幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

釧路・根室の旅 その1「納沙布岬とオンネモトチャシ跡」

2023-10-25 | お城

何も変わっていなかった。

5年ぶりに「納沙布岬」を訪れたが、5年前と何一つ変わっていないように見えた。

北方四島の返還を願って作られたというモニュメント「四島のかけ橋」にある灯火台の火は、四島の返還が実現されるまで燃え続けるのだと聞いた。

 

日本で最も東の地である。

日本で一番早く昇る朝日を拝める。

 

岬の先端に建つ納沙布岬灯台は、道内で初めて設置された洋式灯台といわれる。

歴史を感じさせる灯台の先にはオホーツク海の海が広がっている。

その向こうに、四島の一部を望むことができる距離である。

 

北方館や北方領土資料館などを見学したり、お土産物屋さんをひやかしたりして過ごす。

その後、オホーツク海沿いに根室市街の方に少し戻り、今回の旅の目的である「オンネモトチャシ跡」を見学する。

「チャシ」とは、アイヌ語で「柵囲い」という意味で、砦の跡とされている。

根室半島には多くのチャシ跡があり、国指定史跡となっている。

「日本百名城」にも登録されていて、最近、見学者も増えているようである。

 

案内板がなければ単なる草原にしか見えないところである。

 

きれいに草が刈られた散策路を進む。

正面の平らな台地状の部分がチャシ跡である。

 

登ってみると円形に土や石が盛られ、てっぺんが平たんになっている。

全体が海に突き出したようにほぼ三方が海に囲まれていて、一段下がったところも平らに整地されている。

そこも何かの用途があったような形に見える。

 

「オンネモトチャシ」と書かれた標柱が一本立っているだけである。

それ以外は、人工物は何も残っていない。

 

地上にいるとなかなか全体をつかみにくいが、上空からだとはっきりとその形が判るようである。

海に面した崖の上に築かれたチャシは、海からの攻撃に対し守りを固めていたのであろうと想像する。

戦国時代や江戸時代の、本州各地のお城とは形も規模も全く違うものである。

このチャシが作られたとされる16~18世紀ごろの、この地で起こった当時の戦いの様子を、なんとなく想像している。



最新の画像もっと見る