
開花宣言の後に冬並みの気候が続いたりして今年の桜は長く咲いてくれました。まだ散らぬ、見飽きたとかつい言ったりして桜には可哀そうでしたが、頑張って咲いた桜の最後のご紹介です。

我が家の近くにある涸沼自然公園(茨城町)は、約30種1万株のアジサイが咲く季節が有名ですが、桜の季節はあまり知られていず隠れた穴場になっています。

約500mの園道沿いに咲く様子は、まさしく長い桜のトンネルです。


平成4年(1992)の開園のこの公園のソメイヨシノは、多分樹齢40年くらいでしょうか、寿命60~80年といわれていますので、ちょうど壮年期の元気な姿で咲いています。

比高約40mの丘陵の上はいろんな桜の植えられた林になっていて、出生、入学、卒業、結婚、退職などの人生の節目に記念植樹された方々のプレートが付いています。

桜を撮っているとつい上の方ばかり見てしまいますが、樹の下には春の花がびっしりと咲いていました

この辺で一番多く見かけるタチツボスミレ(立坪菫)、茎が立ち上がり坪(庭)に咲くというのが名の由来です。

色の濃いこのスミレは、約50種といわれる日本のスミレの中で、ただ単純にスミレ(菫)という名です。

黄色く輝いているのはキジムシロ(雉筵)、花後の葉が放射状に展開した様子をキジ(雉)が座るムシロ(筵)に例えられたという命名説が知られています。

カキドオシ(垣通し)は、和名の通り垣根を越えて勢いよく伸びるシソ科蔓性の多年草です。

ムラサキサギコケ(紫鷺苔)は苔のように地面を覆い、鷺が飛んでいる姿のようだというのが名の由来ですが…。ホームセンターでグラウンドカバーとして売っていました。

ソメイヨシノの花も老けてくると花の付け根が赤くなりますが、これは花が散るために枝と切り離しの状態に入ると、花の付け根に天然色素アントシアニンが蓄積するためといわれています。
さて、この桜並木も昨日は強い北風が吹き、樹の下には落下した花びらが絨毯のように敷き詰められていました。

充分に桜を見過ぎた今年、季語「花過ぎ」「花疲れ」がぴったりの季節となりました。
花過ぎて素貌にもどる吉野山 角川春樹
花過ぎの三日目の雨いさぎよし 能村登四郎
大鏡ありたじたじと花疲 赤松ケイ子
花疲れこの世に疲れたるごとし 大串 章
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