写真の不気味なインベーダーのような実は、コセンダングサというキク科の帰化植物のタネです。草むらに入るとズボンや犬の毛に付いてなかなか取れません。
子孫を残すために、種子を飛ばす植物の仕掛けは、風に乗って(風散布)、弾けて飛ばす(自動散布)、水で運ばれる(水散布)、動物が運ぶ(動物散布)とありますが、食べられて糞としての他に、人間や動物にくっついて運んでもらうとはしぶといものです。
このセンダングサは種子ばかりでなく若い実もよく引っ付きます。このような植物を「引っ付き虫」というようです。マジックテープ発案の元になったというオナモミなどいろいろあり、相手の背中などに投げあって遊んだのを思い出します。
似ている同じ仲間がタウコギ(田五加木)、シラミクサ(虱草)という名で、秋の季語として出てきます。
溝川に田五加木の花暮れにけり 麦人
虱草さわぐ女に附きやすし 入江伸以知