Yoz Art Space

エッセイ・書・写真・水彩画などのワンダーランド
更新終了となった「Yoz Home Page」の後継サイトです

一日一書 1617 灰捨てて白梅うるむ垣ねかな 凡兆

2020-05-13 20:46:15 | 一日一書

 

凡兆

 

灰捨てて白梅うるむ垣ねかな

 

半紙

 

 

白梅の咲いている垣根のそばに、十能に入れた灰をぶちまけると、ぱっと灰かぐらが舞いあがり、真っ白な梅の花びらが灰かぐらの幕を通して、うるんだように見える。

(日本古典文学全集 42 近世俳句俳文集)

 

 

暖房といえば火鉢のころ。炭や灰を運ぶための小さなスコップのようなものが「十能」ですが、

若い人は、知らないでしょうね。

まして灰を垣根のそばに捨てるなんて。

その灰がぱっと舞って、白梅を薄いカーテンのように覆うなんていう情景は

ちょっと作りすぎの感じもありますが、

案外、属目の景なのかもしれません。

 

ほんとに些細な日常の光景ですが

そこには、当時の生活の匂いが籠められています。

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする