英検二次試験(面接試験)受験にあたっての注意
(試験当日に、ケータイで、もう一度見直して下さい)
英検の「面接試験」は、英語による基本的なコミュニケーション能力を見ます。決して受験者の「英会話力」を試すテストではありません。基本的なコミュニケーション能力とは、相手の英語を間違いなく聴きとり、正しい英語を組み立てて、コミュニケーションができることです。
英検の面接試験は、就職試験や、入学試験の面接とは違い、受験生の人柄、考え方、価値観を見るものではありません。英語の運用能力だけを見るものです。ですから、特に自分の意見を述べる問題の場合、あまり馬鹿正直に自分の考えをくどくどしく述べる必要はありません。英語で答えやすいように、話を簡単にしたり、実際とは変えてもかまいません。自分としてはどちらでもいいようなことでも、とりあえず割り切ってyes か no に決めて、わかりやすい理由を適当に自分の表現力の範囲で述べればいいと考えてください。
面接官は、通例日本人です。面接官によって採点基準が違うことはあまりありません。英検の面接試験にはかなり細かな採点のガイドラインがあり、多少の点数の上下はあるにせよ、面接官によって合否の判定が違う、ということのないよう十分に配慮されています。
2次試験受験者に占める合格者の割合は75%程度です。ですからよほど大きな失敗をしない限り合格します。面接試験は大きく分けて、音読と5つの質問からなります。
黙 読
試験官から,Now, let's begin the test. First, please read the passage silently for 20 seconds.(ではテストを始めましょう。最初にそれ(=カードの文)を20秒間黙読してください)という指示がありますので,Sure.(はい)と元気よく答えて、黙読を始めます。
1. この時間は、発音よりも,文の内容をしっかり理解するようにします。
2. 黙読の段階で、内容をしっかり理解しておくと、次の音読にそれが反映します。
3. カードには上に文、下にイラストがあります。しかし、その文とイラストは実はまったく無関係です。同じ紙にあるので、多少関連があるように見えるかもしれませんが、無関係です。文を読むときに、そのイラストは全然助けになりません。むしろその絵に惑わされるひとが多いので、注意してください。無視しながら読むようにしてください。イラストについての質問の際には、文はまったく無関係なので、役に立ちません。
音 読
20秒経つと試験官が Are you ready? (始めていいですか?) と聞くので、 Yes. と元気よく答えてください。試験官が Please read it aloud. (それを声に出して読んでください)と言ったら、 Sure.(はい)と答え,音読を開始してください。
1. 必ずタイトルから読んでください。
2. 発音は特に流ちょうである必要はありません。
3. 発音に自信のある人でも、無理してあまり完璧を目指さないことです。
4. 知らない単語があっても適当に発音して読み進みます。間違えてもかまいません。つっかからないことです。
5. 重要なことは 「この受験者は文章の意味が理解できている」という印象を与えることです。
6. 文の構造や内容をきちんと理解しているかどうかを主に見ています。
7. 意味の区切りとイントネーションに特に注意して読みます。
8. 早く読む必要はありません。発音に自信のある人ほど、早口になりやすいので注意してください。
9. 声の小さなひとは不利です。大きな声で元気良くはっきりと読むだけでポイントが上がります。
10. 個々の発音がそれほど上手ではなくても、聞き手が理解できるような読み方をすればOKです。
5 つ の 質 問
試験官が Now I'm going to ask you five questions, one by one. Are you ready? (では今からあなたに1つずつ、5つの質問をします。用意はいいですか?)と訊いてきますので、Yes. と答え、最初の質問に耳を傾けます。
質問の内容がわからなければ、黙って考え込まずに、必ず、I beg your pardon.とか Please say it again.などと聞き返して下さい。二度ぐらい聞き返しても減点されることはありません。全く的はずれな解答でも2点はもらえます。10秒ぐらい沈黙していると次の質問に進まれてしまいます。
● Passage についての質問
試験官の質問が理解できれば、まず3点以上は確実でしょう。いちおう質問内容に沿った答えをすれば、文法的に多少のミスがあっても、3点以上が保証されます。
1. 質問の答えは必ず文中に出ています。3級レベルでは、それを見つけて、ただ読むだけの場合があります。
2. 準2級、2級、1級の場合は、一ひねりあります。質問の文の動詞に合わせて、本文の文を多少手直ししなくてはならないような質問をされることがあります。ここをきちんとクリアして下さい。
3. あわてないで、質問の主語と動詞を聞き取ってください。
4. 答えるときの文の主語は、必ず代名詞を使ってください。
5. わからないからといって、黙ったままでいるのはいけません。必ず何か言ってください。
6. わからないときは聞き返してもかまいません。 I beg your pardon? と2回まで聞いても減点はありません。
7. 聞き返しは問題ないですが、できれば、同じ訊き方を繰り返さないようにいくつか用意しておくといいでしょう。
Pardon me? Repeat your question, please? Could you speak more slowly? などです。
8. 10秒沈黙すると1点となり、次の質問に進まれてしまいます。沈黙だけは避けてください。
9. ふだんから社会・時事問題などに関心を持ち、自分の意見を簡単な英語で表現できるようにしておくといいでしょう。
● 2番目と3番目の質問は、イラストに関しての質問です。
1. 質問への回答は必ず文のかたちで答えてください。単語だけとか、句だけではいけません。
2. 自分の知っている範囲の語彙や表現で言うように工夫してください。
3. 難しい単語を思い出そうとしても緊張しているときは出てきません。
4. 自分の英語力の範囲内で答えようとすると、本当に言いたいことの6割以下になってしまいますが、そのフラストレーションに耐えてください。
5. 間違った文を言うほうが、黙ったままでいるよりポイントは高いです。
● 4番目と5番目の質問は、あなた自身に関する質問です。
1. 4番目の質問は、疑問詞で始まる具体的な質問です。
2. 具体的な答えを求める質問ですから、これに対してあなたは、常に文のかたちで答えてください。
例えば、 How did you come here today? (今日は,ここへどうやって来ましたか?)
×× “…………….” ← いつまでも黙っていてはいけません。
× “By train.” ← 文を作れないと判断されます。
○ “I came here by train.” ← 合格圏内
◎ “I came here by train. It was very crowded.” ← 余裕ですね。
● 5番目の質問は Yes/No で答える質問です。
1. Yes にするか No にするかで、いつまでも迷っていてはいけません。5秒以内に決めて下さい。
2. あなたが本当にYes なのか No なのかは、本当はあまり重要ではありません。
3. どちらかを選び、会話が途切れないようにすることが重要です。
4. Yes と答えた場合も No と答えた場合も、さらにもう一つ質問が畳みかけられてきます。
5. 平凡な解答で十分です。ユニークな解答で高得点が得られるわけではありません。
例えば,試験官が Do you like to play sports?(スポーツをするのは好きですか?)と尋ねた場合に,あなたが Yes, I do. と答えたら,試験官は続けて Please tell me more. (もう少し詳しく話してください)とさらに訊いてきます。そこであなたは I’m in the tennis club at school. (学校のテニス部に入っています)というように答えることになります。一方,あなたが No, I don't. (いいえ)と言った場合,試験官は What do you usually do on weekends? (週末はふつう何をしていますか?)のように続けて質問をしますので,あなたは I listen to music at home.(家で音楽を聴いています)のように答えることになります。
● Attitude(態度点)
1. コミュニケーションを積極的に行おうとする態度が評価の対象になります。
2. わからない時に沈黙してしまうのは大きなマイナスです。
3. 黙ったり,うなずいたりするのではなく,なんとか英語で意思を伝えようとするその態度が評価されます。
4. 多少の文法的な不正確さは、積極性と声の大きさと笑顔でカバーできると思ってください。
5. 沈黙せずに Let me see. と言いながら考えたり、試験終了時にカードを返す際にHere you are.(はいどうぞ)と言えるといいです。
6. また、しっかり相手の面接官の目を見て会話することも、英語の世界では大切なマナーです。
7. 反応の自然さ、スムーズな応答も評価の対象です。
8. 発音の明瞭さも評価されます。いくら上手な発音でもボソボソ言っていてはマイナスです。
9. 文法や発音で多少の間違いがあっても、合格します。気にすることはありません。
10. 失敗を恐れず、ハキハキと自分の意思を伝えるようにしましょう。
11. あてずっぽうでも何か答えを言った方がよいと思ってください。
12. いくら何か言ったほうがよいといっても、”I don't know.”と言えば、その項目は落第点になります。軽々しく言ってはいけません。
● 面接官は、概してやさしいです。受験者に威圧感を与えないように指導されています。リラックスして面接に臨んでください。