異常な気象が多い昨今ですが、それでも春の花たちはいつもの時期に花を咲かせています。加齢により守備範囲は狭くなるのは愚痴らずに、身の回りで春を撮ってみました。

ヒトリシズカ(一人静)は、源義経の愛妾、静御前の舞う姿にちなんで名づけられた地味で可憐な花です。約1か月遅れてすぐそばに「二人静」が毎年花を咲かせます。

ハナニラ(花韮)は、ニラに似ていますが別属で有毒とされています。お浸しや油炒めで美味しいニラの花も、「花ニラ」という名前で販売されているので要注意です。

ハナダイコン(花大根)はアブラナ科の一年草、江戸時代に中国から渡来し今では野性化しています。

リキュウバイ(利休梅)の白い清楚な花は、茶人に好まれてきました。ちょうど利休忌(3月28日)頃に咲くので名付けられたという説が一般的のようです。

近在の山野に自生しているヤマブキ(山吹)はこの一重で、公園などでは八重が多く見られます。

よく似ているシロヤマブキ(白山吹)は、ヤマブキとは別属の種で花弁は4枚です。

ライラックはモクセイ科の落葉低木でフランス語では「リラ」、花の都パリはこの時期「「リラの花咲く頃~♫」になるそうです、行ったことありませんが。

似ているハナズオウ(花蘇芳)はマメ科、花の色が染色植物スオウ(蘇芳)で染めた色に似ていることから名が付きました。

このイカリソウ(碇草)は近在に自生する品種、確かに船の碇を逆さまにしたような形です。

こちらは園芸コーナーで購入したイカリソウ、黄色いヒメリュウキンカ(姫立金花)とのツーショットです。

ムスカリはツルボ亜科の球根植物、40年くらい前に日本の市場に出ましたが植えっぱなしで増えるため今はいたるところで目に付くようになりました。花がブドウの実のようにも見えることから、ブドウヒアシンスともいわれます。

町内の土手で野性化しているムスカリ、セイヨウタンポポと侵略を競い合っていますが間もなく仮払い機でどちらも一掃されてしまいます。

サクラソウ(桜草)は、江戸時代に野生種から園芸品種を作出する愛好家が増え、当時は番付け表も出されるほどでした。

現存する約300種のうち、約半数は江戸時代に生まれた品種の子孫だそうです。

バイモユリ(貝母百合)は、球根が2枚の貝を合わせたような形からの命名、うつむきに咲く花弁の裏側が網目模様で、網傘百合(アミガサユリ)ともいわれます。※貝は訓読みでは「かい」、音読みでは「ばい」になります。

寒咲きアヤメがまだ咲いています。

季節外れの雪の名が付くスノーフレークも咲いています。花弁の先端にある緑色の斑点がおしゃれでスズランスイセン(鈴蘭水仙)という和名も持っています。Snowflakeは雪片という意味、同名でクラウドベースのデータプラットフォームがありました。
我が国は草も桜を咲きにけり 小林一茶
桜草買ひ来このごろ気弱にて 安住敦
何と手の込める貝母の花の裡 高澤良一
貝母咲き庭にやさしさ生まれけり 清水芳子