いろいろありましたが、開催された東京オリンピック2020がいま熱戦たけなわです。
先日の新聞で浅田次郎氏の論理的な五輪無観客肯定論を読むと、単純な構造の頭脳ではこの時期に開催することの疑問も霧散し、一生懸命プレーしている選手をTVの前で夢中で応援している単なる日本人になっていました。
コロナ状況下での今回の五輪は、よく100年前のアントワープ五輪(1920)に似た状況だといわれています。当時スペイン風邪は収束に向かっており、開催地ベルギーの感染はそれほどひどくなかったようですが、第一次大戦からの復興もままならず盛り上がりに欠け惨憺たる状況だったようです。それでもクーベルタン男爵の強い意志で、「平和と復興の祭典」として開催されました。
しかしそれから1世紀、いまや五輪そのものが商業化され、テレビ放映権などを伴う巨大ビジネスになっており、多分中止という選択肢はないのかもしれません。バッハ会長は「東京大会がパンデミックのなかの明るい兆しになる」という言葉を残していますが…。
今まで夏季五輪に影響を与えた出来事を列挙してみると、戦争で中止になった大会などいろいろあるので、決して今回が特別だったわけではありません。
第6回 1916 ベルリン(ドイツ) 第一次大戦で中止
第7回 1920 アントワープ(ベルギー) 4500万人もの死者が出たスペイン風邪
第12回 1940 東京(日本) 東京からヘルシンキに変更になるも第二次大戦で中止
第13回 1944 ロンドン(英国) 第二次大戦で中止
第14回 1944 ロンドン(英国) 日本とドイツは招待されず
第20回 1972 ミュンヘン(西独) ゲリラによる選手団襲撃、17人犠牲
第22回 1980 モスクワ(ソ連) 日米や西側諸国がボイコット
ところで、英国では一日の感染者が3万人もいるのに、マスク着用やソーシャルディスタンスの義務や、集会、イベント、飲食店などの自粛などを解除されたとのニュース…、ワクチンの効果で死亡率や入院患者数が激減したからということです。多分、恐れるに足らず、インフルエンザの一種に過ぎないとの認識に至ったのでしょうか。
ジョンソン首相は、「われわれはウイルスと共存することを学び始めている、今後は法律による強制より、確かな情報に基づく個人の判断が重要である」と話しています。
日本でも秋の終わりくらいには、ワクチンの接種も希望者には行き渡り、同じような心境になっているかもしれません。仙人も間もなくファイザー製の二回目を接種いたします。
先のことは分かりませんが、まだまだ収束には程遠く、暑さも続きますのでどうぞ体調には充分お気をつけください。