Snapeの英語指南

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「アルゴ」は核ミサイル1発に相当する "ARGO" A Nuclear Missile

2013-02-08 23:55:38 | 映画・テレビの英語

  「アルゴ」は核ミサイル1発に匹敵する

"ARGO" Equals to A Nuclear Missile

 

この映画は「野蛮人(barbarians)に捕えられた人質を文明人(civilized people)が頭脳を使って(outwitting)見事救い出す(rescued)」という物語(フィクション)である。

 

実話という触れ込みであるが、当時の当事者たちが否定しているようだ。どうも、“映像実現”(Realization On Screen)のようである。つまり、実際はなかったが、代わりに映像の世界で理想的に実現してみせるというパターンであるハリウッドに“不可能”はない。「ゼロ・ダーク・サーティ」と同様、「アルゴ」はCIAによって仕組まれたプロパガンダ映画であることは明らかである。エンターテイメント作品としていくらアカデミー賞を獲得しようが、反イラン映画としてのプロパンガンダであることには変わりはない。ベン・アフレックはこの映画の構想をCIAに持ちかけられて監督に担ぎあげられた。しかし、この映画を作った本当の目的を見据えておかなければならない。何のためにこんな映画を作るのか?

  

誤解のないようにお願いしたいが、わたしはこれらの作品を見るなと言っているのではない。わたし自身は、いずれ“大好きなテレビ”で観るつもりである。批判していて、なぜ見るのか?CIAの手口(CIA's modus operandi)の研究のためである。こういう作品を観るときには作り手の意図、狙いを念頭に置きながら批判的に観るのでなければ意味がない(meaningless)さらに言えば、そのようにして観たほうがわたしにはずっと“リアリティ”があって面白いのだ。しかし、観なくてもすでにわかることはある。それを以下に述べさせていただく。

  

当記事のいちばん下に転載したものは、“野蛮な国イラン”として描かれた当のその国が発信している「アルゴ」についての公式見解(official comment)の記事である。アメリカ発の情報だけで世界がわかっている気になってはならないであろう。アメリカとイスラエルがいちばん敵視している国の視点にもときには目配りしてみよう。野蛮で間抜けなイラン人”(barbaric and stupid Iranians)というイメージ作りにやっきになっているアメリカの深謀遠慮(cunning calculation)を冷静に見据える必要がある。

  

アメリカは近いうちにイランに戦争をしかける計画である(順序としてはシリアを崩壊させてからになろう)。時間の問題である。戦争が始まるそのときにアメリカ国内や国外から反対や批判(opposition and criticism)ができるだけ少なくなるようにするために今から反イランのイメージ(anti-Iranian images)を大衆の頭の中に植え込んで(plant)おく必要があるのだ。そういった下準備をしておけばスムーズに運ぶのである。「ああいった野蛮な、非民主的な国は叩かれてもしょうがないんじゃないかな・・・」と一般大衆に納得させるためである。そのための準備工作(sytematic preparation)を今から地道に(steadily)しているのである。ベン・アフレックは今、次の戦争の露払い役(opening the game)をさせられているのである。アメリカは常に用意周到の国である。

  

そんなバカな、とあなたは思うかもしれない。しかし、CIAが仕組んでいるのは「アルゴ」や「ゼロ・ダーク・サーティ」だけではないのだ。およそあらゆるメディアに食いこんでCIAはアメリカ国民と世界中の人々の考え方を操作(manipulate)している。軍事力による支配だけでなく、そういった情報操作による支配(control by Public Relations)を併用することには多大のメリットがある。

抵抗が少ない、効率がいい、成功率が高い、損失が少ない、低コストである、気づかれにくいので批判されにくい、物理的実害を与えないので罪悪感が薄い。

逆に言えば、こんなメリットだらけの方法を世界最強の国(the most powerful country on the planet)が使っていないわけがなかろう。あえて言えば、こういった洗脳工作、大衆心理操作、イメージ戦略、文化侵略によってこそアメリカはいつまでも世界最強の国家の地位を保っていられるのだ。日本人はお上(カミ)やNHKが国民を騙すわけがないと思ってきた。しかし、2011年の3.11以降多くの人々が真実を知った。にもかかわらず、喉元を過ぎれば(danger past)また元の“お上(カミ)性善説”に戻っている。どこの国のお上(カミ)、政府というものも、原理的に(in principle)“性悪説”(conspiracy theories)で理解すべきものである。

 

 いや、実はある意味で戦争はすでに始まっているとも言える。戦争を軍事的な次元での事柄とのみ考えていては現実をつかみきれない。すでに“経済”戦争、“宗教”戦争になっていることはもう明らかではないか。同様に“心理”戦争(psychological warfare)、“文化”戦争(cultural warfare)が進行していると見るべきであろう。その観点からすると、「アルゴ」は核ミサイル1発分に匹敵する。そのくらいのダメージをイランに与えている。それだけの“戦果”(outstanding military achievement)があったからこそ、アメリカ大統領夫人が直々に(in person)「アルゴ」の作品賞の発表者を務め、功績を称えた(praised)のである。これを単なるご愛嬌(amusing surprise)と見ているひとはおめでたいかぎりだ。CIAによる演出は実に巧妙である。攻撃性(aggression)や欺瞞(deception)を覆い隠すために女性を起用するのである。心理学的に言って、女性のほうが男性よりも非暴力的(less aggressive)で公然とウソをつくことが少ないと思われているからである。「ゼロ・ダーク・サーティ」はまさにその例である。主人公も、そして監督も女性であることは偶然ではない。そこには大衆心理操作の綿密な計算(delicate calculation)がある。こうした演出はハリウッドではなくCIAがすべてやっている。ハリウッド映画界そしてアカデミー賞受賞式は単なる娯楽の世界ではない。今や文化戦争の修羅場(the theatre of war)である。しかし、彼らはいつでも笑い飛ばせるのだ、「なにを目くじら立てているんだい?ただの娯楽映画じゃないかね、はっ、はっ、はっ!」"Why are you being so serious? It's only one of those entertainment movies, isn't it? Ha ha ha!" と。

 

日本にはCIAに相当する組織(no counterpart)が存在しないので、日本人にはぴんと来ない(no clue)。1つの国に匹敵する年間予算と、少なくとも13万人はいるだろうと推定される(estimated)職員を抱えた世界最大の諜報機関である。諜報とは情報の収集(collection)だけでなく拡散(dissemination)も創作(fabrication)もするのである。収集も拡散も、そして創作の拡散も当然ステルス(stealthly)である。アメリカの国益のためなら隠れて何でもやってきたし、今も我々の目の前でメディアを通じて堂々と(in broad daylight)イメージ戦略を展開しているのだが、それが彼らの仕事(their job)だとはほとんどのひとは気づかない(not aware)のである。つまり、われわれ自身が今日みんなCIAに裏をかかれるイラン人(Iranians outwitted by CIA)になっているのだが、それに気づかないで「アルゴ」に描かれる過去の騙されたイラン人を笑っているのだ。

 

 

出典: http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/35308-%E5%85%83%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80%E5%A4%A7%E4%BD%BF%E3%80%81%E5%8F%8D%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%80%8E%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%80%8F%E3%82%92%E5%BC%B7%E3%81%8F%E9%9D%9E%E9%9B%A3 

 


「アルゴ」 イラン側の視点から

2013-02-08 23:47:50 | Snapeニュース配信

イラン側の視点から

 

以下は、「イラン ジャパニーズ ラジオ」掲載の “反イラン映画「アルゴ」のアカデミー賞受賞”  2013/02/25(月) 22:43 の転載である。

良くも悪くも政治的な内容を持つ作品の評価には、複数の視点が必要である。

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アボルファトフ解説員
 
1979年に起こった、在テヘラン・アメリカ大使館占拠事件を題材とした反イラン映画「アルゴ」が、第85回アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞しました。

反イラン映画「アルゴ」がアカデミー賞を受賞した一方、西側諸国の独立した映画関係者がこの映画の質の低さや、虚偽的なストーリーに疑問を提示しました。評論家は、アメリカ政府とCIAの支持がなかったら、この映画はアカデミー賞には選ばれていないだろうと表明しました。映画「アルゴ」は、1979年にイランで起きた事件を題材にしています。この時、テヘランにあるアメリカ大使館が、アメリカの内政干渉に抗議していたイラン人学生らによって占拠されました。

この映画のストーリーは、1979年にCIAのスパイたちが映画制作者を装ってイランに入国し、アメリカ人外交官6名を解放するというものです。さらに、イスラム革命を支持する学生らが大使館内に乱入した後、スパイの巣窟としてのアメリカ大使館から脱出したアメリカ人外交官の一部は、テヘランにあるカナダ大使公邸に逃げ込みます。この映画では、イランとアメリカでの物語が同時に映像化されています。アルゴという反イラン的な映画のアカデミー賞受賞は、改めて、ハリウッドにおいて政治が芸術よりも優位な立場にあることを示しました。

今回、この他の映画「リンカーン」、そして「ライフ・オブ・パイ、トラと漂流した227日」も受賞を争いましたが、そうした中で「アルゴ」が受賞を果たしています。しかし、加筆されたシナリオによる映画が最優秀作品に選出されたことの発端は、その芸術的面での独創性ではなく、その題材にあります。この映画は、最初の部分では1979年のイスラム革命以前のイランで、アメリカが専制体制の成立を惜しみなく支持したことが描かれていますが、35年前のイラン社会の現実とは違う様子が映し出されています。

この映画の質はともかく、その中で扱われているのは、歴史上の明白な虚偽であり、ベン・アフレック監督演じた当時のCIA諜報員トニー・メンデズと、当時テヘランに駐在していたケン・テイラー・カナダ大使の抗議の声を引き起こしています。映画「アルゴ」の虚偽的な内容とは逆に、アメリカは、これらの外交官らのテヘラン脱出には、決定的な役割を果たしておらず、カナダ大使が自らの責務に反する措置として、偽造のカナダ旅券を外交官らに渡し、彼らのテヘラン脱出の便宜をはかっているのです。

それでは、表面的には歴史物といえる、偽りの映画「アルゴ」が何故歓迎され、アカデミー賞を受賞しているのでしょうか?その答えとして、この映画の2つの特質を挙げる必要があります。

先ず第1に、この映画では、他のハリウッド映画作品と同様に、アメリカ人が正義の味方のヒーローとして登場し、悪と戦うストーリーになっていることが指摘できます。これは、ハリウッド映画の重要な特徴であり、宇宙人が地球を攻撃してくるような場合でも、地球を守り、人類を死の淵から救うのはアメリカ人という設定になっています。このため、CIAのスパイの助けなしで、アメリカ人外交官6名がテヘランから脱出した、という事実をそのまま映画化すれば、英雄気分を求めるアメリカ人の感情が満たされず、観客を呼べなくなります。このため、「アルゴ」のシナリオは虚偽にそったものになっているのです。

さらに、この映画のもう1つの特徴は、反イラン的な内容であるということです。現在、アメリカのメディアや政治家の一部の助けにより、アメリカではイスラムやイランに反対する感情が広まっており、イランやイラン国民を侮辱し、イランをいわゆる核の脅威として見せることは、アメリカで支持されています。このため、あれから33年が経過した現在、テヘランでのアメリカ大使館占拠事件について虚偽を仕立て上げることは、再びアメリカの娯楽産業の経営者の使命となり、オバマ大統領夫人はこれまでなかった措置により、そのメッセージの中で、映画「アルゴ」がアカデミー賞を受賞したことを伝えています。

実際、映画「アルゴ」は、西側諸国での反イラン感情をあおり、核問題においてイランを屈服させようとし、或いはイランとの軍事的衝突に向けた心理的な下地を整えようとしています。兎に角、この映画は改めてアカデミー賞獲得には芸術性や創造性よりも、政治に注目し、政治家の動向に倣う必要があることを証明しました。このため、アメリカ史上最高の大統領リンカーンの最も重要な日々までもが、映画「アルゴ」に対し色あせて見えます。それは、この映画が、映画「リンカーン」や「ライフ・オブ・パイ」では決して成し遂げられない使命を背負っているからです。

 

反イラン映画「アルゴ」のアカデミー賞受賞
http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/item/35464-%E5%8F%8D%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%87%E3%83%9F%E3%83%BC%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E


NHKドキュメンタリーについての辛口批評

2013-02-08 23:36:51 | 映画・テレビの英語

先ごろNHKでキャパの「崩れ落ちる兵士」をめぐるドキュメンタリーが放映された。以下はそれについてのわたしのかなり辛口の批評である。“スパイシー”なものが嫌いでない方はぜひお読みいただきたい。すでに3万を超える訪問者があって、自分でも驚いている。コメント欄にはテレビ業界系からも書き込みがあり、炎上している。(2013年2月27日)

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