顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

方杖(頬杖)支柱

2017年03月29日 | 水戸の観光


老木の多い偕楽園や弘道館の梅林では、倒れるのを防ぐ支柱頼りの梅の木が数多く見かけられます。
このあたかも老木が頬杖しているような支柱を、造園業界用語で方杖(頬杖)支柱といいます。木を支えていた芯の部分が枯死して、我が身を支え切れなくなった幹や枝を支える丸太で、樹木をもたせかけます。

T字型で脚が1本の撞木(鐘などを打つT字の棒)形と、支柱を二脚鳥居形に組んだ鳥居形があります。

まるで樹木が頬杖しているように見えますが、梅にとってはそんな呑気な姿ではありません。芯の部分が空洞になり、栄養分を運ぶ樹皮だけが残り、木全体が捻れて支柱に完全に寄りかかり、それでも命がけの花を咲かせています。

樹皮のみとなりし幹より梅の花  ほりもとちか
白梅の古木一徹幹の瘤  川岡末好
方杖に全身委ね梅盛る  顎髭仙人

間もなく42日間の梅まつりも終了します。あとは6月中旬の梅の実の収穫、去年は散々でしたが今年はどうでしょうか、受粉時期の気温、風などが影響するようですが…。
さぁ、花の主役が交代…桜前線が近づいてきます。

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