
シュウカイドウ(秋海棠)は、春に咲く海棠に似た花を秋に咲かせていることから、名がつきましたが、色はよく似ている反面、木に咲く海棠の花は牡丹桜のようです。江戸時代に中国から渡来、ベゴニアの仲間、手間がかからずいくらでも増えるので園芸流通はしていません。

モミジアオイ(紅葉葵)は、アオイ科の宿根草で葉がモミジに似ているので名前が付きました。大きく裂けた5弁の花を次々と咲かせますが、儚い一日花です。

フロックスの仲間は67種もあり、色や姿の違う多くの品種が知られており、春の芝桜もその一種です。別名オイランソウ(花魁草)、幼少の頃は長い花柄を鼻に付けて遊び、天狗花と呼んでいました。

ヒヨドリの鳴く頃に咲くから、ヒヨドリソウ(鵯草)ですが、ピーヨピーヨと甲高い鳴き声は、一年中聞こえる気がします。

ガガイモはツル性の多年草、神代の時代から日本に存在する花として知られ、古事記や日本書紀にも古名の羅摩(カガミ)の名で出ているそうです。名の由来は、古名のカガミはしゃがむという意味で、かがむような低い所にあるところからカガミイモがガガイモになったと言う説などいろいろあります。

道端のこの植物は、てっきりハマウド(浜独活)と思っていましたが、アシタバ(明日葉)の特徴に似ているところもあり断定できなくなってしまいました。アシタバは三宅島で50年前に食べたのが最初、園芸店でも苗を売っており増えて自生することもあるので可能性は大ですが…?

キツネノカミソリ(狐の剃刀)はヒガンバナ科の球根植物、彼岸花よりひと足早くお盆頃の開花ですが、今年の夏は遅れて咲いています。花が咲く頃は枯れて消えてしまう葉の形がカミソリに似ていて、また彼岸花や夏水仙のように、何もないところに急に出てきて咲くので、狐につままれたと名付けたのでしょうか。

野菊といえば秋、これはシラヤマギク(白山菊)でしょうか、似ているシロヨメナ(白嫁菜)との違いがよく分かりません。どこにでもある種ですがその交雑種も加わり、余計に区別が難しくなっているようです。

さて、花と植物に詳しい「庭の花たちと野の花散策記」ブログの雑草さんから、区別が難しい野菊のなかでも、シラヤマギクは下部の葉柄に翼があるからわかりやすいとのご指摘と写真を見せていただき、散歩道で確認しましたところシラヤマギクと断定できました。ありがとうございました。
病める手の爪美しや秋海棠 杉田久女
中庭に雨を集めて秋海棠 山口青邨