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顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

遺跡でブラタモリin水戸展(水戸市埋蔵文化財センター)

2017年11月08日 | 歴史散歩

今年1月に放送されたNHKのブラタモリ水戸は、「水戸黄門はなぜ人気があった?」という題で、タモリ一行が歩いた現場は全て遺跡だったことに注目し、遺跡という切り口から水戸市内の考古学調査の成果を展示しています。

古代遺跡のイメージの建物ですが、今回は特にブラタモリで紹介された近世(江戸時代)のものを、従来の展示に加えて紹介しています。御三家のお膝元水戸では、近世の遺物が数多く出土され256年の人々の生活を伝えています。

入ってすぐのフロアには、水戸城址で出土した屋根瓦と、偕楽園下にあった藩の御用窯七面焼の陶片が積まれています。

水戸城の二の丸から発見された埋納銭は、江戸氏の時代に工事の安全を祈って埋められたものです。

大日本史編纂の彰考館跡の出土品では陶磁器類の質、量が豊富なので、館内で饗宴が行われていた可能性もあるとか、もちろん仕事上の硯もたくさん発見されました。

光圀公が手がけた上水事業、笠原水道の岩樋は、隙間があって周りの湧水を集めながら流れていたという新発見がブラタモリでも紹介されました。

ここは「大串貝塚ふれあい公園」として、縄文や弥生時代の再現住居が並び、ダイダラボウの足跡とされる池の周りには、桜の木が植えられ花の時期にかかわらず市民の憩いの場所になっています。

大串貝塚のあるこの周りは、今から約5000年前の縄文時代前期には海進により全て海でした。奈良時代編纂の常陸風土記にも記載され、文献に記録された貝塚では世界最古だそうです。斜面一帯はヤマトシジミを主体にマガキ、ハマグリなどが層になって積み重なっています。

常陸風土記の伝説の巨人、ダイダラボウの像は15m20cmで奈良の大仏より20cm高いと出ているホームページがありました。比較するのに無理があるように思いますが…。

なお、この企画展は平成30年2月25日(日)まで開催しています。