*** 昨日の記事のつづき ***
別府で暮らした3年のうちの2年間は宿泊した鉄輪温泉に近い(直線距離で1km余り)アパートに住んでいました。
その辺りがどのように変わったか確かめたく、見に行きました。
アパートは35年以上前の当時も新しい建物ではありませんでしたから、既に取り壊されているのではないかと予想していました。
瓦葺2階建てのアパートはこの坂道沿いの右の建物の裏にありました。
※別府の町は山(鶴見岳など)から海までのなだらかな傾斜面にひらけています。
ですから坂道だらけなので自転車には不向きです。
上の写真右の建物は外観は当時のままでしたが、1階にあった理髪店が無くなっていました。
私有地になりますが、人影がなかったので建物の間を無断で入っていきました。
ありました。
私が26歳から28歳にかけて2年間住んだアパートが当時のままで残っていました。
この1階(1階は私の部屋だけ)に住んでいました。
この建物の向かって右には大家さんの瓦葺の木造一軒家が建っていて、私の部屋への陽当たりを遮っていました。
それは無くなっていました。
犬走りに大型バイクを置いていました。
外壁が塗り直されたのか、あの頃よりもきれいに見えました。
現在も誰かが住んでいるようでした。
当時のことを懐かしく想い出していたら、近くの家から年配の女性がゴミ出し袋を下げて出てきました。
40年近く経ていますが、私にはその人が誰なのか、直ぐに判りました。
大家さんとこのお嫁さん(当時は30そこそこ?)でした。
今は70前後の年齢になっているはずです。
あまり変わっていませんでした。
かえって若々しく見えました。
写真を撮っている私をみたその人は不審そうに『なにか用ですか』と私に尋ねました。
私『30年以上前にココに住んでいたものです』
『懐かしいので写真に撮っていました』
女『名前は何とおっしゃいますか?』
私『○○です』
女性の怪訝そうな表情が笑顔に変わりました。
女『あー、あの、バイクに乗っていたお兄ちゃん』
『△△に勤めていたでしょ』
あの当時(27歳頃)は密生していたもの(髪)が今はすっかり無くなっていたので、直ぐには私だとわからなかったのでしょう。
『太くて黒い眉はあの頃のままね』と、あまり慰めにならないことを言ってくれました。
その女性の昔の姿を知っている私からは、「あの頃と全然変わりませんね」とは口に出しませんでした。
(褒め言葉にならない恐れがあったので)
70歳くらいの女性から "お兄ちゃん" と呼ばれて面映い思いをしながらも、しばらく立ち話をして、互いに『お元気で』と言って別れました。
再びあうことなど無いでしょう ・・・
朧な記憶で書いた間取りです。
※6畳の二間と狭いキッチンがありました。
主な電化製品は
19インチのテレビと小さい冷蔵庫でした。
部屋の中が殺風景にならないようにと、お金を出して買った油絵2枚とブラジリエのリトグラフを1枚掛けていました。
※直ぐ隣の大家さんの家の中からは、子供(言葉を交わした女性の子)が騒ぐ声などが聞こえていました。
アパートには簡易水洗のトイレがありましたが風呂はなく、近くの共同浴場を利用していました。
上の写真の坂道を100mほど上がったところにある「市の原共同温泉」
※朝風呂を利用している地域の方がいました。
(別府には至る所に共同浴場があります)
※ホーロー製の看板が時代色を出しています。
ここでは一つの浴槽を男女交替(時間制)で利用していたと記憶していましたが、私の記憶違いだったかもしれません。
中は男女別々になっていました。
昔の想い出に一時ひたったあと、当時の勤務先だった事業所を見に行きました。
繁華街に近いところにある事業所ビル
※写真を少し加工しています。
写っている6階建ては本棟で、右のほうに別棟があります。
私の職場は別棟のほうだったので、昼食のときだけ本棟にある食堂へ行ってました。
さすがは泉都別府にある事業所で、別棟内にも温泉かけ流しの浴室がありました。
同時に10名は入れる広さがあり、アパートに風呂が無かった私はよく利用させてもらいました。
懐かしいところをデジカメで撮ったあと、帰路につきました。
天気が良さそうで、気温も前日より少し和らぎそうだったので「やまなみハイウェイ」経由で帰ることにしました。
別府と湯布院の間にある「城島高原パーク」前から由布岳を撮りました。
標高が高いところを長く走っていると体が冷えてきました。
牧ノ戸峠を越える前に腹の中から温めることにしました。
※肉うどん(税込650円)
スーパーカブにとっては難所となる坂道をときどき2速に落としたりして、低速で上って行きました。
ここが、やまなみハイウェイ最高地点(1330m)の牧ノ戸峠です。
牧ノ戸峠を越えると長い下りが続き、そして外輪山丘陵地帯を快調に走って「大観峰」近くになりました。
熊本県外の方に自慢したい、素晴らしい眺めです。
※眼下に広がるのが阿蘇谷で、右端に霞んでいる山が、阿蘇五岳の一つの根子岳です。
この雄大な景色の中ではスーパーカブの小ささが際立ちます。
やまなみハイウェイを走っているときにツーリングのライダーを何人も見かけましたが、原付に乗っている人は一人もいませんでした。
原付(スーパーカブ)で別府~熊本をソウハ(走破)した者は "そうはいない"(駄洒落)のかもしれません。
帰りは下り坂ばかりとなる迂回路をトップギアのままで、制限速度を少し(?)オーバーしながら通過し、無事に家へ帰りつきました。