上海で日本語を話している中国の若者達

中国人に囲まれて日本語で通していく日常の出来事を書き綴っています。

中国社会モラルの再教育課題としての、捨てられた紅衛兵世代

2014年07月24日 | 日記

昨日、炎天下を愛車で3時間も走った(電動バイクの無充電限界航続距離に挑戦してみました)ので日焼けで頬っぺたが痛いです。

さて、先日の都民の会で、文化大革命当時、学校が10年以上も閉鎖されていた事をご存じない方(中国永住中のN会長ですが)が居り、色々と考えている折にこの事件。
今回の腐肉騒動が炙り出した社会背景について考えてみました。

やはり最大の問題は、一企業の事件から端を発した食の安全問題だけでなく、社会全体のモラルの低さだと思います。
では、その原因はどこにあるのでしょうか?
自己利益の優先の為には社会秩序の破壊も厭わず、自ら怠け欲望を実現する事が労働だと都合良く解釈して、自省、自己批判という言葉ごと嫌悪する、現在の中国社会を形作っている中核こそは、40代後半から60歳前後に位置する元紅衛兵世代であり、彼等の再教育こそが中国社会モラルの再教育課題といえます。
政府国務院・そしてその指揮下の社会教育機関は社会人教育に多くの力を振り向けていますが、人口の1割以上、現在の日本の人口より多数の人々を、その「面子」を立てつつ再教育するのは並大抵の事ではありません。
文化大革命の終結時、必要最低限の教育を受ける事も無く、当時の新国家体制から捨て去られた紅衛兵世代は、いまもすぐ傍に普通の庶民として居るのです。
さらに今現在も尚、彼らは孫の養育という形で、低モラル層を再生産しているのです。
文化大革命の残した醜い傷跡は、今尚中国社会に滓の様に最底辺に澱み、中国社会全体を腐敗させているのです。
中国の市民全体がこの事実に正しく向き合う事が出来て、初めて中国は欧米日本と同水準の市民生活を営む正常な社会となり得るのではないかと私は考えます。

また、本来は外国人が口出しする事ではありませんが、今回の一件、腐肉を廻された日本社会は、大きな声をあげるべきでしょう。
何といっても、普段は温厚でも食べ物の事だけは怒るのが日本人、というのが世界の常識ですから。