プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

節電と融通の一体化計画

2012-05-13 09:05:44 | 日記
 政府の電力需給検証委員会は、電力会社から一方的に出されたデータを元に、電力会社の主張する電力不足を認定し、だから節電が必要で、その節電で余った電力を「融通」するという計画、つまり、原発なしでも電力が足りるという事実を隠蔽する為に、節電と融通を一体のものとする「一体化」計画を打ち出しました。さすがに、「税と社会保障の一体改革」と銘打って、消費税増税を強行しようという政府に似つかわしいやり方です。

 需給の検証結果については、同委員会の委員からも、「この期に至って電力の(需給)状況が不明確」との意見や、その対応が「場当たり的」、「非常に後手に回った」との指摘もできており、稼働ありきの前提での需給の予測が、極めて恣意的な数字合わせとなってしまっているとの感を拭えません。(私自身)節電するにやぶさかではありませんが、(嘘でない)本当の需給に基づいた、適切な対応を行なうべきだと思うのです。

 正直、中部電力だけで100万kWの融通を既に発表していますが、(素人の私が考えても)少なくとも全国で数百万ワットのレベルで(節電しなくても)電力は余る、融通も可能だと思うのです。余る分、夜間の揚水発電に電力を回せば、昼間のピーク時に、一気に発電してこれまた数百万kWの電力供給が可能となり、関電の不足分はゆうに賄えると思います。それにしても、電力需要の基準となっているのが、「2010年並の猛暑になるとの想定」ですが、気象庁は今年も、10年並の猛暑と予測しているのでしょうか?(報道では聞いたことがありません)

 勿論、最悪の想定を積み重ねていって、最大の需要を見込み、それに対応することは非常に大切です。(当然、原発事故に関しても、同じだけの配慮を払うべきでした)しかし政府や電力会社のこれまでの対応を見ると、供給側の責任として、供給を最大限に行なおうとの姿勢が露感じられません。「ないない、できない」の一点張りです。やっと「融通」を150万kWほど追加するのに、「節電」とパックでないとできないとの言いようです。なんとも国民を馬鹿にした言い草ではありませんか!

 兎に角、節電しろと言うのなら、喜んで節電します。停電も甘受します。(これも嘘の言い分で)料金値上げが必要というなら、それも受け入れます。その代わり、1基の原発稼働は認められません。現実にシビア・アクシデントが起こり、その収束も叶わぬ今、それだけは、認めることはできないのです・・・

P.S. 燃料費の上下に応じて電気料金も上下するシステムは、「燃料費調整制度」というのだそうですが、この(燃料費上昇による)値上げは、最大1.5倍までということですが、昨年から一貫して上昇しており、(電力会社は数字を出していませんが)値上げ分はかなりカバーできているはずです。その上、値上げをしようというのは、稼働が止まり、「不良債権」と化した原発の顕在化を誤魔化そう、その穴埋めを使用者に押し付けようとの魂胆です。それは余りにも都合の良い話だと、思うのですが・・・

P.S.2 電気料金による収益に関して、例えば(この5年間での)東電では、「利益の9割は、電気販売量では4割しかない家庭用など」の規制部門で、「販売量の6割を占める産業用などの自由化部門は利益の1割」(引用は、『朝日新聞』)でしかないようです。単純計算ですが、産業用の十数倍の電気料金を家庭は支払っているということです。大量に使う大企業では、自由化で交渉によって料金を決めていますから、(電力会社は、企業秘密だとして公表していませんが)もっと単価は安いかもしれません。(橋下さんではりませんが)これは完全に(良質はありません)悪質な「ぼったくり」です。その上、値上げですか?規制部門の家庭用利用者や、値上げを吸収できない(企業全体の)9割の中小企業は、これでは本当に堪りません・・・(さらに節電ですから、踏んで蹴って、殴って叩く、ということですか・・・)

P.S.3 (荒川河口など一部の)東京湾では、「放射性セシウムの量が昨年夏から約7ヶ月間に(1㎡あたり約1万8200ベクレルから約2万7200ベクレルへ)1.5倍~1.7倍に増えている」、深さも30センチに達し、総量が1㎡あたり約11万7千ベクレルと、焼却灰並に濃縮されている地点もあるそうです。今後も数年は、少しづつ増加すると考えるべきで、海底魚をはじめ、同湾の魚介類の調査が必要だと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年5月13日)