上海で日本語を話している中国の若者達

中国人に囲まれて日本語で通していく日常の出来事を書き綴っています。

非公開美術館

2010年06月28日 | 日記
かなり強い雨の降る梅雨日だというのに黒革の上下にライディングブーツ、フルフェイスのヘルメットという、サウナスーツ姿で出社している上海の月曜日です。

先週金曜日も大雨でしたが、上海某所で行なわれた老総職会に、応老師の代理で参加してきました。
会議の参加者は、在上海IT企業の中国側代表者と党組織の関係者。
またもや外国人は私だけで、会議は半分上海語で行なわれました。

15時の会議にやや早く着くと、本来私は参加の予定が無かった「芸術鑑賞」に偶然合流させて頂く事になりました。
丁度地下鉄の死角になる上海市中心のやや南に位置する小区の中央にひっそりと、しかし何ともいえない威圧感を持って佇む6階建ての会場となった施設の1~2階に、その「美術館」はあります。

施設内に所狭しと収蔵された書画、仏像、彫刻。
特に家具調度品は、水晶・玉石・象牙で作られ、どれも清朝以前の趣のあるものばかりでした。
また、絵画・彫像は前世紀初頭の洋風作品が多く、現代のものも混じる中、租界時代を忍ばせています。
その全てには、収蔵番号があまりセンスの無い貼り方でシール貼りされており、施設内の其処個々の天井から監視カメラが下がっています。
所々壁に掛かる故レーガン大統領などの海外要人や責任者の党幹部の記念写真が、この施設が長期間に亘って特別な存在であり続けてきた事を暗に主張しています。

そう、ここは上海開放時に党の手によって「保護」された芸術品の研究施設兼保管庫なのでしょう。
この施設に収容保管される事で、文革の破壊を免れた仏像や芸術品が広く人目に触れる事が無いのは残念でなりません。

ただ、休日の間何故かずっと「RYAKUDATUーBIJYUTUKAN」というフレーズが脳裏から離れませんでした。
私が当初予定していた見学者から外されていた意味を、色々と考えていたからでしょうか。

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