use the library near the park.

5)  His sister always practice the piano on Sunday morning.

 

上記の文が以下のようだったら、一目瞭然のミスである。

 

4)  He use the library.

5)  She practice the piano.

  


そこで間違える理由

2010-05-16 08:49:23 | なるほど英文法 

ある種類の問題を解くときに、生徒たちが似たような間違いをすることがある。同じパターンのミスが繰り返される。しかも同じ生徒が繰り返し間違える。そういった間違いには必ず理由があるのだが、それがすぐわかるものもあれば、不明なものもある。

最近解明できたものを、以下に紹介しよう。

a)  Ken's father washed the car yesterday.(受動態にせよ)

b)  The car is washed  by Ken's father yesterday.

上記の b) の文は、それ自体としては誤りではないが、a) の受動態としては、誤りである。すでに誤りであるとして出してあるので、どこが間違っているかすぐにわかるひとも多いだろう。しかし、それでもまだどこが間違っているのかすぐにわからないひともいるだろう。 元(もと)文が過去形のものを受動態にするときによく見られる間違いのパターンである。この間違いは実に多い。

それでは、なぜこう間違えるのか。理由はこうである。

この b) の文の解答者は、受動態にするには be動詞が必要であることがわかっていて、ある程度の英語の実力は備わっているのだ。しかし、以下のように混乱がある。

まず、”be 動詞”を導入することによって、それでもう受動態になったと思い込んでしまったのだ。

そして、過去形と過去分詞形の働きの違い、区別がややアイマイであるために、 次のような勝手な思い込みが重なる。そもそも元(もと)文の Ken's father washed the car yesterday. の中の ”washed”  は過去形であり、いっぽう受動態にした方の The car is washed  by Ken's father yesterday. の中の ”washed”  は過去分詞形であって、別物のはずである。ところが、 wash という動詞が規則変化をする動詞で、過去形と過去分詞形とが同じ形であるために、その文法的な機能の違いが見落とされてしまった。そのために、受動態の b) の文中の washed はそのまま過去時制を表していると思い違いしてしまった。

実際は、能動態の元(もと)文では、過去という時制は一般動詞の washed  で表され、いっぽう、受動態になった文では、時制は、be 動詞のほうで表されなければならない。つまり、 この場合は is ではなく、 was にすることによってである。

 以上の間違いにひそむ受動態の誤った把握を図式化すると、以下のようになる。  

受動態の誤った把握:  [  is     ]   washed    

                                   [ 受動態  ]    時制

 

受動態の正しい理解:  [  was        washed  ]

                 [  受     動    態   ]

                                   時 制

 繰り返し間違える理由は、受動態の理解がまだ浅薄であるためで、これに気づかないうちは、何度でも間違えるだろう。これに気づけば、間違いを繰り返さなくなるはずである。ここまで読んできた君は、もうだいじょうぶだろう。


英国で”腰パン禁止令”!?

2010-05-07 09:34:21 | Snapeニュース配信

UK teenager's trouser ban 'breaches human rights'

An order banning a British teenager from wearing his trousers too low has been dropped because it breached his human rights, a court was told.

Ellis Drummond, 18, faced an anti-social behaviour order (ASBO) which included a ban on "wearing trousers so low beneath the waistline that members of the public are able to see his underwear".


The order, proposed by the Crown Prosecution Service (CPS), would also have stopped him from wearing a hooded top with the hood up, following convictions last month for assault, possession of Class B drugs and theft.


But the measures put forward by the CPS were withdrawn after District Judge Nicholas Leigh-Smith told Bedford Magistrates' Court on Tuesday that "some of the requirements proposed struck me as contrary to the Human Rights Act".


Drummond, of Rushden in central England, was instead handed a four-year order prohibiting him from using threatening behaviour, begging or entering the grounds of Bedford College.


He had condemned the original terms of the ban, saying: "It's like they're trying to change the way I dress."

The original ban was aimed at preventing Drummond from exposing his underwear in public.

けっきょく、腰パン禁止は”人権侵害”のおそれありということで、少年は処罰を免れた。

 -- YAHOO NEWS UK & IRELAND


イソップ物語をタダで速読する

2010-05-06 08:00:06 | 英語の読み方

イソップ物語のいくつかは、英語でも読んだことがあるだろう。短くて、わかりやすいので、英語の初級の教材としてはよく使われる。これを今度は、速読の教材として使ってみたまえ。イソップ物語をほとんど網羅した英語の本もさがせばあるだろうが、お金をかけることはない。速読で読むものにお金を使うことはない。

「イソップ物語」は著作権が無い。版権が無い。著作権切れの作品は、ネット上で無料で手に入れられる場合がある。以前にも紹介した、Project Gutenberg に行けば、いくらでもあるのだ。それもなかなかいい挿絵つきだ。人類の知的遺産を、遠慮せずに大いに活用しようではないか。

プロジェクト・グーテンベルク 「イソップ物語」

http://www.gutenberg.org/files/19994/19994-h/19994-h.htm

 数多くある話の中から、一つだけ紹介しておこう。

THE DOG AND HIS REFLECTION

A Dog, to whom the butcher had thrown a bone, was hurrying home with his prize as fast as he could go. As he crossed a narrow footbridge, he happened to look down and saw himself reflected in the quiet water as if in a mirror. But the greedy Dog thought he saw a real Dog carrying a bone much bigger than his own.

If he had stopped to think he would have known better. But instead of thinking, he dropped his bone and sprang at the Dog in the river, only to find himself swimming for dear life to reach the shore. At last he managed to scramble out, and as he stood sadly thinking about the good bone he had lost, he realized what a stupid Dog he had been.

It is very foolish to be greedy.

(最後に教訓がついている)