斎藤茂吉
少年の心は清く何事もいやいやながら為ることぞなき
(半紙)
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木原先生に触発され、茂吉の歌集「白き山」を読んでいて
発見した歌。
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今、ぼくは中1の生徒を教えているのですが
教科書の文章を要約する作業などをやらせると
「いやだあ!」「めんどくさい!」と言う声があちこちから聞こえてきます。
けれどもそれも束の間、
すぐに静かになって
みんなノートに向かって真剣に鉛筆を走らせる。
苦手な子も多いのだろうけど、
その姿は「いやいや為る」という風ではないのです。
茂吉が、少年のどういう姿を見てこの歌を詠んだのかは分かりませんが
やっぱり、どんなに時代が変わっても
「少年の心は清く」というのは本当のようです。
それに引き替え、ぼくみたいなジジイは
何を為るにも「いやいや」で、
まったく恥ずかしいことであります。