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新型コロナウイルス、都道府県別、週間対比・感染被害一覧表 (5月7日現在)

2021-05-10 00:15:31 | COVID-19 国内状況

新型コロナウイルスによって受ける影響は、都道府県によって人口や感染密度が異なる為、単純に感染した人の人数を比較してみても実感とは異なります。そこで、都道府県別に、新型コロナウイルス禍に 新たに感染した人の人数 と 前週と比較した増加率、そして 都道府県の人口あたりの増加した感染者数割合などを一覧表にまとめています。特に 被害と影響が悪い箇所は黄色で欄を塗り、良い結果を出している箇所は薄いピンク色で欄を塗って識別しています。
  
都道府県別の感染被害を人口対比や週間対比で示した一覧表を見れば、色分けした欄で見れば明らかですが、政府が進めている 関東圏とか、関西圏など大型都市圏に特化した対応では、メディアも注目されない都道府県などで数多くの被害者が生まれ続ける危険性が見えるでしょう。

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『 感染密度 』

【 感染密度 】とは、人口あたりの新規感染者数を示しています。各都道府県によって人口は大きく異なりますので、単に新規感染者だけを比較して被害レベルとしてメディアが扱う事は誤解を与えます。人口あたりの新規感染者数を較べる事で、ようやく、その地で住む人々の危険レベルが比較できる上に、それに対応した対策を施す事が可能になります。
ただ、本来ならば、住民一人当たりの医療レベルは都道府県を問わず一定に保たれるべきですが、残念ながら、都道府県によって大きく異なります。その為、【 感染密度 】とその地域の医療状況を併せて検討する事が必須です。
   
連休明け、5月7日時点では、大阪府は最も深刻な値を示し続け、続いて兵庫県、奈良県、東京都 が深刻な状況ですが、沖縄県や福岡県、大分県など目を離せない状況へと変わっています。


『 重症者割合 』

感染した本人と家族にとって “ 重症者 ” になる事は重大事ですし、医療機関にとっても “ 重症者 ” への対処が最大の懸案事項であり、死亡に繋がる深刻な状況ですから、単に重症者数だけでなく、重症者の割合を見る必要があります。


『人口あたりの増加した重症者割合』

「人口あたりの増加した重症者割合」を見れば、大阪府が最も深刻ですが、それに続くのは兵庫県や東京都ではありません。高知県や富山県、奈良県や長崎県こそ、心配すべき状況に入っている事がはっきり示されています。



『感染者増加率』

また、「感染者増加率」、つまり新規に感染者が増えた率を見れば、大分県と徳島県 は先週ひ引き続いて緊張感が高まっている状況に見えます。両県共に【 感染密度 】、つまり人口あたりの新規感染者割合が東京都に迫る値に上昇しており、重症者割合が低い状況だとはいえ、医療現場では人材確保に懸命な状況が続いていると推察されます。
     
感染症の特性上、人口密集地域での拡大が起こり易く、新規感染者数の多さと取材の容易さから 東京都や大阪府などの深刻な状況ばかりの報道へとメディアは偏りがちですが、実際には全国各地で危険な状況が起きている事を忘れてはいけません。
どうか、一人でも命や健康を損なう事がないように、また医療や介護に携わる方々の負担が過度にならないように、実際の感染状況と感染症の特性を理解して、相互に思いやりと啓発の関係を築きたいものです。



出典 : 厚生労働省
#COVID19

 


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全日本 新型コロナウイルス 治療中および重症患者数など、一週間毎の増加数動向 (5月7日現在)

2021-05-10 00:05:48 | COVID-19 国内状況

『 連休による影響 』

一週間毎の感染者数や治療者数の変動のグラフが示す通り、感染者数の増加度を示す青色線のグラフは危惧された様な上昇を示さず、赤色線で示した治療者数の増加度も右肩上がりにならず、増加度は抑えられています。 これらのグラフを一見すると、主要な都道府県に緊急事態宣言を発出した効果が表われている様に見る事もできます。が、実際には 連休による影響が潜んでいるので、今後の経過を確認する必要があります。
   
連休による影響とは二つあります。一つは、PCR検査 や 医療受入れ体制等が平日と同じ稼働は出来ない為に、PCR検査等で確認できる新規陽性者数は低くなります。そして、保険所を含む医療体制も 確認や受け入れ能力が下がる為、感染者の症状が重くなると同時に他者への感染が広がる原因になるからです。
二つ目は、連休による人の移動による影響です。感染症の原因は人が移動する事で拡大するもので、平日の生活環境の中での感染対策や自粛生活では一定の感染抑制できていても、その日常以外のエリアへ出掛ける人は当然出てくると、感染対策意識がさほど高くない店舗や施設、都道府県などへの移動によって感染は広がる事は容易に想定されるからです。

    
その為、5月9日(日)以降の新規感染者数の増加度を確認する必要があります。 受診や検査に必要な期間を考慮すれば 5月12日(水)以降の報告数を注視するべきでしょう。
仮に、5月12日以降、新規感染者数が一気に増えた場合には、“ 変異株 ” への具体的な対策が無く、ワクチン接種も殆ど進んでいない現状から見て、今年 1月の感染ピークを超える状況に備える必要があると推定されます。


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『 最悪想定しない行政 』

この感染症は、世界各国で深刻な被害を生み続け、昨年 3月にパンデミック宣言された当時に想像されたレベル以上に長期間、数多くの犠牲者を生み続けている世界災害です。そして、多少の変異株の偏りはありますが、ウイルスの基本的な特性は一つで、それに対する対策方法も一つ。更には、昨年 2月当時にはばらつきのあった研究者の見解も、今ではウイルス対策や感染予測の多くでほぼ一致した見解を世界中の研究者は共有しています。
   
しかし、各国の被害レベルは大きく異なり、対策方法も国によってばらつきがあります。こうなっている最大の原因はその国の政治の違いで、日本でもその政治の違いによって、他国での対策とは大きく違っている点も多く、それに伴って犠牲になっている人も少なくないと考えています。その特徴は、事前想定を充分に行なわず、最悪レベルを想定した時の国の能力をフルに活かした方針や具体的な対策内容が国家機関の間で共有されていない事です。
   
新たな担当大臣を任命をしても、感染抑制が不十分なままに経済対策に重点を置いて感染拡大を許し、その間、厚生労働省が新たな感染対策を施した様子は感染1年以上経つ今も明確でなく、緊急事態対応を想定すべき防衛省においても医療従事者派遣要請が無かったにしても想定されていない事が明白です。

 


『 オリンピック開催との関係について 』

昨年、パンデミック宣言が発出されて以降、このオリンピック開催問題は常に大きな懸案事項となっています。昨年は、中国国内での、例えば武漢市内での悲惨な状況が伝わり、続いてイタリア国内での異常に速い感染の拡がりの中で数多くの方々が犠牲になり、日本を含めて世界各国が戦々恐々とした中でのオリンピック開催は難しく、当然、開催中止の判断は必然であったと言えます。
     
そして、昨年 9月以降、世界的に感染被害がやや収まり、数多くのワクチンが開発中のニュースが続き、オリンピック開催内閣としての使命を帯びた政権ですから、「世界がこの感染症を克服した証として、オリンピックを開催しましょう」と発言するのも当然の流れであり、世界の人々にも多少の希望を与える発言になったと思います。
しかし、今年2月以降、“ 変異株 ” により欧米を始めとする世界各国で急激な感染拡大が実際に起きている中、昨年以上に充分に注意深い考察を行なう事が最も大切です。
     
多くの人々の認識は、世界的に最も感染が拡大しているにも関わらず、感染症そのものの認知度が高まり、マスク着用率が高まり、対応医療技術の共有も進んでいる為でしょうか、昨年4~5月当時以上に多くの感染者が生まれて多くの人々が亡くなっているにも関わらず、昨年の様な恐怖インパクトを世界は感じ難くなっている事が問題であり懸念すべき事です。
    
オリンピック開催を行なうと、万全の対策を世界のどの国が行なったとしても、感染症は必ず拡散されます。そして、オリンピック開催国・都市となれば、その開催の為に様々な 人と資金を含めたリソース・資源が一定の期間必要になります。 そして、その人には多くの検査を含めた医療関係者が一定の期間以上費やされる事になります。
これが、仮に世界を襲う感染症が無い平時であればさほどの支障は無いでしょうが、今はそうではありません。現段階でも、保険所を含めた PCR検査等の能力は充分に発揮出来ず、都道府県によっては 医療機関が対応できない為に 介護施設などで大型クラスターが発生して、多くの職員が見守る中で多数の犠牲者が次から次へと生まれる深刻で悲惨な状況が多発しています。
   
この様に、国民の命が奪われ続ける状況であっても、国・行政は自治体依存のままで積極的に打診等の対応を行なっていないので、大規模・小規模を問わず、どの都道府県でも起きているか今後発生する懸念すべき状況だと言えます。

 


『 ワクチン対応について 』

昨年は、高齢者の被害者が多いという状況に対応して決められたワクチン行政にしても、高齢者以外にも 感染者を多く生む “変異株” の登場により、主要各国より異常に低いワクチン接種率と高齢者先行接種では、今後更に多くの犠牲者を生む事は容易に想定されます。東京と大阪という 2拠点だけ、大型接種会場を設置してワクチン接種を進める政策が進められている様ですが、生憎ですが、事前想定されて方針が共有されていなかった事を明白にさせる結果になっています。
    
設置に必要な 医療従事者等の人員手配が遅れ、一日の想定接種回数さえ 1000回レベルの低さでは、単なる 「 私、一生懸命に対策をしています 」というレベルに過ぎず、人口集中の大都市圏だけでなく、各都道府県での重症者が増え亡くなる人も増えている現状にもそぐわない対処と言えます。
   
更には、世界の主要なワクチン接種が進んでいる国々での 7月時点での 感染レベルがどの程度になっているかにも気になります。昨年夏以降、積極的なワクチン対策を国を挙げて行ない、他国に先んじてワクチン接種によって低いレベルに抑えた イスラエルや、2月当時の深刻な状況から一気に 欧州で格段に低いレベルに抑え込んでいる英国の例を見ると、他のワクチン先進接種国でも同様な状況は訪れると想定されます。仮に、7月以降、主要国での感染レベルが抑制できたとすれば、ワクチン接種を一気に進められない 日本 へ選手を派遣する事を、それらの国々の人々がどう思うかと心配します。

    
実際に、事前キャンプの取り消し等が相次いでいますし、日本での感染対策が進まず多くの犠牲者が生まれ続けたとしても、「 世界がこの感染症を克服した証として 」として開催するのでしょうか。 開催期間中、この感染によって数多くの犠牲者が生まれ続けたとすれば、IOC は見て見ぬフリをしたとしても、世界の人々は決して忘れない 開催だったと記憶するでしょう。

   
  

出典 : 厚生労働省

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