Snapeの英語指南

英語長文対策、英語速読法、英語学習法、高校生、中学生、社会人の英語学習に役立つヒントを紹介。

順番を無視して解答しろ!

2012-10-06 07:27:13 | 試験対策

英語に限らないが、試験で問題を解くとき、自宅で問題集をやるとき、問題はふつう複数あり、大きい項目がいくつかあり、それらの下に小問題が4題なり6題なりがあるといった体裁を取っていることが多い。たとえば、以下のようなパターンである。

1. 1) 2) 3) 4) 5) 6)
2. 1) 2) 3) 4) 5) 6)
3. 1) 2) 3) 4)
4. 1) 2) 3) 4)
5. 1) 2) 3) 4) 5)


ふつうの生徒は何も考えずに上から順番に解答していくものだ。しかし、試験問題の出題者は、たくさんある問題をなにも易しい問題をトップに難易度順に配列しているわけではない。生徒たちが、上から順に解答していくのは、単に何も考えていないだけのことである。

試験問題を、限られた時間内で、実力を最大限に出し切りたいとなると、それなりの方法、戦略が必要になってくる。

私は生徒には常に、難しそうなところは後回しにしろ、と言っている。まあ、上から順番にやってもかまわないが、大事な点は、自分にとって易しい問題を優先して片づけていくことだ。繰り返すが、出題者はわざわざ君に解きやすいように問題を配列してくれてはいないのだ。与えられた順番に受動的に従うのではなく、能動的に自分にとっての難易度順で解答していきたまえ。能動的で柔軟な姿勢が大事だ。

それでも、生徒の中には、生真面目というか几帳面というか、最初の1番から順番に解いていかないと気が済まないという生徒もいる。順番に次々と解答していければいいのだが、多くの場合、途中ではたと止まって難問を前に1分、2分と時間をかけることになってしまうことがあるものだ。私が見かねて、「わからないところは飛ばして、またあとで戻ってきてやりなさい」と言うと、プライドが傷つけられたように不服そうな顔してしまったりする。”頑迷な若者”というのがいるものだ。


もっとも、自分の実力をかなり下回るやさしい問題であることがはじめからわかっている場合は、順番通りに解いていっていいと思う。しかし、そういう問題はそもそもあまり解く価値がないだろう。高校3年生が中学1、2年の問題を解いてどれだけ意味があるか。逆に中学生が大学入試問題を解く場合、解いていく順番にどれだけ意味があるか。問題の難易度には適正なレベルというものがある。私が以下に論ずる問題攻略法は、適正レベルの難易度の問題を前提にしている。


私が、順番にとらわれれずにできるところからやっていけ、というのは以下の理由からである。

1) 出題者は、たくさんの問題を易しい問題から難しい問題へと難易度順に配列しているわけではない。いくら番号が振ってあっても、解答者は自分が解答しやすいものから始める自由がある。

2) 試験問題は一般的な難易度順に配列されていないだけでなく、ましてや君にとって解きやすい順にもなっていない。解答する側は出題者の配列順に縛られる必要はなく、能動的に柔軟に自分の都合で解答の順序を決めるのがよい。

3) 実は出題者は、わざと最初に難しい問題をおく傾向がある。いちばんの難問を最初において、時間をかけさせるのである。私自身もそういうふうにして問題を作ってきたものだ。実際、難しいものから易しいものという順になっていることすらある。つまり最後の問題から始めて最初の問題に逆流した方が早く終わることすらある。

4) 限られた時間で解かなければならないのならば、少しでも無駄な時間はかけないようにしなければならない。合理的、効率的な時間管理、時間配分を常に念頭に置かなければならない。

5) 答えが思い出せない問題の場合、考えれば考えるほど、時間をかければかけるほど却って出てこなくなってしまうことがある。一度離れることが必要なのである。いったん後回しにして別の問題をやってから再び戻ってくると、楽に思い出せることがある。

6) 後回しにして別の問題をやっているときに、その別の問題の中にたままたヒントがあって思い出したり、思いついたりすることもある。「あ、さっきの問題の答えはこれだ!」とひらめくことがあるものだ。

7) 英語の長文問題などでは、その問題を飛ばして進んで読んでいったすぐ先にその答えがころがっているというケースはよくある。

8) 5,6に共通しているが、発想を切り替え、新たな視点で見直すと、ひらめくことがある。そのためにはいったんその問題から離れなければならない。(生徒によっては、この一時撤退が全面敗北のように思え悔しくていつまでもかじりついているものがいる)

9) できる問題、またはできそうな問題から解いていくほうが、間違いなく時間の節約になり、解答時間の配分の見通しを立てやすい。解ける問題をある程度すませてから、安心して節約した時間を難しい問題に振り当てることができる。

10) たまたま解答を始めてすぐに難問で時間を取られていると、残りの問題を解いていく計画、見通しが立てられなくなってしまい、まだいくつか解けるのに時間がなくて手つかずで終わってしまうことがある。

11) 6題の穴埋め問題で共通の語群に選択肢が6個ある場合と、3題の穴埋め問題で選択肢が3個の場合とを比べてみたまえ。難易度が同程度だとしたら、3題で選択肢が3個のほうが早く解けて正答率が高いことは理の当然だろう。つまり、6題の穴埋めで選択肢6個の問題も全部解いていく過程で、1つ解いていく毎に選択肢が減って加速的に易しくなっていくのだ。3題を通過し、5題まで解けば、最後の1題には選択肢は1つしか残っていないわけだから考える時間も要らなくなる。

12) 6題の穴埋め問題で共通の語群に選択肢が6個ある場合、6つの問題の難易度が君にとってすべて同じということはなく、当然難しいものと易しいものとが混在しているだろう。そして、その6つの中には必ずと言っていいくらい、すぐに答えがわかるような易しい問題があるものだ。実は、こういった語群から選ぶ穴埋め問題ほど、いちばん易しい問題は中ほどか最後に置かれている。出題者の心理として、いちばん易しい問題は最初に置きたくないのである。

13) 問題番号にとらわれずに自分にとって易しいもの、確信を持って答えられるものから片づけていったほうが、残る選択肢が減っていってぐんぐんと解答しやすくなる。こんな当たり前なことにも気がつかないで、1番に置かれた難問に時間をムダに費やしている生徒は珍しくない。出題者はそういう生徒を想像して悦に入っているのだ。私もそうだが。

14) 難問も時間をかけて最終的に正解に辿りつければまだいい。しかし、時間をかければ必ず正解が得られるとはかぎらない。時間をかけても、けっきょく空欄のままに終わってしまうこともある。仮に解けたとしても、それが正解である保証もない。また難問がそれに費やした時間に見合った配点であるともかぎらない。

15) 私自身の長年の試験問題作成の経験からすると、出題者には、問題作成にあたって、解答者がすんなり解けないように、よけいな時間を食うように問題を作って、配列しようとする”本能的な”傾向がある。出題者にはすぐに解かれたくないという”プライド”があるのだ。

16) 2時間かけても解けない問題がいちばん最初にあって、順番を守ってがんばったら、その試験は0点になるだろう。


以上の理由で十分だとは思うが、私としては、特に、5) 6)7)の理由を強調したい。試験本番のときは緊張しているものである。緊張しているときほど、つまり、プレッシャーがかかっているときほど、ますます思い出せなくなってしまうのだ。わかっているはずなのに出てこなくなるものなのだ。そういう経験は誰にでもあるはずだ。

たとえば、駅で偶然に昔の友人に出会ったとしよう。顔は覚えていてお互いに久しぶりに言葉を交わしていても、相手の名前がすぐに思い出せなくて焦ってしまったということはないか。けっきょく名前を思い出せないうちに電車が来て、そのまま別れて、電車の中で2駅3駅過ぎたころになって、やっと思い出したりするものだ。会った瞬間に名前がぱっと出てこないうちに会話が始まってしまうと、名前を思いだせないとまずい、申し訳ない、というプレッシャーがかかってくる。すると、思い出し始めていたのがそのプレッシャーのために却って思い出せなくなってしまうのだ。であるから、相手から離れてプレッシャーが解除されると、簡単に思い出せてしまうのである。

行き詰まったら、いったん「外す」こと、「切り替える」ことが必要である。ぜひ参考にしてほしい。


並べ替え問題の攻略法

2012-10-05 09:20:35 | 試験対策

並べ替え問題は、語順問題、整序問題 などとも言うが、要するに1つの文の全体なり部分の語群をバラバラにしたものを、正しい順序に再現させる問題である。この種類の問題には、解き方のコツというものがあるのだが、それを知らずにいて、いつも間違えたり、不必要な時間をかける生徒がいるのをさんざん目にしてきた。そこで、”攻略法”として、より短時間で、グンと正答率をアップさせる方法を伝授しようと思う。

例として、以下の問題をやってみよう。



<問題1> 日本文の意味になるように、以下の語群を正しく並べ替えよ。

昨日ステージでピアノを弾いていた少女を知っていますか。

[ stage know yesterday was you piano on the playing girl do the who the ] ?


こういう問題に取り組む際に、もっとも初歩的で、かつ、いちばんよく見かける致命的なアプローチは以下のようなものである。


     [ stage know yesterday was you piano on the playing girl do the who the ] ?

      昨日  ステージで  ピアノを  弾いていた  少女  を知っていますか。

 →   yesterday    stage    the piano    playing    girl    know   ......

このように並べていく生徒が半数以上である。この並べ方は、当人は無意識であるが、ある原理に基づいている。つまり、与えられた日本文の単語列に対応させて英語の単語を拾って並べているだけである。日本文のとおりに単語をならべていけば、何となく英文が完成すると思っているのであろう。これを「単語対応法」という名前で呼ぼう。この方法は、めったに成功することがない。この方法で始める生徒のうち、さすがに途中で「何かおかしいぞ」と思って、最後までこの方法で通せなくなる生徒が約半数である。
この「単語対応法」で解き始めるのは、単に何かしなくてはいけないと思ってシャーペンを動かそうとすると、この方法になってしまうというだけのことである。何かしなくては、と焦りながらも、途中で放棄せざるを得ない方法で始める結果、かえって余計な時間を費やし、遠回りしているのである。

ここまでのまとめ:攻略法1 ●日本文の語順にとらわれるな!

以上、もっとも初心者が陥りやすい誤った自滅的、非建設的なアプローチを指摘した。次に、建設的で、効率的なアプローチを紹介する。

   昨日ステージでピアノを弾いていた少女を知っていますか。
[ stage know yesterday was you piano on the playing girl do the who the ] ?

まず、どの単語から始まるか、どの単語が最初にくるかは考えないことである。これは重要なことなのであるが、わかっていない者があまりに多い。たとえひらめいても、それですぐに書き始めてはいけない。
なぜ、いけないのか。その理由は、最初にくる単語1つを誤ってしまうと、そのあといくら時間をかけて作ってもすべてムダになってしまうからである。しかも、解答者が最初に”ひらめく”ような単語は、問題作成者が仕込んだ、引っかけ、ワナである場合が多いのである。そして、これが最も多い失敗である。上述した「単語対応法」で解こうとする者が陥るように仕組まれたワナなのだ。私自身がそういう問題をさんざん作ってきた。

ここまでのまとめ:攻略法2 ●どの単語が最初にくるかは考えるな!

それではどうしたらいいのか。最初にどの単語がくるか考えていけなかったら、手も足も出ないじゃないか!という抗議の声が聞こえてくる。
それでは、教えよう! 文を作らないで、与えられた語群(今の例では14個の単語群)の中で、小グループを作っていくのである。ここで小グループというのは、意味のまとまりを持つフレーズのことである。
たとえば、「ステージで」に相当するのは「on the stage」だろう。「少女」は「the girl」だ。「ピアノ」は「the piano」だ。「弾いていた」は「was playing」だ。このようにフレーズ単位で確定グループを作っていくと、それだけで、最初14個だった要素が、半数以下になる。これは地道であるが、確実なアプローチである。また、これは誰にでもすぐに取りかかれる確かな方法である。そして、要素の数が少なくなればなるほど、文は完成しやすくなるのだ。以下の途中経過を見てほしい。

[ stage know yesterday was you piano on the playing girl do the who the ] ?(スタート時の要素数:14個)

on the stage 「ステージで」
the girl     「少女」
the piano   「ピアノ」
was playing  「弾いていた」
do you know 「知っていますか」 

 ここまでのまとめ:攻略法3 ●確定フレーズを見つけろ!

なんだ、「日本文の語順にとらわれるな!」と言いながら、けっきょく日本語どおりに並べているじゃないか、と思うかもしれない。しかし、よおく見てもらいたい。確定するのはフレーズ単位であって、文のレベルではない点が重要なのである。

そして、確定フレーズを書き出していくのだが、上記のように縦に、垂直に並べていくことが大事である。なぜか。横に並べて書いてしまうと、まだ未確定の段階なのに文のようになってしまい、たまたま書いたフレーズの順番にとらわれ、縛られてしまい、柔軟に考えることができなくなってしまうからである。とにかく文としての順序は極力気にしないことである。順序は気にせずに垂直に並べていくのだ。確定フレーズにならなかったものは、そのまま下に書き足していけばよい。
すると以下のようになる。これで最初の単語レベルの14個がフレーズレベルへと段階が上がってきて、必然的に要素の数が少なくなり、今や7つである。

on the stage 「ステージで」
the girl     「少女」
the piano   「ピアノ」
was playing  「弾いていた」
do you know 「知っていますか」
   who
yesterday

(フレーズ化第一段階での要素数:7個)

ここまできたら、垂直に並べたフレーズの頭に番号を振りながら、文を完成することができる。面白いことに、こうしてフレーズのレベルに引き上げてくると、自然に英語の文の順序になってくるのである。

6 on the stage  「ステージで」
2  the girl     「少女」
5  the piano   「ピアノ」
4  was playing  「弾いていた」
1 do you know  「知っていますか」
3   who
7   yesterday

ここまでのまとめ:攻略法4 ●フレーズを縦に書き出せ!

確定フレーズを縦に書き出す時間がなければ、問題の語群に書き込んでもよい。
たとえば、以下のようにする。

  on    do
  the    you
 [ stage  know yesterday  was ............ ]
                   playing
                    the
                   piano

そして、言うまでもないが、移動した単語は抹消線で消していく。

ここまでのまとめ:攻略法5 ●文を作ろうとするな!

いきなり文という高い壁を登らずに、フレーズという踏み台を使え!
いきなり最初の単語から書き始めるのは、ぶら下がっているバナナをゲットするのに、その場でジャンプしているのと同じである。チンパンジーだってすぐに踏み台を使うぞ!


もうひとつ例をあげておこう。とにかく、いきなり文を作ろうとしないで、”確定フレーズ”を見つ出していくことだ。

<問題2> 

トムは、雨の日はテニスができないので、今日はいつもより早く帰るだろう。

[ can't   rainy today   he  as  than play  earlier   on   Tom   day  come  tennis usual  home  a   will ](17個)


●フレーズ確定 第1段階 (あまり頭を使わないでできる、しかし重要なレベル)

can't play tennis
a rainy day
today
come home
earlier than
he
as
on
Tom
usual
will
(11個)


●フレーズ確定 第2段階 (集中力が必要となるレベル)

仮に和訳がなかったとしても、以下のポイントを押さえれば解ける問題である。

ポイント1: today  と on a rainy day がくっつくことは文法的にありえないと考える。
ポイント2: 雨の日にはテニスはできないという常識的推理を前提にする。

Tom can't play tennis
on a rainy day
today
he will come home
earlier than

as

usual

(7個)


●フレーズ確定 第3段階 (最終調整)

6 he can't play tennis
7 on a rainy day
4 today
1 Tom will come home
2 earlier than

5 as

3 usual

●フレーズ確定 (完成文)

1 Tom will come home
2 earlier than
3 usual
4 today
5 as
6 he can't play tennis
7 on a rainy day


→ Tom will come home earlier than usual today as he can't play tennis on a rainy day.

(ミスを指摘してくれたみなさん、ありがとう!ミスを発見するくらい熱心に読んでもらえてうれしいです。とはいえ、ミスはあってはならないもの。これからもっと注意します!)


読んで役立つ 英検 面接試験 対策 

2012-04-10 15:56:39 | 試験対策

英検二次試験(面接試験)受験にあたっての注意
(試験当日に、ケータイで、もう一度見直して下さい)

英検の「面接試験」は、英語による基本的なコミュニケーション能力を見ます。決して受験者の「英会話力」を試すテストではありません。基本的なコミュニケーション能力とは、相手の英語を間違いなく聴きとり、正しい英語を組み立てて、コミュニケーションができることです。
英検の面接試験は、就職試験や、入学試験の面接とは違い、受験生の人柄、考え方、価値観を見るものではありません。英語の運用能力だけを見るものです。ですから、特に自分の意見を述べる問題の場合、あまり馬鹿正直に自分の考えをくどくどしく述べる必要はありません。英語で答えやすいように、話を簡単にしたり、実際とは変えてもかまいません。自分としてはどちらでもいいようなことでも、とりあえず割り切ってyes か no に決めて、わかりやすい理由を適当に自分の表現力の範囲で述べればいいと考えてください。
面接官は、通例日本人です。面接官によって採点基準が違うことはあまりありません。英検の面接試験にはかなり細かな採点のガイドラインがあり、多少の点数の上下はあるにせよ、面接官によって合否の判定が違う、ということのないよう十分に配慮されています。
2次試験受験者に占める合格者の割合は75%程度です。ですからよほど大きな失敗をしない限り合格します。面接試験は大きく分けて、音読と5つの質問からなります。

黙 読
試験官から,Now, let's begin the test. First, please read the passage silently for 20 seconds.(ではテストを始めましょう。最初にそれ(=カードの文)を20秒間黙読してください)という指示がありますので,Sure.(はい)と元気よく答えて、黙読を始めます。

1. この時間は、発音よりも,文の内容をしっかり理解するようにします。
2. 黙読の段階で、内容をしっかり理解しておくと、次の音読にそれが反映します。
3. カードには上に文、下にイラストがあります。しかし、その文とイラストは実はまったく無関係です。同じ紙にあるので、多少関連があるように見えるかもしれませんが、無関係です。文を読むときに、そのイラストは全然助けになりません。むしろその絵に惑わされるひとが多いので、注意してください。無視しながら読むようにしてください。イラストについての質問の際には、文はまったく無関係なので、役に立ちません。

音 読
20秒経つと試験官が Are you ready? (始めていいですか?) と聞くので、 Yes. と元気よく答えてください。試験官が Please read it aloud. (それを声に出して読んでください)と言ったら、 Sure.(はい)と答え,音読を開始してください。
1. 必ずタイトルから読んでください。
2. 発音は特に流ちょうである必要はありません。
3. 発音に自信のある人でも、無理してあまり完璧を目指さないことです。
4. 知らない単語があっても適当に発音して読み進みます。間違えてもかまいません。つっかからないことです。
5. 重要なことは 「この受験者は文章の意味が理解できている」という印象を与えることです。
6. 文の構造や内容をきちんと理解しているかどうかを主に見ています。
7. 意味の区切りとイントネーションに特に注意して読みます。
8. 早く読む必要はありません。発音に自信のある人ほど、早口になりやすいので注意してください。
9. 声の小さなひとは不利です。大きな声で元気良くはっきりと読むだけでポイントが上がります。
10. 個々の発音がそれほど上手ではなくても、聞き手が理解できるような読み方をすればOKです。

5 つ の 質 問
試験官が Now I'm going to ask you five questions, one by one. Are you ready? (では今からあなたに1つずつ、5つの質問をします。用意はいいですか?)と訊いてきますので、Yes. と答え、最初の質問に耳を傾けます。

質問の内容がわからなければ、黙って考え込まずに、必ず、I beg your pardon.とか Please say it again.などと聞き返して下さい。二度ぐらい聞き返しても減点されることはありません。全く的はずれな解答でも2点はもらえます。10秒ぐらい沈黙していると次の質問に進まれてしまいます。

● Passage についての質問
試験官の質問が理解できれば、まず3点以上は確実でしょう。いちおう質問内容に沿った答えをすれば、文法的に多少のミスがあっても、3点以上が保証されます。

1. 質問の答えは必ず文中に出ています。3級レベルでは、それを見つけて、ただ読むだけの場合があります。
2. 準2級、2級、1級の場合は、一ひねりあります。質問の文の動詞に合わせて、本文の文を多少手直ししなくてはならないような質問をされることがあります。ここをきちんとクリアして下さい。
3. あわてないで、質問の主語と動詞を聞き取ってください。
4. 答えるときの文の主語は、必ず代名詞を使ってください。
5. わからないからといって、黙ったままでいるのはいけません。必ず何か言ってください。
6. わからないときは聞き返してもかまいません。 I beg your pardon? と2回まで聞いても減点はありません。
7. 聞き返しは問題ないですが、できれば、同じ訊き方を繰り返さないようにいくつか用意しておくといいでしょう。
Pardon me?    Repeat your question, please?   Could you speak more slowly?  などです。
8. 10秒沈黙すると1点となり、次の質問に進まれてしまいます。沈黙だけは避けてください。
9. ふだんから社会・時事問題などに関心を持ち、自分の意見を簡単な英語で表現できるようにしておくといいでしょう。

● 2番目と3番目の質問は、イラストに関しての質問です。

1. 質問への回答は必ず文のかたちで答えてください。単語だけとか、句だけではいけません。
2. 自分の知っている範囲の語彙や表現で言うように工夫してください。
3. 難しい単語を思い出そうとしても緊張しているときは出てきません。
4. 自分の英語力の範囲内で答えようとすると、本当に言いたいことの6割以下になってしまいますが、そのフラストレーションに耐えてください。
5. 間違った文を言うほうが、黙ったままでいるよりポイントは高いです。

● 4番目と5番目の質問は、あなた自身に関する質問です。

1. 4番目の質問は、疑問詞で始まる具体的な質問です。
2. 具体的な答えを求める質問ですから、これに対してあなたは、常に文のかたちで答えてください。

例えば、 How did you come here today? (今日は,ここへどうやって来ましたか?)
×× “…………….”  ← いつまでも黙っていてはいけません。
× “By train.”   ← 文を作れないと判断されます。 
○ “I came here by train.”  ← 合格圏内
◎ “I came here by train. It was very crowded.”  ← 余裕ですね。

● 5番目の質問は Yes/No で答える質問です。

1. Yes にするか No にするかで、いつまでも迷っていてはいけません。5秒以内に決めて下さい。
2. あなたが本当にYes なのか No なのかは、本当はあまり重要ではありません。
3. どちらかを選び、会話が途切れないようにすることが重要です。
4. Yes と答えた場合も No と答えた場合も、さらにもう一つ質問が畳みかけられてきます。
5. 平凡な解答で十分です。ユニークな解答で高得点が得られるわけではありません。

例えば,試験官が Do you like to play sports?(スポーツをするのは好きですか?)と尋ねた場合に,あなたが Yes, I do. と答えたら,試験官は続けて Please tell me more. (もう少し詳しく話してください)とさらに訊いてきます。そこであなたは I’m in the tennis club at school. (学校のテニス部に入っています)というように答えることになります。一方,あなたが No, I don't. (いいえ)と言った場合,試験官は What do you usually do on weekends? (週末はふつう何をしていますか?)のように続けて質問をしますので,あなたは I listen to music at home.(家で音楽を聴いています)のように答えることになります。

● Attitude(態度点)
1. コミュニケーションを積極的に行おうとする態度が評価の対象になります。
2. わからない時に沈黙してしまうのは大きなマイナスです。
3. 黙ったり,うなずいたりするのではなく,なんとか英語で意思を伝えようとするその態度が評価されます。
4. 多少の文法的な不正確さは、積極性と声の大きさと笑顔でカバーできると思ってください。
5. 沈黙せずに Let me see. と言いながら考えたり、試験終了時にカードを返す際にHere you are.(はいどうぞ)と言えるといいです。
6. また、しっかり相手の面接官の目を見て会話することも、英語の世界では大切なマナーです。
7. 反応の自然さ、スムーズな応答も評価の対象です。
8. 発音の明瞭さも評価されます。いくら上手な発音でもボソボソ言っていてはマイナスです。
9. 文法や発音で多少の間違いがあっても、合格します。気にすることはありません。
10. 失敗を恐れず、ハキハキと自分の意思を伝えるようにしましょう。
11. あてずっぽうでも何か答えを言った方がよいと思ってください。
12. いくら何か言ったほうがよいといっても、”I don't know.”と言えば、その項目は落第点になります。軽々しく言ってはいけません。

● 面接官は、概してやさしいです。受験者に威圧感を与えないように指導されています。リラックスして面接に臨んでください。


日本語に惑わされるな!

2010-07-02 09:01:01 | 試験対策
以下のA と B のような問題を目にした場合、どちらのほうが解答しやすいと思うか。(  )内の語群は同一である。日本語が与えられているか、いないかの違いである。


A) (  )内の語群を正しく並べて意味の通る文を作りなさい。

( famous aunt painter known a my is as )



B) 日本文の意味になるように(  )内の語群を正しく並べなさい。

 叔母は画家として有名です。

( famous aunt painter known a my is as )


ふつうこうした問題では、日本文が与えられているほうが、日本文の無いものよりも易しいと思われている。解答者は、すでに結果が与えられていてそれを参考にして単語を並べていけばいいのである。トンネルの出口が見えていると言える。一方、日本語が無い場合は、解答者は頭の中で、完成した場合の意味を手探りで模索しながら単語を並べていくことになる。つまり、トンネルの出口が見えていない状態で解き進むことになる。どう考えても日本語があるほうが有利に思える。

しかし、である。私が生徒を使って実験をしたところ、 日本文の無いAのほうが、正答率が高く、日本文のあるBは正答率が低いのだ。正答の場合でも、より時間がかかっている。それはおそらくこういうことである。上記のような問題の場合、与えられる日本語は直訳であることは少なく、意訳であることが多い。そして、その意訳の日本語をめざして英文を作ろうとするためにかえって混乱し、正解にたどりつけなくなってしまうのである。

実は、出題者は日本語を与えることによってむしろ問題を難しくしていることが多い。混乱させるためにわざと意訳の日本語を見せているのである。そのことを知らずに、解答者の生徒たちは、日本語があるほうが安心で簡単だと思っているのである。日本語があると、生徒はそれにすがれると思うのだが、それにすがればすがるほど正解から遠ざかるようになっていることがある。


B)では、「画家として有名」という日本語に惑わされ、 famuos as a painter のフレーズを自信満々で作ってしまうために行き詰ってしまう。


A、B の正解は同一で、以下のとおりである。

<解答>  My aunt is known as a famous painter.




次に、以下の例を見てもらいたい。


A) (  )内の語群を正しく並べて意味の通る文を作りなさい。

( be tomorrow weather to what's going the like ) ?



B) 日本文の意味になるように(  )内の語群を正しく並べなさい。

 明日の天気はどうなりそうですか。

( be tomorrow weather to what's going the like ) ?



B)では、「明日の天気」という日本語のフレーズに縛られてしまうことになる。

<解答>  What's the weather going to be tomorrow?


さらに並べ替えではなく、穴埋め問題であるが、次のような極端な出題例もある。


●日本文の意味になるように空欄に適切な語を1語ずつ記入しなさい。


   人間の価値はそのひとの財産にあるのではなく人柄にある。

   A man's worth lies not in _________ he__________ but in __________ he __________ .


この問題で与えられている日本文の中の「財産」、「人柄」という語で惑わされてしまうが、実はこれは、それぞれ「そのひとが持っているもの」「そのひとがそうであるところのもの」というふうに置き換えることによって正答に近づくことができる。完成文は以下の通りである。
A man's worth lies not in what he has but in what he is .



結論として、以下のように言える。

日本語が与えられている場合、わざわざ見ないようにする必要はない。見てもいいが、それは大意をつかむくらいにして、それを逐語訳しないように警戒する必要がある。特に語順は日本語とはまったく違うことが多い。

日本語(J)や英語(E)やフランス語(F)や中国語(C)といった言語で表わされる以前の”事柄”(X)が言語下にまず存在する。それが英語(E)で表されたり、日本語(J)で表わされたりしているのである。であるから、日本語が与えられている場合、その表面の "J"を通して、その下にある "X" をつかみ取る必要がある。そして、その "X" から"E" を作り出さなければいけない。決して"J"から直接に"E" を引き出そうとしてはいけない。図解すれば以下のようになる。

誤ったアプローチ:  J  →  E


正しいアプローチ:  J     E
              ↘   ↗
                X 



英問英答の原則

2010-05-30 09:30:34 | 試験対策

英語の質問に対して、英語で答える。この形式の問題を”英問英答”というが、特に、与えられた長文についての英語での質問に、英語で答えるものをいうのが一般的である。

この問題形式については、生徒の側にかなり誤解があるようなので、まずそこを正しておく必要があるだろう。

出題者は、本文の内容について英語で質問をするが、それは Yes / No  疑問文の場合もあれば、 Who, What, When, Where, Whose, Which, How といったいわゆる W/H 疑問文 の場合もある。たとえば、以下のようなかたちである。(ここでは本文は重要ではないので割愛する)

1)  Who asked Jiro to come to the library?

2)  Was it the first time for Jiro to visit the library?

3)  Where was the library?

4)  Did Jiro come to the library by bicycle?

5)  Why did Jiro come late to the library?

6)  Did Emi know Jiro's telephone number?

英問英答の問題であっても、質問自体はだいたいが易しいものである。”答え”は本文中にそのまま見えているのが通例である。そこで、解答者はそのたやすく得られた”答え”を、あとは出題者に指摘するだけでよいのだと思ってしまう。つまり、自分には”答え”がわかったということを出題者に伝えるだけだと思ってしまうのだ。ここが大きな思い違いである。

出題者が見ているのは、解答者がその答えを見つけられるかどうかだけではないのだ。Jiro に図書館に来るように頼んだのが Emi であることがわからないような生徒はほとんどいない。Emi を解答に選んでいないのは論外であって、出題者が見ているのは、実は "Emi "という答えを、解答者が”適切で正しい文”で提示できるかどうかなのである。1)の場合は、以下のようになる。

1)  Who asked Jiro to come to the library?

  × Emi.

  × Emi was.

  × It's Emi.

  × It was Emi.

  × Emi asked Jiro to come to the library.

  × Emi asked.

  ○ Emi did.

 

同様に、2)以下をの例を見ていただきたい。

2)  Was it the first time for Jiro to visit the library?

  × Jiro didn't know where the library was.

  × He didn't know the library.

  × Yes.

  × Yes , he did.

  × Yes, it is.

  × It was the first time for Jiro to visit the library.

  × Yes, it was the first time for Jiro to visit the library.

  ○ Yes, it was.

 

3)  Where was the library?

  × Sakura Park.

  × Next to the Sakura Park.

  × Next to Sakura Park.

  × It is the Sakura Park.

  × Yes, the library is next to the Sakura Park.

  × It is next to the Sakura Park.

  ○ It was next to the Sakura Park..

 

4)  Did Jiro come to the library by bicycle?

  × Bicycle.

  × By bicycle.

  × Yes.

  × Yes , bicycle.

  × Yes, by bicycle.

  × Yes, Jiro did by bicycle.

  × Yes, he came to the library by bicycle.

  × Yes, he did by bicycle.

  ○ Yes, he did.

 

5)  Why did Jiro come late to the library?

  × Lost.

  × He got lost.

  × Jiro lost.

  × Because lost.

  × Because he lost.

  × Because Jiro got lost on his way to the library.

  ○ Because he got lost.

 

6)  Did Emi know Jiro's telephone number? 

  × Yes.

  × Yes, Emi knows Jiro's telephone number.

  × Yes, she knows it.

  × Yes, she does.

  × Yes, she knew it.

  × Yes, she did it.

  ○ Yes, she did.

 

英問英答の原則をまとめよう。

1. 文のかたちで答える。  (主語と動詞を持った文で答える)

2. 不要な反復を避ける。  (代名詞、代動詞 do などを適切に使う)

3. 質問文の動詞のかたちを尊重する。 (同じ時制、完了形には完了形など)

 

1.1. 「答えがわかればいいだろう」 という発想は捨てよ。実際の質問ではない。英語の試験問題である。英語のセンテンスがきちんと作れることを示す必要がある。

1.2. Next to the Sakura Park.  のような、主語と動詞の無いかたちでも正解とされることはたしかにある。それでもセンテンスのかたちで答えるという原則をくずさない方がよい。センテンスで答えて間違いにならないのに、わざわざ句で答えてもよいとされる例外条件をこと細かに立てることは、原則の不要な複雑化になるからである。

1.3. 文のかたちで答えるということは、ていねいに答えるということである。日本語でも「さくら公園」と答えるよりは、「さくら公園です。」と答えるほうが望ましいだろう。

 

2.1. 上記の1で言っていることと一見矛盾するようであるが、反復を避け、できるだけ簡潔に答える必要がある。不要な反復を避けることはていねいに答えることとは矛盾しない。 2)  Was it the first time for Jiro to visit the library? という質問に対する Yes, it was the first time for Jiro to visit the library.  という答えは、不要な反復に満ちている。文のかたちとしては、 Yes, it was. で十分である。

2.1. できるだけ代名詞を使うべきであるが、ごくまれに代名詞を使うと意味が不明瞭になることがある。たとえば、解答文に男性がどうしても2人含まれてしまうときなどである。その場合は、状況を考えて、どちらかは代名詞以外を使うことになる。

2.2. 場所、時をあらわす副詞のフレーズの場合はもちろん、”代副詞”の there / then を適切に使って反復を回避する。

2.3. 代動詞の do, does, did 、また 代動詞としてのbe 動詞 を適切に使うこと。たとえば、6) の She did it.  が誤りなのは、 "did" が すでに "knew Jiro's telephone number" のすべてを表しているからである。

 

3.1. 過去形で質問されているのに、現在形で答える誤りは、単に時制に不注意なだけである。

3.2. 意外に多い誤りは、質問文が一般動詞で質問しているのに、be 動詞で答えようとするものである。構文的にはbe動詞のほうがやや易しいので、単に楽な答え方に流れているだけであろう。 1)  Who asked Jiro to come to the library?  という質問に対して、 It's Emi. とか、  It was Emi.  という解答をして何の疑問も持たない生徒は非常に多い。実際の会話では通じてしまうし、目くじらを立てる人はほとんどいないであろうが、英語の試験では誤りとなる。

3.3.受動態で質問しているのに、不必要に勝手に能動態にして答えるのも誤りとなる。同様に、完了形で質問されているのに、過去形で解答する誤りもよく見かける。