Snapeの英語指南

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NHKドキュメンタリーについての辛口批評

2013-02-08 23:36:51 | 映画・テレビの英語

先ごろNHKでキャパの「崩れ落ちる兵士」をめぐるドキュメンタリーが放映された。以下はそれについてのわたしのかなり辛口の批評である。“スパイシー”なものが嫌いでない方はぜひお読みいただきたい。すでに3万を超える訪問者があって、自分でも驚いている。コメント欄にはテレビ業界系からも書き込みがあり、炎上している。(2013年2月27日)

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ランス・アームストロングのドーピング告白  

2013-02-06 20:32:17 | Snapeニュース配信

ランス・アームストロング:

世界のスポーツ界のヒーローの告白

 

ランス・アームストロングは世界のスポーツ界のヒーローであった。自らガンを克服し、その後自転車競技で輝かしい記録を樹立してきた稀有なヒーローとして、日本の高校英語の教科書にも出てくるので、わたしはよく知っていた。

その彼が、なんと自分の今までの数々の世界記録はほとんど薬物のおかげだったと2013年1月17日のテレビインタビューで告白したのであるから、アメリカ国民はたいへんなショックを受けた。上の写真は東京書籍のリーディングの教科書のあるページからである。この教科書会社は来年からはこの単元を別のものに差し替えなくてはならないだろう。

彼にはずっと以前からいわゆる“ドーピング疑惑”があった。しかし、アームストロングは機会あるごとにその疑惑を否定してきた。 彼はトゥールドフランスでは1999から2005年まで前人未到の連続7連覇を果たしてきた。

以下のように、彼は過去数年に渡って、ことあるごとにドーピング疑惑を否定してきた。

 

"How many times do I have to say it? ... Well, if it can't be any clearer than `I've never taken drugs,'" – videotaped testimony in lawsuit, 2005.

「何度言わなくちゃならないんだ、『わたしは一度だって薬物を使ったことはないんだ』とこれだけ言ってもわかってもらえないんだろうか?」

 


"I'm sorry you don't believe in miracles," – 2005 Tour de France victory speech, taking aim at "the cynics and the skeptics."

「奇跡というものがあるということをあなたたちに信じてもらえないのが残念だ」

 


"There are no secrets. This is a hard sporting event and hard work wins it," – same speech.

「秘密なんてものはありはしないよ。自転車競技というものは過酷なスポーツであって、過酷な練習を積んだものが勝利を得るだけの話だ」

 

 

"Everybody wants to know: what am I on. What am I on? I'm on my bike, busting my ass six hours a day," – commercial for Nike in 2001.

 「みんなが知りたがる。何を使っているのかって。わたしが何を使っているかだって?わたしは自転車に乗ってサドルに一日6時間もケツを乗せているだけだよ」

 


"We're sick and tired of these allegations and we're going to do everything we can to fight them. They're absolutely untrue" – news conference, 2004.

「こうしたドーピング疑惑にはもうんざりなんだ。こうした言いがかりに対して闘うために我々は全力を尽くさなければならない。そういうことを言うひとたちは全く間違っている」

 

"They say, `This is a new guy in the Tour. It can't be. He must be doped.' It's unfortunate," – TV interview on the way to winning his first Tour, in 1999.

「世間は言うんだ、『ツールドフランスは初めてじゃないか。優勝なんてあり得ない。ドーピングしているに違いない』ってね。残念なことだ」

 

ランス・アームストロングはツールドフランスの連続優勝をはじめ過去の栄光の記録をすべて剥奪され、しかも自転車競技の世界から永久追放された。

この“事件”を取り上げた理由を言っておきたい。アメリカという国は欺瞞に満ちているが、ときどきそれに耐えきれなくなって真実を洗いざらい語ってしまう人間がいるという例として興味深いと思ったからである。ビヨンセもそうである。