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一日一書 131 心遠地自偏 2

2013-06-30 22:12:52 | 一日一書

 

心遠地自偏

 

 

「飲酒」の全文をご紹介します。

 

結盧在人境 而無車馬喧

問君何能爾 心遠地自偏

采菊東籬下 悠然見南山

山気日夕佳 飛鳥相与還

此中有真意 欲弁已忘言

 

盧(ろ)を結びて人境(じんきょう)に在り 而(しか)も車馬の喧(かしま)しき無し

君に問ふ何ぞ能(よ)く爾(しか)ると 心遠ければ地自(おのづ)から偏(へん)なり

菊を采(と)る東籬(とうり)の下(もと) 悠然として南山を見る

山気日夕佳し 飛鳥(ひちょう)相与(あいとも)に還る

此中(ここ)に真意有り 弁ぜんと欲して已(すで)に言を忘る

 

(官界を離れ)人里に庵を結んでいるが、

そうかといって尋ねてくる車や馬のうるささがない。

君に聞くが、どうしてそうしていられるのか。(自問自答)

それはね、心が俗界から遠く離れていれば、住んでいるところも自然と辺鄙なところとなるのだよ。

東の垣根の下に咲いている菊を摘み、ゆったりとした気分で南山を見る。

山の空気は夕暮れとともにいちだんと澄みわたり、

鳥は連れだってねぐらへ帰ってゆく。

ここにこそ「真意」の境地があるのだ。

その喜びに満ちた気分を説明しようとするのだが、

もう言葉を忘れてしまったよ。

 

 

この詩は、「采菊東籬下 悠然見南山」が

夏目漱石の小説「草枕」に引用されていたりして

とても有名な詩です。

ぼくの愛してやまない詩でもあります。

 

陶淵明は、本名陶潜。

365生まれ~427没。

世界でも最高の詩人の一人です。

 

 

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