顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

大群落3種…ひたちなか海浜公園の春

2018年04月10日 | 季節の花
花と緑に囲まれた国営ひたち海浜公園は、茨城県を代表する観光スポットになりました。広い園内は、7つのエリアに分かれており、自然の中で楽しめるレジャースポットや花畑があります。

特に花畑は季節に合わせた大群落のテーマフラワー、春にはスイセンやチューリップ、ネモフィラ、夏にはバラ、ジニア、ヒマワリ、秋にはコキアやコスモスを、大群落で演出し訪れる人々の目を楽しませてくれます。

約550品種、100万本のスイセンは、まるで松林の下に黄色を主体に絨毯を敷き詰めたかのような美しさで、周りのヤマザクラ、モモなどと春のハーモニーを奏でます。
地中海沿岸からアフリカ北部が原産で、園芸品種として色や形の異なる多くの種類がありますが、英国王立協会により13の系統に分類されており、この分類が世界的な基準となっているそうです。

約240品種25万本のチューリップが松林の中でカラフルな色の饗宴を見せています。
ユリ科の球根植物で、16世紀頃トルコからヨーロッパにもたらされ、盛んに品種改良が行われ、オランダを中心としたヨーロッパの上流階級で異常な人気となり、チューリップ狂時代と呼ばれたこともありました。

ネモフィラだけの450万本が起伏に富んだ海辺の砂丘をブルー一色に染めます。
今年は例年より10日程度早く、いま五分咲き(4月6日)なのでGW期間中まで見頃が持つかどうか心配です。昨年度入園者227万人という新記録を達成しましたが、自然の思し召しに期待するしかありません。

秋に種をまき春に花を咲かせるムラサキ科(旧ハゼリソウ科)ネモフィラ属の一年草です。和名を「瑠璃唐草(るりからくさ)」、英名は「baby blue eyesベイビーブルーアイズ」といい、近くで見ると愛らしく可憐な花です。
それにしても、毎回思うことは、ネモフィラやコキアなどあまりメジャーでない植物を主役に採用した、国営公園スタッフに拍手をおくりたいと思います。

大群落を見続けていると、林間にこぼれ種子で出たようなスイセンに目を惹かれます。ウェブ図鑑で見ると、キズイセン(黄水仙)の中のジョンキル水仙か糸水仙?種類が多すぎて確定できません。

もともとこの地にあったヤマザクラの素朴な美しさも捨てがたいものです。この一帯が射爆場跡地と言っていた頃、秋になると立入禁止の看板を尻目に、よくキノコ採りに入ったものでした。

ここはもと陸軍水戸飛行場(前渡飛行場)として建設され戦後はアメリカ軍水戸射爆撃場となり、昭和48年(1973)返還されました。平成3年(1991)開業の国営公園の総面積は350ha、この面積は東京ディズニーランドの5倍、ニューヨークのセントラルパークと同じくらいの面積ですが、実際に公園として利用されているのは南側の191.9ha(開業中の面積)で、全体のまだ約55%だそうです。

ところで群生と群落の違いを調べました。
群生は同じ種類の植物が同一環境に群がって生育していることで、群落は種々の植物が同一環境の中で一緒に生育していることと出ていました。ネモフィラは同一種なので群生、スイセンとチューリップはいろんな色や形なので群落の方がいいのかな…、とわからなくなりました。

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