顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸の梅まつり2018開幕

2018年02月22日 | 水戸の観光
2月17日から始まった梅まつり、今年は寒さでここ数年に比べ約1週間以上開花が遅れていますが、偕楽園では少しずつ開花の梅も増えてきて、現在約3000本のうち約15%の梅が花を開きました。

まず表門入り口の「緋の司」、梅の分類の仕方はいろいろありますが、手元の図鑑では李系紅材性とあり、材の色が紅色の幹です。ここから始まる陰の世界には似合わぬ濃紅色の花が、華やかに出迎えてくれます。

「満月」は名前の通りまん丸いイメージの花、野梅性なので良果が結実します。明治時代の月の名がつく三銘花は、この「満月」と「田毎の月」「滄溟の月」で、どれも偕楽園にあります。

「実生野梅」は、種子を蒔いて出て来る原種に近い梅です。梅の種子を蒔くと親とは違う花の梅が出てきて、いわゆる先祖返りで原種に近くなると聞きました。その苗木は確実に固定の品種を増やす接ぎ木用の台木として使用されます。

早咲きの白梅の代表、「冬至梅」は旧暦の冬至の頃に咲くので付いた名前です。野梅性で結実品種、正月用の盆栽によく使われます。

「月宮殿」とは月を神格化したインド神話の神様の宮殿のこととか、野梅性の大輪です。 しっかりと雌蕊が見えていますが、あまり結実はしないようです。

「水心鏡」は江戸時代から続く古い品種で明治時代の梅花集にも載っており、その原木は千葉大の梅林にあるそうです。野梅性で繊細な花弁の八重咲き、結実する梅です。

東門を入って右手3本目の「梓弓」という品種は、園内の成木ではここにある一本だけだと思います。背の高い枝を空に広げていますが、樹元を見ると幹は空洞化しており、その生命力にびっくりします。
偕楽園では、これから中咲き、遅咲きも咲き始め、園内100種類の梅が約40日間の饗宴を彩ります。