goo blog サービス終了のお知らせ 

Yoz Art Space

エッセイ・書・写真・水彩画などのワンダーランド
更新終了となった「Yoz Home Page」の後継サイトです

一日一書 55 残響

2013-04-09 22:10:05 | 一日一書

 

残響

 

山本洋三詩集「夕日のように」(1984刊)所収

 

 

   残響

 

何ものか激しく鳴ったあとの

残響だけが

ぼくの聞いたものの全てだ

 

ぼくのひきつった喉から

粉々に砕け飛び散った

陶片のような言葉を

恥じている余裕は

今もない

 

耳の森

真っ二つに避ける時

鳴っていたものの何であったかを

ぼくは乾いた眼で追い求めよう

 

海の底に沈む醜い魚類の

銀の浮袋につめ込まれた沈黙を

丸ごと飲み込むためにぼくは

激しい残響の中

舌を根本から

確実にかみ切る

 

 

詩集といっても、その昔、自費出版したもの。

以前、一部をホームページにアップしていましたが、今は削除してしまいました。

この詩を見てもわかるように、若書きもいいところ。

この詩は、ずいぶん気取っていますが、

まあ、ノンポリながら大学闘争を経験して

教職についたばかりの頃のウツウツとした心境を

精一杯大げさに書いたものらしいです。

 

30」の詩も、この詩集に入っています。

 

 

自分の作品というのは恥ずかしいものですが、

30年も前のものですから

こうして時々、書として紹介できればと思っています。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする