プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」

2012-05-07 11:19:44 | 日記
 日本の原発50基が全て止まりました。しかし、危険は未だ去ってはいません。昨日は雷による被害が出ていましたが、落雷が、止まった原発の主電源である外部送電線に落ちたらと、嫌な想像をしてしまいました。もっと最悪のシナリオを、政府官邸は事故当時に描いていました。「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」です。政府が内密に原子力委員会の近藤氏に提出させたものです。公表されてはいませんが、(『週刊文春』に掲載されていたものを)ご紹介します。

「4号機プールにおける燃料破壊に続くコア・コンクリート相互作用が発生して放射性物質の放出が始まる」、「50キロの範囲では、速やかに避難が行なわれるべき」、「その外側の70キロまでの範囲では・・・屋内退避・・・110キロの範囲においては・・・土壌汚染レベルが高いため、移転を求めるべき地域が生じる」、「年間線量が自然放射線レベルを大幅に超えることを理由にした移転希望の受け入れは200キロ圏が対象」とあります。

この4号機の使用済燃料プールは、事故後応急的な耐震補強はされましたが、(広瀬さんの言われるように)まともな工事ができたはずもなく、もう一度大きな地震が来れば、容易に崩壊する危険性があります。実際、東関東大地震の震源域の北側では、十勝沖地震(M8級)、明治三陸地震(M8.2)、昭和三陸地震(M8級)と立て続けに起こっていますが、南側の房総沖では、約300年以上も大地震が起こっていない(参照は『週刊現代』)そうです。まさに、福島第1、第2原発を直撃する可能性のあるメガ・クウェイクが、いつ発生するかも分からないのです。

もし4号機の燃料プールが崩壊したら、「他の号機のプールにおいても燃料破壊に続いてコア・コンクリート相互作用が発生して大量の放射性物質の放出が始ま」り、「強制移転を求めるべき地域が170キロ以遠にも生じる」、「移転措置の認定範囲は250キロ以遠にも発生する可能性がある」、つまり首都圏3,000万人が避難しなければならない事態となるわけです。想像するにも恐ろしい話ですが、この政府の想定した「最悪のシナリオ」、(科学的知見から冷静に判断しても)十分に起こる可能性があるのです・・・

P.S. 武田先生が、(低線量被曝には)「閾値がないこと、直線近似できること、発がん性は若い人が、ガンになる時期は年配者が危険なこと」、「10才の時に被曝した人が30才までにガンになる確率は、30才の人が50才でガンになる確率の実に5倍」、「補償問題で裁判になる」が、「かなり厳しい裁判になる」、「なにしろそのお子さんのガンが福島からの被曝によるものという証明が難しい」、「こんなことを防ぐには線量の高いところの子どもを戦時中と同じように疎開させればすむこと」、「原子力の年間予算4500億円でおつりが来ます」と(ブログで)書かれています。何故、「疎開」(避難)させないのか?!私には今尚理解できない話なのです・・・

P.S.2 沖縄大学の矢カ崎先生や東大の児玉先生が言われていますが、放射線は分子を破壊するようです。人間には修復能力がありますが、切断されたDNAの影響が遺伝的に残ってしまう。癌化したり、奇形を生じたりする危険性があるということです。それは低線量だから大丈夫ということではありません。高線量だとそれだけ放出される放射線が多いわけですから、悪影響を受ける確率が高くなるということです。(アスベスト禍などと同様)運が悪ければ、少しの被曝(曝露)でも病気を発症してしまう、それが「閾値」がない、とういことなのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年5月7日)