半切
何紹基
蘇軾の詩「夜泛西湖五絶」より
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【新月生魄迹未安 新月魄(はく)を生じて迹(あと)未(いま)だ安からず】(省略)
才破五六漸盤桓 才(わずか)に五六を破りて漸く盤桓(ばんかん)す
今夜吐艶如半壁 今夜艶(えん)を吐くこと半璧(はんぺき)の如し
游人得向三更看 遊人三更(さんこう)に向(あ)って看(み)ることを得ん
〈意味〉
魄(月の青白く欠けた部分)が見え出す頃、新月はまだ軌道も定まらず
五六日をすぎると、そうやく空に浮かんで安定する
今夜の月は半月で、半璧(璧は美しい玉)のように艶がある
夜半の十二まで眺めることができることだろう
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お恥ずかしいことですが
これを書いたときは、意味も分からず
ただ何紹基の字の面白さに夢中になっていただけですが
今回、改めて調べたところ、蘇軾の七言絶句であることが分かりました。
絶句は4行ありますが、ここではその1行目を省略しています。
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第49回 「現日書展」(2009.8.5~11 東京都美術館)
に出品した作品です。